東京オリンピックの選手村で韓国選手団が掲げた横断幕が、政治的、宗教的、人種的な宣伝活動を禁じた五輪憲章50条に違反するとして、IOCから注意を受け、降ろしました。後述しますが、代わりに「虎は降りてくる」という垂れ幕を掲げたそうです。
その際、日本の旭日旗の使用を禁止するという交換条件をつけたと韓国メディアは報じていますが、日本側(大会組織委)は以前と変わらないとしています。
以下、朝日新聞から。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/e7265f22d21ed7b722bb80f6c5b66577a5893cee
韓国選手団の横断幕に撤去要請 IOC「政治的な宣伝」
7/17(土) 21:30
東京五輪・パラリンピックの選手村に韓国選手団が掲げた横断幕をめぐり、国際オリンピック委員会(IOC)が「政治的な宣伝を禁じる五輪憲章第50条に違反する」として撤去を要請した。IOCのバッハ会長が17日の記者会見で要請を認めた。韓国体育会によると、横断幕は撤去された。
横断幕には、ハングルで「臣にはまだ5千万国民の応援と支持が残っています」と記されていた。豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に海戦で活躍した「抗日の英雄」李舜臣将軍の言葉を連想させる文句として、日本側から反発が出ていた。
これに対し、韓国体育会は、競技場内での旭日(きょくじつ)旗を掲げた応援を問題視した。横断幕の撤去に応じた理由について、同体育会は「IOCはすべての五輪会場で旭日旗に第50条を適用して判断すると約束した」としている。一方、大会組織委員会は、「旭日旗のデザインは日本国内で広く使用されており、政治的主張にならない」として、旭日旗を競技会場への持ち込み禁止物品にはあたらないとしている。日本の大会関係者は「IOCと韓国のやりとりは把握していないが、その後の取り扱いにも変更はない」と話す。
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「臣(私達)にはまだ5千万国民の応援と支持が残っています」とは、「臣にはまだ12隻の船があり、私はまだ死んでいない」という李舜臣(りしゅんしん)の言葉をもじったものですが、この言葉を実際に李舜臣が言ったかどうかは不明です。恐らく、後世の映画か小説の台詞で、舞台は露梁海戦(韓国語:노량 해전)でしょうが、いずれにせよ、韓国で李舜臣の有名なフレーズとされているなら、李舜臣を意味している事になります。
ただ、ブログ主にはこの言葉は “ジリ貧” に陥っているイメージを感じさせます。
最初、この言葉の由来を知った時は、(実際にやるはずはありませんが)島津の旗印(丸に十字)でも立ててやるくらいのユーモアで返せばいいのに、と思いました。〔後述〕 ほっとけばいいのにと思ったのですが、平昌冬季五輪の時は、韓国のアイスホッケーのゴールキーパーが李舜臣をデザインしたヘルメットを禁止されたので、既に、李舜臣は政治的メッセージと認定されていたことになります。〔記事後述〕
ここで考えなくてはならないのは、「臣(私達)にはまだ5千万国民の応援と支持が残っています」を字面だけみたら大したことはありませんが、これを日本で掲げるから、日本や日本人に対する挑発と取られ、問題になるわけです。
一方、旭日旗は、軍旗・軍艦旗であるだけでなく、旭日模様自体、その印象的な意匠から、世界中で日本のイメージとして使われます。韓国だけが問題にするだけで、前回のラグビーW杯でも見られました。
但し、これを、韓国人を徴発するために使ったら、韓国選手団の横断幕と同じレベルに貶めてしまいます。
今回、ある都議が韓国選手団への抗議として、旭日旗と「日韓断交」と書かれたのぼり旗を持ち、示威行動をしました。ブログ主は彼に「旭日旗をこういう目的に使うな」と抗議しましたが、こうした行動が、日本人に旭日旗モチーフのグッズを使いづらくさせると言うことが分かっていません。
ところで、日本人の多くが李舜臣の名前と、韓国人が李舜臣に込める気持ちを知ったのは2018年に済州島で行われた観艦式の時ではないでしょうか。
前述の露梁海戦(ろりょうかいせん)は文禄・慶長の役の最後の海戦で、秀吉が死んで、これ以上戦う意味が無くなったので明との停戦に合意、しかし、明と朝鮮の水軍はこれを守らず、取り残された小西行長の軍を救うために島津義弘等、撤退の準備をしていた軍が応戦して起きた戦いです。双方被害はありましたが、日本の大将クラスは無事だったのに比べ、朝鮮軍は李舜臣を始めとする数名の将が戦死しました。つまり、李舜臣は単に返り討ちに遭ったのです。
韓国人にとってこの海戦は、歴史上最大級の戦なのでしょうが、日本では他に面白い合戦、武将が綺羅星の如く登場する戦国時代にあっては、取り立てて語られる海戦ではありません。こうしたことを韓国人は知らないのです。
ネットでよく見かけるのは、日本統治時代に日本人が朝鮮の英雄として李舜臣を取りあげ、朝鮮人が知るようになったとあります。真偽の程は分かりませんが、日本では庶民が江戸時代にはこういう英雄譚を芝居や小説で楽しんでいたのに比べ、文盲が多く、そうした楽しみが無かった朝鮮では併合以前は広く知られていなかったというのは十分考えられます。
さて、李舜臣の横断幕を下ろした韓国選手団は、新たに「虎は降りてくる」という垂れ幕を掲げました。
朝鮮(韓国+北朝鮮)を虎に喩えるのは韓国人は大好きで、〔実際はシルエットはウサギに似ているのですが〕、昔から使われる絵です。
で、どうやらこれは、「日本人が虎を絶滅させた」という〔思い込みから来る〕皮肉のようです。
確かに日本統治時代には虎は危険な動物として、多くが狩られましたが、朝鮮人の金持ちがハンティングをしていました。趣味と実益を兼ねたリクリエーションでしょう。
韓国人はいつもどこかピントがずれてるんですよね...
なお、これに関する韓国語の記事〔朝鮮日報:이순신 장군 현수막 철거 자리엔… ‘범 내려온다’/李舜臣将軍の垂れ幕撤去場所には… 「虎が降りてくる」〕に付けられたコメントを読んでみましたが、「おまえらはスポーツに専念しろ」という自国選手団を批判するコメントが多数を占めていました。尤も、朝鮮日報は比較的保守系であり、ここに書き込むような読者は、〔反日であっても〕、反日を政治に使うことを批判する性向があるようですから、NAVERあたりのコメントとはまた少し違うかも知れません。
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https://www.sanspo.com/article/20180207-NOZRHT2SCZMCTM72MJ4626QXJI/
ヘルメットに「抗日」英雄像 IOC、韓国アイスホッケー選手に使用禁止勧告
2018/02/07 05:02
国際オリンピック委員会(IOC)が、平昌五輪に出場するアイスホッケー男子の韓国代表GKが着用するヘルメットのデザインが五輪憲章に抵触するとして、今大会で使用しないよう勧告していたことが6日までに分かった。
複数の韓国メディアによると、IOCは同国代表GKマット・ダルトン(31)がかぶるヘルメットの左側頭部に描かれた李舜臣将軍像が、「いかなる種類のデモンストレーションも、政治的、宗教的、人種的プロパガンダも許可されない」と定めた五輪憲章に抵触すると判断した。代表チームは、将軍像部分はテープで隠して出場すると発表した。
李舜臣は16世紀に豊臣秀吉が朝鮮出兵を行った際に日本と戦った武将。韓国では近年「抗日」の象徴とされている。
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