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【加計学園問題】「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限る」→「1校限り」補足資料

この記事はカテゴリ『【政治】 加計学園問題に見るマスコミの捏造』の記事のサブページです。

この記事は日付を持たず、ブログからは独立したページなので、ブログ記事からリンクされた場合はブラウザの戻るボタンで戻って下さい。

 

民進党宮崎岳志議員による質問と答弁

これは衆議院の、第193回国会 質問の一覧で見ることができ、番号387号に、

獣医学部の新設を「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限る」とした要件が、本当に日本獣医師会の意見に配慮して決定されたものなのかどうかに関する質問

正式な主意書は上の一覧にリンクが貼られているURL、

で、閲覧できます。(平成二十九年六月八日提出/提出者 宮崎岳志)

それに対する答弁は、(まだHTML化されておらず、)PDFでのみ閲覧できます。

読みにくいので、回答部分のみコピペし、箇条書きにすると、


お尋ねについては、山本内閣府特命担当大臣(地方創生)による、

  • 平成二十九年四月十二日衆議院地方創生に関する特別委員会における
    (2016年)九月七日に、日本獣医師会の酒井副会長、北村顧問が私のところに来られまして、獣医師会の考え方を述べられまして、私も、私どもの概略の考え方も申し上げました。」及び
     
  • 「獣医師会は獣医学部の新設には反対である、そういうお話を強くしておられました。・・・そういうのを踏まえまして、最終的に私が、これはもう地域で限定してまずやるということから始めた方がよかろうという決断をしたわけであります。」との各答弁、
  • 同月二十一日同委員会における「地域を限るという決断は、昨年九月七日の獣医師会との会談だけではなくて、以前から一貫して獣医師会は慎重な立場であることなどを踏まえて、私の責任において行ったものでございます。」との答弁
     
  • 並びに同年五月十五日参議院行政監視委員会における「全体の獣医師の需給やあるいは獣医師会等からの慎重な議論も踏まえて、最終的には私の判断で、昨年十一月の特区諮問会議で広域的に獣医学部がない地域に限ることといたしましたし、さらに、今年一月の一校に限る制度改正となったわけであります。」

との答弁のとおりである。

と、山本大臣自らの発言の場は様々ですが、2016年9月7日に日本獣医師会の酒井副会長と北村顧問が談判に来た、ということのようです。

 


「平成二十七年内閣府・文部科学省告示第一号」を読み解く

 

文部科学省関係国家戦略特別区域法第二十六条に規定する政令等規制事業に係る告示の特例に関する措置を定める件(平成二十七年内閣府・文部科学省告示第一号)
一部改正平成二九年一月四日内閣府・文部科学省告示第一号

国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第二十六条の規定に基づき、文部科学省関係国家戦略特別区域法第二十六条に規定する政令等規制事業に係る告示の特例に関する措置を定める件を次のように定める。

文部科学省関係国家戦略特別区域法第二十六条に規定する政令等規制事業に係る告示の特例に関する措置を定める件

(1.は医学部新設についてなので省略)

2.法第七条の国家戦略特別区域会議が、法第八条第二項第二号に規定する特定事業として、平成三十年度に開設する獣医師の養成に係る大学の設置(法第二条第一項に規定する国家戦略特別区域における獣医師の養成に係る大学の設置をいい、「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」(平成二十八年十一月九日国家戦略特別区域諮問会議決定)に従い、一校に限り学校教育法第四条第一項の認可を申請されるものに限る。)を定めた区域計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該大学の設置に係る同項の認可の申請の審査に関しては、大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準第一条第四号の規定は、適用しない。

 

【説明】

1.紫の部分の「国家戦略特別区域法第二十六条」とは、特区に指定されたら規制を外すということ。

●国家戦略特別区域法(平成二十五年十二月十三日法律第百七号)

(政令等で規定された規制の特例措置)

第二十六条  国家戦略特別区域会議が、第八条第二項第二号に規定する特定事業として、政令等規制事業(政令又は主務省令により規定された規制に係る事業をいう。以下この条及び別表の十四の項において同じ。)を定めた区域計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該政令等規制事業については、政令により規定された規制に係るものにあっては政令で、主務省令により規定された規制に係るものにあっては内閣府令・主務省令で、それぞれ定めるところにより、規制の特例措置を適用する。

別表

十四 政令等規制事業で第二十六条の規定による政令又は内閣府令・主務省令で定めるもの 第二十六条

 

2.告示は長々と書いてあるが、後述する赤字と青字の部分は括弧の中に入っているので、骨子としては、太字の部分、即ち、

平成三十年度に開設する獣医師の養成に係る大学の設置を定めた区域計画について、大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準第一条第四号の規定は、適用しない。

ということになる。

実は、この告示はこの一つ前の「(案)」を読んでみると、括弧の中がもう少し理解しやすい。(上に挙げた資料の9番)

 

文部科学省関係国家戦略特別区域法第26条に規定する政令等規制事業に係る告示の特例に関する措置を定める件(平成27年内閣府・文部科学省告示第1号)の一部を改正する件(案)の概要

1.趣旨

「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」(平成28年11月9日国家戦略特別区域諮問会議決定)に従い、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的な需要に対応するため、広域的に獣医師を養成する大学の存在しない地域に限り、獣医学部の設置を可能とするための特例を設ける。

2.内容

上記趣旨を満たす平成30年度に開設する獣医学部の設置を定めた国家戦略特別区域計画について内閣総理大臣の認定を受けたときには、当該獣医学部の設置認可申請の審査については、大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準(平成15年文部科学省告示第45号)第1条第4号の規定は、適用しないこととする。

 

上に引用した告示(案)の「2. 内容」を読むと、この告示の骨子が書いてあり、「上記趣旨を満たす」=「1.趣旨」が括弧の中身である。

 

括弧の中を見ていくと、

3.赤字の部分は2016年11月9日の国家戦略特別区域諮問会議での決定、なので、

○ 先端ライフサイエンス研究や地域における感染症対策など、新たなニーズに対応する獣医学部の設置・ 人獣共通感染症を始め、家畜・食料等を通じた感染症の発生が国 際的に拡大する中、創薬プロセスにおける多様な実験動物を用いた先端ライフサイエンス研究の推進や、地域での感染症に係る水際対策など、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するため、現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするための関係制度の改正を、直ちに行う

という決定。

 

4.青字に関しては、上記に従い、「一校に限り」という意味。

ということで、「現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り」とほぼ同義と思われる。→【訂正】WG委員の原氏、竹中氏等がメディアで「広域的~」を入れた時点では、新潟や京都を除外したわけではないという発言をしている。(「広域」というのはせいぜい地方自治体レベルというのが元官僚の高橋洋一氏も説明している。)、これでは2校3校目が作られてしまうと、更に獣医師会からの圧力があったと上記「●資料 13番」からも想像できる。)

そして、括弧全体は平成三十年度に開設する大学の説明(決定された経緯)に過ぎないと考えられる。

 

5.の「大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準第一条第四号」とは、

 

大学、大学院、短期大学及び高等専門学校は、これこれこういう規準で認可する(一~三号)の次に、

四 歯科医師、獣医師及び船舶職員の養成に係る大学等の設置若しくは収容定員増又は医師の養成に係る大学等の設置でないこと。

と、歯科医師、獣医師及び船舶職員の養成に係る大学はその規準の例外ですよ=許可しない=と言っている。

 

ということで、告示の2項全体は、

平成三十年度に開設する獣医師の養成に係る大学の設置=今治市に新設される獣医学部は「大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準」第一条第四号の規定には縛られない=作ってもいい

ということを言っているにすぎない。

 

くどくどと説明したのですが、この公示って、結構巧妙な文章で、「一校限り」というのは公示の“地”の文ではなく、括弧の中に押し込められています。つまり、「一校限り」と公示で限定しているわけではなく、「今治に新設される獣医学部」を説明しているに過ぎないのではないかと言うことです。

従って、この「一校限り」の文言が第二、第三の獣医学部の新設を認める特区を阻む効力はないのでは?と考えています。

 

 

 


 

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