前回解説したように、ブログへの訪問者がSSLに対応した検索サイト(サーチエンジン)を使うことが多くなり、ブログにキーワードを渡してくれなくなりました。(正確には、暗号化されているためにキーワードが見えなくなりました。)
そこで、それを補うものの一つして、使ってみる価値があるのは、「Googeウェブマスターツール」(現在はSearch Consoleという名称)や「Bing webマスター」です。
(これらは、自分のブログを登録する必要があるのですが、その方法はここでは省略します。)
Googeウェブマスターツール(Search Console)とは?
この2つの分析ツールはよく似ているので、主にGoogeウェブマスターツールの検索キーワード分析について説明します。
(図-1)
検索トラフィック→検索アナリティクスと開いていくと、クリック数のリストが表示されます。期間はデフォルトでは過去28日間ですが、適宜変更できます。(但し過去90日くらいまで)
このツールは、実はブログなどのアクセス解析ツールとは切り口が異なることに注意して下さい。
ブログのアクセス解析ツールやGoogle Analysticsではあくまでもそのブログにアクセスしたログからの分析
ですが、
ウェブマスターツールは、そのブログが“検索結果に表示”されたという情報から分析
するものです。
つまり、集計のタイミングとデータそのものが異なるのです。
“検索結果に表示”とは、Googleであるキーワードを入力して検索したとき、その結果に自分のブログ記事が表示された回数です。
そのページの下の方に表示されているが、画面をスクロールしないと検索者の画面に表示されない、という場合でも“表示された”という扱いになります。
上の図ではたまたま、2017年1月14日をポイントしていますが、2709回表示(水色)された内、実際にクリック=訪問されたのは120回(赤)ということです。
当然ですが、ブログに訪れた人が、サイト内で移動して他のページを見てくれた、というものはここには含まれません。
「CTR」というのはクリック率(Click Through Rate/クリックスルー・レート)で、クリックされる確率、つまり120÷2709の計算結果です。
「掲載順位」は検索結果に表示される順位の平均です。
グラフの下には検索キーワードがクリック数の多い順に表示されます。これはデフォルトなので、並び替えは可能です。(但し、全キーワードが表示されるわけではありません。→『Googleウェブマスターツールのリストに表示されないキーワードもある』参照)
下のExcel(図-2)は、上のリストをExcel形式でダウンロードしたリストの最後の方ですが、表示はされましたが、アクセスはされなかったものが並んでいます。ユーザが記事のタイトルや要約を見て、求めている情報とは異なると判断したのかも知れません。
(図-2)
これで、自分のブログがどんなキーワードで検索されている(検索結果に表示される)のかが分かります。
検索アナリティクスレポートの見方(公式ヘルプ)
なお、上で見た機能の他、自分のブログやサイトを登録することで、インデックス状況(Googleの検索対象になっているか)をチェックしたり、インデックスを促したり、また、逆に特定のページなどを検索されないようにインデックスから外すリクエストをする機能もあります。
ページ毎にどんなキーワードで検索されているのか見てみよう
ブログ主がおすすめするのは、キーワード(クエリ)毎に見るのではなく、記事(URL)毎の分析です。
下図-3のように「ページ」に切り替えると、検索の多い順に記事がリストされます。
(図-3)
URLの上でクリックすると、そのページだけに絞り込むことができ、例えば1番上の記事で絞り込んだ後「クエリ」に切り替えると下図のように表示されます。
(図-4)
ここで分かるのは、その記事がどんなキーワードで表示され、どれくらいの確率でクリックされるのか、そのキーワードでの検索順位はどのくらいか、といったことです。
表示されているのに掲載順位が低い、あるいはクリック率が低い検索キーワードがある場合、そのキーワードに関係する情報を増やしてコンテンツ(記事の内容)を充実させる、といった対応策のヒントになります。
但し、順位を上げようとキーワードの乱用を行うことは『品質に関するガイドライン』に違反する行為で、むしろ、サイトの掲載順位を低下させる原因となります。(→『キーワードの乱用』)
Googleウェブマスターツールのリストに表示されないキーワードもある
GoogeウェブマスターツールはGoogle Analystics(※)と連携させることができ、Google Analysticsの「Search Consoleレポート」で見ることができます。
※Google Analysticsとは、登録して得た“アクセス解析タグ”をブログ(ココログ)のヘッダー(ブログの「サブタイトル」欄)にコピペして埋め込むことにより、アクセス解析をできるというもので、データ収集の方法はココログのアクセス解析と全く同じです。ココログのアクセス解析以上の詳しい解析ができる、というものです。
Google Analysticsで見ると、キーワードが「(not set)」となっているものが多くあります。
(図-5)
下は上の図-5の青い四角の部分だけ抜粋したものです。
(図-6)
表示回数:22,191、クリック数:1,984は図-4と一致するので、Googeウェブマスターツール(Search Console)と一致しています。
が、その大半は検索キーワード「(not set)」と表示されています。
「(not set)」の説明はこのページ内に書かれていますが、
“ユーザーのプライバシーを守るため、数が極めて少ないクエリや、個人情報やデリケートな情報を含むクエリのデータは、「(not set)」にまとめられます。”
とのことです。(→Search Consoleレポート ヘルプ)
この説明から「not set」と「not provided」との違いは、提供されないために表示できない(=not provided)のではなく、Google側が意図して表示しない場合に「not set」と表示するようです。
ココログの「入り口回数ランキング」は?
ココログにも似たような機能はあります。「入り口回数ランキング」です。但し、前述のようにアクセスされたもののみです。そして、その「過去の足あと」をクリックすると、アクセスログが見られるわけですが、前回見てきたように、検索キーワードはほとんどココログには渡されないので、“not provided”が並びます。
(図-5)
ただ、このリストは「平均滞在時間」や「直帰率」(直帰率が低ければ、自分のブログにとどまって他のページも見てくれているとこを示す。)などがシンプルに表示されるので有益な情報だと思います。
最後にBingの分析ツールを簡単にご紹介します。
Bing webマスターの「キーワード検索」
下の画像は、Bing、つまりMicrosoftのサーチエンジンからの流入を分析した画面です。
(図-6)
色が薄くて見にくいのですが、見出しには「クリック数」、「表示回数」、「クリックスルー率」、「クリック数平均順位」、「表示回数平均順位」という単語が並んでいて、表示回数順にリストされています。
「クリックスルー率」はCTR(クリック率)のことです。
数字の右側の矢印は、多分、指定した期間の前の期間、ここでは2017年1月1日~31日という31日間を指定しているので、その前の31日間(つまり12月ですが、「前月」というわけではありません。)との比較をしているのだと思います。
なお、“次からのトラフィックデータの組み合わせ”という文言と共にBingのロゴ、Yahooのロゴが並んでいますが、日本語が変なこともあって分かりにくいですね。
Bingはヘルプの日本語化が遅れているので、かえってそれが幸いしましたのですが、ヘルプを見るとこのように書いてあります。
Combined Data from Bing & Yahoo
Whenever you see the Bing and Yahoo! icons in the upper corner, the data reflects your website’s performance in both the Bing and Yahoo! web search results pages (SERPs).
要するに、“BingとYahoo(の2つのアイコンが表示されている時は)その2つのサーチエンジンからのデータを合わせたもの”と言っているのですが、これはYahoo USAの場合だけじゃないかと思います。(Yahoo JapanはGoogleの検索エンジンを使用して、更に独自のフィルタをかけたものなのですが、米YahooはBingと提携しているので。)
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