【ドールハウス工作】 No.321 和菓子のミニチュア:紫陽花、水無月、羊羹、青梅、大福、どら焼き、他
この記事では、 和菓子のミニチュアの最終回として、作り方をご紹介していないミニチュア和菓子をまとめてご紹介します。
まずは、前回画像にあったけれどもご紹介をし忘れた紫陽花から。
フレームの全体像はこちらです。(クリックすると画像がポップアップします。
紫陽花(あじさい)
紫陽花というのはあくまでも「お題」なので、練り切りで作る場合もあるでしょうでしょうが、ここでは「錦玉」(きんぎょく)を使ったものをイメージしました。
「錦玉」というのは寒天と砂糖、水飴を煮詰め、冷やして固めたものです。全体を寒天で固め、例えば水に遊ぶ金魚などを表現したものなどは「錦玉羹」(きんぎょくかん)とか琥珀羹(こはくかん)とか呼ばれます。煮詰めて固めたものは干錦玉(ほしきんぎょく)と呼ばれ、干菓子として扱われますが、要するに寒天です。
【紫陽花の作り方】
今回、「すけるくん」という粘土を使ってみました。
ねんど 透明粘土すけるくん |
この粘土は硬化前はかなり柔らかく、硬化すると透明度が高くなります。弾力性は多少残るようです。
ミニチュアフードのゼリーやフルーツ作りに最適、だそうですが、硬化前は不透明な白なので、絵の具などをどのくらい混ぜれば期待通りの色になるのかがちょっと分かりにくく、慣れないと使いにくいです。
また、透明度も仕上げに専用のコート液かニスを塗らないと、それほどの透明度でもありません。(無色の「おゆまる」程度の透明度→No.311 餡蜜の寒天参照。)
ここではタミヤのクリヤー系の塗料を混ぜたのですが、少なかったようで、あまり良く発色しませんでした。
薄くのばして硬化させて立方体にカットしたものを、白+少量の黄土で作った白餡の球の周りにボンドで付けました。
葉は和紙をカットしたものです。
なお、その後、あまり使い道のない「すけるくん」はダイソーカラー粘土を緩めるのに使っています。カラー粘土は着色料が混ざっているせいか、白い粘土より保存できる期間が短く割とすぐに硬くなってしまうようです。すけるくんは不透明な粘土と混ぜてもほとんどカラー粘土の色を変化させずに柔らかくなるだけなので、練りやすくなります。
水無月(みなづき)
「水無月」というのは以前も説明しましたが、夏越の祓(なごしのはらえ)という毎年6月晦日に行われる大祓の神事で、神社では参詣人に茅(ち)の輪をくぐらせて祓い浄めますが、この時に戴くお菓子です。
三角形(尖った角)や小豆は邪神を払うと考えられており、白いういろうの上に甘く煮た小豆を載せて固めたもので、三角形に切り分けます。
外郎の部分は前回ご紹介した久寿餅(くずもち)同様、モデナを平たく伸ばして作り、四角くカットしてから、小豆(青+赤+黒の粘土で作成)をボンドで貼り付けました。小さな四角にカットしてから三角形に切っています。
羊羹(ようかん)
羊羹自体は水無月の小豆と同様の粘土の混色で作ります。
竹の皮に包まれた羊羹は、バルサ材を端材を羊羹のサイズにカットし、竹の皮(ネットで見つけた画像をPCで加工して薄い包装紙にプリントしたもの)で包みました。
中央に結んでいるのはラフィア(raffia:ラフィアヤシの繊維。手芸店のフラワーコーナーなどで見つかる)を細く割いて縒ったものです。
青梅(おうめ)
青梅も紫陽花同様、これといった決まりはなく、あくまでも「お題」ですが、練り切りで白餡を包んだものが多いかと思います。外側が薄い求肥で包まれていたり、白餡に梅ジャムを練り込んだものもあります。
粘土は緑+黄+黄土(+白)を混色(→No.320/【粘土や絵の具を混色して緑色を作るときのヒント】参照)して丸くまとめ、爪楊枝でちょんと突いてくぼませて、線をいれました。
豆大福(まめだいふく)
粘土を混色して餡(水無月の小豆参照)を作り、丸くまとめ、豆(赤エンドウ)も同じ粘土で作っておきます。
モデナにダイソー白を少量加えて薄くのばし、餡と豆を包み、ベビーパウダーをまぶします。
栗鹿子(くりかのこ)
栗鹿子は周囲に栗だけを付けたものもあるようですが、ここでは普通の鹿子に栗を添えたものをイメージしました。
栗は黄+黄土(+白)の粘土で作り、栗の形にまとめます。
餡の球を作って上に栗を載せ、周囲にボンドで小豆を付けました。
銅鑼焼き(どらやき)
銅鑼焼き(どらやき)とは、小麦粉・卵・砂糖を原料とした銅鑼形に焼いた皮2枚の間に粒餡(つぶあん)を挟んだ和菓子ですが、原料の割合は「三等割」と言って同じ分量なのだそうです。
皮はフワフワした感じを出すためにモデナソフトにダイソー黄色を混ぜたものを使いました。
丸く薄くのばした皮で餡をはさみ、硬化したら茶色の絵の具で焼き色を付けます。
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