公開:2020-07-01 13:25:46 最終更新:2020/07/05 8:5
先日(6月28日)、日本沖縄政策研究フォーラム(仲村覚理事長)が那覇市内で「アフターコロナの尖閣・沖縄防衛」と題し報告会を開催しました。
フルバージョンの動画もありますが、現在、少しずつ分割してupされているようなので、この中で講演された砥板芳行(といたよしゆき)石垣市議の講演部分の動画(講演は約1時間+質疑応答)をご紹介すると共に、内容をメモしておきます。(誤字などの訂正、関連する報道や図などの追記は追って作業します。)
本当は動画を観て戴きたいのですが、やや長いので、テキスト化した方が多くの方の目に留まると思ったからです。
石垣市では6月22日に尖閣諸島の字(あざ)名を変更(効力は10月から)しましたが、県も国も「一(いち)地方自治体の問題」として全てを石垣市に押しつけていますが、日本人全体の問題として取り組まなくてはならないと強く感じます。
画像にも動画のリンクが貼ってあります。
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発言要旨
◆尖閣諸島の字名変更に関する経緯
(前略)
(02:37~)尖閣諸島の字名の変更が可決されました。
1895年に尖閣諸島が正式に我が国の領土として認められることになります。
当時、尖閣諸島には福岡出身の古賀辰四郎さんという方が鰹節工場や羽毛の採取を行っており、最大で250名ほどの人が魚釣島とその周辺の島に住んでいました。
尖閣諸島の住所は今まで「沖縄県石垣市字登野城」。その後、小字で字登野城魚釣島、-南小島、-北小島となりますが、住所の表記には出てこず、登野城2390~2394でした。
1971年に中国がいきなり領有権を主張してからずっともめ事が続いているわけですが、尖閣に本籍を置いている人は76名(戸籍数は48)おり、その方が、平成27年に石垣市議会に地名の変更を陳情しました。字登野城という地名はは石垣市の中心地にもあり、尖閣諸島は飛び地という扱いでした。
市長が検討委員会を組織し、最終的に「字登野城尖閣」という名称に決まり、平成29年の12月定例会に提案しようとするのですが、産経がこれを報道します。(ブログ主註:平成28年(2016年)には中国漁船300隻が尖閣襲来→※)
その当時の状況を思い出して戴きたいのですが、第2次安倍政権が発足後、日中関係が冷え込んでいたのが、丁度その時は改善に向かいつつある時期で、石垣市長に対して「中央」から中国を刺激するようなことは控えて欲しいと圧力がかかりました。結果、市長は字名変更議案を見送ります。
その後、安倍総理は習近平国歌主席を国賓で招くという公式な日程を組み、字名変更議案はずっと棚上されていました。
しかしここに来て武漢発の新型コロナウィルスの蔓延やWHOの関連した中国の動き、そういったもので中国は信用できないという見方が全世界に広がり、国賓招待も事実上白紙撤回されました。
こういった状況の中で先月、5月8日に中国海警当局の船が魚釣島の領海内で操業していた与那国漁協所属の「瑞宝丸」に接近、追尾をするという事案がありました。(ブログ主註:この動画は公開されていない→沖縄の声:【沖縄の声】中国公船による日本漁船追尾問題に関し調査報告/忘れてはならない与那国出身の英雄[桜R2/6/12])
これに対し、日本政府は抗議をしましたが、中国外務省は「中国の領海で操業していた」、「新たな争い事を日本は作るな」と言い、8日から3日連続で領海侵入を続けます。こうした状況の中で字名変更がなされたので、中国への対抗処置かと内外から非常に注目を集めます。
しかし、経緯を説明したとおり、当初平成29年に出そうとしていた議案を日中関係を考慮して見送り、その後、習近平国家主席の国賓での訪日が予定され、安倍総理も日中関係は正常に戻ったなどと言ってたのですが、国賓招待の白紙撤回で障壁が取り除かれたというのが流れです。
(14:28~)この字名変更議案は残念ながら全会一致ではできませんでした。革新系議員が反対したからですが、尖閣問題は実は保革問わず認識しています。議会の反対討論の中で出たのは「何故今なのか?」という反対理由でした。
実は字名変更が提案されてすぐに反応したのは台湾だったのですが、反対理由は台湾との友好関係に水が差されるという事でした。
5月の与那国の漁船に対する追尾接近に関しても、臨時議会を招集しましたが、保革問わず、これは抗議に値すると全会一致で議決しました。
尖閣諸島の領海の外側、接続水域を航行する中国船が、6月17日の時点で連続65日を超しました。昨年は延べ1097隻で過去最高でした。
与那国の漁船の接近・追尾に対して日本政府が抗議すると、中国は「法執行権を行使する」と言いました。こうした状況から、尖閣を取り巻く状況はフェーズが一段階上がったと見ていますが、沖縄県知事は、残念ながら、今回も昨年もほとんど言及がありません。
※ 2016年8月、尖閣諸島をめぐる情勢が風雲急を告げている。300隻もの中国漁船が尖閣諸島近海に来襲した。その漁船を守るかのように中国公船も多数随行している。今までにない数の襲来に日本政府も態度を硬化、強い抗議を繰り返している。突然の日中関係緊迫は何を背景としているのだろうか。
この間の尖閣情勢については海上保安庁の文書「尖閣諸島周辺海域における中国公船及び中国漁船の活動状況について」(2016年8月9日付)が詳しい。(Newsweek『中国漁船300隻が尖閣来襲、「異例」の事態の「意外」な背景』2016年8月12日)
◆海上保安庁の監視活動
(20:25~)数年前に海上自衛隊の哨戒機のパイロットの方から聞いた話ですが、P3Cの哨戒機が毎日空から尖閣の監視活動を行っていて、台風シーズンが近づいてくると波が高くなり、そうなると、中国の工船は一目散にいなくなる。しかし、海上保安庁の船はぎりぎりまで尖閣をパトロールしている。それが空から見えるのだそうです。
現在、石垣海上保安部は横浜を抜いて日本最大規模。巡視船艇が約17隻で、この内10~12が尖閣専従で、与那国、石垣、波照間、本部、竹富、名蔵 ·川平、残波...と、岬や湾の名前がついた千トン級の巡視船が、荒れる尖閣の海上で誰にも知られることもなく頑張っています。
昨年は尖閣周辺に282日工作船が出没しました。台風以外はほとんどいて、練度も上がってきており、以前のように台風が近づいたからいなくなるという訳ではありません。
今、尖閣に来る中国海警局の船は5000トン、5500トンです。
中国海軍の大砲・ミサイルなどは外していますが、機関砲などは詰んでいて、白く塗り、横にラインなど引いて巡視船のようなふりをしているが、ベースは軍艦です。これがずっと尖閣にいるのです。1500トン巡視船がどんなにがんぱっても、5500トンもある船ですから、あちらの方が安定している。
これが10トンもない与那国の漁船に近づいて追尾したのです。
画像はチャンネル桜『沖縄の声』より
(28:11~)南シナ海で起こることはいずれ東シナ海で起こると識者の方は言っています。
先月、フェーズが変わりました。中国が初めて公執行をやりますと言ったんですよ。今何が起こっています?南シナ海では周辺国の船をぶつけて沈めています(※1)。これはいずれ日本の漁船もぶつけて沈めると宣言したに等しいんです。こうした状況にあると是非ご認識戴きたいと思います。
ただ、海上保安庁も令和3年には6000トンクラスの巡視船が3隻建造される予定(※2)で、石垣にも1隻配備され、岸壁も整備されることになっています。
中国の海警局ですが、ここでまた一つ段階があがることが懸念されています。2018年までは中国の国務院と共産党の二重の指揮系統にあったのですが、国務院が外れて中央軍事委員会の指揮下に入りました。更に6月の全人代で法律が改正されました。有事の際に中国海警は海軍と共に運用されることに法律が変わり、21日から施行されています。最近、中国海警の動きが激しくなったのはこれに連動している可能性もあります。
海上において軍同士が衝突することは即戦争となるので、まずは警察権力で、というのが国際社会の動きですが、石垣市議会でも、尖閣問題は外交努力で解決すべきだとよく言われます。しかし、むこうはもう軍事組織が尖閣に居座っています。海上保安庁も頑張っているのですが、果たして海上保安庁だけでいいのか?
沖縄は海上自衛隊航空部隊がメインです。戦闘艦はありません。日本もそろそろ戦略を変えなくてはならないのではないか?
現在、石垣市では陸上自衛隊の駐屯地の工事が昨年から始まっています。なかなか反対派も巧妙なので工事が止まったりすることもあるのですが。
何故陸上自衛隊なのか?ということもあるが、宮古と石垣に地対艦ミサイルを配備することで抑止力になっていく。ただ、果たしてこれだけでいいのか?という議論もしっかりやっていかなくてはならない。
※1 ベトナム政府の発表や地元メディアによると、事故があったのは2日。中国とベトナムが領有権を主張する南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島付近で、中国海警局の船が操業中のベトナム漁船に体当たりして沈没させた。漁船の乗組員8人は無事だった。(産経Biz『波紋呼ぶ中国船とベトナム漁船衝突事故 米比など抗議』2020/04/12)
※2 海上保安庁は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海警備強化に向け、同庁最大のヘリ搭載6500トン型の巡視船1隻を新造する方針を決め、29日発表した平成30年度予算の概算要求に整備費46億円を盛り込んだ。同型の巡視船は現在、全国で「しきしま」「あきつしま」の2隻を運用。尖閣対応では3隻目の新造になる。(産経『尖閣警備に最大級巡視船3隻目の新造方針 海保概算要求』2017/08/29)
◆日中漁業協定
(34:24~)尖閣の海域は実は日中漁業協定で中国の漁船は日本政府の許可を得なくても漁業が行えるようになっている。お互いの主権がぶつかっている水域については暫定措置水域、中韓水域、北緯27度以南水域とされている。
この北緯27度以南水域に数年前に中国の漁船が大漁に押し寄せてきたことがあり、大々的に報道されたが、これは実は政府間で認められている漁業です。
日中漁業協定の排他的経済水域における取り決めで、それぞれの国の工船、海警と海上保安部は自国の漁業者のみ取り締まってい良いという取り決めになっている。
しかし、今や完全に中国は自国の領海だと開き直っている。この日中漁業協定もこのままでいいのだろうか? 議論がなされるべき。
◆台湾の反応、台湾政府の本音
(37:01~)今回の字名変更に関しては内外から注目を浴びた。字名変更議案が上程された時にすぐに反応したのは台湾です。台湾の東部、宜蘭県(ぎらんけん)の政治家が記者会見を開いて抗議をしました。台湾にたくさん友人がいるので、報道の切り抜きなどが送られてきました。
字名変更議案は当局提案で、私が委員長を務めている総務財政委員会に付託をされ委員会で採決をしてその結果が議会に上げられるが、付託をされて審査をする前に、台湾の外交部(外務省に相当)から、「この件はあくまでも日本の地方自治法に基づいた地方自治体の手続きであるが、これを政治問題や外交問題にしていこうとする勢力がある。そういった彼等の主義主張に台湾国民が惑わされないよう、正しい情報を伝えていく。これはあくまでも石垣市という地方自治体が行ったことで、これにより、国(日本)がどうこうするものではないということを我々は十分理解している」と伝えられた。
我々は台湾がいち早く反応したことの事情は十分に理解している。
尖閣諸島は2012年9月11日、野田政権下で国有化されました。石原都知事が尖閣諸島の現状を憂えて当時は民間人が所有していた島を買い、灯台や避難港を作ると言っていたのだが、石原さんなので政府が日中関係を心配して国有化します。
当時、中国の外交部は歓迎していたそうです。しかし、いざ国有化したら、手のひらを返して反日行動を始めます。
9月11日に国有化されて、その月の27日に台湾の漁船もコースト・ガード(海警)と共にやってきてコースト・ガードと海上保安庁の船が放水合戦になった。
そこで日本政府が恐れたのは親日国である台湾と中国が連携することでした。その結果なにが起きたのかというと...
あの海域は日中漁業協定で中国の船は漁ができる。しかし、台湾の漁船は取り締まるんです。これに不満を抱いていたのが台湾の漁業者です。
尖閣諸島が国有化されたことで起きた日中間の政治的な衝突に乗じて、台湾も以前から尖閣の領有を主張をしているので、それを要求してきます。そこで日台漁業取り決め(台湾は国ではなく「地域」なので「協定」とは言わず「取り決め」と呼ぶ)が急転直下決められてしまいます。(※)
八重山の漁協は寝耳に水の事でした。
※ 永山英樹氏ブログ『日台漁業協定調印―沖縄漁民の犠牲に報いるには』(2013/04/11/Thu)
尖閣諸島の水域と「三角地帯」と呼ばれている飛び出したところで台湾の漁船が漁をしてもいいと言うことになった。
(43:34~)今回の字名変更で騒いでいる台湾方々は、実は石垣市と姉妹都市の蘇澳鎮(スオウチン/鎮=町)の漁業者です。50トンくらいの大きな船で本マグロを捕るんです。
※ 石垣市が尖閣諸島の字名を「登野城」から「登野城尖閣」に変更することが姉妹都市との交流にも影響を広げている。石垣市と姉妹都市を締結している台湾・宜蘭県蘇澳(スオウ)鎮は今年、姉妹都市提携から25周年を迎える。李明哲鎮長(首長)は24日までに本紙の取材に応じ「9月~10月末に25周年イベントを計画していたが、石垣市の尖閣字名変更決定でイベント取り消しをせざるを得ない」との考えを明らかにした。(琉球新報『台湾の蘇澳鎮、石垣市との姉妹都市イベント中止へ 尖閣字名変更が影響』2020年6月25日)
その人達が騒いでいる。これでもうお分かりですよね。
台湾側では、更に石垣島や波照間島の南の水域での操業を要求しています。しかし、八重山の漁猟者は絶対反対。
台湾側は今回の字名の件で漁業交渉を有利に進めていこうという思惑があるのだと思う。
また、台湾の漁会(=漁協)は選挙の影響力が強い団体として有名です。
宜蘭県は国民党が強い地域。 民進党の蔡英文総統は当初は苦戦するのではないかと言われていたが、香港の民主化運動で状況が一変して再選。(※)国民党から立候補して敗れた台湾高雄市長はリコールされて国民党は現在存在感が薄い。そんな中でアピールしてきたと見ています。
※2020年の総裁選で圧勝した蔡英文総統だが、1年前の下馬評はこの程度だった。香港問題や武漢ウィルスはある意味神風。
台湾外交部の公式の発表として「字名変更については注視をしている。問題を起こして欲しくない。」と言っている一方、「このような状況(字名変更)になったのは中国工船があんなことをしているからだ」ともちゃんと言っている。
(48:35~)台湾との交流に関しては、石垣市議会では(字名変更を決議する一方)、新型コロナで入国制限をしているが、沖縄だけでも台湾との交流再開を可能にして頂きたいという意見書も全会一致で決議しています。
昨年石垣市に来た外国人観光客は、台湾が最も多くて8万5千人で4割を占め、次いで中国だが、ほとんど香港。次いでヨーロッパです。
◆県も国もまるで他人事
(50:21~)一方で中国ですが、中国は字名に対抗してて海底地形に名前をつけています。
石垣市というこの小さな市に対して、中国という超大国が国を挙げて対抗し、台湾も国を挙げて注視をしていると言う。それほど、尖閣問題は大きな問題なのです。
石垣市はこんなに頑張っているのに...字名変更の理由は行政事務の効率化とはなっている。これしか言えないのだが、こういうタイミングでこれをやったということの意図を察して戴きたい。
石垣市はこうやって反対を受けながら、マスコミに叩かれながらやっています。新聞で毎日怒られていますが、絶対必要だからとやっているんです。
石垣市の行政区域である尖閣諸島、これはイコール沖縄県の行政区域なんです。(なのに、)沖縄県知事は「あれは石垣市が勝手にやっていることだから」と全然相手にしない。
昨年、あの、石垣市議会の重鎮で仲間均(なかま ひとし)さんという方がいますが、漁業者でもあります。この先輩、中国船に追いかけられに尖閣に行っているんじゃないかと思うのですが、「高洲丸」が中国工船に追われた。(※)
5月31日、このことを記者会見で問われた玉城デニーは、「中国工船がパトロールしているので故意に刺激することは慎んで戴きたい」と言って我々もビックリした。すぐに、石垣市議会は抗議決議をしたら玉城デニー知事は撤回しましたけれども。今回の字名変更についても「あくまでも地方自治の市町村長が決めることなので~」みたいな感じで言及しない。
安倍政権も菅官房長官も、「これはあくまでも地方自治法に則った手続きなので」みたいな感じですね。
石垣市、がんばったつもりなのに誰からも評価されずにちょっと寂しいなあと言う気がします。
ただ、我々、尖閣諸島を行政区域として持つ市としてこれからもしっかりやっていきたい。
※ 尖閣周辺には4隻の「海警」がいたが、高洲丸から確認できたのは3隻。高洲丸を前後から挟み撃ちにするような位置関係で、このうち「海警1501」が急接近してきた。間に割って入るように高洲丸をガードする巡視船。双方が並走しながら前へ進んだ。
高洲丸は全速力で航行。巡視船の海上保安官からは、拡声器で「スピードを落とさないで」「中国公船を挑発しないで」と指示が飛んだ。仲間氏は「エンジンを止めて、中国公船がどう動くか見たかったが、海保の指示なので従わないといけなかった」と苦笑する。
海警の追跡劇は約1時間続いた。高洲丸に体当たりするような素振りはなかったというが、仲間氏は「執拗な追尾に、尖閣での漁労を阻止しようという中国の『本気度』を感じた」と指摘。「日本の漁船を追い出し、誰も来ない海にして中国の漁船を投入すれば、日本の領海とは呼べなくなってしまう」と危惧した。
尖閣周辺海域の現状について「自国の領海内で漁をしているのに『挑発するな』と言われる。自国の領海だと言っていられる状況ではない」と述べ、中国公船への具体的な対応策を検討すべきとした。
1990年代から20年以上、尖閣問題に取り組む仲間氏。今後も尖閣海域へ出漁する意向で「(基地反対派は)何もしなければ戦争もなく平和だというが、何もしないと尖閣を取られる。状況は厳しいが、石垣市の行政区域を守り、尖閣周辺で漁ができるように、これからも死に物狂いで頑張る」と改めて決意を示した。(八重山日報『中国公船「挑発しないで」 海保呼び掛け、緊迫の海域 尖閣出漁の仲間氏証言』2019/5/26)
◆石垣市の新たな取り組み
(54:37~)石垣市はちょっと変わった取り組みをしています。
新型コロナで海外に修学旅行が行けないので沖縄にシフトしているようですが、我々石垣市は、八重山ビジターズビューローと石垣海上保安部が組んで、全国の高校に領海警備を知って貰うという取り組みを行っています(※)。また、離島住民の生活を学んで欲しいということで誘致を行い、既に昨年あたりから何校か、巡視船の中で領海警備の様子を聞いたり、実際に海上保安官からどういう取り組みをしているのか聞いたりしています。
また、先島諸島における急患搬送、住民の命を運んでいるのは海上保安部と自衛隊なんですね。沖縄本島で助かる命でも離島では(簡単に)助からないんです。沖縄県は最近ドクターヘリを導入したが、先島諸島には届きません。県議会でなぜそんなヘリを導入するんだと質問があって、県の方は「先島についてはこれまで通り自衛隊や海上保安庁にお願いしたい」と答弁しています。
第11管区海上保安部近く航空基地のヘリが、1972年の祖国復帰から昨年までに運んだ急患の数は3,000名を越えました。先島諸島の病院で対応できない重篤な患者は陸上自衛隊の第15ヘリコプター隊で本島に運んでいます。
海洋国家、日本の本島の姿を学ということで、修学旅行(誘致)は今後とも取り組んでいきたいと思っています。
(58:38~)今年、東京の虎ノ門に内閣府が「領土主権展示館」を開設しました。我々も観てきましたが、内容も充実しています。修学旅行に来て頂いた旅行生に見て貰えるよう、沖縄に領土主権展示館を作って戴きたい。そういった取り組みもしていかなくてはならないと思っています。
皆様には是非石垣に関心を持って貰いたいと思います。
※ 八重山毎日:修学旅行で海保を学ぶ(http://www.y-mainichi.co.jp/news/33727/)
2018年06月27日
一般社団法人八重山ビジターズビューロー(会長・中山義隆石垣市長)と八重山教育旅行誘致委員会(親盛一功委員長)、第11管区海上保安本部石垣海上保安部(遠山純司部長)、同本部石垣航空基地(植野明基地長)の4者は26日、八重山における修学旅行の受け入れに関する協定を締結した。海上保安庁組織が同様の協定を結ぶのは全国初。今後、誘致委員会が窓口となり、八重山を訪れる修学旅行団体の同庁組織の業務講話や巡視船、航空機の施設見学などを受け入れる。
八重山ビジターズビューロー(以下YVB)は、部としては最大規模の石垣海上保安部や最新設備を誇る石垣航空基地の施設見学、国境警備業務の講話などを修学旅行に取り入れることで、八重山独自の地域性を生かした学びの場として、受け入れ校の獲得や、旅行の満足度とリピート率の向上につなげたい考え。
同日午前、石垣航空基地で協定書の締結式が行われ、中山市長は「国境の島として日本の安全を守るという(海上保安庁の)皆さまの担っている側面について、教育旅行を通して日本の若者たちに知ってもらうことは大きな成長の糧になると信じる」と提携の意義を強調。
遠山部長は「国境の島である八重山諸島の海で何が起こっているのか、われわれ海上保安官がどのような仕事をしているのかについて事実の一端に触れ、学びの機会としてほしい」とあいさつした。
YVBによると、2018年度の八重山の修学旅行受け入れ予定数は102件で、10年ぶりに100件を超える。このうちすでに2校が同庁業務講話の利用を予定している。3月には近畿大学付属和歌山高等学校の修学旅行で、海上保安庁の業務講話を実施した。
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