【原因と対策 概要】
PCなどで画像を見て縦(縦長の画像)なのにブログに投稿すると横(横長)になってしまうというのは、本来は横なのにPCのビューワ(画像表示ソフト)がそう見せてくれているにすぎない。
これを解消するには、投稿前に縦に直してからアップロードする。
まずは例を見てみます。
図-1
この画像は、吉田建工株式会社様のブログの一つから、許可を得て掲載しています。この記事で使わせていただいた画像もご協力いただいています。ありがとうございました。
スマホやタブレット端末、(最近の)デジカメ(→これらのデジタル撮影機器を、これ以降、単に「カメラ」と表記)で撮影した画像で、ブログに直接掲載すると、端末の画面では縦になっていたものが、ブログでは横になってしまうということがたびたびあるようです。
これは、実は、ブログに掲載すると横に倒れてしまうのではなく、本来は横向きの画像なのに、“縦向きに撮影した”というデータを画像に持っているため、タブレット端末やWindows8(8.1)などの画面上では縦にして見せてくれているだけなのです。このデータを「Exif(イグジフ)データ」などと呼びます。
一般的にカメラで撮影された画像データはjpeg(またはjpg/ジェイペグ/Joint Photographic Experts Group=この規格を作った団体名が形式名になっている)という形式になっています。これに撮影情報(日付やカメラの機種、露出、絞り、等)が付加されていますが、この情報の形式は「Exif(イグジフ/Exchangeable Image File)形式」という規格に統一されています。
最近のカメラはカメラの向きを感知するセンサーが付いていて、縦長の画像を撮りたくてカメラを時計回りに90度傾けて撮った場合、「向き」=例えば「(右回りに)90度回転して撮影した」というような情報が画像に書き込まれます。
これも具体的に見てみます。
■Picasaを使用して
図-2
PicasaはGoogleの提供する無料の画像管理ソフトで、簡単なレタッチや各種エフェクト(効果)をつけられるので利用していますが、図-2のようにExif情報を見ることができます。これを見ると、「方向 90度回転」と表示されています。(Picasaのエフェクト機能については、『【Picasa 3.9】無料のレタッチソフトで画像に効果を与える』で記事にしてあります。)
■Firefoxブラウザのアドオン(Exif Viewer)を使用して
図-3
ここでも「画像方向 90度回転」と表示されています。
アドオン(Add-on)とは「追加する(した)機能」という意味で、ここではブラウザ(Firefox)に追加した拡張機能です。このアドオンは「Exif Viewer」というもので、http://araskin.webs.com/exif/exif.htmlからダウンロードしてFirefoxに追加することができます。
このアプリをインストールすると、画像の上で右クリックしたときに表示されるメニューに、「画像のExifデータを表示」という項目(図-4)が加わり、それを選択すると、図-3のようなウィンドウが表示されます。なお、図-3を見ると分かりますが、「ローカルファイル」という項目があるので、ブラウザ上で表示している画像だけでなく、自分のPC(=ローカル)にある画像も指定することができます。
図-4
多分、“ブログに掲載した縦向きの画像が横になってしまう”という問題は、特にWindows8になってから経験した方も多いと思います。(ブログ主はメールに添付された画像をフォルダに保存して見ると、自動的に縦に回転してくれるので気づきました。)
カメラで撮影した画像をPCに取り込んだ場合、どこかのフォルダ、例えば「ピクチャ」というフォルダ(※1)に入れることになりますが、Exifの撮影情報を読み込んで自動回転して表示するという機能はWindow8から追加された機能だからです。(→マイナビニュース『OSの使い勝手を左右し、重要な存在となる"エクスプローラー"改良ポイント - Windows 8レポート』)
しかし、この情報を読み取って自動的に回転させてくれないWindows7以前のフォルダ(※2)やブログでは、“元の横向きの画像”のまま表示されてしまうわけです。
※1、※2:「フォルダ」と書いていますが、正確には「エクスプローラー」というアプリ(左のアイコン)でPC内のフォルダを閲覧しています。上の記事はWindows8以降のエクスプローラーが自動回転して表示するようになったと書いています。
試しに、図-2に表示されている画像をココログのウェブページにアップしてみると、既に編集画面で横向きになります。
図-5
ここまでお読みになって、Exif情報、特に「画像の方向」が縦を“正位置”として保存し直すツールが必要だということはおわかりになると思います。これは通常、そのような機能がある画像編集アプリで行います。
現代では、使っている端末(PC、スマホ、タブレット)だけでなく、OSも様々で、例えば、タブレット端末だけでもiPad(アイパッド)、Android(アンドロイド)、Windows(ウィンドウズ)のタブレットがあります。 そこにインストールされている、あるいはインストールできるアプリも異なるので、自分の環境に合った方法を見つけるしかありません。
残念ながらブログ主はタブレット端末を所有していないので、以下、Windows8.1の環境で、Exif情報が付加されている画像を使って検証し、外部の『タブレットで納得のいく写真に仕上げよう!』という画像アプリを紹介する記事だけご紹介しておきます。(これらのアプリでExif情報の書き換えができるかどうかは分かりません。また2013年10月22日の記事なので、今では他にも良いアプリがあるかと思います。)
あと、ブログに掲載したときに横に倒れたり倒れなかったりする、というのは、センサーが誤操作?しているのかも知れません。実際にきっちり90度傾けて撮影するとは思えないので、許容範囲みたいなのがありそうです。
いずれにしても、Exif情報を自分で確認するのが最も正確ですね。
先にアプリ毎のテスト結果をまとめておきます。(○は成功、×は不成功、×?の理由は後述)
- ペイント(Windows PCに入っているソフト) ・・・○
- Adobe Photoshop Elements 11(有料) ・・・○
- Picasa(無料) ・・・○
- Jtrim(無料) ・・・○
- Microsoft フォトギャラリー(無料) ・・・×?
- Windowsの機能で画像のプロパティを削除/回転 ・・・×
基本的には、画像ソフトに読み込んで、そのまま保存するだけです。読み込んだ際はExif情報に基づいて縦向きになっていますが、保存した画像のExif情報は書き換わっています。
【説明】
■ペイント
これは、Windows パソコンの黎明期からアクセサリとしてインストールされているアプリです。(図-6)これを使うと、縦向きのままExif情報を書き換えてくれます。
下はペイントの操作方法なので、ご存じの方は読み飛ばして下さい。
図-6
フォルダから画像を開くときに、直接ペイントを指定することもできます。(図-7)
図-7
画像の上で右クリックして表示されるメニューから「プログラムから開く」を選択すると、画像を扱えるアプリの一覧が表示されるので、「ペイント」を選択します。
なお、「規定のプログラムの選択」を選択すると、JPGファイルと紐付けるアプリが選択でき(図-8)、次回から画像をダブルクリックするだけで、毎回そのアプリで開くことができます。
図-8
ペイントで画像を開いたあとは、メニューから「名前をつけて保存」→「JPEG画像」で保存します。
ちなみに下はペイントでなにも編集せず、単に別名(exif_paint.jpg)を付けて保存した画像をPicasaで見たところです。Exif情報が「方向 ノーマル」となっており(図-9)、更に下の方を見ると、サムネイルも縦になっています。(図-10)
図-9
図-10
図-10は図-2の画像(元画像=exif_org.jpg)のサムネイル部分を合成したのですが、Picasa上で縦になっていても、本来は横向きだというのが分かります。
操作方法の違いなので、詳細は省きますが、「Adobe Photoshop Elements 11」(※)や「Picasa」も同様の処理をしてくれます。
※Photoshop Elements公式サイトでは、「EXIF データは、撮影したJPEG形式自体に保存され、また Photoshop Elements で上書き保存してもデータは消去されません。」と記載されているように「画像の方向」以外の撮影データは保持されます。
http://helpx.adobe.com/jp/photoshop-elements/kb/224171.html
■JTrim
これは、無料でダウンロードできるアプリで、例えば下記の場所からダウンロードすることができます。(「窓の社」のJtrimのページ)
http://www.forest.impress.co.jp/library/software/jtrim/
このアプリを使う際は、保存の前に「ファイル」→「保存オプション」で「Exifデータを保持する」のチェックを外しておく必要があります。(図-11)これで保存した画像をPicasaで見ると、図-12のように、画像の向き以外のExif情報も消えているのが分かります。(JTrimは画像を読み込むと縦ではなく、本来の横向きに表示されるので、画像を回転させてから保存します。)
図-11
図-12
■Microsoft フォトギャラリー
MSのアプリで、以前のPicture Managerの後継として、画像や動画ファイル管理の他、簡単なレタッチもできるソフトです。
公式サイトFAQでは、下記のような記述があり、フォトギャラリーを開いてから画像を読み込む場合、“画像の自動回転をオフ”することもできると読み取れますが、オリジナル画像をUSBメモリーに保存して読み込むテストをしてみても、(オフにしてもしなくても)必ず縦向きに表示され、想像しているような結果が得られないので、このアプリの評価は保留とします。
http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows-vista/Windows-Photo-Gallery-frequently-asked-questions
「保存した画像が回転してしまいます。回転しないようにできますか?」
写真を縦に撮ったか、横に撮ったかを (通常はカメラの向きを感知するセンサを使用して) 検出できるカメラをお使いの場合、JPEG 画像を保存するとコンピュータで自動的に回転して、向きを修正できます。このオプションを使用する場合、横向きに表示される画像を手動で回転する必要はなく、画像の品質にも影響を及ぼしません。
■Windowsの機能で画像のプロパティを削除/回転
これは、Exif情報も一部削除してくれるのですが、試したところ、画像の向きは削除できませんでした。ただ、情報として提示しておきます。
図-13
これは、Windows のフォルダで、画像の上で右クリックして表示されるメニューから「プロパティ」を選択して、「このファイルから次のプロパティを削除」を選択(図-14)すると、Exif情報も一部消せるようだったので試してみたものです。(画像は、Picasaの画像と合成してあります。)
図-14
Exif情報の一部も削除できますが、主目的ではないようです。
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