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2018/06/16

【書籍】「メディアは死んでいた」(阿部雅美著)読了【北朝鮮拉致】

公開: 2018/06/16 20:25  最終更新: 2018/06/17 9:26(櫻井よしこ氏の書評追加)  

掲題の本、「メディアは死んでいた」(阿部雅美著/産経新聞出版)を読了したので、覚え書きとして記事にしておきます。

この本のことは以前ご紹介した「報道しない自由」が北朝鮮をつけ上がらせた」(iIRONNA)というweb記事で知ったのですが、40年前に各地で発生していたアベック蒸発事件を追って初めて産経新聞(当時はサンケイ新聞)で拉致疑惑を記事にし、その後、横田めぐみさん拉致疑惑を初報した著者が取材の経過やメディアの拉致報道を再検証し、当時の社会情勢、政界の動き、世間の反応などをまとめたものです。(リンク先はブログ記事。web記事のリンクが貼ってあります。)

 

 

 

 

著者は、警視庁を担当していた時にふと耳にした「日本海の方で変なことが起きている」という言葉から、富山(78年8月)、福井県小浜市(78年7月)、鹿児島(78年8月)の3件のアベックが行方不明になった事件(富山は未遂)を地方紙から見つけ出し、点を線にする取材が始まるのですが、取材の過程はまるで刑事ドラマを見ているかのようです。

この、「点を線に」というのは読者も同じで、この本に出てくるエピソード、例えば、原敕晁(はらただあき)さんを拉致した工作員、辛光洙の逮捕、大韓航空機爆破事件で実行犯が日本人により日本人化教育を受けたという告白、横田めぐみさんの実名報道、有本恵子さんの拉致に加担したよど号ハイジャック犯の妻の供述、etc.と大きな動きがある時はメディアも連日報道するので関心を持ちますが、それが過ぎると世間の関心も薄れてしまいました。この本は、その隙間を、報道に現れていないエピソードで埋めてくれるものです。

 

そのエピソードの一つが、タイトルの元になった「梶山答弁」(1988年3月26日)。

政府が初めて北朝鮮の拉致に言及したのに、ほとんどのメディアが黙殺するか、扱っても小さなベタ記事のみでした。

前の記事にも書きましたが、この答弁を引き出したのが共産党の橋本敦参議院議員で、阿部記者のスクープに興味を持って独自に調査を始めた兵本達吉氏は橋下議員の秘書。

後に、拉致被害者の「家族会」が発足しますが、この会の設立は兵本氏、阿部記者、そして朝日放送の石高健次プロデューサーがお膳立てしたとのことです。

 

ここで、なぜ共産党が?と思われるかも知れません。

徐勝(ソ・スン)「英雄」にされた北朝鮮のスパイ―金日成親子の犯罪を隠した日本の妖怪たち』(張明秀著)を読んで、共産党と総連が距離を置いていた時期があると知りましたが、この本では、当時の共産党と朝鮮労働党の関係について、個人崇拝を巡る対立やラングーン爆弾テロを巡る論争があり、83年以降断絶状態が続いていた、という説明があります。

この間、北朝鮮と密接な関係にあったのは田辺・土井体制の社会党です。

しかし、98年以降、関係を修復したらしく、機関誌『赤旗』での拉致に関する論調に変化が現れます。兵本氏が定年間近で党を除名されるのもこの頃です。

 

ところで、たまたま検索したら、言論テレビに兵本達吉氏が出演されている回の動画を見つけました。(会員でなくても視聴可能) 

 

20160318_hyomoto01

 

12分頃から、拉致問題に興味を持った経緯や除名された理由をを語っていらっしゃいます。

 

【言論テレビ】 Vol.96 一般公開 『共産党の微笑作戦に騙されるな』
2016.03.18 50分

https://www.genron.tv/ch/hanada/archives/live?id=274

兵本達吉氏プロフィール
評論家、元日本共産党党員

昭和13(1938)年、奈良市生まれ。京都大学在学中、日本共産党入党。53年、中央委員会勤務員となり、党国会議員秘書に。ロッキード事件やリクルート事件、北朝鮮による日本人拉致事件の真相解明に努めたが、平成10(1998)年、党を除名された。著書に『日本共産党の戦後秘史』。

※ プロフィールは放送日2016.03.18時点の情報です

 

限られた時間なので途中で話が遮られてしまっていますが、共産党と朝鮮労働党は元々友党であったので、徐々に北の仕業だということとが濃厚になっていくにつれ、兵本氏の活動が党内で問題視されるようになったとのことです。

しかし、共産党の議員が国会で質問したくらいなのですから、この間に共産党と朝鮮労働党との関係に変化があったのでしょう。

著者は皮肉を込めて、「拉致問題で終始ぶれずにいたのは社会党だけ」と書いています。

 

この本に書かれていたエピソードを一つ。

91年に有本恵子さんのご家族が実名での記者会見を決意し、そのことをメディアに予告しました。実名を出して世間に訴えることで輿論を喚起したかったからです。

メディア側の窓口にはNHKがなっていましたが、直前に、NHK記者がある人物(本にはもう少し情報あり。左翼系活動家に近い人物。)を紹介し、その人物から、水面下で交渉中なので実名は出さないよう説得されます。その際、NHK記者も同席していました。

その結果、会見はインパクトの無いものになり、話題とはなりませんでした。そして、その人物からはいつの間にか音信が途絶えてしまったとのこと。

NHKの記者は何が目的だったのでしょうか。

このことから、有本さんのご家族に「NHK不信」が生まれたそうです。

 

【追記】産経新聞に掲載されていた櫻井よしこ氏の書評を追記します。

20180610_media_wa_shindeita

 

 

 

 


 

2018/04/28

スイスの『民間防衛』マニュアルが日本でロングセラーなわけは?

当ブログでも以前ご紹介しましたが、スイスの『民間防衛』マニュアルという本が日本でロングセラーになっています。

このマニュアルは本国スイスでは1969年に出版され各家庭に1冊配られたものですが、それ以来改訂もされず、配布も一度きりだそうです。

このエントリーは、「ではなぜ、日本でこれほどまでに読まれているのか?」というお話です。.

 

 

ブログ主は先日書店でこの本を見つけて購入したのですが、それは先日ご紹介した上島嘉郎氏の動画を観たのがきっかけです。

 

 

 

 

【Front Japan 桜】国民の懲罰感情を利用する確信犯たち / 日本を「発達障害大国」にしたのは誰か?[桜H30/4/25]

 キャスター:上島嘉郎・銀谷翠

 

この本は、1961年にアルベルト・バッハマン(Albert Bachmann)という秘密情報部員(Geheimdienstler)が連邦警察部長(der Vorsteher des Eidg. Justiz- und Polizeidepartements)に進言してから8年かけて出版されたもので、内容は戦時の心得として、具体的な避難方法や救助方法などが書かれていて、実用性のあるものとなっています。

しかし、後半は、敵がどのような工作をするのかという精神的な防衛方法についても書かれています。

これが、現在の日本にも面白いほど当てはまるのです。

下は、動画からキャプチャした画像で、『革命闘争の組織図』と題された図です。

 

Zivilverteidigung02

 

Wikipediaからダウンロードしたオリジナル(ドイツ語)はこちらです。(クリックするとポップアップします)

 

要するに、敵は国内外でこういう工作活動をするから気をつけろ、ということが図示されているのですが、注目は右上(ブログ主が赤く囲った部分)。

国際組織は(スイス国民の)防衛意欲を削ごうと、こういう組織を作って活動するというものが挙げられており、

 

平和組織、婦人-、青年-、学生-、人道主義的相互扶助連盟 など

 

の団体を装うと書いてあります。

 

また、『敵は我々の抵抗意識を挫こうとする』と題された頁には、敵がどんなことを叫ぶのか、と言う例としてこんなことが書いてあります。

 

核武装反対 -それはスイスに相応しくない

農民たち! -装甲車を諸君の土地に入れさせるな

軍事費削減のための イニシアチブを -これらに要する巨額の金を、全て我々は、大衆のための家を建てるために、各人に休暇を与えるために、未亡人、孤児および不具者の年金を上げるために、労働時間を減らすために、税金を安くするために、使わなければならない。よりよき未来に賛成!

平和、平和を!

汝、殺すなかれ -婦人達は、とりわけ戦争に反対する運動をおこなわなければならない。

 

福島瑞穂氏とか小西博之氏あたりが言いそうな言葉ですね。coldsweats01

 

1969年ということからも分かるように、東西対立が激しかった冷戦時代に作られたものですが、Wikipediaの『Zivilverteidigungsbuch』(ドイツ語)を読んで、実は、この本が作成される過程でサヨクが大騒ぎしていたということが分かりました。

『Politische Reaktionen』(政治的反応)という部分を引用して簡単に訳してみます。(一部省略)

これを読めば、何故、このマニュアルが1度だけしか出版されなかったのかが分かります。

 

【訳】民間防衛が1969年に出版された時は、スイス国民は、ワルシャワ条約軍(※1)の進攻を恐れていた。1968年8月にプラハの春を終わらせたワルシャワ条約軍の記憶はまだ生々しいものだったからである。

人々は当時、ソ連軍が中立のオーストリアを経由してスイスに侵攻するかも知れないと恐れていた。

民間防衛マニュアルに書かれた威嚇のシナリオは、この文脈において、完全にリアリティのあるものだ。

様々な団体から民間防衛マニュアルは激しく批判された。なぜならば、そこには労働組合や知識人、イタリア人(イタリア語圏のスイス国民?)、そして、チェスの選手(※2)ですら潜在的な裏切り者と描かれているからだ。

スイス作家組合(SSV)に於いては分裂までしてしまった。なぜなら、代表のマウリス・ツェルマッテン(読み方は不明。本来はフランス語読みかと)がフランス語への翻訳を手伝っていたからだ。彼女の意見ではこの本は反共産党員の傾向があった。そして、それにより、全ての左翼知識人は国家の敵との烙印を押されたからと言う。

 

 

Zivilverteidigung02

 

29

 

左派からのこの本に対する厳しい批判を受け、スイス政府(?原文は die offizielle Schweizで直訳すると「公式なスイス」)は精神的国土防衛(民間防衛マニュアルのこと)と決別した。

 

【原文】Als das Zivilverteidigungsbuch 1969 erschien, hatte die Bevölkerung den Einmarsch der Truppen der Warschauer Pakt-Staaten im August 1968, der dem Prager Frühling ein Ende setzte, noch in lebhafter Erinnerung. Man befürchtete damals, dass sowjetische Truppen via das neutrale Österreich in die Schweiz einmarschieren könnten. Die Bedrohungsszenarien im Zivilverteidigungsbuch galten in diesem Zusammenhang als durchaus realistisch.

Verschiedene Kreise kritisierten das Zivilverteidigungsbuch heftig, da es Gruppen wie Gewerkschafter, Intellektuelle, Italiener und selbst Schachspieler als potentielle Verräter darstelle. Beim Schweizerischen Schriftstellerverein (SSV) kam es 1970 zur Sezession der Gruppe Olten, weil der SSV-Präsident, Maurice Zermatten, die französische Übersetzung des Zivilverteidigungsbuches besorgt hatte. Ihrer Ansicht nach hatte das Buch eine antikommunistische Tendenz, wodurch alle linken Intellektuellen zu Landesverrätern gestempelt würden.

Aufgrund der scharfen linken Kritik an dem Buch nahm die offizielle Schweiz Abschied von der Geistigen Landesverteidigung.[1]

 

補足

※1 

ワルシャワ条約軍<ワルシャワ‐じょうやく‐きこう【ワルシャワ条約機構】 ‥デウ‥
(Warsaw Treaty Organization)ナトー(NATO)に対抗して1955年、ソ連・ポーランド・チェコ‐スロヴァキア・東ドイツ・ハンガリー・ブルガリア・ルーマニア・アルバニアの8カ国が加盟して発足した東欧諸国の相互安全保障機構。ワルシャワ条約軍のチェコ侵攻後、68年アルバニアは脱退。91年解体。WTO

広辞苑 第六版 (C)2008  株式会社岩波書店

※2 チェスの選手

想像ですが、東西冷戦の時代、チェスの国際大会は代理戦争のような状態だったのをボビー・フィッシャーというアメリカの天才的なチェスの選手のドキュメンタリーで知りました。別の言い方をすれば、西側のチェス選手は東側に行く機会があったのだと思います。(ボビー・フィッシャーは数奇な人生を送り、一時、日本に住んでいたことがあります。)

 

 

 

 


 

2018/04/13

【書籍】『財務省「文書改竄」報道と朝日新聞 誤報・虚報全史』(月間HANADA)/朝日新聞血風録(稲垣武著)

先日注文していた月間HANADA『財務省「文書改竄」報道と朝日新聞 誤報・虚報全史』が届きました。

というか、今朝郵便受けを見たらあったので、昨日届いていたのでしょう。(右側の本は後述)

 

Hanada01

 

 

 

 

まだ全く読んでいませんが、書き下ろしの評論と過去の朝日批判の名評論を再録したものです。

 

パラパラと見て、おっと思ったのは、過去の過去の誤報や虚報の新聞記事を画像としてグラビアや論文中に挿入してあり、非常に字は小さいのですが、鮮明なコピーなのでヘッドルーペなどで見ればちゃんと本文が読めること、そしてその虚報の顛末が説明されていることです。

 

Hanada02

 

Hanada03

 

Hanada04

 

これだけでも貴重です。

 

 

 

上に示した『朝日新聞血風録』(文藝春秋/稲垣 武著/1991/12/文庫版はこちら )と『偽りの報道 冤罪「モリ・カケ」事件と朝日新聞』(ワック/長谷川熙著/2018/2/26)はどちらも元朝日新聞記者が著した本です。

 

『朝日新聞血風録』は1991年販売と古い本なのですが、ブログ主は現在読んでいる本『徐勝-「英雄」にされた北朝鮮のスパイ 金日成親子の犯罪を隠した日本の妖怪たち-』(張明秀著/宝島社/1994.12)に著者の稲垣武氏の前書きの言葉が引用されていて興味を持ったので購入しました。

 

長谷川氏の本はタイトルからも分かるように最近の本であり、最近の朝日新聞の報道ぶりを扱っています。

一方、『朝日新聞血風録』の方は古い本ですが、前書きを読んだだけでも、体質、報道姿勢が全く変わっていないことに驚かされます。(というか、まだ前書きと後書きくらいしか読んでいないのですが。coldsweats01

 

以前のエントリー「『学園浸透スパイ事件』とその時代 No.1 朝日新聞の罪」でもこの本に触れていますが、正確に文を引用すると、

 

共産圏、特に中ソ、北朝鮮に対する甘さと自由主義圏、特にアメリカや韓国に対する厳しさという二重基準、ダブル・スタンダードが明確に存在していたことである。また、野党、特に社会党に甘く、与党自民党に厳しいというそれもあった。

それが社説や論評のたぐいならまだいい。読者の判断材料となるべきニュースの分野まで二重基準が入り込んでくると、情報操作に等しくなってしまう。

 

どうですか?

当時は現在と社会情勢が異なるので国名や党名は異なりますが、これを少し変えれば、今書いたばかりの文のようです。

 

しかも、著者は、内部にいて言論弾圧に等しい扱いを受けたり、決して社の方針に賛同しているわけではないが“長いものには巻かれろ”式に同調していく同僚の姿を見ていたわけで、耐えられずに定年を待たずして退職されたそうです。

その後も朝日新聞の報道ぶりを見ていて、現在(執筆当時)でも変わっていないことを確信して雑誌『諸君!』に91年7月号から10月号までの4回に渡って執筆しました。

すると、思わぬことに、朝日新聞OBから予想外の反響があって、激励と共に自分達の経験を寄せてくれたのだそうです。

 

ブログ主は前述の徐勝氏の起こした『学園浸透スパイ事件』の社会背景を調べているのでこの本を選択したのですが、この本の特筆すべきことは、数多の朝日批判本が出ている現在ではなく、90年代初期に著者はたった一人で朝日に立ち向かったことだと思います。

 

 

 

 


 

2018/04/09

『学園浸透スパイ事件』とその時代 No.2 岩波書店の罪/「進歩的」知識人はなぜ北に傾倒したのか

公開: 2018/04/09 17:06  最終更新: 2018/04/11 11:21

『学園浸透スパイ事件』が起きた1971年は韓国が朴正煕大領の軍事政権下でした。そのため、韓国国内では民主化を求める運動が盛んでした。

 

ここでもう一度学園浸透スパイ事件と徐勝氏について振り返ると、

朝鮮総連にオルグされた在日朝鮮人(ここでは朝鮮半島にルーツを持つという意味)が韓国に留学し、1971年(昭和46年)に20名ほどの学生がスパイ容疑で逮捕されました。その内の一人が徐勝氏(4月逮捕)で、第1審で死刑判決を受けるも、無期懲役に減刑され、1990年、金大中大統領によるミレニアム恩赦で釈放され、弟の俊植氏はそれに先立つ1988年に釈放されています。

徐勝氏は獄中で無実の、しかし思想犯であると主張し続け、マスコミを通じ、韓国政府の暴虐を宣伝します。

彼を支えたのは日本の『徐君兄弟を救う会』(以下『救う会』)を中心とする日本の知識人、『徐君兄弟を守る学友の会』、アムネスティ日本支部、日本キリスト教協議会、それとマスメディアでした。メディアの一つ、朝日新聞については、前回のエントリーに書きましたが、その論調は「北朝鮮は豊かな素晴らしい国、韓国政府は軍が支配する民主化の遅れた国」であり、スパイ事件は北の仕業とする韓国政府のでっち上げ、南北統一を妨げているのは韓国政府、というもので、朝日新聞はこの論調に沿った記事を発信し続けます。つまり、北朝鮮の代弁者です。

 

 

 

 

韓国の民主化運動と連動する反韓活動

著者の 張明秀氏は朴政権に反対する「民主化運動」は北の工作の隠れ蓑、救援運動も反韓プロパガンダが目的と述べています。

 

朴大統領を批判する在外韓国人団体・韓民統(韓国民主回復統一促進国民会議)は当時、日本に亡命していた金大中氏を議長に担ぎ上げて旗揚げしたものですが、実は北の偽装団体であることを、KCIA(韓国中央情報部)に自首したメンバーが告白しています。(P.84)

 

なぜ、日本の「進歩的」知識人が社会主義や北朝鮮に傾倒していったのか

日本に住む在日朝鮮人がこのような活動をするのはまだ理解できることですが、では、なぜ、日本の知識人がこの運動に共鳴し、参加していたのでしょうか。

 

『救う会』(代表:山田昭次教授、東海林務牧師)の指導的言論者の一人として和田春樹東大教授(ロシア革命史)がいます。度々集会で講演し、岩波書店の月刊誌『世界』では金正日を称賛する記事をしばしば寄せていました。

北にルーツを持つ在日朝鮮人である著者は、彼のような日本人に対し、「過去の被支配民族である朝鮮人を憐れみ、施しを与える『進歩的』な支配民族としての優越感が見え隠れする」(P.221)と述べています。

俗な言葉で言うと、“上から目線”というものでしょうか。また、以下のように分析しています。

 

彼らの北朝鮮、韓国、日本に関する論理は、「北朝鮮を生んだ朝鮮戦争はアメリカの帝国主義に対する民族抵抗」→「戦後も日本を支配している軍国主義者と韓国政府はつるんで南北を分断している」→「だから、日本人としては韓国政府を批判する義務がある」(P.123)

 

なお、後の、と言っても、本書が雑誌に連載されていたさなかの1993年に「金日成こそがソ連帝国主義の傀儡として朝鮮戦争を起こして民族を分断した」という機密文書をロシアが公開し、その要旨が朝日新聞(6月28日付)に掲載されますが、その解説を皮肉にも和田春樹が書いているそうです。

さすがに、事実を渋々認めるような内容であった、と著者は感想を述べ、そして、「冷戦構造が崩壊し、共産主義への幻想も消え去った現在、北を理想として全てを犠牲にしてきた総連活動家」の苦悩を見ています。(P124)

 

著者はまた、日本の知識人や言論界の、社会主義や北朝鮮へ偏向していったプロセスを以下のように説明しています。(P145)

 

敗戦後、反動から社会主義に対する憧憬が社会一般に広がる。特に知識人には 社会主義でなければ「反動」とする風潮→ソ連や中国への憧憬、連帯→しかし、ソ 連の帝国主義やスターリニズム、中国の文化大革命の実態が明らかに→社会主 義の理想が北朝鮮やユーゴスラビアに向かう。特に北はソ連・中国の大国主義に 屈しない自主的立場を守り抜いたという幻想(著者もこの認識で北への帰国事業に 従事していた)→日本のマスコミや知識人の中の“日帝時代の罪悪感”も手伝った。

 

既に書いたように、著者自身は帰還事業で多くの同胞を北に送り返した立場であり、帰国後に多くの帰国者が行方不明になったり処刑されている事実から金親子の暴虐の実態を知り、自分の責任感から総連を抜けて帰国者問題に取り組 んでいます。

 

岩波書店の罪(雑誌『世界』と安江良介社長)

第6章の見出しは『岩波書店の安江社長は金日成の太鼓持ち』というものです。

朝日新聞と並んで、日本人の特に知識人の韓国観を形成するのに、岩波書店の安江良介社長と彼が編集長時代(1972-88)の月刊誌『世界』は大きな役割を果たしました。

特に彼が編集長時代、『世界』に15年間(1973-88)連載されていた『韓国からの通信』(筆者は「K・T生」と匿名)は一貫して「韓国政権の正統性を否定し、北朝鮮のテロを隠蔽するもの」でした。

 

実は、この本が書かれた当時はこのK・T生が誰かは分かりませんでしたが、2003年に池明観(じ・みょんくわん)という人物が自分がK・T生であると告白しました。連載終了から15年後のことで、報道したのは7月26日付朝日新聞です。(※)

彼は北朝鮮出身で、プロフィールによると、1972年に来日後、大学で客員教授などとして教鞭を執っていました。

そのことが分からなかった執筆当時は、著者は安江良介氏がK・T生だと推理しています。この『韓国からの通信』は韓国国内でもメディアに注目されており、著者だけでなく、韓国でもK・T生探しが始まります。韓国の新聞『中央日報』の東京特派員・崔喆周(ちぇ・ちょるじゅ)記者が調査を始め、実際に安江社長にインタビューを行います。韓国の雑誌『月刊中央』に崔氏が書いた記事によるとKCIAも調査に乗り出したそうです。

しかし、K・T生探しが始まった88年3月に『韓国からの通信』は突如連載を終了します。

安江氏は1972年から91年の間、北朝鮮を5度訪問し、金日成主席のインタビューも何度も『世界』掲載する他、韓国政府を罵倒する『韓国からの通信』を発信し続けます。

安江氏自身都知事への出馬も噂されるほどだったそうですが、実際に政治家との接点も多く、美濃部亮吉東京都知事の誕生後、報道担当特別秘書に任命されています。『世界』に初めて金日成の会見が掲載されたときの聞き手も美濃部都知事でした。(1972年2月号)会見は平壌で行われました。

 

『韓国からの通信』最終回(88年3月)に話を戻すと、この前年〔1987年(昭和58年)11月29日〕、北朝鮮による大韓航空機爆破事件が起こりました。

最終回ではこの事件に言及しています。

金賢姫(きむ・ひょんひ)は既に記者会見で犯行を自白していましたが、『韓国からの通信』では「密室で仕組まれた発表をどうして信じられよう」、「(この事件は)韓日米が協力したようにも見える」と陰謀論を唱えています。

 

なお、安江社長が金日成に送った手紙は北朝鮮の妙香山にある「国際親善友好展示会所」という博物館に展示されている(当時)そうです。

 

※池明観氏について

T・K生について、何か分からないかと調べたら、Wikipediaに『池明観』というエントリーを見つけました。更に「池明観 T・K生」で検索すると、2003年7月26日付朝日新聞に池明観という人物がT・K生であるという告白をしたという記事が掲載されていたことが分かりました。

 

正確な日付は不明ですが、2003年7~8月頃のブログ記事で、その箇所だけ引用させて戴くと、

http://www.jca.apc.org/gendai/20-21/2003/tk.html

連載終了から15年、「T・K生」が名乗りをあげた、と報道したのは7月26日付朝日新聞であった。

 

と、あります。

また、2015年08月11日(火曜日)付朝日新聞朝刊2面に『(ひと)池明観さん 韓国の軍政弾圧を告発した「T・K生」、日本で最後の講演』という記事が掲載されていたのが分かりました。

この記事に言及した2015年8月13日付のブログにこの記事の一部を引用したらしい文があるので引用します。

 

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150813/p2

……1973~88年、月刊誌「世界」に連載され、軍政の弾圧を告発した「韓国からの通信」。12年前、筆者「T・K生」は自分だと明かした。東京女子大教授で民主化運動に携わっていた。連載のもとになった手記や資料は、日本のキリスト教関係者らの協力で、韓国から極秘に届けられた。

 そんな記憶が日韓双方で忘れられていると危機感を持ち、講演を引き受けた。「次世代のために」と自己批判もした。「あれは闘いの書。事実を誇張し、民主化勢力を美化し過ぎた。後輩が研究し批判するなら、喜んで受け入れる」

 

以下は、池明観氏が実名で著した本の紹介や著者プロフィールをAmazonより引用します。上に紹介したブログからも、下の目次からも、氏が岩波書店だけでなく、朝日とも当時から深い関わりを持っていたのではないかと思われます。

 

「韓国からの通信」の時代―韓国・危機の15年を日韓のジャーナリズムはいかにたたかったか 単行本(ソフトカバー) – 2017/9/28

【内容】

1970~80年代、朴正熙-全斗煥と続く軍事独裁の暴風が最も激しく吹き荒れた時代に、韓国の学生・市民は民主化を求めてどのように闘い、韓・日のジャーナリズムはそれをどのように伝えてきたか。

当時日本にあって韓国の危難を外へと発信し、国外の連帯へとつなげ、韓国内の民主化運動を励まし続けた“T・K生"こと池明観氏は、この時代を「日韓の歴史にとって共通の戦いを戦いながら北東アジアの平和を求めた初めての歴史であった」と捉える。いまだ緊張の続く朝鮮半島情勢、そして日韓関係の未来のために、私たちがこの時代の経験から学ぶべきことは多い。

 

 

◆主要目次◆
第1章 『東亜日報』が伝えたこと
・維新体制のはじまり
・「白紙広告」の戦い
・3・1民主救国宣言
・光州事件
・民衆革命の時代へ

第2章 「韓国からの通信」が伝えたこと
・批判と拒絶
・殉教の時代
・希望の底流
・誰が来る春を止められよう
・時代の闇を超えて

第3章 『朝日新聞』が伝えたこと
・維新体制をながめる憂いの眼
・金大中拉致事件と日韓関係
・政治的弾圧に対する国際的批判
・深まる憎悪と分裂
・吹きはじめた自由の風

 

【著者について】

1924年平安北道定州(現北朝鮮)生まれ。ソウル大学で宗教哲学を専攻。
朴正熙政権下で言論面から独裁に抵抗した月刊誌『思想界』編集主幹をつとめた。1972年来日。74年から東京女子大客員教授、その後同大現代文化学部教授(86〜93年)。

雑誌『世界』(岩波書店)に73年5月号から88年3月号まで“T・K生"の筆名で、韓国内の軍事政権と対抗する民主化運動の動静をレポートした「韓国からの通信」を連載。(この連載はのちに岩波新書から『韓国からの通信』『続 韓国からの通信』『第三・韓国からの通信』『軍政と受難―第四・韓国からの通信』として、80年7月までの連載分が再編・刊行された。)

93年に韓国に帰国し、翰林大学日本学研究所所長をつとめる。98年から金大中政権の下で韓日文化交流の礎を築く。

主要著作:『T・K生の時代と「いま」―東アジアの平和と共存への道』(一葉社)、『韓国と韓国人―哲学者の歴史文化ノート』(アドニス書房)、『池明観自伝―境界線を超える旅』(岩波書店)、『韓国現代史―1905年から現代まで』『韓国文化史』(いずれも明石書店)、『韓国史からみた日本史―北東アジア市民の連帯のために』(かんよう出版)、デジタル版『現代の理論』(明石書店)に「韓国の現代史とは何か―終末に向けての政治ノート」を連載中。

 

 

 

 


 

2018/04/07

【書籍】『徐勝-「英雄」にされた北朝鮮のスパイ 金日成親子の犯罪を隠した日本の妖怪たち-』 No.2

前回エントリーの続きです。

 

著者、張明秀氏とはどのような人物か

張明秀(ちゃん・みょんす)氏の略歴をカバーの袖から引用します。(一部ブログ主の注釈追加)

1934年(昭和9年)、朝鮮慶尚北道義城郡に生まれ、39年に母に連れられて来日。53年(昭和28年)に朝鮮総聯(以下朝鮮総連と表記)の活動家として、主に在日同胞の帰国事業に携わる。(1953年~75年)

 

Repatriation of Koreans from Japan 02

在日朝鮮人の帰国事業における帰還船(画像はWikimediaより直接表示)

 

77年(昭和52年)から83年(昭和58年)まで総連新潟本部副委員長を務めるが、88年(昭和63年)総連を批判し、一切の役職から離れる。丸一年、帰国者と共和国の真実を追究するルポ「裏切られた楽土」(講談社)を著す。現在(ブログ主註:1994年出版当時)、共和国帰国者問題対策協議会を結成、活動中。著書に「38度線突破!」(宝島社)がある。

 

   

 

* * * *

 

上に書いたように、張氏は総連で在日朝鮮人の帰国事業に携わっていたのですが、帰国した約10万人の同胞の多くがその後行方不明になっているのに気づきます。

責任を感じて88年頃から行方不明者の追跡調査を始めますが、当然、妨害、つまり、脅迫や監視が行われ、90年4月末に朝日新聞の宮田という記者から電話が入り、会う約束をしますが、結局現れず、5月14日の『朝鮮新報』に張氏を批判する記事が載ります。そこで、朝日新聞社に出向き宮田記者を問い詰めると「総連から張氏は南の手先だ」と聞いて電話をかけたと白状したそうです。

ここで重要なのは総連の手先となって動く記者が朝日の中にいることです。本の中でも朝日新聞の活動については岩波書店と共にページをかなり割いています。

 

この頃著者は、徐勝氏をスパイとして送り込んだ大阪本部の活動家が北に召喚されて行方不明になったことを耳にします。それ以来、徐兄弟について調べ始めました。

そして、最初は「救う回」の人達は総連に騙された善意の人達だと思っていたのが誤りだと気づきます。それは、北の工作員である長兄の存在を隠していること、徐勝氏の入北を隠そうとすること(隠しきれなくなると言い訳をするようになる)などから「純粋な良心からの運動がこのような情報操作を行うだろうか?」と疑問を持つのです。

 

著者はこの本を書くにあたり丹念に裁判記録や国内外の新聞記事、「救う会」などの印刷物を調べており、日付と記事名も書かれていて推測の部分はかなり少ないので信憑性は高いと言えます。

 

この本が連載されていた当時(『宝島30』93年(平成5年)7月号~)や出版された1994年当時の一般の評価や反響はよくわかりませんが、ある意味、現在の方がここに書かれていることは真実みを持って受け止められるのでないでしょうか。

北朝鮮や中国の脅威を前にして、永田町では他国の代弁者としか思えない議員、国会の停滞のみを目的にしているような一部野党、倒閣プロパガンダに明け暮れるメディア、そして、教育界や言論界の重要なポジションに入り込んでいる活動家、等々。

状況は全く同じです。

 

また、名指しで書かれた東大教授や岩波書店の安江社長は連載中、訴えると脅してきたそうです。言論で闘おうと応じても、それには乗らず、訴えると言うだけで、その後トーンダウンしてしまったそうで、高圧的ですが議論を避けるというのも小川榮太郞氏を訴えた朝日新聞に通じるものがあります。

 

この項の最後に書いておくと、徐勝氏は1994年(平成6年)4月から立命館大学の非常勤講師として教壇に立っていたそうですが、そのいきさつは不明です。ただ、「立命館大学は最近(執筆当時)も北朝鮮に代表団を送ったほど北と親密だと評判の大学」と書かれていました。

 

前回、この「学園浸透スパイ事件」は北の対南工作の一つと書きました。別の言い方をすると、反韓国の一大キャンペーンでした。また、その中では「学園浸透スパイ事件」そのものは取るに足らない事件だとも書きました。

次回は、当時の時代的背景を知るために、言論界(岩波、朝日新聞)や政党(主に社会党)の動きを、もう少し幅広い時間的流れに沿ってまとめてみたいと思います。

 

 

 

 

 

 


 

2018/04/05

【書籍】『徐勝-「英雄」にされた北朝鮮のスパイ 金日成親子の犯罪を隠した日本の妖怪たち-』 No.1

公開: 2018/04/05 14:03  最終更新: 2018/04/05 16:11(画像追加)

掲題の本を図書館で借りて、ほぼ読み終えました。この本は3月2日の虎ノ門ニュースで大高未貴氏が紹介していたので知り、すぐに図書館で予約したところ、タッチの差?で2番目。最近確認したところブログ主の後にも待っている人が大勢いるので、なるべく早く返却できるよう、細かいところは読み飛ばし、後から読めるように全ページをスキャンしておこうと思っています。

 

ブログ主がなぜこの本、そしてタイトルとなっている人物に興味を持ったのかは、過去の記事をお読み下さい。

 

【国会】自民・杉田水脈議員が反日プロパガンダに利用される文科省管轄の科研費を追求(2018/02/26) (エントリー:2018/02/28)

【虎ノ門ニュース】なぜ北朝鮮のスパイだった徐勝氏が立命館大学の教授でいられるのか by 大高未貴氏(2018/03/02) (エントリー:2018/03/02)

 

 

 

 

下は以前も掲載したものですが、目次の画像を追加して再掲します。

 

徐勝-「英雄」にされた北朝鮮のスパイ 金日成親子の犯罪を隠した日本の妖怪たち-

著者名:    張明秀/著
出版社:    東京 宝島社
出版年月:    1994.12
価格 :    1359円
ページ数:    237p
大きさ:    20cm
ISBN:    4-7966-0892-3

抄録:    徐勝は日本海に不法侵入する北朝鮮の秘密工作船で平壌に行き、スパイ訓練を受け韓国に潜入した。その事実をデッチ上げとした日本人のマスコミと文化人たち。彼らと金日成独裁政権との怪しい関係がついに暴かれる。

著者紹介:    〈張明秀〉1934年朝鮮生まれ。53年から朝鮮総聨の活動家として、在日同胞の帰国事業等に携わる。88年総聨を批判し役職を離れる。共和国帰国者問題対策協議会を結成。著書に「38度線突破!」他。

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

朝日新聞岩波書店日本社会党…「民主」と「人権」を掲げる彼らが、なぜ金日成の国際謀略を隠したのか。徐勝は、日本海に不法侵入すると北朝鮮の秘密工作船で平壌に行き、スパイ訓練を受け、指令どおりに韓国に潜入した。その事実を「デッチ上げ」と報道した日本のマスコミと文化人たち。彼らと金日成独裁政権との怪しい関係がついに暴かれる。

内容(「MARC」データベースより)

徐勝は日本海に不法侵入する北朝鮮の秘密工作船で平壌に行き、スパイ訓練を受け韓国に潜入した。その事実をデッチ上げとした日本人のマスコミと文化人たち。彼らと金日成独裁政権との怪しい関係がついに暴かれる。

【目次】

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現在はAmazonでも値上がりして手に入りにくい本になっており、ブログ主が利用する市の図書館でも一冊しか蔵書がありません。なので、エントリーを2回に分けて、レビュー(感想)というよりは、もう少し詳しく、この本に書かれている内容をブログにメモしておきたいと思っています。

 

学園浸透スパイ団事件

まず、徐勝氏が関与されたとされる学園浸透スパイ団事件(本の中では「学園浸透間諜団事件」)とはどういったものかを短くご紹介します。

ソウル大学校などへ日本の、主として関西地方から留学していた20名近い在日韓国人らが「北朝鮮のスパイ団」であるという国家保安法違反の容疑で中央情報部(KCIA)によって逮捕され、起訴された結果16名が裁判で死刑を含む有罪判決を受けるなどして収監されるに至った事件(Wikipediaより引用)で、証拠品として暗号解読用の乱数表や金日成の肉声テープ、爆弾製造マニュアル、マイクロフィルム製作機などが押収されました。

 

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画像はカバーの袖にあった証拠物件の画像(元々不鮮明)

 

首謀者とされる徐勝(そ・すん)氏は当初はスパイであることを自白したものの、それを撤回、その後は、無実の、しかし、思想犯(良心犯)として、「転向書」を書くこともなく死刑判決が出されました。その翌年、無期懲役に減刑されて上告は棄却され刑が確定、90年に特赦にて出獄しました。

この時、同じスパイ容疑で逮捕された弟の俊植(じゅんしく)氏は懲役15年、翌年懲役7年に減刑されて88年に出獄。

在日韓国人ということもあり、日本で多くの支援者が救う会を結成したり、メディアも大々的に報道したようです。

 

事件の表面的なあらましは以上のようなものですが、実はこの本の著者は、この事件についてそれほど多くのページを割いていません。(全体の1/4か1/5ほど)

なぜなら、著者の言葉を借りると、徐勝氏は北の工作員に利用された“哀れなピエロ”でしかなく、別の言い方をすれば、単なる広告塔だったからです。

というのは、徐勝青年が工作員として優秀だったかというとそうでもないようなのです。

留学先では「徐には気をつけろ」と言っていた人達もいた、つまり、周囲から怪しまれていたわけで、それではスパイ失格でしょう。また、特赦によって出獄し、英雄と祭り上げられて講演活動をするのですが、朝鮮語()での講演を聴いた同胞は、その語学力の低さに驚き、これで韓国の大学生をオルグ(包摂/組織に勧誘・引き込むこと)ができるとは思えないと言ったそうです。

 

※以降は、特に北/北朝鮮や南/韓国と区別する必要があるとき以外は単に朝鮮や朝鮮人、朝鮮語と表記します。

 

著者によると、彼に課せられた任務は、獄中から韓国政府批判を行うことで韓国政府の暴虐ぶりを世界にアピールするもので、始めからそのために利用されたのではと推察しています。

 

この本が描くのはタイトルとは異なり、いえ、タイトルをあらためて読むと気づくのですが、徐勝氏のことよりも、もっと大きな、組織だった北の対南工作について書かれたものです。

「対南工作」とは、北朝鮮が主導しての南北統一のための工作です。

「北」の、と書きましたが、この本で語られるのは日本に住む在日朝鮮人、政党、朝日新聞や岩波書店といった北シンパ(北の工作員)のメディアや知識人が協力して行った一大プロパガンダです。

こうしてみると、この本は1994年(平成6年)に書かれた本ですが、今も同じようなことが行われているのに気がつくでしょう。

文中に登場する人物の中には鬼籍に入った方もいるでしょうが、社会党は形や名前を変えても北と繋がりは延々と続いているし、メディアも相変わらず、しかも、より巧妙に工作活動を続けているのは周知の通りです。そして、それを支持する言論人や知識人は多くいます。

学園浸透スパイ事件そのものは全体から見れば取るに足らない事件ですが、この本に書かれていることは現在にも繋がっていることとして知ることが必要です。

次回に続きます。

 

 

 

 


 

2018/02/11

【憲法9条】西田昌司改正案(©西部 邁)

憲法第9条

  1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
     
  2. .前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

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憲法第9条

  1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
     
  2. 前項の目的に反するような陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 

 

 

 

前回のエントリーに書こうかと思っていたのですが、単独のエントリーにしました。

この案は、自民党参議院議員の西田昌司氏がチャンネル桜の番組(51:23辺り)で語っていたのですが、上記の本の中で、「2項をどうしても残さなくてはならないのなら」という前提で西部氏が提言した改憲案だそうです。

自民党内で募っている具体的な改憲案に、西田氏が「西田案©(コピーライト)西部 邁」として提出されたそうです。上に書いた通りかどうかは分かりませんが、個人的には「国の交戦権は、これを認めない」の部分は不要だと思います。

 

現行の憲法9条の解釈のしかたは前回のエントリーに書きましたが、2項の書き出しを上記のように変えることで、芦田修正の復活と同様の意味になります。

 

 

 

 


 

2018/01/04

【書籍】『徹底検証「森友・加計事件」-朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』を訴状と比較して読む

公開: 2018/01/04  最終更新: 2018/01/04 19:42

小川榮太郞氏の著書『徹底検証「森友・加計事件」-朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』をひとまず読了しました。

周知の通り、この本は朝日新聞社から虚偽であるとの提訴を受けているため、今回は、通常の読み方と違って、まず、訴状で虚偽だと指摘されている箇所に傍線を振って付箋を貼る作業から始めました。そして、その箇所では立ち止まって、訴状に書かれている朝日の主張を読みました。

このエントリーでは、本書全体の感想などは後回しにして、まず、問題となっている部分(最初の朝日の『申入書』とそれに対する小川氏の回答、そして、『訴状』)をまとめた段階で一度記事を公開します。

ブログ主は法律知識はない故、これが朝日のいうように虚偽と言えるかどうかの判断はできませんが、後ほど改めて、個々について文脈などを補足説明として付け加えようとは思っています。今はそこは省略します。(現在加筆中

【2018/01/20追記】2018/01/19に『言論テレビ』でこの件に関する討論会が放送されました。近々、この番組について記事を書く予定です。

 

 

 

 

 

筆者(ブログ主)の見解

まとめを提示する前に、ブログ主が気づいたことなどを少し書いておきます。

 

朝日の訴状を読むと、まず、記事の本数の数え間違いのような明らかな小川氏のミスを見逃さず指摘しているようです。また、数量的な表現、例えば、「一行も記事にせず」とか、「前川喜平たった一人の証言で二カ月半、加計問題を炎上させ続けた」といった記述に対して、いや、○本の記事を掲載しているとか、他の関係者の記事もあるといった反論とともに訴えています。

ただ、後者については、ブログ主は朝日新聞の購読者ではないので前川喜平氏以外の証言をどのように取り上げられたかは分かりませんが、前川証言に疑いを抱かせないような内容の記事しか書かなかったり、短い記載しかなかったのかも知れません。小川氏の表現は、その期間の印象として、前川氏に関する記事だけが“加計学園問題というたき火にくべる薪のような役目”をしていたという意味なのかも知れませんし、もちろん、その間の朝日報道を見ていないので、小川氏による誇張という考え方も否定はしません。

 

次に、「NHKと共謀した」とか、「木村真豊中市議との接触(朝日新聞記者からの助言)」というような部分 -但し、小川氏が調べた状況証拠からの推理- のような第三者が関わることに反応しているのが目に付きます。しかし、その割には、“前川喜平氏から文書を入手”する推理のくだりは訴えの対象にはしていません。これは事実だと認めているのでしょうか?

 

なお、勘違いしてはならないのは、訴訟の争点となるのは朝日新聞社に対する名誉毀損になるか否かです。

訴状では、項目にして13項目、本文中の箇所はそれより多い20箇所程度を朝日は「虚偽」だと主張しているわけですが、記事数の間違いなど、多分事実関係としてはいくつかは朝日の訴えは認められるでしょう。しかし、それぞれが、あるいは認められたものを合わせて、“著しい名誉毀損”とまで判断されるかどうかは分かりません。

また、それらが「虚偽」(とまで言わなくても「表現上の誇張」や「事実誤認」)だとして、そこに記載されていない箇所を事実と認めるなら、全体としては、“朝日が悪意を持って報道し続けた”という印象は揺るぎません

例えば、記事本文の内容とそぐわない扇情的な見出しをつけた記事攻勢を、「五月から六月に入り、朝日新聞の見出しは、国会質疑の実態とさえ大きく乖離した極端な安倍叩きにますます狂奔するのである。」として、その見出しを次々と挙げていく箇所(P.208~)がありますが、こういった箇所は朝日側は問題視しないのでしょうか。

 

13項目のいくつかが認められたら、朝日はそれで満足なのでしょうか?

尤も、朝日の真の目的は、裁判によって小川氏の文筆活動の当面の妨げをすること、今後、朝日批判をしたらこういう目に遭うぞという見せしめにすること だということは大方の読者は分かってはいますが。

 

ところで、朝日は各項目について「虚報だ、虚報だ」と喚き、「謝罪と賠償をせよ」と叫んでいますが、ここで『吉田調書』に関する朝日の捏造報道事件を思い出して下さい。

高山正之氏の動画について書いたエントリーにこの事件の説明をしていますが、これは明らかに意図を持った捏造報道であり、原発で働いていた方々の名誉毀損です。

上記エントリーに朝日がこの件のために作った特設サイトへのリンクがありますが、この画面を開くと下のような言葉が目に入ります。

 

Yoshida_toppage

 

「命令違反で撤退」という記述などに誤りがありました。読者と東京電力の皆様に深くお詫びします。

 

これで許されるなら、朝日が飛鳥新社や小川榮太郞氏に要求するような新聞数社に謝罪広告を載せたり、金員の請求などしなくても、小川氏のHPにでも「誤りがありました」というページを目立たないところにでも作成するだけで十分ではないでしょうか。別に、朝日新聞社はニュースサイトや本社サイトのトップに目立つようにバナーなどを貼っているわけではありませんから。

 

朝日の訴状を読んでみる

朝日新聞社の飛鳥新社や小川榮太郞氏に対する訴状はこちらにPDFにて掲載されています。この中で、虚偽だの名誉毀損だのと訴えている部分はP.2~15に渡り、下記のように第2>2>(2)のア~スに書かれています。(「摘示事実」の「摘示」とは「かいつまんで示すこと」だそうです。)

 

訴状の項番の振り方は字下げなどもなく見にくいので、下に構成が分かるように簡略化したものを書きました。

 

第2 名誉・信用毀損の不法行為

  1.本件書籍の発行及びその頒布

  2.摘示事実と名誉・信用毀損

    (1) 事実に基づかない原告に対する著しい誹謗中傷

        タイトルと献詞について誹謗中傷と指摘

    (2) 虚偽の事実を摘示した原告の名誉・信用の著しい毀損

      ア 本の中の該当箇所について反論や名誉毀損と指摘

      イ  

       : 

      ス

    (3) 以上のとおり、被告らの本件書籍の執筆・出版は、原告の
       名誉・信用を著しく毀損する不法行為に該当する。

(以下略)

 

本の中の該当箇所(引用とそれが出てくるページ)を示して反論をしていますが、これらは、ほぼ、それ以前に出された『申入書』と変わってはいません。

 

なお、参考として、先に、申入書などのURL、衆参両院での籠池氏証人喚問の議事録を先にまとめて提示しておきます。

 

■朝日申入書

■飛鳥新社の回答

■小川榮太郞氏の回答

■国会議事録 平成29年03月23日

 

 

朝日の「申入書」、小川氏回答、「訴状」内容のまとめ

以下は下記のようなルールでまとめてあります。

  • 朝日新聞社の申入書と小川氏の回答は薄いオレンジ色の枠の中に提示。
  • 申入書の項番は、オリジナルは丸数字(例:①)だが、「1.」のように書き換え。小川氏が回答の中で項番を括弧付き漢数字(例:(九))で書いてあるのはそのままとした。
  • 本からの引用箇所は青字で表記。
  • 小川氏の回答文は「【回答】」と表記。
  • 訴状の文章は要約のみ記載。「【訴状要約】」と表記。
  • 【訴状要約】の末に訴状内で振られた項番(ア~ス)を「・・・ア」のように提示。
  • 【補足】はブログ主が後で追記するかも知れないので予め設けておくもの。

 

1.「朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」(本書題名)及び「無双の情報ギャング 朝日新聞に敬意を込めて捧ぐ」(本書2頁)との記載。
 上記の記載は、事実に基づかない、弊社に対する著しい誹謗中傷であり、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。

【回答】
① 既述の通り「報道犯罪」は本書全体を通じての証明事項です。訂正を要求するなら拙著全部の論理構造の過ちを逆証明してください。
② 上記記載は、「事実」でなく、私の「意見の要約的表現」です。それに対して貴社がこのような通告を行うことは巨大メディアという権力による個人の執筆者の表現の自由の侵害です。仮にこのような申入を大企業や大組織が、自らを批判する著書に気軽に発出できる社会を許せば、立場の弱い個人の著者は自由な批判や表現が不可能になります。自由社会の存立を危うくする「危険な一線を越えた指摘」と言わざるを得ません。

 

【訴状要約】上記記載は事実に基づかない誹謗中傷である。根拠は(2)以下。・・・(1)

【補足】1の表題や献辞、次項2の「帯」に書かれた言葉はこの本全体に対する評価(名誉毀損か否か)との関係で判断されるのか? 表現の自由の範囲なのか?

 

2.「〝スクープ〟はこうしてねつ造された」(本書の帯)との記載。
 弊社の「森友学園」「加計学園」に関する一連の報道にねつ造はありません。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。

【回答】前項同様、「捏造」は本書全体を通じての「私の意見の要約的表現」です。

 

【訴状要約】上記に加え「『虚報』で政治をぶち壊し続ける『報道機関』の存在」(7頁)に対し、一連の報道に捏造・虚報はない。・・・ア

【補足】上記7頁の表現及び次項3の5頁の表現は前書き(「はじめに」)に書かれたもの。1と同様、この本全体に対する評価(名誉毀損か否か)との関係で判断されるのか?

 

3.「仕掛けた朝日新聞自身が、どちらも安倍の関与などないことを知りながらひたすら『安倍叩き』のみを目的として、疑惑を『創作』した」(5頁)との記載。
 上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。

【回答】前項同様、これも、本書全体を通じての「私の意見の要約的表現」であり、その総括的「表現」です。

4.「『安倍叩き』は今なお『朝日の社是』なのだ」(19頁)との記載。
 弊社は「安倍叩き」を社是としたことは一度もありません。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。

【回答】「社是」はむろん、会社の正式な意味の社是と言っているのではなく、比喩表現であって「事実」認定の問題ではありません。貴社広報部は常識がないのでしょうか。

 

【訴状要約】3,4に関し、安倍晋三首相が関与したとは報じていないし、関与していないことを知っていたこともない。「安倍叩き」を目的として報道したこともない。疑惑を創作したこともない。・・・イ

【補足】「『安倍叩き』は今なお『朝日の社是』なのだ」の部分は引用のためにカギ括弧(「」)で括ったために『朝日の社是』となっているが、実際には「朝日の社是」と書いてある。“朝日の「社是」”ではないので比喩表現とは受け取れる。

なお、この前に、政治評論家・三宅久之氏と朝日の元主筆・若宮啓文氏の会話が紹介される。(若宮氏が「安倍叩きは朝日の社是」と発言されたとされるもの。但し、朝日はこれを掲載した幻冬舎に抗議したという。)更に現希望の党・長島昭久氏のTweetも引用されている。(下図)

 

Nagashima_tweet

 

若宮氏が言ったとされる「安倍の葬式はウチで出す」は巷間広く伝わっており、日頃の朝日記者のツィートはこれを想像させるものが多いのは確かだと思う。

 

5.「朝日の記者側から、何らかの訴訟を構成すれば記事にできるとの助言があった末でのこの記事だという」(22頁)との記載。
 豊中市議会議員の木村真氏に対し、弊社の記者が訴訟を促すような助言をしたことはありません。上記の記載は、事実に反し、弊社及び記者の名誉・信用を著しく毀損するものです。

【回答】貴紙記者から当該件を直接聞いた報道関係者への取材に基づいた記述です。

 

【訴状要約】当社の記者が木村氏にそのような助言をした事実はない木村氏もこれを否定している。近隣の同規模の国有地と比べて約1割の1億3,400万円で売却したことは独自の取材で報道したことであり、木村氏の提訴がなければ報道できないものではない。・・・ウ

【補足】この一文の前に、朝日が初めて森友学園への国有地払い下げを報じた記事(署名記事/その一人は吉村治彦記者)が紹介されているが、その記者と木村真豊中市議との接触があったことを示す客観的証拠(ラジオでの発言)は示されている。「~という。」という表現から伝聞形式であり、小川氏が回答している通り、取材して得た情報と受け取れる。

 

6.共産党や民進党の議員による国会質問や答弁について「初報をスクープした朝日新聞は、これらの質疑や会見内容を全く伝えていない」(26頁)との記載。

 弊紙はこれらの質疑や会見を少なくとも2回、紙面で報じています。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。なぜこのような間違いが生じたのか理由をお示し下さい。紙面で報じた2本の記事は以下の通りです。
 ●2017年2月14日付 朝刊社会面「学園『ごみ撤去1億円』」
 ●同月18日付 朝刊社会面「国有地売却巡り国会で答弁」

【回答】私の該当箇所の「全く」の文意は、「質疑や会見内容」の「主要な全容」を正しく伝えていないことの強意表現であることは、文脈上明らかです。
貴紙ご指摘の18日付朝刊の国会論戦報道は前日の国会での、共産党の宮本岳志氏、民進党の福島伸享氏の質疑によって明らかになった森友問題の全体像を全く伝えていません。

 

【訴状要約】(26頁に加え27頁の記載に対し)2本の記事で報じている。「安倍首相と国有地払い下げの結びつき」に関するスクープ報道をするために敢えて報道しなかった(27頁)というのは虚偽である。・・・エ

【補足】朝日の指摘する記事がどのようなものか分からないので判断不能。

 

(この項、申入書に記述なし。従って回答もなし。)

 

【訴状要約】「なお、この日、国会では自民党の西田昌司が質問に立ち、佐川理財局長から、国有地売却の全体像を的確に引き出している。もしマスコミがこの質疑をきちんと国民に伝えれば『森友問題』はほぼ収束していたであろう。しかし、朝日進運は一行も記事にせず、テレビ報道もまたこれを黙殺した。」(63頁)については、2本の記事で報じている。虚偽である。・・・オ

【補足】見落としか?

 

7.「見出しは上から順に、『籠池氏「昭恵夫人から、口止めとも取れるメール」』『お人払いをされ、100万円を頂き金庫に』『夫人から財務省に、動きをかけて頂いた』」と昭恵叩きの虚報三連発」(99頁)との記載。
 記事は、虚偽の証言をすれば偽証罪に問われる可能性がある参議院予算委員会の証人喚問における籠池泰典証人の発言の要旨を記載したもので、上記見出しは発言内容の重要な部分を見出しとしたものです。籠池氏が上記のとおり発言したことは真実であり、「虚報」には該当しません。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。

【回答】「虚報」です。証人喚問において、昭恵夫人は主要主題とはなっていません。証人喚問議事録に基づけば、昭恵夫人に関する質疑は、文字数換算にして全体の二.九%に過ぎません。文字換算だけで重要度を置換できぬとは言え、昭恵氏以外に重大な問題解明箇所が多数ありました。また籠池氏の証言能力はこの証人喚問時にも既に明らかに問題がありました。そのような実態に鑑みれば、三本の見出し全てが籠池氏の一方的な証言の引用による昭恵夫人の疑惑に関するものだというのは、見出しの立て方として「虚報」であることは明らかです。

 

【訴状要約】上記記事は証人喚問における籠池氏の発言要旨で、籠池氏の発言内容の重要な部分を見出しとしたものある。発言したのは事実であり虚報ではない。・・・カ

【補足】引用部分は証人喚問された国会での質疑の採録の記事に言及した部分で、所々にこのような見出しをつけていたらしい。実際にこれらの発言はあったので虚報とは言いがたいが、籠池証言の内、首相夫人に関わることのみを殊更強調して印象操作をしている感がある。

ちなみに、日経web版では、「寄付受領の詳細」、「首相夫人への働きかけ」、「稲田氏との関係」、「政治家へ協力要請」といった見出しが挿入されており、朝日とはかなり異なる。

 

8.「『総理のご意向』が書かれた同じ文書のすぐ下に、『総理が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか』と書かれている。もし『総理の指示』があったらこういう言い方にはなるまい。指示がなかったからこそ『総理からの指示に見える』ような操作が必要だ――この文書はそう読める」「この日、朝日は後に政府が調査・公開した文書八枚(一部ずれがある)を既に入手していたが、『総理の意向』『官邸の最高レベル』という、安倍の関与を想像させる部分以外は、文書内容をほとんど読者に紹介せず、未公開のまま、今日に至っているのである」「朝日新聞は、最初から世論の誤導を狙って、『総理の意向』でないことが分かってしまう部分を全て隠蔽して報道し続けた」(151~152頁)との記載。

 弊社は、上記8枚の文書について、その内容を本年5月17日、18日、19日の紙面で紹介しており、「安倍の関与を想像させる部分以外は、文書内容をほとんど読者に紹介せず」という指摘は事実に反します。

 また、上記8枚の文書のうちの「大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」と題する文書には、今治市での大学設置の時期について「総理のご意向」で最短距離でプロセスを踏んでいると聞いているとの記載があり、次いで「大学設置審査のところで不測の事態(平成30年開学が間に合わない)ことはあり得る話」との懸念が記載され、そのすぐ後に、「『国家戦略特区諮問会議決定』という形にすれば、総理が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか。平成30年4月開学に向け、11月上中旬には本件を諮問会議にかける必要あり」と記載されています。一連の記載に沿って、普通の読み方をすれば、「総理のご意向」を実現するために、国家戦略特区諮問会議決定とし、総理からの指示に見えるようにするのがよいとの趣旨であることが明らかです。弊社が、入手した文書について「『総理の意向』でないことが分かってしまう部分を全て隠蔽」した事実はありません。また、世論の誤導を狙って報道したこともありません。

 本書の上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。
 なお、獣医学部新設の時期に関しては、文科省が公表した「獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項」と題する文書で「平成30年4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。成田市ほど時間はかけられない。これは官邸の最高レベルが言っていること」との記載もあります。

【回答】事実に反しません。貴紙において、文科省文書は、「総理のご意向」及び「官邸の最高レベルが言っている」の部分を極度にクローズアップし、それ以外の殆どを報じていないことは記事量比較をすれば容易に証明できることです。5月17~19日記事の些末な扱いで正当性を主張できるものでは全くありません。
何よりも深刻なのは、貴紙が、自分がスクープした文書八枚全部公表を全くしておらず、全部公表とそこから浮かび上がる時系列をベースにした報道を一貫して構成してこなかった事実です。スクープした文書の大半を隠蔽するようではスクープした意味がないではありませんか。

 

【訴状要約】(省略)・・・キ

【補足】この画像は下図のようなもの。この日を含め、朝日はこの文書の全体は一度も掲載していないという。「新学部『総理の意向』」とこの不自然な加工をした画像との合わせ技は意図的と言われてもしかたがないのでは。

 

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9.「ある人物が朝日新聞とNHKの人間と一堂に会し、相談の結果、NHKが文書Aを夜のニュースで、朝日新聞が翌朝文書群Bを報道することを共謀したとみる他ないのではあるまいか」(154頁)との記載。
 弊社の記者や幹部が、加計学園の問題について「ある人物」や「NHKの人間」と一堂に会したことはありませんし、報道について共謀したこともありません。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。

【回答】これは、私の推定部分であり、そう明記しています。
読者一般に説得的な推理を展開する言論の自由は当然保障されねばなりません。

 

【訴状要約】「ある人物」や「NHKの人間」と一堂に会したことはなく、共謀したこともないので虚偽である。・・・ク

【補足】小川氏の回答の通り。

 

10.「朝日が裏取りもせずにスクープを決断」(156頁)との記載。
 弊社は複数の取材源に確認したうえで当該記事を掲載しています。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。

【回答】切り取り方が異常・不正です。
一五六頁の拙著該当箇所は、貴紙紙面の熟読を通じた推論箇所です。その文脈から全く切り離して十七文字を抜き出せば、私が全体で表現している合理的推論は掻き消え、貴社が抜き出した箇所を私が「事実」として記述していることになります。これは文意の完全な捏造です。
貴紙記者はこんな無茶な引用を常習としているのでしょうか。新聞社として恥を知りなさい。

 

【訴状要約】(この件については訴状に記載なし。)

 

11.「実は、朝日新聞は、加計学園問題を三月十四日の第一報からこの日まで二ケ月もの間、小さな記事三点でしか報じていない」(158頁)との記載。
 弊紙はこの間に少なくとも10本の記事を全国版(東京本社発行)に掲載しています。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。
 10本の記事は以下の通りです。
 ●2017年3月23日付 朝刊3面「『国家戦略特区』選定 野党が批判」
 ●同月28日付 朝刊4面 「『二つの学園』論戦の的」
 ●同年4月1日付 朝刊4面 「加計学園の獣医学部設置 地理的条件、昨年11月浮上」
 ●同月6日付 朝刊4面 「『特区』調査へPT」
 ●同月8日付 朝刊4面 「昭恵氏言動にやまぬ追及」
 ●同月11日付 朝刊社会面 「特区の獣医学部など諮問」
 ●同月15日付 朝刊4面 「加計学園問題 論点は」
 ●同日付 夕刊1面 素粒子
 ●同月19日付 朝刊4面 「特区に加計学園 首相の影響否定」
 ●同月29日付 朝刊4面 「元加計学園監事の最高裁判事任命は『異例』 慣例通り日弁連が推薦」

【回答】私は、貴社の該当記事を、いくつかのキーワードから多面的にネット検索で収集し、紙媒体と照応する方法を取りましたが、指摘のあった記事の多くがヒットしておらず、記載した記事本数が不足していました。ご指摘の記事を検討しましたが、該当しない記事や素粒子まで含まれております。次回増刷分より「小さな記事三点」を「わずか十点にも満たぬ記事」と訂正します。

 

【訴状要約】少なくとも10本の記事があり、その半数以上は小さな記事ではない。(10本の記事を列挙)・・・ケ

【補足】見落としか?

 

12.「以下は、私の推理である。加計問題をスキャンダル化できる特ダネを探していた朝日新聞、NHK幹部らは三月以来、密議を繰り返してきた。その中で、文科事務次官を天下り斡旋で事実上更迭された直後だった前川喜平との接触が始まる」(159頁)及び「加計スキャンダルは朝日新聞とNHKとの幹部職員が絡む組織的な情報操作である可能性が高い」(160頁)との記載。
 弊社が加計学園の問題についてNHKの幹部と密議をしたことはありません。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。

【回答】これも(九)と同断であり、推測であることを明記した場所ですので、事実を争点とする主張は失当です。

13.「現時点では取材拒否が多く」(160頁)との記載。
 弊社の取材窓口にはもちろん、弊社の取材班にも、貴殿からの取材申し入れはこれまで一度もありません。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。
 なお、弊社は加計学園問題について、直接取材いただいた複数のメディアに対し、弊社としての見解や事実関係をお答えしております。

【回答】該当箇所は、貴社取材窓口、または取材班への取材が拒否されたと書いていません。

 

【訴状要約】12,13に関し、NHKの幹部と密議をしたことはなく、小川から取材申し込みを受けたことも取材を拒否したこともない。・・・コ

【補足】この箇所は、前川前事務次官が一連のメモをマスコミに持ち込んだ張本人と仮定しての推理の部分。

 

14.「加計学園問題は更にひどい。全編仕掛けと捏造で意図的に作り出された虚報である。(中略)今回は朝日新聞が明確に司令塔の役割を演じ、全てを手の内に入れながら、確信をもって誤報、虚報の山を築き続けてゆく。何よりも驚くべきは、前川喜平たった一人の証言で二カ月半、加計問題を炎上させ続けたことだ」(164頁)との記載。

 上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。
 「全編仕掛けと捏造で意図的に作り出された虚報」「確信を持って誤報、虚報の山」「前川喜平たった一人の証言で」とは何を指すのか及びその根拠をお示しください。

 また、「朝日新聞とそれに追随するマスコミは、大騒ぎを演じた二カ月半、これらの当事者に殆ど取材せず、報道もしていない。前川一人の証言だけで加計問題を報じ続けた」(165頁)との記載。

 弊社は文部科学省関係者や当事者、関係者に幅広く取材をし、報道しております。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。

【回答】根拠は、拙著四章・五章全体です。よく読んで正しくご理解ください。
 また、”弊社は文部科学省関係者や当事者、関係者に幅広く取材をし、報道しております”とありますが、この問題に関し、貴社は、安倍総理、加戸守行氏、義家弘介氏、萩生田光一氏、文科省担当課担当責任者ら、特区ワーキンググループの委員諸氏に取材し、その主張を充分に報じていますか。
もしそうした取材と事理を明らかにするに足る充分な報道があれば、具体的にお示しください。

 

【訴状要約】「仕掛けと捏造で意図的に作り出された虚報」ではない。「大騒ぎを演じた二カ月半」とは2017年月17日の第1報から7月末頃を指すと考えられるが、幅広い関係者(列記)に取材し記事にしている(記事列記)。・・・サ

【補足】朝日の言う“幅広い関係者に取材した記事”がいかようなものかは不明なため、判断不能。

 

15.「『官房副長官が指示』メール」ともあったが、それは加計学園の獣医学部新設を決定する過程に副長官萩生田の指示があったと見える文書が新たに見つかったことを指す。萩生田は、この文書内容をただちに全面否定したが、朝日新聞は逆に、萩生田と文科省が文書の内容を巡って対立しているとして、萩生田の言い分を全く度外視した紙面を作り続けた。この文書内容は後に文科省自身も誤りを認め萩生田に謝罪している。もはや、朝日は偽文書を元に政治家を叩くことにさえ躊躇がないのである」(217頁)との記載。
 弊社は萩生田氏の言い分を度外視しておらず、本年6月16日から17日にかけての朝夕刊で3回にわたり見出しを付して萩生田氏の言い分を報じています。また、萩生田氏を叩く意図は弊社にはありません。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。
 3本の記事は以下の通りです。
 ●2017年6月16日付 朝刊1面 「『官房副長官が指示』メール」
 ●同日付 夕刊1面 「『ご意向発言 認識ない』」
 ●同月17日付 朝刊1面 「内閣府説明、文科省と対立」

【回答】萩生田氏に関する貴紙報道について、拙著では分量の関係で7行に纏め、詳述しておりませんが、実は大変深刻な「虚報」「捏造」が行われているので、この機会に改めて正確に指摘しておきます。6月15日文科省発表文書中に「指示は藤原審議官曰く官邸の萩生田副長官からあったようです」と二重の伝聞が書かれていたのみなのに、貴紙は一面トップで「「官房副長官が指示」メール」の大見出しを打ち、二面全面で「官邸関与 深まる疑念」と大きな記事にしています。これを見る読者は、誰も数文字の二重の伝聞だけが根拠とは思いません。私見ではこれは見出しによる「捏造」です。また、6月20日文科省公表文書の中身を、21日付貴紙は「萩生田氏発言」と題して「「総理は18年開学」と期限」と大見出しを打っています。ところが、記事の終わりの方には松野文科相が「「内容に不正確な点があった」として萩生田氏に「大変迷惑を掛けた」と陳謝した」事実を報じています。発表当事者である文科大臣が不正確で陳謝した文書内容を大見出しに打つのは、これも又「捏造」ではありませんか。お答えください。

 

【訴状要約】萩生田氏の発言は少なくとも3回報じている。また、本件書籍で「この文書内容は後に文科省自身も誤りを認め萩生田氏に謝罪している」としているが、文科省が謝罪したのは2016年11月1日付メールではなく、NHKの『クローズアップ現代+』(2017年6月19日放送)で報じた「10/21 萩生田副長官ご発言概要」と題する文書である。・・・シ

【補足】文科省職員が勝手に作成して謝罪したという文書は下図-右(「10/21 萩生田副長官ご発言概要」)であることは間違いない。(→ブログ記事『NHKクローズアップ現代+で新文書として紹介されたのはまた課長補佐の創作物だった』)

 

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16.「時系列で読み解くと、朝日がなぜこの文書をひた隠してきたかがよくわかるはずだ」(256頁)及び「こうして八枚いずれの文書も、徹底的にサボタージュしてきた関係省庁を、藤原、義家、松野、萩生田らがそれぞれの立場から解きほぐし、圧力団体や麻生副総理の意向に配慮しながら、行政手続きと規制突破を両立させるべく腐心している様を伝えている。朝日新聞をはじめマスコミが『総理の意向』以外の部分を徹底的に隠したのはその為だったのだ」(267~268頁)との記載。
 弊社は、本年5月17日、18日、19日の紙面において上記の8枚の文書の内容を紹介しており、その中で、藤原、義家、松野、萩生田各氏の行動や発言について触れています。「総理の意向」以外の内容についても報じていることは前記⑧の通りです。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。

【回答】(八)同様なので、回答を省きます。

 

【訴状要約】2017年5月19日付で、藤原、義家、萩生田各氏の行動や発言に触れた記事を報じている。その中で、『総理の意向』以外の内容についても触れており、それ以外の部分を徹底的に隠した事実はない。・・・ス

【補足】小川氏の言う「(八)同様」とは「総理のご意向」文書の件。

 

感想

仕掛かり中

 

 

 

 


 

2018/01/02

【書籍】『朝日新聞がなくなる日』(新田 哲史 ・宇佐美 典也 著)読了【感想】

この『朝日新聞がなくなる日』は昨年末、手元に届いて数時間で読み終えており、既に当ブログでも内容について言及していたのですが、全体的な感想は年を越した宿題となっていました。

手元には次に読む予定の『徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』 (小川榮太郞著/月刊Hanada双書)が控えてていて、早くこの本に取りかかりたいのですが、その前にまず宿題を片付ける気持ちでここに感相等をまとめておきます。

 

 

 

 

Amazonの内容紹介

以前ご紹介したものの再掲です。

 

「なぜ朝日新聞は安倍首相を憎むのか?」

森友&加計学園問題で迫る〝悪魔の証明〟、東京都議選における異常な自民叩き、そして滲み出る記者たちのイデオロギーまで……その違和感の正体に、『アゴラ』編集長の新田哲史氏と元経済産業省官僚の宇佐美典也氏が深く切り込む。さらに蓮舫氏の二重国籍問題報道の裏側も分析。
「この本は朝日新聞への口汚い応援歌である」(おわりにより)

第1章 朝日新聞と〝反権力ごっこ〟
第2章 ビジネスとしての加計学園問題
第3章 二重国籍問題と報道しない自由
第4章 政策論争を放棄した都議選報道
第5章 昭和の体質を抜け出せない新聞業界
第6章 ゴシップ化するリベラルメディア
第7章 朝日新聞は生まれ変われるのか?

 

 

 

 

著者:新田 哲史氏、宇佐美 典也氏について)

次に、2人の著者について、表紙カバーの袖(表紙の内側に折られた細い部分)に書かれた著者の紹介から要約して紹介します。

 

新田 哲史 : 1975年生まれ。読売新聞記者、PR会社を経て独立後、2015年に『アゴラ』の編集長に就任。就任から1年で月間ページビューを300万から1000万に躍進させた。

宇佐美 典也 : 1981年生まれ。元経済産業省官僚。2012年に経産省を退職後、再生可能エネルギー分野や地域活性化分野でのコンサルタント業。『アゴラ』を始め、ネットサイトへの寄稿多数。

 

感想

この本については、著者の一人の新田氏がネット番組『言論テレビ』に出演された時に書いたエントリーで紹介した後、別のエントリーでも触れましたが、ライバル社である読売新聞の記者であり、その後ネットのニュースメディア編集長に転身した新田氏と元官僚として朝日新聞から取材を受ける側だった宇佐美氏両名による対談の形式を取っています。

従って、全編話し言葉で書かれているので読みやすい反面、話題が展開していくと「朝日新聞」から話題が外れて「蓮舫批判」になったり、「東京新聞の望月衣塑子(もちづきいそこ)記者()の話題になったりし、「第5章 昭和の体質を抜け出せない新聞業界」以降はオールドメディア(新聞)対ニューメディア(ネットメディア)の話、『第6章 ゴシップ化するリベラルメディア』では論ずる対象は朝日だけでなく東京新聞や毎日新聞も含まれるので、全編“朝日の悪口”を期待すると少し当てが外れるかと思います。

 

※東京新聞の望月衣塑子とは、(このブログに辿り着かれるような方であれば既にご存知かと思いますが、政治部ではなく社会部の記者(遊軍記者とも)でありながら、菅官房長官の記者会見会場にやって来ては、質問ではなくアジテーションをしているだけの、ある意味“名物記者”です。もちろんいい意味ではありません。自分で取材したことではなく、週刊誌などから得た“ネタ”をぶつけて鋭い追求をしたと勘違いしている記者です。

 

とは言え、この“脇道に逸れた部分”も興味深く、この本に関心のある方にも関心が深い話が多いと思うので、読んで損はありません。

 

『第1章 朝日新聞と〝反権力ごっこ〟』、『第2章 ビジネスとしての加計学園問題』、『第3章 二重国籍問題と報道しない自由』では朝日の報道姿勢、報道パターンが様々な例で語られます。

「反権力ごっこ」については、前回のエントリーでも少し異論を唱えたのですが、安倍首相を叩くのは反権力からではなく、ブログ主は単に“嫌いだから叩く”のだと思っています。反権力を隠れ蓑にして嫌いなものを叩くという理由なら、「ごっこ」というのは言い得て妙ですが。

いずれにしても安倍首相を嫌う理由はこの本でも指摘していますが、昨年(2017年)の憲法記念日に読売新聞のインタビューで改憲試案を語ったからに他ありません。(実際は、平成19年に「戦後レジーム」からの脱却を宣言した時に“きらい”のレッテルを貼ったのだと思っていますが。)

そして、“嫌いなもの叩き”に利用できるなら、前川喜平前文科省事務次官を持ち上げたり、森友学園の籠池理事長を利用し、利用価値がなくなればおもちゃのように捨てたりするわけです。そして、それに都合が悪いもの、例えば、加戸前愛媛県知事の国会での発言は「報道しない自由」を発動して無視、あるいは、アリバイとして「詳報」(国会での発言を時系列に要約して並べたもの-つまり、目立たない記事)に載せるだけ、というようなことをします。1面、2面の大きな記事と4面、5面の質疑要約の中に数行出てくるだけの記事を同じ1記事と数えるのは無理があります。

 

『アゴラ』は「蓮舫の二重国籍問題」追及の先鋒であったので、この問題についてはかなり行数を割いて蓮舫氏を批判していますが、これに関する朝日の報道姿勢として、この問題を“二重国籍を持つ人たちの人権問題”にすり替えて報道するものだったと語っています。

朝日の報道姿勢は、事実や事象をそのまま報道(ストレートニュース)するのではなく、“自分達の好むストーリー”に当てはめて報道するとこの本では断じています。

 

昨年11月には朝日が「安倍晋三記念小学校」であると報じていた森友学園の小学校の設立趣意書の黒塗りが外れて「開成小学校」と判明していましたが、朝日は、「これは籠池氏から聞いたのでそう報道した」と小さな後追い記事を載せただけでした。

 

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しかし、黒塗りになっていた部分に「安倍晋三記念小学校」の9文字が入るのは明らかに無理があり、多くの人が指摘しているように、籠池氏本人の手元にあるはずの控えを見せて貰うなりして、裏付け(エビデンス)をとればいいだけなのに、それをせずに報道するのは、“黒塗りだから分かるまい”と自分達の都合のいいように報道したに違いありません。

 

Nikkei_advertisement_sangokushi (上の画像は、日経新聞社が朝日新聞本社のある築地駅に出した、三国志とのコラボ広告。出社する朝日新聞社社員はこれを見てどう思うのでしょうか。やりますね。日経。)

 

これは福島第一原発事故の『吉田調書』が黒塗りなのをいいことに事実をねじ曲げて報道したのと同じ手法です。

この捏造による“スクープ”は朝日新聞の記者が菅直人首相に近い存在だったので、黒塗りされていない調書を見ることができたのですが、その後、政府が調書を公開したのでバレてしまいました。

 

朝日は『慰安婦報道』問題、『吉田調書』捏造問題を引き起こし、日本人や原発で働いてた人たちの名誉を汚してまでも自分達好みのストーリーを“報道”と称してまき散らした結果、第三者委員会による調査も行われたわけですが、この時の反省はポーズだけで全く生かされてなかったことになります。

朝日新聞一連の捏造問題に対する第三者委員会の報告書がネットで公開されていますが、これは数多ある朝日新聞批判の本に匹敵するくらい、朝日新聞というものを良く分析したものだと思います。

 

 

下は第三者委員会の岡本行夫氏(外交評論家)の意見を転載したものですが、例えば、これだけも読んでみて下さい。「角度をつける」というのは朝日の方針ということがよく分かります。

朝日新聞の問題を指摘し批判するという点では、朝日批判本、例えば『朝日新聞がなくなる日』1冊分の内容がここに全て要約されていると言っても過言ではありません。

 

P92, 93(PDF P.97, 98)

15 個別意見
(1)岡本委員

記事に「角度」をつけ過ぎるな

我々の今回の検証作業に対して、朝日新聞社はまことに誠実に対応した。新しい方向へレールが敷かれた時の朝日の実行力と効率には並々ならぬものがある。しかしレールが敷かれていない時には、いかなる指摘を受けても自己正当化を続ける。その保守性にも並々ならぬものがある。

 吉田清治証言を使い続けた責任は重い。しかし、同様に国際的に大きなインパクトを与えたのは、1992年1月11日の「慰安所 軍関与示す資料」と題して6本の見出しをつけたセンセーショナルなトップ記事だ。数日後の日韓首脳会談にぶつけたこの報道は、結果としてその後の韓国側の対日非難を一挙に誘うことになった。(同記事の問題点については本報告書をお読みいただきたい)。

 当委員会のヒアリングを含め、何人もの朝日社員から「角度をつける」という言葉を聞いた。「事実を伝えるだけでは報道にならない、朝日新聞としての方向性をつけて、初めて見出しがつく」と。事実だけでは記事にならないという認識に驚いた。

 だから、出来事には朝日新聞の方向性に沿うように「角度」がつけられて報道される。慰安婦問題だけではない。原発、防衛・日米安保、集団的自衛権、秘密保護、増税、等々。

 方向性に合わせるためにはつまみ食いも行われる。(例えば、福島第一原発吉田調書の報道のように)。なんの問題もない事案でも、あたかも大問題であるように書かれたりもする。(例えば、私が担当した案件なので偶々記憶しているのだが、かつてインド洋に派遣された自衛艦が外国港に寄港した際、建造した造船会社の技術者が契約どおり船の修理に赴いた。至極あたりまえのことだ。それを、朝日は1面トップに「派遣自衛艦修理に民間人」と白抜き見出しを打ち、「政府が、戦闘支援中の自衛隊に民間協力をさせる戦後初のケースとなった」とやった。読者はたじろぐ)。

 新聞社に不偏不党になれと説くつもりはない。しかし、根拠薄弱な記事や、「火のないところに煙を立てる」行為は許されまい。

 朝日新聞社への入社は難関だ。エリートである社員は独善的とならないか。「物事の価値と意味は自分が決める」という思いが強すぎないか。ここでは控えるが、ほかにも「角度」をつけ過ぎて事実を正確に伝えない多くの記事がある。再出発のために深く考え直してもらいたい。新聞社は運動体ではない。

 一方で重要なことがある。不正確でない限り、多様な見方を伝える報道の存在は民主主義を強いものにする。朝日新聞の凋落は誰の利益にも適わない。朝日の後退は全ての新聞の後退につながる。

 

 

 

 


 

2017/12/23

【雑記】『朝日新聞がなくなる日』(新田 哲史 ・宇佐美 典也 著)/広辞苑の中国地図に台湾抗議/『支那事変写真帖』/NHKニュースウオッチ9

今回のエントリーは最近見聞きしたことを書き留めておくものです。

 

【言論テレビ】『朝日新聞がなくなる日』(新田 哲史 ・宇佐美 典也 著/ワニブックス)

12月22日金曜夜10時からの『花田編集長の右向け右』のゲストは、アゴラ編集長の新田哲史氏でした。

この番組を観て早速“ポチった”(ネットで注文した)のは『朝日新聞がなくなる日』という本。

実は先日、小川榮太郞氏の『徹底検証「森友・加計事件」』を買おうと思ったら、品切れのようで発送が2週間くらいかかるようだったので一旦キャンセルしました。これらの“事件”が朝日を始めとする大手マスメディアの作り上げたものであることはブログ主は既に分かっているので、小川氏を応援するために購入しようとしただけなのですが、この本はもう少ししてから購入することにし、取り敢えず代わりに『朝日新聞がなくなる日』を購入しました。

 

 

 

 

 

「なぜ朝日新聞は安倍首相を憎むのか?」
森友&加計学園問題で迫る〝悪魔の証明〟、東京都議選における異常な自民叩き、そして滲み出る記者たちのイデオロギーまで……その違和感の正体に、『アゴラ』編集長の新田哲史氏と元経済産業省官僚の宇佐美典也氏が深く切り込む。さらに蓮舫氏の二重国籍問題報道の裏側も分析。
「この本は朝日新聞への口汚い応援歌である」(おわりにより)

第1章 朝日新聞と〝反権力ごっこ〟
第2章 ビジネスとしての加計学園問題
第3章 二重国籍問題と報道しない自由
第4章 政策論争を放棄した都議選報道
第5章 昭和の体質を抜け出せない新聞業界
第6章 ゴシップ化するリベラルメディア
第7章 朝日新聞は生まれ変われるのか?

 

従って、本は未読なので、今回、書き留めておこうと思ったのは著者でアゴラの編集長である新田氏が話されていたことです。

 

『朝日新聞がなくなる日』に少しだけ触れておくと、この本に書いているのは、小川氏の朝日本と違って、もう少しマクロ的(巨視的)な視点での分析だそうです。(小川氏の本は森友・加計の騒動というミクロ的な話) 

 

新田氏は元読売新聞社の記者だったそうで、読売と朝日の比較、オールドメディアとニューメディアの話を興味深く拝聴しました。

アゴラ』というのはウェブで運営しているニュースメディアなのですが、大手新聞、特に紙を媒体としたニュースメディアとの大きな違いは、各記事への反応がダイレクトに分かることだそうです。

当然ネットであればアクセス分析でアクセスの多い記事は分かるでしょうし、その記事がどれだけツィートされたのかも分かります。また、読者層(性別・年代)もだいたい分かります。

これは、こんな弱小ブログの筆者(ブログ主)でも経験する喜びなので良く理解できます。基本的にはアクセス数なんて気にしていないのですが、獣医学部新設問題に関するエントリーをよく書いていたときは、1人でも多くの人に読んで貰いたいと思って結構アクセス数などをチェックしていたからです。

 

読売と朝日の比較では、一例として“進取の気性”のような意味合いの話をされていました。言うまでもなく読売は保守系、朝日はリベラル系ですが、リベラル系の方がアメリカのリベラル系メディアの影響を受けやすいというか、ネットの使い方は上手だということです。新聞としてはブログ主は断然読売の方を支持しますが、読売はウェブ上にはあまり記事を掲載しないし、サイトの使い勝手もよくありません。

朝日が今年の2月から始めたという「ファクトチェック」のコーナーもアメリカのメディアの手法をいち早く取り入れたものらしいのですが、新田氏によるとあまり機能はしていないそうです。例えば、「記録がない」というファクトをそのまま伝えればいいものを、「記録がないからと言って政治家の関与がないとは言えない」と、結局は朝日新聞の文脈に当てはめてしまっているという話でした。

ブログ主はこの朝日の「ファクトチェック」コーナーなるものを知らなかったので調べてみたら、下のような記事が見つかりました。(小島慶子氏による朝日の担当者へのインタビュー)

 

(パブリックエディターから)ファクトチェック コーナー常設化の検討を 小島慶子

2017年11月21日05時00分

https://www.asahi.com/articles/DA3S13237349.html

 最近よく聞く「ファクトチェック」。政治家らの発言が事実に基づいているか検証し、信用度を評価するジャーナリズムの手法です。

 朝日新聞では昨年10月24日付朝刊2面掲載の「首相の答弁 正確?

 臨時国会中盤」に始まり、今年2月からはファクトチェックコーナーを作って、政治家の発言を随時取り上げています。衆院選が行われた10月には、9本の記事が掲載されました。読者からは「待ち望んでいた」「面白い試みだ」など評価する声と、「記事のファクトチェックが必要」「2014年に誤報問題があったのにおこがましい」という批判が寄せられました。

 ――きっかけは?

 隅田 米国留学から戻り、昨秋に国会取材班のキャップ(現場取材記者のリーダー)になった記者が、米大統領選でのメディアの取り組みを日本でもできないかと提案した。

 ――どんな体制で始めたのか?

 隅田 国会担当記者3人を中心に即時作成した国会の議事録を読み、与野党問わずにチェックした。答弁は官僚が書くのでデータの間違いはあまりないが、丁々発止になると政治家が自分の言葉でしゃべり、落とし穴が出てくる。林デスクに交代後、言葉の真贋(しんがん)を見極めるファクトチェッカーを増やし、対象も選挙中の会見や街頭演説などの言葉になった。

(以下略)

 

ブログ主は朝日新聞の記事に対するファクトチェックかと思っていたのですが、これを読むと、どうやら政治家の発言などをチェックするもののようです。

記事の中にも書かれていますが、「人の揚げ足取りする前に、まず、自分達のフェイクニュースをどうにかしろよ」と突っこみたくなるのはブログ主だけではないと思います。coldsweats01

あと、慰安婦報道は「誤報」ではなくて「捏造」であり、英文サイトでは訂正もしていないので、反省は全くしていないのですが。

 

ちなみに例として載っていたチェック表は下のようなものです。

 

20171222_genron_asahi_factcheck

 

感想。

「おまえが言うな!」 

 

なお、『花田編集長の右向け右』の次週(29日)のゲストは自民党の和田正宗参議院議員で、タイトルは『朝日がまた印象操作』だそうです。

花田編集長は徹底的に朝日攻撃ですね。happy01

 

広辞苑の中国地図に台湾抗議-岩波書店は訂正せず

12月23日の読売の記事が分かりやすかったので、下に提示します。

20171223_yomiuri_kojien  

 

分かりやすいと書いたばかりですが、『台湾を中国の一部の「台湾省」と紹介』がどのようなことなのか書いていなかったですね。

問題となっているのは中国(中華人民共和国)の項にある地図です。

ブログ主は日本語入力ソフトとしてATOKを使っているので、『中華人民共和国』と入力するとその地図が表示されるのですが、下図のようなものです。

 

20171223_kojien_china_map

 

台湾(中華民国)に26という番号を振り、「台湾省」と表記しているのが分かると思いますが、これに対して台湾の外交部が抗議をしているというものです。記事にあるように、

 

日本は中国共産党が建国した中華人民共和国(ブログ主註:1949年10月1日成立)と1972年に国交を樹立。

 

したために、中華民国とは断交。台湾については、“「中国の一部」とする中華人民共和国の立場を「十分理解し、尊重する」との見解にとどめている。”と、日本政府は曖昧にしているものを、広辞苑が地図に明記して台湾の神経を逆撫でした、というところです。

 

記事にはありませんが、岩波書店はHPに『読者の皆様へ――『広辞苑 第六版』「台湾」に関連する項目の記述について』というタイトルで、「小社では『広辞苑』のこれらの記述を誤りであるとは考えておりません。」という態度を表明しています。(見解全文は後述)

 

ブログ主が気になるのは掲載文の中の「「中華人民共和国行政区分」図については、「中華人民共和国」の項目に付した地図であり、同国が示している行政区分を記載したものです。」という部分。気になって、『韓国』の地図を開いて見ましたが、さすがに「独島」はありませんでした。coldsweats01

 

なお、この件で新聞報道などで表立っては報道されていませんが、岩波書店はイデオロギー的にやや傾いているというのは以前から指摘されています。左がかっているというか中共の立場に傾いている傾向があることは以前から指摘されています。

例えば、『南京事件』と引くと(2)に「南京大虐殺」という説明があり、更に『南京大虐殺』引くと...

 

ナンキン‐じけん【南京事件】
(1)1927年3月、国民革命軍の南京入城に際し、革命軍の一部が日・英・米などの領事館を襲撃し暴行を働き、英米がそれに対し砲撃した事件。
(2)南京大虐殺。

ナンキン‐だいぎゃくさつ【南京大虐殺】
日中戦争で南京が占領された1937年(昭和12)12月前後に南京城内外で、日本軍が中国軍の投降兵・捕虜および一般市民を大量に虐殺し、あわせて放火・略奪・強姦などの非行を加えた事件。

広辞苑 第六版 (C)2008  株式会社岩波書店

 

他国の感情を逆撫でするような記述は日本の国益を損なう可能性もあり、ブログ主は岩波書店の態度は非常に残念ですが、ただ、辞書というものは編者の個性が出るもので(そのために、複数の編者で協議されるべきですが、)、今回の件で『新明解国語辞典』を思い出しました。

この辞書は主幹の山田忠雄氏の個性溢れる説明文で、1999年頃ブームを巻き起こしました。その火付け役は赤瀬川原平の『新解さんの謎』です。

 

 

上記の本で紹介されたユニークな例で覚えているのは『ヒステリー』の見出し語。ブログ主の手元には第2版と第5版があり、さらにATOKには第7版が入っていますが、第2版では下記のような説明でした。(第7版のコピペに削除された部分を追加)

 

ヒステリー[3] [4]
〔ド Hysterie〕
わずかのことでも、すぐ感情を大げさに表わす、精神の△状態(病的症状)。欲求不満の女性に多い。ヒス。

新明解国語辞典 第七版 (C) Sanseido Co.,Ltd. 2013

 

辞書を手にして、あまり序文など読まないでしょうが、もし新解さんをお持ちなら、「序」を読んでみて下さい。編者の熱い想いが溢れていてなかなか味わい深い文章です。

『新解さんの謎』について少し補足をしておくと、新解さんそのものの面白さもさることながら、赤瀬川原平氏と本の中に登場する「文藝春秋社SM嬢」こと夏石鈴子氏の掛け合いがこの本の魅力です。

 

『支那事変写真帖』

ブログ主の家に掲題のようなタイトルの本があります。

本題に入る前に、ちょっと前の話題に関連づけると、この本について調べようとして、Googleの検索窓にタイトルを入力してみたところ、「しな」から『支那』へ変換できませんでした。

まあこれは前から知っていたのですが、ブログ主が使っている日本語入力ソフト・ATOKは一部の言葉の“言葉狩り”をしているのは有名なことです。

ブログ主の場合、日常で「支那」という言葉を書くことはほとんどありませんが、例えば文筆を生業とする方など、「支那」に限らず“使用の好ましくない語”でも書かなくてはならない場合があって不便ではないかと思うのですが...。一例を挙げると『白痴』も変換できません。ドストエフスキーの代表作なのに。

 

ようやく本題ですが、この本がいつ頃、どこから出版されたのか、たまに思い出して気になってたので調べてみたところ、国立国会図書館に見つかりました。それをメモしておこうとこの項を書きました。

調べたもう一つの理由は、寄贈できるところがあるかな?と思ったからですが、2ページほど破れて失われているのと、裂け目の入ったページもあるので、蔵書とするには価値が無さそうで、せいぜい博物館の展示物くらいにしかならないとは思うのですが。(上:表表紙/下:裏表紙)

 

Shinajihen_syashincho01  

Shinajihen_syashincho02

 

なお、下のURLから中身(モノクロの写真画像)は全ページ閲覧できます。

 

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1112119

書誌情報

永続的識別子 info:ndljp/pid/1112119
タイトル 支那事変写真帖
著者 東光社 編
出版者 東光社
出版年月日 昭和13
請求記号  特268-196
書誌ID (NDL-OPACへのリンク)000000657793
公開範囲 インターネット公開(保護期間満了)

 

2017/12/22 NHKニュースウオッチ9

ブログ主はこの番組は観ていないのですが、ネットでこの番組がちょっと話題になっているのに気づいて調べてみました。

NHKはYouTubeなどへの動画のアップには厳しいので、動画は見つからないと思うのですが、この番組のトピック(NHKの公式の番組紹介)と『TVでた蔵』というサイトに内容をまとめたものが見つかり、大凡の内容が分かりました。

 

ニュースウオッチ9 - NHK - NHKオンライン

ニュースウオッチ9. ▽“子どもが増える町”少子化が進む中で何が ▽若者が“保守化”?イマドキの政治意識は ▽フィギュア代表争い 【キャスター】有馬嘉男,桑子真帆ほか. シェアする help. twitter; facebook; google. 12月25日月曜. NHK総合1. 午後9時00分 ~ 午後10時00分

 

TVでた蔵トップ >> 今日ネタ! >> ニュース詳細

2017年12月22日放送 21:30 - 21:39 NHK総合
ニュースウオッチ9 (ニュース)

文京区で若い世代の政治参加を促すNPOが開いたイベントで、10月の衆院選を振り返った。参加した半数が自民党に投票していた。多くの学生が挙げた理由は就職率が上がっていることだった。政治の安定は野党に投票した学生も求めた。

東京大学大学院の橋元良明教授は衆院選投票締め切りから3日間インターネットで意識調査を実施。現在の生活に満足しているで最も高いのは18歳~29歳だった。一方、国内政治に満足している割合は他の世代と同じだった。

結果は不満より安定を優先し、自民圧倒的投票となった。

一方、自民党は他党に先駆けネット戦略を強化。今月上旬、選挙後の戦略の議論が行われた。2か月前に配布された安倍総理のLINEスタンプについて、平井卓也広報本部長は50代に人気があり、若い世代にはうけていないと話した。自民党は8年前の野党転落を機にネットサポーターズクラブを設立、好意的な意見の発信を促した。

自民党では動画配信をする自前スタジオを開設。先月は国会中継を自民党議員自らが実況中継を行った。安倍首相はインスタで情報発信を行っている。

平井卓也広報本部長は若い世代がどういうことに関心があるか分析するところから入ったとした。

これに対し、立憲民主党の福山哲郎幹事長は大学生に助言を求めた。衆院選ではツイッターのフォロワーは18万を超えた。しかし政党支持率は1桁台となっている。福山幹事長は若い世代のアイデアを粘り強く取り入れるしかないと話した。

高橋茂は自民党はネットでも一強、地道にストレートに継続してやっていることが強さで、野党がやっていないだけの違いだと解説。東京大学大学院の橋元良明教授は政治的に批判であれとは言わないが、このままでいいか真剣に考えてもいいのではないかと話した。

 

この記述が番組の時系列通りだとすると、①若者は安定を求めている/現在の社会に概ね満足している、②衆院選で自民大勝、③自民党はネット戦略をいち早く強化、④立憲民主は(ネットでは出遅れたにもかかわらず)Twitterのフォロワーが18万を超えた、⑤しかし、政党支持率は1桁台。

というファクトで、常識的には、①だから②&⑤の結果と考えるのが論理的ではないかと思います。

が、番組では、

 

『若者が“保守化”?』の理由は
「野党がネット戦略をやっていないだけの違いだヽ(`Д´)ノ」

 

と結論づけたようです。

 

そして、

 

「このままでいいか!m9っ`Д´)」

 

と疑問を投げかけています。coldsweats01

もう、重症ですね。NHK。

 

 

岩波書店『広辞苑第6版』に関する見解(全文引用)

 2017年12月16日付産経新聞朝刊に「広辞苑「台湾」表記に抗議 台北駐日経済文化代表処」と題した記事が掲載されました。

 同記事は、小社刊行の辞典『広辞苑』に対して、「日中共同声明」の項目における「日本は中華人民共和国を唯一の正統政府と承認し、台湾がこれに帰属することを実質的に認め」という記述、また「中華人民共和国」の項目に付した地図に「台湾省」と記載していることが、事実に反する誤りであるため、諸団体から修正を求められていると述べています。

 また同12月21日付毎日新聞夕刊に掲載された「広辞苑「台湾省」記載で対立」と題した記事においても、この問題が取り上げられています。

 小社では、『広辞苑』のこれらの記述を誤りであるとは考えておりません。

 中華人民共和国・中華民国はともに「一つの中国」を主張しており、一方、日本を含む各国は「一つの中国」論に異を唱えず、中華人民共和国または中華民国のいずれかを正統な政府として国交を結んでいます。

 日中共同声明は、1971年10月25日国連における中華人民共和国による中国代表権の承認と中華民国の脱退、また1972年2月21日のニクソン訪中の流れを受け、日本が中華人民共和国を唯一の合法政府と認めたものです。

 同声明中で、日本は中華人民共和国が台湾をその領土の一部とする立場を「十分理解し、尊重」するとし、さらに「ポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」と加え、これによって日本は中華民国との公的関係を終了し、現在の日台関係は、非政府間の実務関係となっています。このような状況を項目の記述として「実質的に認め」たと表現しているものです。

 また、「中華人民共和国行政区分」図については、「中華人民共和国」の項目に付した地図であり、同国が示している行政区分を記載したものです。

 読者の皆様のご理解を求める次第です。

 

 

 


 

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