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【国際】韓国・韓紙

2022/05/30

【韓紙】「溜め漉き」と「流し漉」

前回のエントリーでご紹介した『Wow!Korea』記事〔=国立山林科学院の記事〕は誤訳以外にも誤解を招く点があるので、補足のためにエントリーします。

誤訳を訂正したり、読みやすく漢字表記に変えた上でその箇所だけ抜き出して再掲します。

 

* * * *

(前略)同院とチョ・ヒョンジン韓紙研究所は、文献と現地にある実物の調査を通じて、この「簀(す)」と「漉桁(すきげた)」は、紙をすく技法の1つ「溜め漉き」用の道具であり、韓紙の製作にもこの技法が使われていたことを明らかにした。

 

1933_kanshi01

 

紙をすく際はまず、2人が「漉桁」の縦方向に沿って向かい合った後、「簀」の両端に、長さ120センチメートル、縦と横が2.5センチメートルの角材を1つずつ置き、両手でつかむ。その後、水に混じった紙の原料を足踏みで漉くと、角材2つとすだれの両端にある木材2つが、囲み枠として作用する。水が簀を通過しつつ、原料は簀の上に残るという仕組みだ。

韓紙の技法は「流し漉き」以外、とくに伝わっているものはない。現在さまざまな工房が使う「溜め漉き」の手法は、日本の植民地時代に普及が進んだ日本式の技術となる。

* * * *

 

「流し漉き」と「溜め漉き」という2つの製法の違いは後回しにして、製法に絞って見ると、朝鮮では「流し漉き」が伝統的製法であり、日本統治時代に「溜め漉き」が普及したので、現代の韓紙工房で見られる「溜め漉き」は伝統的ではない、と言う事になりますが、「溜め漉き」に置き換わってしまったように誤読する可能性があると思いました。

 

前回のエントリーでもご紹介した論文にも、伝統的製紙法で、楮を原料とし、その楮の繊維を絡ませるのに適した漉き方、つまり漉き桁を揺り動かす「流し漉き」の技法を持つのは韓国と日本ぐらいである。 とあり、どちらも1936年のダード・ハンターの著書を根拠にしているので、同じはずですが、日本統治以前は「流し漉き」であったと書かれています。

現代の「韓紙」は伝統的な「流し漉き」と日本から伝わった「溜め漉き」が混在しているわけですが、更に誤解を招きそうなのが、現在、「流し漉き」によって作られる「韓紙」が朝鮮時代のままなのか?、というと違うからです。

 

ここで、この2つの製法の違いですが、「流し漉き」は、恐らく多くの日本人が紙漉きというと思い浮かべる方法です。

原料の溶け込んだ水に何度も「簀」をくぐらせて、揺らしながら厚みを増して水を切る、という方法ですが、あの水に粘度があるのは「トロロアオイ」が使われているからです。トロロアオイを使う製法は日本統治時代に朝鮮に伝わりました。

※ダード・ハンターは朝鮮にも「流し漉き」があったと書いていますが、『越前和紙の里 卯立の工芸館』のサイトには、流し漉きは奈良時代の終わりから平安時代の初めに、ねりの発見とともに開発された日本独特の漉き方。 とあり、この「ねり」とは植物粘質物、即ちトロロアオイのような植物なので、朝鮮の「流し漉き」には「ねり」を使わなかったと思われます。

 

もう一度繰り返すと、李氏朝鮮時代には「流し漉き」で紙を漉いていましたが、その厚さは均等では無く、2枚(以上)を重ねて打つ事で、厚く丈夫にした〔但し、絵を描くような用途には適さない〕紙が伝統的な「朝鮮紙(韓紙)」でした。

 

1933_kanshi02
現代の「伝統的な『韓紙』製造」風景
wasa@11ukのページ』というブログで見つけた動画です。
動画「Making hanji: Korean papermaking by Shin Hyun Se」の直接リンクはこちら

 

朝鮮の「流し漉き」もまた、日本統治時代に進化したのです。

 

もう一方の「溜め漉き」は、原料液を一回だけ汲んで、そのまま〔あるいは揺らして〕水を切る方法です。幾つか画像を見てみましたが、桁(枠)の部分が厚くなっていて、一度で多くの繊維質をすくい取れるようにしてあるようです。

 

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上の画像は、『Future Learn』というサイトの「製造方法:漉き方」というページの動画をキャプチャした「溜め漉き」の作業風景。この動画では、同じ原料液を使って、「流し漉き」と「溜め漉き」の両方を実演しています。

 

 

  


 

 

 

【韓紙】韓国国立山林科学院「現在の『韓紙』は植民地時代に伝わった日本式の製法である」

以前のエントリー〔【韓国】「韓紙(한지)」とか「K-紙」って何?〕にも書きましたが、韓国の国立山林科学院が、「現在、韓国の様々な韓紙工房で行われる『韓紙』の製法は日本統治時代に普及したもの」という報告を5月27日付けでHPに掲載しました。

以下は、それを一部翻訳した『Wow!Korea』という、主にエンタメ情報を日本語で配信しているメディアの記事ですが、意味不明な箇所があるため、元の記事〔国立山林学院〕を確認したところ、翻訳ミス等が何カ所かありました。以下、原文の機械翻訳を参考にして修正したものを引用します。

 

* * * *

https://nifos.forest.go.kr/kfsweb/cop/bbs/selectBoardArticle.do?nttId=3171123&bbsId=BBSMSTR_1036&mn=UKFR_03_03&ctgryLrcls=CTGRY150
역사 속에 사라진 전통 한지 제작법을 미국에서 찾다!
2022-05-27

https://www.wowkorea.jp/news/korea/2022/0528/10349682.html
伝統韓紙の製作法、米国の資料を通じて明らかに=韓国国立山林科学院
2022/05/28

韓国の国立山林科学院は27日、米国アトランタ州所在の博物館、紙科学技術研究所が所蔵する韓紙製作道具の分析と文献調査を通じて、失われた伝統韓紙の製造法法を初めて究明したと発表した。

研究対象となる韓紙の製作道具、簀(す)と漉桁(すきげた)は、米国の製紙研究家であるダード・ハンター氏〔Dard Hunter:1883.11.29 – 1966.2.20〕が1933年、ソウル市のセゴム(洗剣)亭付近にある韓紙工房で収集したもので、同氏の著書〔〕に掲載されて知られることになった。

※ ”A Papermaking Pilgrimage of Japan, Korea and China”(1936年)/「和紙のすばらしさ 日本・韓国・中国への製紙行脚」(2009年  久米康生 訳 

 

同院とチョ・ヒョンジン韓紙研究所は、文献と現地にある実物の調査を通じて、この簀と漉桁は、紙をすく技法の1つ「溜め漉き」用の道具であり、韓紙の製作にもこの技法が使われていたことを明らかにした。

 

1933_kanshi01

 

紙を漉く際はまず、2人が漉桁の縦方向に沿って向かい合った後、簀の両端に、長さ120センチメートル、縦と横が2.5センチメートルの角材を1つずつ置き、両手でつかむ。その後、水に混じった紙の原料を漉桁ですくと、角材2つと簀の両端にある木材2つが、囲み枠として作用する。水が簀を通過しつつ、原料は簀の上に残るという仕組みだ。

韓紙の技法は「流し漉き」以外、とくに伝わっているものはない。現在さまざまな工房が使う「溜め漉き」の手法は、日本の植民地時代に普及が進んだ日本式の技術となる。

* * * *

 

ダード・ハンターの著書は、前回のエントリーでご紹介した論文〔植民地期における韓紙の変容〕でも言及されており、ハンターは朝鮮の紙漉きの様子を以下のように描写しています。上掲の写真はまさしくこの風景ですね。

... パルプを柔らかくするために天然石が回転し、いくつかの漉槽は野外にあり、他の漉槽はすべて川のほとりで、粗末の稲わらの筵の下に置かれていた。すべてが粗野な技法で、5世紀あるいは 10世紀前にそこでみられたであろう、ユニークで美しい産業風景であった ...

 

前回のエントリーでも書きましたが、朝鮮の紙は、原料をを溶かした水から漉いて、そのままでは厚さが均一ではないので、2枚を重ねて上から叩いて乾かすという製法でした。その特徴は「強靱さ」で、ロープや建材に使われていました。

従って、折り紙を折れるような紙ではなかったし、海外の美術館で古文書などの修復に使われ始めたという『韓紙』は韓国製の「和紙」なのです。

元記事(国立山林科学院の記事)について、まだ物申したい事があるのですが、ここではやめて、一旦公開します。〔→続き

 

【用語メモ】발(御簾、スダレ、簀)、발틀(漉桁、踏み台)、가둠 뜨기 제작법(溜め漉き/直訳は「閉じ込め製法」)、흘림 뜨기(流し漉き/直訳は「流し打ち技法」・・・恐らく、朝鮮では「打つ」工程があるからと思われる)

 

 

  


 

 

 

2022/04/28

【韓国】「韓紙(한지)」とか「K-紙」って何?

ブログ主は、韓国人の思考で不思議に思うのは、何でも「起源」を主張する事ですが、先の「折り紙」を扱ったエントリーでご紹介した記事でも、「折り紙は韓半島に紀元前1世紀以前、紙の源流が発明され、自然に始まったものと推定される。」と、シナで発明されたはずの紙も起源を主張しています。

この時にネットでは朝鮮(韓国)の「紙」についても同時に話題になっており、少しずつ調べていたので、ここでまとめておこうと思います。

 

◆紙の伝播と発達

中国から世界各地に紙が伝播していくわけですが、日本へは、610年 (推古18年)。高句麗の僧、曇徴(どんちょう)が墨とともに製紙法を伝えた〔※1〕とも、仏教の伝来(6世紀)とほぼ同時とも言われていますが、物理的な位置関係から、日本へは朝鮮半島経由で伝わった可能性はあると思います。

その後は、シナ大陸、朝鮮半島(高麗~朝鮮)、日本と、それぞれ別個に発達したそうで、例えば『源氏物語』〔文献初出は1008年〕には「唐の紙」と共に「高麗の紙」が出てきます。〔※2

つまり、国産の紙とは区別されていました。源氏が初めて明石上に送った恋文は「高麗の紙」に書かれていたそうです。

伝統的な朝鮮の紙が廃れてしまったのは、詳細は後述しますが、日本統治時代で、現在、「韓紙」とか「Kー紙」と呼んでいるものは、その頃に日本人から習ったものか、戦後、伝統技法を復活させた物や日本や中国の製法を真似た物です。

韓国から越前和紙の研修に来ていたこともあったそうです。〔※3

 

◆美術品の修復に使われる和紙

そして、美術品の修復に和紙が使われているのに目を付け、数年前から和紙を模倣した韓紙を売り込み始めました。自民党・赤池誠章議員もブログに書かれています。〔※4

2015年4月3日には韓国外交部が「イタリア・ミラノ近郊のベラガモにあるローマ法王ヨハネ23世博物館の文化財修復事業に、韓国の伝統製法で作られた紙「韓紙」が使用されることになった。」と発表し〔※2、※5〕、2017年にはフランス在住の文化財復元士キム・ミンジュン氏が売り込みに成功して、ルーブル美術館の「マクシミリアン2世」の机を復元するのに韓紙が使われました。〔※6

尤も、現在でも、大半は日本の和紙が使われている〔氏によると、99.9%〕そうです。〔後述の『カイカイ反応通信』記事

この机の復元とは取っ手の修復らしく、どのように紙が使われたのかは分からないのですが、一般的に、古文書や古い本などの修復には和紙が使われているようで、裏打ちの用途だけでなく、印刷物の上から貼っても透けるような薄い紙も要求されます。〔※7

まちの匠たち高知県:ルーブル美術館の絵画修復にも使われた“世界一薄い和紙”
世界一薄い和紙を漉く鎮西寛旨 さん〔PDF〕

これ以外には、1994年のシスティーナ礼拝堂のミケランジェロの大作であるフレスコ画の修復には、和紙を水で貼り付けて、洗浄液を上から塗るという、パック(美容マスク?)みたいな用途で使われました。〔システィーナ礼拝堂壁画修復 ミケランジェロの復活(1994)(Documentary TV)9:33~

 

◆ユネスコの「無形文化遺産」に出遅れた韓国

すでに2009年中国の宣紙が、2014年には日本の和紙が、それぞれユネスコの無形文化遺産に登録されています。

2021年5月21日付けの『アジア経済』の記事によると、「韓紙工芸ブームが下火」になり、高価なために韓紙の需要が減り、「若手らが去って、残った工房は20ヵ所に過ぎない」と危機感を抱き、無形文化遺産登録で再びブームを起こそうと考えているようです。〔※8

少し補足すると、中国の「宣紙」とは、

  • 中国安徽省宣城地域(あんきしょうせんじょうちいき=現在の「烏溪」)で漉かれた紙
  • 上記の地域で定められた原料を用いて、伝統的手法に基づいて漉かれた紙

でないと、「宣紙」と名乗ることができないそうです。

また、無形文化遺産に登録された和紙は、”「石州半紙(せきしゅうばんし)」(島根県浜田市)と「本美濃紙(ほんみのし)」(岐阜県美濃市)、「細川紙(ほそかわし)」(埼玉県小川町、東秩父村)の3つの和紙で、この内、石州半紙は2009年に無形文化遺産に登録済みだったが、2013年に日本政府が、本美濃紙と細川紙を加えた3つを改めて「和紙」の技術として登録し直すよう提案をしていた” との事です。〔HUFFPOST:和紙が無形文化遺産に 登録された3つの和紙は他と何が違う?

左記記事によると、”原料に「楮(こうぞ)」のみが使用され” ており、更に、”石州半紙は地元産の楮を、本美濃紙は茨城県で栽培される最高級の那須楮(なすこうぞ)を、細川紙は地元産または四国産の楮を原料に限定している” と、国産の材料に拘っているそうです。

 

従って、韓国も、”和紙もどき” ではなく、宣紙や和紙と差別化できるような伝統的な "韓紙” なら、十分、無形文化遺産に登録される可能性はあります。

 

◆伝統的な「韓紙」とは?

伝統的な「韓紙」は日本統治時代に廃れてしまったと前述しましたが、それでは併合以前に作られていた韓紙とはどのようなものだったのでしょうか。

植民地期における韓紙の変容」〔2004年/朴英狷 著〕や同じ著者のその他の論文〔※9〕に詳しく書かれているので引用します。

  • 韓国では、紙は必ずといっていいほど紙を重ねて乾燥させる。それは漉きあがった紙の厚さが均等になりにくい漉き方をしているためであって、その紙の厚さを均等にするために紙を2枚も重ねて乾燥させ、1枚の完成した紙に仕上げるのである。(中略)また韓国の紙を強靭にするもう一つの理由は、搗砧とうちん/砧で打つ事〕 にある。「打ち紙」と言う〕
  • 朴趾源李氏朝鮮時代の思想家1737年~1805年は、『熱河日記』で次のように述べている。
    「高麗紙は絵を描くのに適当でなく、搗練(とうれん) しない物は毛羽が多く立ち、打った物はあまりにも堅く尚筆が滑りやすいので墨を吸わない。」
  • 大韓帝国(1897~1910)の末期にロシア大蔵省が編纂した『韓国誌』にも「韓国産の紙は樹木の繊維で漉くのでその原料において西洋とは異なり強靭性があるので縄や網を作るのに良い
  • 「...パルプを柔らかくするために天然石が回転し、いくつかの漉槽は野外にあり、他の漉槽はすべて川のほとりで、粗末の稲わらの筵の下に置かれていた。すべてが粗野な技法で、5世紀あるいは10世紀前にそこでみられたであろう、ユニークで美しい産業風景であった...」
    〔韓紙研究のために朝鮮を訪れていた Dard Hunterの著書より〕

 

他の工芸品でも見られる事ですが、高麗の時代には日本に輸入されて、宮中でも用いられていた「高麗の紙」は、朝鮮になって、進化しないか、退化してしまったようです。

 

この論文では、韓紙を ”粗悪な紙” と判断した朝鮮総督府が、シナ製の模造朝鮮紙にも価格で対抗できなかったため、日本式の製紙方法や原料を導入したり、和紙の講習会を開催して広めたために廃れてしまったと述べています。

 

上に「縄や網を作るのに良い」と書かれていますが、『カイカイ反応通信』の記事「韓紙は和紙よりも優秀、文化財修復市場を独占する和紙に挑戦状=韓国の反応」によいサンプル画像があったのでお借りします。アラブ首長国連邦のルーブルアブダビ〔※10〕で開かれている「紙の歴史」の展示物だそうです。

 

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下は、1900年代初頭に朝鮮を訪れた米国人宣教師の記述からです。〔『朝鮮はなぜ独立できなかったのか 1919年 朝鮮人を愛した米宣教師の記録』アーサー・J・ブラウン 著、桜の花出版編集部

 

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isklove2ver.さんのツイートよりお借りしました。

 

これ以外にも、オンドルの上に敷く床材のようなものにも使われていました。要するに、字や絵を描く繊細さは無く、建材とか日用品の材料に使われるものが「韓紙」でした。

上記論文にも、用途として、窓紙、大窓紙、中窓紙、小窓紙、火紙、温突〔オンドル〕原紙、温突紙、壮紙、窓戸紙、壮板紙、窓厚紙、窓糊紙、篭扇紙、袋紙、傘紙、籠扇紙、笠帽紙、書厚紙 と書かれています。

下は、『朝鮮旅行案内記』(昭和9年/1934年)〔※11〕という本の一部ですが、パルプを使っているところをみると、既に日本式の製紙方法が導入された後でしょう。

 

1934_kanshi01
1934_kanshi02

 

確かに、日本統治時代に、韓紙の持っていた素朴な良さは失われたかも知れませんが、現代に復元されているようなので、これを「韓紙」または「K-紙」と呼んだらいかがでしょうか。

 

* * * *

※1 日本製紙連合会「紙の歴史

※2 故金田正二氏ブログ(2015.4.3)「技術の伝承が途絶えた末路はこうなります

※3 JCASTニュース(2012年04月02日):「チラシに「和紙のルーツは韓紙」 百貨店側が「根拠なし」と謝罪

百貨店のチラシに「和紙のルーツは韓紙」との説明が載り、インターネット上で「本当か」と疑いの声が上がった。後に百貨店側は「根拠がないまま掲載してしまった」と謝罪した。(中略)

 例えば越前和紙の場合、何世代にもわたって職人が技を磨き、高い品質を保ってきた。江戸時代には日本最初の紙幣に使われ、現在でも国宝や文化財の修復といった細やかな作業でも素材として用いられる。その用途はふすまや壁紙、書画用紙、名刺と幅広く、紙の素材そのものを生かす使い方も多い。
一方で韓紙の場合、近年では「韓紙工芸」での人気が高く、紙を使った小物入れや人形、うちわなどに用いられる。紙の質も和紙と比べると厚手なため、使い道は和紙と異なっているようにみえる。(中略)

一方、韓紙の製法や抄紙技術が和紙に影響を与えたかといえば、「製紙技術そのものが日本に伝わってきた遠い昔は分かりませんが、少なくとも近年では特にありません」(福井県和紙工業協同組合)。むしろ一時期は、韓国から技術者が福井を訪れて、越前和紙の製法を学ぼうと研修を受けたこともあったという。

※4 自民党・赤池誠章議員のブログ(2018年11月18日):韓国は国際法を守れないだけでなく、和紙代用品として韓紙を海外で売込み

〔一部引用〕

●文化庁の事実確認 和紙まがいの韓紙が海外で流通は事実

文化庁によると、韓紙とは、楮を原料とした流漉の紙であり、日本の楮紙と原料は近いが同一ではなく、原料処理の方法、添加物の入れ方など、修理用紙としては日本の和紙と同質ではないとのことです。韓国では、20世紀に木材パルプを原料とする機械漉の紙が普及したために、伝統的な楮紙の生産者は激減し、現在は数軒にまで減少してしまいました。そのため、国が支援し、韓紙の振興を行う法人「韓紙開発院」を設立するとともに、国内外への韓紙の普及宣伝活動を実施し始めました。ただし、材料処理の仕方などが明らかにされていないため、海外の修理においても、当然安全性の高い和紙が主流となっています。日本の文化財の修復では、50年から100年に1度の修理周期に耐えうるよう、伝統的な材料(日本産楮)と技術で生産された和紙(美濃紙、美栖紙、宇陀紙)を使用することが不可欠となっています。我が国においては、需要激減による原材料生産者の減少や高齢化が課題となっており、支援が不可欠です。

欧米には、過去において日本の古美術品が多数収集されており、現在も多数存在しています。我が国の和紙は、日本の古美術品の修復はもちろん、海外の文化財修理においても、優れた修理材として認識されており、多くの美術館・博物館で利用されてきました。一方、近年韓国による積極的な韓紙のアピールにより、近年一部の美術館・博物館では韓紙を利用し始めている事例が出始めています。

※5 韓国外交部プレスリリース(2015年4月3日)韓国語:8천년을 지속하는 한지, 유럽 문화재 복원분야에서 우수성과 가치를 인정받다.(8000年の耐久性がある韓紙、ヨーロッパ文化財復元分野で優秀性と価値を認められる)

※6 東亜日報(2017年11月25日):文化財復元士のキム・ミンジュン、「ルーヴル美術館は韓紙に夢中です」

※7 全国手すき和紙連合会:〔一部引用〕

たとえば,ヨーロッパの図書館・博物館・美術館附属の修復部門で,紙に描かれた絵画,書写された文書,印刷された版画などの破損を修復するときには,薄い和紙が多用されます。ヨーロッパの紙は,和紙に比べて厚くゴワゴワしているので,その表面に薄い和紙を貼り付けても和紙の下になった文字が読めなくなることはありません。透明性においては,雁皮紙が一番高く,彩色のある本の修復には良く使われます。

厚い和紙は,本のページを支える場所に使われます。ヨーロッパの本は,紙を二つに折った折り目に沿って,綴じ糸で縫い合わせて製本されていますが,その折り目が傷むことがあります。そのため,折り目に沿って,和紙を裏表から張りつけて補強したり,折り目で二枚に離れてしまっている場合は,和紙で二枚をつなぎ,和紙の折り目を綴じるのです。

和紙は,柔らかいうえに,折り曲げても破れにくいので,本の修復には欠かせません。

※8 アジア経済(2021年5月21日)"1000년 지나도 불변 '한지' 인간의 진정성 담겨"(「1000年経っても不変の『韓紙』人間の真正性が込められている」)/【】和訳された記事U1 NEWS:和紙をパクった韓紙の伝統が断絶寸前の状況に陥っていると韓国人記者が危機感を表明している

※9 「朝鮮総督府による改良韓紙と和紙製造法の普及」2007年/朴英狷 著

※10 Louvre Abu Dhabi「Stories of Paper」 20 April – 24 July 2022

※11 国立国会図書館:『朝鮮旅行案内記』(昭和9年/1934年)該当箇所はコマ番号「279」

 

  


 

 

 

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