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【国際】北朝鮮一般

2023/05/27

【韓国スパイ団事件】自主統一民衆前衛とは

このエントリーは『朝鮮日報』の『金正恩に忠誠を誓っていた元進歩党代表「総会長の忠実な戦士になる」』という記事〔※全文後述〕を記録する為のものですが、韓国で反日を煽っている北朝鮮系地下組織「自主統一民衆前衛(通称「自通」)」という組織に関して、これまでに分かっている事をまとめておきます。

彼らがどれ程日本国内に浸透しているかは不明ですが、少なくとも彼らがコントロールしていると思われる団体が日本で示威活動をしているからです。

 

”反日を煽っている”と書きましたが、北朝鮮の協力者である彼らの真の目的(敵)は「米国」です。直接的には「米韓同盟を壊す事」、間接的には「半島有事に際して米軍(連合国軍)の拠点となる日本を韓国から切り離す事」を手段としています。

 

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金正恩に忠誠を誓っていた元進歩党代表「総会長の忠実な戦士になる」

 韓国の国家情報院と警察が23日に家宅捜索した進歩党のC元共同代表が昨年8月、党代表に選出された直後、同僚の地下組織員に「総会長の忠実な戦士になる」と表明していたことが24日までに分かった。「総会長」とは金正恩(キム・ジョンウン)総書記を指す隠語だ。北朝鮮はその後、C元代表に「進歩党、全国民主労働組合総連盟(民主労総)の産業別労組、青年学生団体を掌握指導せよ」「反尹錫悦(ユン・ソンニョル)闘争の力を拡大せよ」といった指令を下したとされる。国家情報院はC氏が北朝鮮の指令を実際の行動に移したかどうかなど、国家保安法違反容疑で捜査している。...〔続きは後述

 

これだけでは韓国国内だけの問題のようにも思えますが、「進歩党」とは朴槿恵政権の時に解散させられた「統合進歩党」の事で、この残党が名前を変えて「民衆民主党」という組織になり、沖縄で反米活動をしたり、先日のG7でもデモをしています。そして彼らの下部組織の若者が「反日行動」と名乗って旧日本大使館前の慰安婦像を守っています。

彼らが何故あの慰安婦像に固執するのかは不明です。何故なら、彼らは「正義連」とは共闘していないのです。そして、慰安婦像を守りながらも言う事は「尹錫悦退陣!」といった反政府スローガンであり、時にはアメリカ大使館前で反米集会を開きます。

 

◆統合進歩党→民衆民主党(反日行動)の系譜

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◆民衆民主党の反G7デモ

20230527_g7_01

 

2枚目の画像を見れば一目瞭然ですが、反米の「The World Anti-imperialist Platform」と連携していて、プラカードの表には「Platform」、裏には「民衆民主党」のロゴを付けています。

ハングルでメッセージを書いているというと言う事は、韓国国内の誰かに見せたいのです。少し前に福島に来ていた「共に民主党」議員団が、日本に抗議すると言いながら、ハングルが書かれた横断幕を随所で広げては記念写真を取っていたのと同じで、日本人にアピールしているわけではないのです。日本の労組がのぼり旗を立ててデモに参加している事を仲間にアピールするのと同じです。

 

以前のエントリー『【昌原スパイ団】「福島沖に奇形魚のデマを流して反日感情を刺激せよ」・・・慰安婦や強制動員支援団体と連携して反日活動』で「昌原スパイ団」 〔※「ㅎㄱㅎ」(ヒウッ・キヨック・ヒウッ)=「한길회」(ハンギル会)の字母を取ったもの〕をご紹介しました。

今回ご紹介する朝鮮日報の記事は、それの上位組織である「自主統一民衆前衛」の組織に関する話題です。この記事では関係が分かりにくいのですが、以前の記事では「国情院は済州スパイ団「ㅎㄱㅎ」団体の上部組織である反政府団体「自通」捜査も拡大している。」と報道されています。

以下の記事は細かい話なので、心に留めておく程度です。

  

* * * *

https://chosun.com/politics/politics_general/2023/05/25/OOCVESVRABFK7NZFNNRT3SMP3A/
“충실한 전사 되겠다” 김정은에 충성맹세 한 진보당 前대표
2023.05.25.

https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/05/25/2023052580058.html
記事入力 : 2023/05/25 18:06
金正恩に忠誠を誓っていた元進歩党代表「総会長の忠実な戦士になる」

〔続き〕

20230527_korean_spy

捜索令状などによると、北朝鮮の労働党対南工作機関である文化交流局(旧225局)は昨年10月19日、組織内でC氏の上部に当たるK氏が所属する慶尚南道昌原市の北朝鮮系地下組織「自主統一民衆前衛」に対し、「総会長に対する欽慕(きんぼ)の念を植え付けることに優先的に取り組め」という指令文を送った。C氏が党代表になってから2カ月後のことだ。北朝鮮は指令文で「進歩党と民主労総産業別労組、青年学生団体に『非合小組』を多く組織せよ。当該団体で活動する進歩活動家を網羅し、核心隊列を増やせ」とも指示した。非合小組とは「非合法的(非公式的)小規模組織」を指す北朝鮮式の表現だ。〔※共産党用語ではフラクションまたはフラク〕 捜査関係者は「北朝鮮が政党、労組、市民団体など韓国国内の合法団体に浸透し、一種の私的な会合を組織、拡大する方式で、組織掌握力を高めようとしたとみられる」と話した。

 C氏はK氏に対し、「役員に選抜され、この上ない光栄であり、総会長の忠実な戦士になろうとする熱意が充満している」と表明したことが判明した。K氏はC氏の立場表明を同年10月26日付の報告文書に盛り込み、北朝鮮側に伝えたという。同時に「C社長はソウル地域全国会代表として進歩党の中央事業を担当することになった」とした。「C社長」はC氏を、「全国会」はC氏が属する「自主統一民衆前衛」の下部組織だ。C氏が自主統一民衆前衛全国会議のソウル支社長として活動していたことが、国家情報院が確保した対北朝鮮報告文書から判明した格好だ。

C氏の上部に当たるK氏は3月15日、北朝鮮と違法に通信した容疑などとして、自主統一民衆前衛の指導部で共に活動したH氏、S氏、J氏などと共に起訴された。K氏は自主統一民衆前衛の指導部である別名「理事会」でソウル・全国担当理事と呼ばれ、「全国会」という下部組織の総責任者として、C氏や全国教職員労働組合(全教組)江原支部長も管理していたとされる。国家情報院と警察は23日、C氏と全教組江原支部長の2人に対する捜索令状を執行した。国家情報院は全国各地に政党、労組、市民団体などで活動する北朝鮮関連人物が多数いることをつかみ、捜査網を狭めている。

 C氏に対する捜索令状、K氏の訴状などによれば、北朝鮮は昨年11月3日、自主統一民衆前衛に反政府デモの指令も下した。北朝鮮は指令文で、「理事会(自主統一民衆前衛指導部を指す)は尹錫悦(ユン・ソンニョル)退陣を要求する第2のろうそく国民大抗争を起こすことに目標にせよ」とし、「ろうそくデモを拡大していくための事業に子会社と全国会(K氏が総責任者を務める下部組織)を積極的に動員しなければならない」とした。同時にソウルや江原道などで掌握した進歩運動団体、大衆運動団体、反保守闘争団体を尹錫悦退陣のためのろうそく行動に積極的に参加させ、反尹錫悦闘争の力を拡大していくことを求めた。

 元対共産捜査官は「自主統一民衆前衛は昌原に本部を置き、ソウル、江原、晋州、全羅北道など全国各地に下部組織を草の根のように拡張していたとみられる」とし、「労組や市民団体が担当分野と関連性が薄い国家安全保障、国防、対外政策関連の政治デモを行ったのも北朝鮮の対南工作活動の影響を受けた可能性がある」と話した。

 

 

  


 

 

 

2023/04/28

【朝鮮学校】朝鮮学校無償化を求める訴訟で朝鮮学校側はなぜ敗訴したのか【教育基本法16条】

まずは、徳永信一弁護士のツイートです。

弁護士 徳永信一
@tokushinchannel
朝鮮学校の運営は、①教育内容、②人事、③財政の面で、朝鮮総連による強い影響を受けている。よって朝鮮総連による「不当な支配」を受けているおそれがある、というのが大阪高裁判決の内容、東京高裁も、名古屋高裁も、福岡高裁もほぼほぼ同じ。
午前9:53 · 2023年4月27日

 

このツイートだけではなく、一連のツイートを読んだり、直接質問をして理解できたのですが、結論は、朝鮮学校で行われている教育が、教育基本法16条が禁止する「不当な支配」に該当する(おそれがある)からです。

教育基本法 第十六条 教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。〔2項以下省略

* * * *

これをわざわざエントリーしたのは、この教育基本法は、旧10条を、安倍政権が改正したと徳永弁護士から伺ったからです。

以下も徳永弁護士のツイートです。

この改正は日教組の牙を抜く役割を果たしたんだ。旭川学テ事件の最高裁を読めばわかる。これは難しい判例だけど。
午前10:39 · 2023年4月27日

 

で、調べた所、『教育における「不当な支配」 ─ 朝鮮学校「高校無償化」裁判から考える』〔著者:佐野通夫〕という論文に分かりやすく書いてありました。後述の引用で「労働組合員」と書かれているのは要するに「教師」です。つまり、「日教組」が全国中学校一斉学力テスト導入を暴力で阻止しようとしたのです。そして、改正前の「教育基本法10条」とは、教育に国家権力、即ち日本政府の介入する事を阻止する ”錦の御旗” でした。

 

下記は、文科省の「昭和22年教育基本法制定時の条文」からの引用です。

教育基本法第十条(教育行政): 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。

 

以下、上記論文より引用します。

周知のように、「不当な支配」が大きく問題とされたのは、学テ事件であった。1961年に実施された学テ(学力テスト、「全国中学校一せい学力調査」)に対して、その実施を阻止しようとした労働組合員が、建造物侵入罪、公務執行妨害罪そして暴行罪として起訴されたことに対して、第一審、第二審は外形的事実の存在を認めたが、前記学力テストは違法であるとして、公務執行妨害罪の成立を否定し、共同暴行罪の成立のみを認めた。

検察官、被告人の上告に対して、最高裁1976年5月21日判決(2)は「教基法が(略)戦前における教育に対する過度の国家的介入、統制に対する反省から生まれたものであることに照らせば、同法一〇条が教育に対する権力的介入、特に行政権力によるそれを警戒し、これに対して抑制的態度を表明したものと解することは、それなりの合理性を有する」としながらも、「このことから、教育内容に対する行政の権力的介入が一切排除されているものであるとの結論を導き出すことは、早計である」(17ページ)とし、結論的には「本件学力調査には、教育そのものに対する「不当な支配」として教基法一〇条に違反する違法があるとすることはできない」(24ページ)として、原判決を破棄し、公務執行妨害罪の成立を認めたものである。

このような経緯があったため、旧教基法第10条は「教職員組合が教育への国家介入を排除しようとする際の根拠として用いられてきたと批判され」(3)、2006年の教育基本法改正に際して、「政府は」に始まる(教育振興基本計画)という見出しの付された第17条を加え、第16条に後半部を加え、および旧第2項を第2項から第4項へと変える改正となった。

 

あらためて旧10条と改正後16条を比べると、前者は「(国による)不当な支配から国民を守る」事が目的であるのに対し、後者は「教育は~」として対象を限定しない事で、朝鮮学校が彼らの主張するように「教育機関」である以上、対象になるのです。

 

徳永弁護士は、よく朝鮮学校無償化反対に使われる「一条校〔〕ではないから」という論理では足元をすくわれるよという事も仰っていましたが、安倍さんが残してくれた16条で攻めるのが ”筋(すじ)” なのでしょう。

※「一条校」とは、学校教育法第1条に定められた学校の種類のことである。 小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園の10校を指し、いわゆる一般的に「学校」と称されるものが該当する。

 

  


 

 

 

2023/04/16

【朝鮮学校】朝鮮学校への補助金は朝鮮総連に流れる

平成23年(2011年)の産経の記事。

各地の朝鮮学校は、学校法人「朝鮮学園」が運営している事になっており、自治体からの補助金はこの口座に振り込まれる。

この資金を管理するのは、地方本部に設置された「教育部」傘下の「教育会」。ここからあらためて各地の朝鮮学校に割り振られるが、しばしば朝鮮総連がこの資金を流用していた、という話。

 

 

 

なお、北の ”首領様” から日本の朝鮮総連に対し、教育補助費が贈られたという報道がありました。

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20230414000500882
金正恩氏 朝鮮総連に奨学金など2.7億円=金主席の生誕記念日
2023.04.14

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の故金日成(キム・イルソン)主席の生誕記念日「太陽節」(4月15日)111周年に合わせ、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に教育援助費と奨学金として2億6730万円を贈った。朝鮮中央通信が14日伝えた。
金日成氏、金正日(キム・ジョンイル)総書記、金正恩氏の3代が朝鮮総連に贈った教育援助費と奨学金は計169回、493億9787万390円に上るという。

 

  


 

 

 

2022/09/04

【北朝鮮】李相哲TV:朴斗鎮×李相哲、旧統一教会と北朝鮮、三代続く深い関係【補足】

以前のエントリーの補足で、ここでは前回省略した、在日商工人と北朝鮮の繋がりについて整理しておきます。

動画では朴斗鎮(パク・トゥジン)先生が、北朝鮮が苦しい時〔ソ連邦の崩壊や、1994~98年の「苦難の行軍」と称される大飢饉〕に支えたのが統一協会と現代グループ、そしてそこに日本の朝鮮総連系の人脈が絡んでいるという解説がありました。

統一教会の文鮮明氏や現代グループ創業者の鄭周永(チョン・ジュヨン)氏、大和製罐や新日本工機の孫達元(ソン・ダルウォン)氏はルーツが北朝鮮にあり、朴斗鎮氏が仰る様に、「金」だけでなく、親族が北朝鮮にいるというのはポイントのようです。

ここで取りあげる人物の中で吉田龍雄氏はソウルから日本に来たそうですが、恐らく、彼もまたルーツは北にあるのでは無いかと想像します。

 

安山館ホテル

朴斗鎮:安山館ホテルを経営していたのは在日商工人で、金正日の料理人として知られる藤本健二はこの中の寿司レストランで働いた。彼をスカウトしたのはある日朝貿易の商社。ホテルを経営していた会社の息子が日本に戻り、今は北朝鮮国籍でパチンコ屋を経営している。

この会社は、真鍋貞樹・特定失踪者問題調査会専務理事のブログによや『救う会』HPによると、既に倒産している日隆商事という合法的なビジネスをしていた会社だそうです。〔『救う会』での真鍋氏の記述は漢字が違っていたりするが、安山館の事と思われ、北の拉致実行犯に利用された。〕

その安山館を作り、運営を任されていたのが「日隆商事」であり、その社長(故人)が人を集め、日本から料理人(かの藤本氏)や、クラブのママさん、あるいは日本人ホステスもその仕事に携わっていたのであった。

鞍山閣〔ブログ主註:レストラン名〕を経営していたのは日本の企業で日隆商事だが、現在倒産している。日隆商事は合法的なビジネスをしていたが、そこに紛れて来たのが金世鍋だ。金世鍋は日隆商事に合法的に招かれて日本に来て久米裕さんを拉致した。

しかし、幾つかの記事を調べたのですが、このホテルは北朝鮮により統一教会に経営権が譲渡されたとあります。経営権移転の経緯が不明ですが、日隆商事はホテルを上納させられたのかも知れません。

そして、前回のエントリーで書いたように、北朝鮮は、普通江(ポトンガン)ホテルや安山館ホテル、金剛山観光事業は現代グループに売却し、金大中・金日成会談を実現するために現代グループが金を出す、という流れです。

 

吉田龍雄・猛親子

朴斗鎮:吉田龍雄は韓徳銖ハン・ドクス/朝鮮総連初代議長/1907年2月18日 - 2001年2月21日〕と近い関係で、大和製罐の社長の孫達元(ソン・ダルウォン)とも仲が良い。こうした親の人脈で、吉田猛は孫達元から現代グループの創業者、鄭周永(チョン・ジュヨン)を紹介される。この吉田猛もまた、金大中・金日成会談に関わっている。

鄭周永氏はWikipediaによると、江原道通川郡松田面峨山里〔現在は北朝鮮〕の出身です。

吉田猛氏については、『朝鮮日報』がやや詳しく書いています。

バックチャンネルの輝かしい業績が、金大中政権の2000年の南北首脳会談と現代グループの大規模な対北朝鮮事業だ。吉田猛という在日同胞企業家は金日成が信頼する友人の息子だった。父の友情は息子の世代につながり、吉田猛と金正日は友人になった。吉田猛は90年の金丸信と金日成の会談、95年の日本のコメ15万トン支援、2002年の小泉首相の訪朝実現の隠れた功労者だった。現代グループ会長の鄭周永(チョン・ジュヨン)は吉田の人脈に着眼し、吉田-李益治(イ・イクチ、現代証券会長)ラインを利用しながら金剛山(クムガンサン)のような大きな対北朝鮮事業を手掛け、彼を金大中大統領につないだ。2000年6月の南北首脳会談は吉田-朴智元(パク・ジウォン)ラインの歴史的な作品だ。〔【コラム】金宇中の北朝鮮経験(2)(2014.09.12)

 

なお、吉田猛氏について、朴斗鎮氏は「1965年に日本国籍を取った」と仰っていますが、元から日本国籍だという話もあります。また、北朝鮮の工作員という噂もありますが、ご本人が、『新潮45』2013年9月号から数回に亘って、『「大物工作員」と呼ばれた男の告白 北朝鮮と私』(9月号)、『【北朝鮮と私 2】極秘裏に渡った「日本の工作機械」』(10月号)、『【北朝鮮と私 3】ともに秘密交渉を行った政治家と官僚たち』(11月号)と連載した手記の中で否定しているようです。

中井元大臣の北朝鮮の宋日昊大使との秘密交渉の〕間に入ったのが吉田猛という統一戦線部の工作員と思われる帰化した在日朝鮮人です。統一戦線部の工作員だと私〔西岡力〕が言う根拠は、1995年に当時の加藤紘一自民党幹事長が50万トンコメを送った時に、加藤紘一さんに直接取材して、「なぜ吉田猛にあなたの事務所の名刺を持たせて窓口に使っているんですか」と聞いたら、「吉田猛は直接金容淳と電話ができるんです」と加藤氏が言った。貿易商を名乗っている人が統一戦線部のトップと直接電話できるということは工作員だということです。〔『救う会』:北朝鮮を取り巻く国際情勢?東京連続集会60報告2(2011/08/09)

一方、『日朝国交交渉20年検証会議』というサイトに和田春樹名誉教授の投稿が掲載されており、吉田猛氏の『新潮45』の手記を引用して、以下のように書いています。
 
http://www.wadaharuki.com/kenshoukaigi/mail04.html
吉田猛氏について佐藤勝巳氏は『現代コリア』1995年5月号で最初に吉田氏問題を取り上げたさい、次のように書きました。「この吉田猛という人物は、表向きは日朝貿易商社社長となっていますが、実は60年代後半に日本国籍を取った在日コリアンなのです。・・・私にいわせれば北朝鮮のエージェントです。・・・そういう人が加藤紘一事務所のスタッフとして日本与党訪朝団の随員となっているのです。」

だが、吉田猛氏はその回想「『大物工作員』と呼ばれた男の告白――北朝鮮と私①」(『新潮45』2013年9月号)の冒頭で、「私の父は戦前にソウルから日本にやってきて帰化し、陸軍の松井石根大将のもとで物資調達の仕事をして居ました。その松井大将のお宅に千葉から行儀見習いに来ていたのが母です。だから生れはまったく関係ない。北の人間でもエージェントでもなく、いうなれば、コーディネーターという立場なんです」と書いています。吉田猛氏の父吉田龍雄は京城出身の朝鮮人であり、日本帝国時代には帝国臣民であったが、内地の吉田氏の娘と結婚し、吉田籍に入籍したため、戦後も日本国籍を保持した人であったようだ。したがって、1948年に生まれた吉田猛氏は最初から日本国籍の人であったのであり、60年代に日本国籍をとった在日朝鮮人だというのは嘘だということになります。

 

いずれにせよ、吉田猛氏は北朝鮮、というより、金正日個人と繋がりがあり、現代グループとも親の代から付き合いがあり、国籍はともかく、在日商工人の顔も持っていた事になります。

 

孫達元(ソン・ダルウォン)氏

先に余談を書いておくと『一般社団法人 在日韓国商工会議所 兵庫』のサイトに1週間ほど前まであった孫達元氏の立志伝のような記事『青雲遥なり ~大和製罐・孫達元の志~』(PDF)が消えています。また、Wikipediaの大和製罐の項や企業のHPにも創業者である孫達元氏の名前は見当たりません。

 

孫氏が最初に起業したのはコルク会社で、コルクは軍用品でした。兵士の水筒のキャップ、火薬庫の断熱材、航空機、造船など需要は多様なのだそうです。

戦後は代金代わりに軍から払い下げられたブリキで王冠を作り、医薬品メーカーの容器を製造して食いつなぐ傍ら、GHQとのパイプを強めていきます。

本格的な製罐工場を設立したのは1950年2月の事です。

1945年9月には全国に先駆け大阪で大阪朝連本部が結成され、その傘下に組織された大阪朝鮮人商工会の常任理事に就任します。

『青雲遥なり』に書かれていたのはここまでですが、『月刊正論 平成29年6月号』〔「特集北朝鮮 核ミサイル開発を助けたのは日本だった...」安部南牛著〕によると、大阪にある新日本工機〔1949年にGHPの命令で大日本工機から改名〕に工作機械を買いに来て、経営危機の新日本工機を買い取ります。1954年の事です。

その後、朴正煕が1961年にクーデターを起こすと、経団連の植村甲牛郎(うえむら・こうごろう)と共にいち早く駆けつけ、韓国における工作機械工業の確立に一役買います。

孫氏は資本主義の信奉者ではありましたが、平安南道出身である事から、故郷に錦を飾りたく、金日成も北朝鮮に「孫家の記念碑」の建立を認め、ベルリンの壁崩壊(89年11月)~ソ連崩壊の90年前後の金日成を支えます。

『新潮45』10月号の吉田猛氏の手記には、この新日本工機が工作機械を北朝鮮に密輸した話が書かれているそうです。〔聞いた話なので確認はしていません。

 

  


 

 

 

2022/08/28

【統一教会】李相哲TV:朴斗鎮×李相哲、旧統一教会と北朝鮮、三代続く深い関係

ブログ主は旧「統一教会(協会)」に関して、あまりワイドショー的な政治スキャンダルは興味がありません。

「群盲象を評す」みたいな話よりは、統一教会の「反共」、「反日ビジネス」、「親北朝鮮」、etc. がどう繋がるのかという事が知りたかったのですが、元朝鮮大学校の教師だった朴斗鎮(パク・トゥジン)先生が李相哲TVで解説されてました。

今回はその内容を覚え書きとしてまとめておこうと思います。

 

(2022.8.21)朴斗鎮×李相哲、旧統一教会と北朝鮮、三代続く深い関係

 

この動画を観て、ブログ主は、文鮮明(ぶん・せんめい/ムン・ソンミョン)という人物は、宗教家というよりは、”機を見るに敏” な政商のような人物だという印象を持ちました。

冷戦時代は『国際勝共連合』〔〕という反共の組織を作って、韓国、日本、米国の政界とのパイプを強め、ソ連崩壊(1991年)で、反共が利用できなくなると「南北統一」で北朝鮮(金日成)に取り入り、そこでビジネスをするといった変わり身の早さは、トレンドを見抜く才能があったのでしょう。そして、そもそも文鮮明氏は北朝鮮の出身でした。

※Wikipedia『国際勝共連合』 

国際勝共連合〔英: International Federation for Victory over Communism、「共産主義に勝利するための国際連盟」〕は、反共主義の政治団体。通称は「勝共連合」または「勝共」[3]。
旧統一教会(世界基督教統一神霊協会)の教祖、文鮮明が朴正煕政権時代のKCIA(大韓民国中央情報部)の指示を受け、1968年1月13日に韓国で、同年4月に日本で創設した[1][4]。 

 

2005年7月12日付け『東亜日報』の記事「남북관계 훈풍 타고 “더 가까이”(南北関係の薫風に乗って「もっと近く」)」によると、「勝共」という言葉を使った理由を統一教会の関係者は次のように説明したと言います。「反共と滅共はむやみに共産主義を敵対視するもので、哲学的背景が弱い。 しかし、勝共は共産主義を認めながらも、これを克服しようという主張であるだけに、より論理的だ」。

上述の東亜日報の記事には統一教会が「勝共」から「統一」に転じる経緯が書かれているので引用します。これによると、文鮮明はソ連崩壊の少し前から、冷戦の終焉を察知していたようです。

統一教傘下団体の中には「世界平和教授アカデミー」がある。 冷戦の壁が高かった1984年、世界平和教授協議会はジュネーブで「共産主義の終焉」を宣言した。 翌年11月にソウルに来た文鮮明総裁は「統一がまもなく来る」と予言したという。 1986年、大学街では主体思想派系列の自民闘と民民闘が発足し、革命理論を加熱し始めた。 この時、統一教は全国南北統一大学生統一運動総連合(統学連)と全国教授学生南北統一運動連合(教学統連)を作り、大学街が主体思想派一色に覆われることに抵抗した。

共産主義対抗運動を繰り広げてきた統一教は1987年5月15日「南北統一運動国民連合」を発足させ、勝共から統一に運動方向を転換することになった。 この時、統一教の哲学的軸になったのが文総裁の「兄弟統一論」だ。 兄弟統一論は「聖書」創世記編に出てくるエサウとヤコブ兄弟の話を根拠にしたものだ。 創世記は21年間故郷を離れていた弟ヤコブが、これまで稼いだことを全て兄であるエサウに与え、エサウを屈服させて友愛を回復するという内容を含んでいる。 文総裁は、「南北統一もこのように北朝鮮を積極的に支援してこそ可能だ」とし、兄弟統一論を提示したのだ。 この頃の91年4月、文鮮明総裁はソ連を訪問し、ゴルバチョフ大統領と会談を開き、国際的に関心を集めた。

  

以下、動画の内容を簡単にテキストにしておきます。

 

* * * *

8月14日に行われた文鮮明氏の10周忌記念式典には、トランプ政権で国務長官を務めたマイク・ポンペオ氏も追悼辞を述べた。また、北朝鮮も弔電を送った。

※Wow!Korea(2022/08/13):統一教会の文鮮明総裁10周忌を迎えて遺族に弔電...「深い哀悼」=北朝鮮

北朝鮮の対外用週刊誌「統一新報」によると、朝鮮アジア太平洋平和委員会は弔電で「世界平和連合前総裁文鮮明先生の逝去10年に当たって、ハン・ハクチャ(韓鶴子)総裁と遺族らに深い哀悼の意を表す」と明らかにした。
続けて、「民族の和解と団結、国の統一と世界の平和のために力を注いだ文鮮明先生の努力と功績は長く記憶されるだろう」とし「文鮮明先生の遺志を受け継いでいる世界平和連合のすべてのことがうまくいくように願う」と祈願した。

冷戦時代は「反共」で米国のキリスト教原理主義者に受け、自由民主主義国の政治家とパイプを築いた。

統一教会は1991年に金日成と会い、そこからは「反共」から「統一」へと路線変更を示した。同年、ソ連が崩壊した混乱の中で、北朝鮮を資金敵に支えたのが統一教会だった。もう一つ、北の屋台骨を支えたのが朝鮮総連だった。

文鮮明は自叙伝〔平和を愛する世界人として〕の中で、金日成と抱き合った時、その耳元で「兄貴」と呼びかけたと書いている。

この背景には、文鮮明も北朝鮮出身〔忠清北道定州(チョンジュ)〕と言うことがある。彼の親族は北に住んでいた。彼の生家は今は「世界平和公園」となっている。文鮮明が金日成に近づいたのは、彼の出自と利害の一致だ。

68年に勝共連合を作ったときは、統一教会関係者が朝鮮大学校の前で毎日のように拡声器で怒鳴っていたので、学生達と揉めていた。それが91年、金日成と文鮮明が抱き合ったのだから理解できなかったが、朝鮮総連の幹部の説明は「文鮮明は反共だが反金日成ではない」、つまり民族主義者だと言うことだった。

しかし、最大の理由は「金」だ。

1994年に統一教会は「金剛山国際グループ」を創る。日本では、金大中・金日成会談(2000年6月)以降だと言われているが、もっと早くから北朝鮮に入り込んでいた。

ここで3つの事業の約束を得た。平和自動車、普通江(ポトンガン)ホテル、金剛山観光事業だ。普通江ホテルやレストラン安山館〔ホテルだが、レストランとして有名〕を経営していたのは在日商工人で、金正日の料理人として知られる藤本健二氏は、その紹介で働いた。〔この在日商工人の息子は日本に戻り、北朝鮮国籍で茨城でパチンコ屋を経営している。

しかし、担当していた金達玄(キム・ダルヒョン/金日成の甥)が粛正され、その後任の金容淳(キム・ヨンスン)により、これらの事業を現代(ヒュンダイ)グループに移してしまった。この見返りに現代は金大中・金日成会談を実現させるための資金を提供する。

つまり、北朝鮮は統一教会のラインと現代グループのラインの両方を利用して、〔同じ物(金剛山観光などの事業)を2度売って〕金を儲けた。

途中で在日商工人と北朝鮮の関係の話が出てきますが、この部分はもう少し整理して別途エントリーとします。

2002年には韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の合弁で平和自動車が造られるが、上手く行かず、金正恩の時代の2012年に平和自動車も普通江ホテルも北朝鮮に譲渡した。

中央日報(2002.04.07):北朝鮮で平和自動車工場を竣工
韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の合弁で建設された㈱平和(ピョンファ)自動車(社長、朴相権/パク・サングォン)が6日午前、南浦市港口区域(ナンポシ・ハンググヨク)で同社総合工場竣工式を行った。

AFP(2013年1月22日):北朝鮮、米国人に名誉市民証を授与 統一教会との合弁会社CEO
【1月22日 AFP】北朝鮮と世界基督教統一神霊協会(Family Federation for World Peace and Unification、統一教会)の合弁会社「平和自動車(Pyeonghwa Motors)」の最高経営責任者(CEO)で、米国市民権を持つ朴相権(Park Sang-Kwon)氏は22日、北朝鮮から平壌市の名誉市民証を授与されたことを明らかにした。朴氏からの追加投資を引き出すのが狙いとみられる。

 

このように金正恩の北朝鮮と統一教会の関係は続いており、現在、統一教会は文鮮明の生誕地である「世界平和公園」を聖地とする事に集中している。今はコロナで行き来はできないが、それ以前は信者で観光団を作って北朝鮮に行き、外貨を落としていた。

しかし、金正恩は金日成や金正日と比べると商才がない。

 

 

  


 

 

 

2022/02/16

【事大主義と主体思想】韓国ではなぜ「親日=極右」なのか?【2022年2月14日プライムニュース】

2月14日の『プライムニュース』は、『日韓「政治&文化論」 近くて遠いのは何故? 米中関係と大統領選挙』というテーマで、ゲストは先﨑彰容(ぜんざき あきなか)日本大学危機管理学部教授と権容奭(クォン・ヨンソク)一橋大学法学研究科准教授でした。

毎回、先崎教授の解説は非常に分かりやすいのですが、今回も韓国の右派(保守派)と左派(進歩派)の対立軸を分かりやすく説明されていたので、メモしておきます。

韓国の左派は南北統一を目指し、非常に民族主義的なのですが、これは一見、右翼的であり、なかなか理解しにくいものがあります。同様に、親日派を売国奴と呼ぶと同時に「極右」というのも、日本人の感覚では、「極左」の間違いではないのか?と思います。

 

先崎教授は以下のように解説されていました。〔番組の中の言葉を繋ぎ合わせたりして整えているので、教授の発言ママの引用でない事をお断りしておきます。

 

文在寅政権は左派と言われる。民族統一が左派というのは一見おかしく聞こえる。現在野党の保守派はアメリカとの同盟を重視しており、北朝鮮とは距離を置く。

これは日本の60年・70年安保闘争まで遡って考えると分かる。共産党のような左翼が自民党を批判する際、自民党を「米国に従属している」と言って批判していた。米国の帝国主義に反対するのが我々だというのが左派の考え方。尤も、彼らは中国をバックしにしていたが。

南北統一を目指すというのは、我々から見ると右翼的に見える。しかし、だからこそ独立したい(米国の従属状態から抜け出したい)のが韓国の左派。だから、左派政権の時の方が防衛費が増大する。

 

もう一つ、別の箇所で語った「事大主義」の説明も参考になります。

事大主義の「事大」とは「大に事〔=仕(つか)〕える」という意味で、自主性を欠き、勢力の強大な者につき従って自分の存立を維持するやりかた。

1961年にクーデターで政権を握った朴正煕大統領が韓国国民に言ったのは「事大主義になってはいけない」、「主体性を持たなければならない」という事だった。

しかし、米国に接近する韓国の右派政権を北朝鮮の立場から見ると、「アメリカのポチ」であり、主体性を欠いているように見えた。

朝鮮半島に於いて、どちら()が統一するか、即ち、どちらがプレゼンスを持つかという点に関し、「こちらの方が主体的で自立している」と言って出てきたのが「主体(チュチェ)思想」。実際に、60年頃、北朝鮮は中国ともソ連とも条約を結び、自立しているという自負があり、韓国は一方的にアメリカに追従しているように見えた。

※ブログ主註:北も南も相手を国とは認めていないことに注意。例えば北は、南を保守(反民族主義者達)に占領されていると見ている。

これ(朴正煕のスタンス)が韓国の保守派のマインド。それに対して、革新(進歩派)側は南北の関係を強化していく考え。2008年に保守系の李明博が大統領になってアメリカとの関係を強化すると、北朝鮮は李明博を「事大主義的売国野郎」のように批判した。

 

つまり、米帝国主義に追従していると言って自民党を批判する共産党と同じ論理です。

この文脈で言うと、「親日」というのは「日本という帝国主義に追従する事大主義」であり、更に、日本の肩を持つような事、例えば、「慰安婦は性奴隷ではない」という様なことを言えば「極右」となるわけです。→【追記】西岡剛教授がしばしば仰っている「左派から見た保守派」は、そもそも、大韓民国は親日派によって作られた国で、この親日派が親米派となった、という認識だそうです。この場合、日本の帝国主義の追従者がそのまま米国帝国主義の追従者になった、という説明が成り立ちます。

いずれにしても、左翼(共産主義者)の視点なのです。

 

 

  


 

 

 

2022/02/13

【北朝鮮・韓国】2016年に中国から12人の美女を連れて亡命した男性がYouTubeに登場

脱北して現在日本在住のキム・ヨセフさんの『脱北者が語る北朝鮮』というYouTubeチャンネルに、2016年に中国から集団脱北した男性(ホ・ガンイル氏)が出演していました。

最初は、単に「エリート家庭出身の脱北者」としか紹介されなかったので、最後にホ氏だと知って、ビックリしました。

  

 

2016年に中国浙江省寧波の「柳京食堂」で働いていた従業員20人のうち、女性従業員12人と支配人とされる男性(ホ・ガンイル氏)1人の13人が脱北しましたが、結局この男性も、民弁や正義連の尹美香(ユン・ミヒャン)夫婦、日本から来た朝鮮総連の人間に北に帰るようにしつこく迫られ、第三国に再び亡命しました。

現在はアメリカに住んでいらっしゃるとのことです。

この脱北は、正義連の尹美香の横領問題が発覚して、再び注目をされました。

尹美香が私的に使っていた施設を舞台に説得工作が行われていたからです。

ホ氏や12人の女性が脱北してからの経緯は過去のエントリー『【正義連/挺対協】再び注目される2016年の12人の美女集団亡命事件』にまとめてありますが、何故、北が彼を取り戻そうと大騒ぎしていたのか不思議でした。

大物の子息だったからのようです。

 

 

  


 

 

 

2021/09/05

【帰還事業】映画『キューポラのある街』と北朝鮮帰還事業への影響

映画『キューポラのある街』(1962年)はご存知の方も多いかと思います。

実はブログ主は観た事がないのですが、映像の断片やあらすじなどは読んで、大凡どういう映画かは知っています。〔後述〕

たまたま、龍谷大学の李相哲教授の『李相哲TV』の有料会員向け動画(会員の質問に答えてくれる動画)で、「『キューポラのある街』が在日朝鮮人の帰還事業に影響を与えたのでは?」というどなたかの質問があり、それを聞いて、そう言えば、鄭 大均(てい たいきん)教授の『韓国のイメージ』という本で、この映画の話が出てたのを思い出し、読み返してみました。

結論から先に書くと、この映画が封切られた1962年の帰還者数は前年の6.5分の1に激減していたそうで、既にこの頃には、在日コリアンの間では「地上の楽園」では無い事に気付いていたそうです。

 

帰還事業は、1959年8月、インドのカルカッタで帰還協定調印。12月14日の第一便(ソ連の客船) が最初です。 しかし、徐々に在日朝鮮人の間では「地上の楽園」の嘘が分かり始め、1960年代半ばに一旦終了します。1965年に韓国と日本の間で国交が樹立され、韓国が日本から得た援助金で「漢江の奇跡」という経済発展がなされたのを在日朝鮮人が目の当たりにしたのも影響が大きいでしょう。

しかし、今度はどう見ても組織的と思える帰還要請の電話が、帰還事業を担当していた日赤に掛かり始めたそうです。〔NHKスペシャル『北朝鮮への“帰国事業”知られざる外交戦・60年後の告白 』より

先に帰国した在日朝鮮人が人質となっていたり、朝鮮総連の組織的働きかけでした。

 

前述の本によると、映画『キューポラのある街』が封切られた1962年は、既に帰還熱の “盛り下がり” の時期にあったわけです。そして、在日朝鮮人の間では北朝鮮の事情が広まりつつあっても、それを公にする事がなかったので、多くの日本人は知りませんでした。

つまり、むしろ騙されていたのは日本人の方で、彼らにとって良い事だと無邪気に北に送り出していた事になります。

前述の本は、新聞記事等から、日本人がある一時点で韓国に対してどのようなイメージを持っていたのかを探るという趣旨の本です。『キューポラのある街』の頃は、日本人は「在日コリアンは『可哀想な人達』」という同情的な見方をしていた頃が分かります。進歩的文化人は北朝鮮を称賛する事で在日コリアンの味方をしているつもりになっていたが、事情が分かったコリアンからは逆に蔑視されていたとも書かれていました。

 

ここで言いたいのは、李相哲TVで質問した方はそういう意図はありませんが、歴史を、ある事象だけを捉えて「善/悪」で語ってはダメだと言う事です。

歴史的事象はその時代の人々の考え方や “空気” みたいなものと併せて考える必要があり、あくまでも、因果関係で捉えるべきです。そこから教訓を得る事で留めるべきであって、何かをスケープゴートにする必要はありません。

田中朗先生によると、戦後まもなくは日本人の間で「朝鮮人を戦争に巻き込んでしまった」という贖罪意識があったそうで、これも事実の一つ。終戦直後に朝鮮人の一部が日本人に乱暴狼藉を働いたのも事実。マスコミが帰還事業を煽ったのも事実。在日朝鮮人を気の毒だと思う日本人の優しさがあったのも事実...。

歴史とは、その時代を知らない人間が語るのですから、様々な事実を収集する事が大事です。

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

『キューポラのある街』あらすじ〔Wikipediaより引用〕

中学3年の石黒ジュン(吉永小百合)は、鋳物工場の直立炉(キューポラ)が立ち並ぶ埼玉県川口市の鋳物職人の長女である。何事にも前向きで、高校進学を目指すジュンだが、父・辰五郎(東野英治郎)が工場を解雇されたため、家計は火の車で、修学旅行に行くことも諦めていた。

自力で高校の入学費用を貯めようと、パチンコ屋でアルバイトを始めるジュン。担任教師の助力で修学旅行にも行けることになった。しかし、ようやく再就職した父親は、待遇が不満で仕事をやめてしまった。絶望したジュンは女友達と遊び歩き、危うく不良少年たちに乱暴されかけた。

全日制の高校進学を取りやめて、就職を決断するジュン。北朝鮮への帰還問題で苦悩する朝鮮人の一家や、貧しくとも力強く生きる人々との交流を通じて、ジュンは、自立して働きながら定時制高等学校で学び続けることに意義を見出したのだった。

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

リンクはNHKスペシャルを観ながらブログ主がメモ代わりにツイートしたもの(スレッドの先頭

 

  


 

 

 

 

2020/11/10

【韓国・北朝鮮・朝鮮総連】在日朝鮮人の帰還事業は「強制移住」と韓国団体が国連に調査請求【NHKスペシャル】

聯合ニュースに在日朝鮮人の帰還事業に関する少し気になる記事があったので記録しておきます。また、ついでに昨年(2019年)6月に放送されたBS1スペシャル「北朝鮮への“帰国事業”知られざる外交戦・60年後の告白」の内容もまとめておくことにします。

記事を最初に提示します。

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20201109002300882
在日朝鮮人の帰国事業は「強制移住」 国連に調査要求=韓国団体
2020.11.09

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の人権問題に取り組む韓国の社団法人「北韓人権市民連合」は9日、ソウル市内で記者会見を開き、在日朝鮮人の帰国事業について、「自由な意思で北に渡った人道目的の帰国事業とされているが、実状は北の政府によって体系的に企画・推進された強制移住だった」と主張した。

 同事業は北朝鮮側と日本側が結んだ「在日朝鮮人の帰還に関する協定」に基づき、1959年から84年にかけて在日朝鮮人を北朝鮮に帰国させたものだ。

 北韓人権市民連合は同事業を主導した在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)について、「北の政府と情報機関の指示を受け、虚偽の情報で大規模な宣伝活動を行った」とし、「事実上、北の情報機関となった」と指摘した。

 また、在日朝鮮人は北朝鮮に到着した瞬間から監視対象、差別・強制労働の被害者となり、不満を表したり脱北を図ったりした人は行方不明になったか拘禁されたと主張した。

 その上で、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)やソウルにある国連人権事務所、国連で北朝鮮の人権問題を担当する特別報告者、国連人権理事会の強制的失踪作業部会などに対し、北朝鮮政権が犯した人道犯罪である同事業の調査に着手し、国際司法の場で犯罪責任を立証するよう求めた

 同事業が広範囲にわたって行われたのは日本政府と旧ソ連政府、日本赤十字社、赤十字国際委員会などの支援があったためとして、日本政府などに対する調査も行うよう促した。

引用ここまで。

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

ここに出てくる「北韓人権市民連合」とは韓国の報道なので「北韓」となっていますが、日本的に言えば「北朝鮮人権市民連合」で、韓国内で脱北者の援助などを行っている人権NGO団体です。

記事を読んで分かるように、「~と主張」、「(国連組織に)~を要請」というだけで、すぐに何かが起こるわけではありません。が、朝鮮総連が重要な役割を担って帰還事業が行われたことを指摘しており、このNGO団体の活動は心に留めておくべきと思います。

ネットで調べた所、よく記事を読まずに「また日本にたかろうとしている」といった書き込みが見られるのですが、この団体は北朝鮮の犯罪を追及しているのだと思われます。当然、日本政府や日赤は当事者の一員として証言や資料は求められるでしょう。

 

なお、後述するNHKの番組にも出演されている津田塾大の朴正鎮(パクジョンジン)教授(政治学)のインタビューがネットにあったので引用します。良いインタビュー記事で、帰還事業の概要がコンパクトにまとまっています。

詳細な経緯はWikipedia『在日朝鮮人の帰還事業』を参照のこと。

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

https://www.tokyo-np.co.jp/article/26821
東京新聞:北朝鮮帰国事業60年 研究者に聞く 各国の思惑、客観的に検証を
2019年12月9日 16時00分

 「地上の楽園」と喧伝(けんでん)され、北朝鮮に9万人を超える在日朝鮮人や日本人配偶者が北朝鮮に渡った「帰国事業」の開始から、14日で60年()になる。帰国後の生活になじめず、苦しい生活を強いられた人も多いとされる。帰国事業とは何だったのか。韓国出身で、事業に関連した政府や団体への調査、外交資料などの研究を続けてきた津田塾大の朴正鎮(パクジョンジン)教授(政治学)に聞いた。 (聞き手・相坂穰、写真も)

※ブログ主註:1959年12月14日、975名の帰還者を乗せた第一便が新潟を出航。これに先立つこと同年2月13日に北朝鮮への帰還事業実施が閣議決定(岸信介内閣)、8月、日朝の赤十字社間で帰還協定を締結。この協定による帰還事業は1年毎に更新され、67年末まで続く。3年間の中断を経て、71年に再開。84年7月まで続く。71年からの帰還事業は明らかに前期(~67年)とは様相が異なっていた。詳しくは後述のNHKスペシャルの内容を参照のこと。

 

 -帰国事業の背景は。

 一つは、北朝鮮が労働力として在日朝鮮人を必要としたとされる。後年公開された内部資料で、日本政府も、生活保護費などの財政負担も大きかった在日を厄介払いする狙い)があったことが分かっている。
 ただ、日朝の思惑だけで、十万人近い規模の移住が可能だったとは考えない。
 一九六〇年前後は、日米間の軍事協力を巡る安保闘争が激化した時期。その中で、帰国事業は社会主義陣営の反安保闘争の側面があった。初期の帰国船としてソ連の旧軍艦を改造した船が使われるなど、ソ連、中国の関与も大きかった。帰国事業は、資本主義体制から社会主義体制への組織的な移住だったとみる。

※終戦直後から1948年8月15日迄の3年間で約140万人が帰国し、この時点では約60万人の残留在日朝鮮人がいた。後期には朝鮮から日本に来る密入国者も多く、逮捕した朝鮮人を送還する船がGHQにより認められ、これで帰国した者もいる。(cf. 済州島4.3事件 1948年4月 - 1949年5月)
戦後の帰還者に関する詳細はブログエントリー『【韓国】戦後3年間の在日朝鮮人引き揚げ推移(1948年で60万人が残留→59年には61万人=所謂「在日韓国人・朝鮮人」)』参照。

1954年4月7日 衆議院外務委員会にて自由党・佐々木盛雄議員が、「日本における犯罪のうち、10%は朝鮮人による悪質な犯罪」、「ところがこれに対して、日本は生活保護法で扶助している」と吉田内閣を追及。

 

 -なぜ北朝鮮を選択したのか。

 「帰国」というが、当時の在日の大部分は、現在は韓国が統治する朝鮮半島南部の慶尚道(キョンサンド)や済州島(チェジュド)出身だった。彼らは単純に祖国に帰ったのではない。北朝鮮は日本で朝鮮学校設立を進め、在日の子どもの将来を考える親たちに浸透した。
 韓国は当時、終戦直後の朝鮮人の引き揚げ事業は終了したとして、在日の受け入れには消極的だった。日本側に帰国者の「帰国定着金」の負担を要求ブログ主註:李承晩政権)するなど、何の支援もしなかった。韓国では、帰国事業を敵対する北に自国民を送る「北送」と呼び、過剰に反発)したが、国際的支持は得られなかった。日朝だけでなく、韓国の責任もある。

※ブログ主註:民団を中心として日本でも在日韓国人のデモが起こる。cf. Wikipedia「新潟日赤センター爆破未遂事件
民団は、人道的見地から等と言っていますが、北への対抗心からでしょう。また、日本各地で騒擾事件を起こしていて「人道」などというのはおこがましい。

 

 -証言を記録する上での課題は。

 特定の国だけを批判する内容に終わってはならない。たとえば、韓国は、在日に対する理解が浅く、脱北した帰国者も、一般の脱北者と同列にとらえられる。脱北者問題に積極的なのは、北朝鮮に強硬姿勢を取る保守。革新の文在寅(ムンジェイン)政権は人道主義を掲げつつも、脱北者の人権については北朝鮮との関係を優先し、関心が薄い。両派のイデオロギー論争とは距離を置くべきだ。

 

<北朝鮮帰国事業> 日朝両政府が推進し、両国の赤十字が1959~84年に実施。在日コリアンや日本人妻ら9万3340人が、新潟港から帰国船で北朝鮮に渡った。差別や貧困に苦しむ在日の期待に応え在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)を中心に活発化したが、在日人口を減らしたい日本政府と、労働者を必要とした北朝鮮の狙いも重なったとされる。

<パク・ジョンジン> 1972年、ソウル生まれ。2009年、東京大総合文化研究科博士課程修了。13年、津田塾大学芸学部准教授、18年11月から現職。著書に「日朝冷戦構造の誕生1945-65」、「帰国運動とは何だったのか-封印された日朝関係史」(共著)など。

 

帰還事業に関しては日本政府と日赤を主犯のように言う研究家もいるそうですが、上記のように朴教授はそれは過大評価だという立場です。

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

BS1スペシャル「北朝鮮への“帰国事業”知られざる外交戦・60年後の告白」

放送日:6月16日(日)午後10時00分/再放送:17日(月)午前9時~10時50分

この番組は当初ETV特集としてEテレで放送し、NHKが総連から抗議を受けたものをBS1が放送しました。以下は、ブログ主がこの番組を観ながらTwitterにメモした内容をほぼそのまま転載したものですが、再視聴して加筆する可能性があります。

なお、番組は帰還事業の経緯と、帰還事業で北朝鮮に渡ってその後脱北した脱北者夫婦(韓国在住)と日本人妻(日本在住で北朝鮮に対して損害賠償請求をしている)のインタビューで構成されています。

 

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朝鮮総連からの抗議文(加藤健氏/チャンネル桜・討論より)

 

【番組内容】

50年代、日本はアメリカ一辺倒ではない自主外交を開始する。朝鮮半島については韓国より北朝鮮との交渉が先行。ソ連とも。
それは在留日本人の帰還という問題もあったからだ。56年1月、平壌で初交渉。そこで北から思いがけず在日朝鮮人の問題を出される。その裏にはソ連の助言があった。

戦後、欧州では東側陣営から西に脱出が相次いでいた。ソ連としては、北朝鮮への帰還事業を通じて、共産主義社会の資本主義社会に対する優位性を示したかった。

在日朝鮮人の約9割は南(つまり、戦後は韓国)から。北朝鮮の思惑は、南の人間が北に移住することが韓国に対する「勝利」と考えた。また、帰還事業で日韓関係に“くさび”を打ちたかった。尤も、当初は1000人以下を見込んでいた。しかし、前述のソ連の思惑で説得される。

当時、在日朝鮮人60万人の内、10万人が生活保護を受けていた。これは日本人の11倍の生活保護率。日本政府はこれを取り除きたかった。しかし、「帰国は自主性を尊重」という態度を示すため、第三者機関の国際赤十字に意思確認を要請する。

この動きに韓国(李承晩)は反発。アメリカが「韓国への帰還事業も行う」という提案をする。しかし、韓国は帰還者の「定着金」を日本が出すよう要求してアメリカは仲裁を断念。米国は戦後自主外交で北朝鮮やソ連に近づく日本に対し「赤化」を危惧していたが、日本は帰還事業について説明し、米国はこれを了解していた。米国は日韓関係の悪化を危惧して仲介役をしようと韓国に接していた。

そもそも、帰還事業は日本の朝鮮総連()が金日成にそれを要請する手紙を書いたことがきっかけ。総連は国内で集会を開き、「地上の楽園」を宣伝。在日朝鮮人の間に帰還の機運が高まっていた。
マスコミも取り上げ、国会では超党派の帰国協力会も結成された。

※朝鮮総連の前身(朝連)は元々は在日朝鮮人の互助組織。しかし、日本共産党員の金天海がトップに就くと、内部の親日派や民族派を追い出して、日共の別働隊になる。その後、民団の前身組織と血で血を洗う抗争に。この辺りの歴史は『ヤクザと妓生が作った大韓民国 ~日韓戦後裏面史』(菅沼 光弘著/インタビュー・構成:但馬オサム)に詳しい。

1959年8月、インドのカルカッタで帰還協定調印。12月14日に第一便(ソ連の客船)
これを民団が出港地の新潟に向かう列車の線路に座り込んだりして邪魔をする。政府関係者は列車が爆破されるのではないかとまで心配していたという。

番組に登場した脱北者(韓国在住)は、帰還船を降りて間もなく、出迎えの人達の身なりを見て「地上の楽園」の嘘に気付いたという。逆に、出迎えた側も、痩せこけた同胞が来ると思ったら、全く違うので驚いたという。

帰国者は北朝鮮国内で浮いていた。チェポ=在胞(在日同胞)と呼ばれ、中央も、帰国者を人民に悪い影響を与えると見なした。
北では「出身成分」()という考えがある。核心階層、動揺階層、敵対階層だ。帰国者は「金日成への忠誠が揺らぐ可能性がある」として動揺階層に分類される。

※『徐勝(ソ・スン)「英雄」にされた北朝鮮のスパイ』によると、帰国者は資本家や地主、南出身者と同様の「敵対階層」と書かれている。要するに危険分子扱い。帰国者の収容所送りや粛正はマグジャビ(人間狩り)と呼ばれた。

1960年半ばになると金日成の独裁体制が強まり、一方、韓国は65年に日本と国交正常化。漢江の奇跡と呼ばれる経済成長。韓国に対抗するため、軍事費を増大させ、益々国民の生活は苦しくなる。帰還事業も一旦終了するが、その後も日赤に帰還の要請が相次ぐ。但し、意味が違っていた。

帰還要請の電話は明らかに組織的だった。帰還者は総連の幹部の家族。これは北からの命令で、謂わば「人質」であり、日本からの外貨を獲得するためのパイプであった。総連を通して200もの企業が作られ、家族に会いに来る「祖国訪問団」は金づる。万景峰号が港に近づくと「金が来た!」。

この「人質」作戦は金日成の後継者として70年代に台頭してきた金正日のアイディアだという。73年には国家政治保衛部(秘密警察)を発足させる。
80年代に入ると帰国者は年に数十人に落ち込み、84年に終了する。帰還者の総数は9万3340人という。

 

番組内容はここまで。

 

帰還事業に関するマスメディアや進歩的言論人の役割

徐勝(ソ・スン)「英雄」にされた北朝鮮のスパイ』より引用します。

在日朝鮮人はそもそも38度線より南出身者が多かったので元々北に対する郷愁はない。 そのため、帰国事業を推進する国際赤十字委員会は本当に帰国の意思があるかどうか確認しようとした。しかし北朝鮮政府が反対。北の主張に加担したのは雑誌『世界』(岩波書店)で、59年6月号では 朝鮮労働党機関誌『労働新聞』59年3月17日の社説まで転載して北の立場を支援した。結局は本人への意思確認が必要と言うことになったが、北と総連は「共和国は地上の楽園」キャンペーンを行う。それを支援したのも『世界』(P.211)で、60年6月号では帰国協力会の代表委員だった自民党の岩本信行代議士が、それまでの帰国者1万6千人の北での暮らしぶりを訪ねた報告を掲載する。60年は他のマスコミ各社も北朝鮮の現地取材をしたが、どれも同じように北の豊かさを喧伝するものだった (P.212)

 

一旦ここまでで公開します。

 

 

  


 

 

 

 

2020/08/16

【FNN】脱北者金柱聖氏が語るちょっとユニークな北朝鮮ニュース解説動画

FNNプライムオンラインのYouTubeチャンネルで在日3世の元脱北者が北朝鮮の話題を解説する動画があります。

金柱聖(キム・ジュソン)という方で、フジテレビとはどういう関係かは分かりませんが、韓国支局で動画を撮影しているようです。

 

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金柱聖氏については後述するとして、動画は不定期のupだと思うのですが、直近の動画では『《あなたの知らない北朝鮮》反日沸騰の韓国と大違い?北の8月15日』というもの。

少し内容をご紹介すると、8月15日は韓国では「反日」一色の日ですが、北朝鮮では歴史観が違うのでそうではなく、脱北して韓国に来て驚いたそうです。

北朝鮮では、「旧ソ連と共に日本を打ち負かした日」ということになっているので、棚ぼたで解放された韓国と違い、コンプレックスがない事に加え、この日に金日成は北朝鮮にいなかったから、むしろこの日を強調したくないのではないか?というのが金氏の意見。(実際には、金日成は1945年9月19日にウラジオストックからソ連の軍艦で元山港に上陸し、ソ連第88特別旅団の一員として帰国)

少し前に韓国で脱北者による風船ビラの取り締まりがありましたが、これも北朝鮮でビラを拾った経験など、実体験に基づいた解説がユニークです。

動画の最後に「解説は、脱北者金柱聖氏の個人的見解です」と断り書きがあり、「あなたの知らない北朝鮮」というシリーズ名のサブタイトルに「元在日脱北者がぶっちゃける!」とあることからも分かるように、肩の凝らない作りとなっています。

なお、金氏の動画は「プレイリスト」化(グループ化)されていないので探しにくいのですが、FNNプライムオンラインのYouTubeチャンネルで「あなたの知らない北朝鮮」或いは「金柱聖」と入力して検索をかけると見つかります。

 

* * * *

 

◆北朝鮮の歴史捏造

なお、北朝鮮ではどのように教えられているか、また、どのように歴史を改竄していったのかは、朴斗鎮(パク・トゥジン)氏が最近の動画で解説しています。(『北朝鮮の歴史ねつ造 ~ 北朝鮮を読み解くシリーズ 第5回 ~』)

これによると、

  • 北朝鮮の歴史捏造の核心は、1932年に金日成が朝鮮人民革命軍を創建して、日本帝国主義を打倒したという建国神話
  • 1945年に北朝鮮を金日成が解放したという神話

は、実際には、中国共産党からの朝鮮人民革命軍の創設提案は金日成によって退けられ、討議されたのは1936年になってからであり、北朝鮮の解放はソ連によってなされたわけですが、1967年5月の朝鮮労働党総会で金日成絶対化のための決定がなされてから歴史の改竄が始まり、都合の悪い本は焚書して人民を洗脳していったのだそうです。

 

下記は『李承晩TV』の解説動画。

 

* * * *

 

◆金柱聖氏について

跳べない蛙 北朝鮮「洗脳文学」の実体』という著作もあり、Amazonの商品ページにある著者略歴を読むと、

 

関西生まれ。韓国小説家協会会員。1970年代に朝鮮総連幹部だった祖父母と共に北朝鮮に帰還。
同国の師範大学を卒業後、大学講師を経て、朝鮮文学創作社(作家同盟)、国家科学院情報科学通報室などに勤務。
2009年に脱北後、韓国サイバー外国語大学日本語学課卒業、北韓大学院大学校社会文化統一修士課程修了。
元北韓亡命作家センター事務局長であり、現在は社団法人「学んで分ち合う虹」の理事をしながら、脱北した青少年たちの支援活動、またテレビ、ラジオなどのメディアへ出演も行っている。
近年では、日本でも北朝鮮関連のニュースにコメントを寄せるなど、活動の幅を広げている。

 

とありますが、この数行では語りきれない人生は東洋経済オンラインの『脱北者の元作家が送る波乱万丈すぎる人生 日本で生まれ海を渡り「党員」になった末に』(村田 らむ 2018/08/23)を読むと分かります。

 

 

  


 

 

 

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