【ドールハウス工作】 No.176 ラグのミニチュア/おもちゃの機織り機【ブログ主覚書】
(。◕‿◕。) おもちゃの機織り機でラグを織ってみました。
こんなの↓。一番上のラグで房を含めて5cm×12cmくらい。右は使用した機織り機です。
おもちゃの機織り機を使うというアイディアは及川久美さんのドールハウスを紹介するムック本『私のドールハウス』 で知ったことで、この方の作品は、廃品や身の回りにあるもの、入手しやすい素材を工夫してミニチュアを作る面白さを教えてくれました。
材料は、縦糸には100均の麻紐(ラッピング用品コーナーにあったもので、たこ糸くらいの太さのもの)。横糸には羊毛の毛糸。これも100円ショップのもので、中細くらいのものです。
縦糸はぴんと張れるものがいいので、たこ糸も適しています。
織機を使って作ったものなので、作り方は機織り機についてもう少し詳しく説明することと、この商品のレビューとして後述します。
おもちゃの機織り機の使い方/機織り機の構造
機織り機はおもちゃならば1000円前後から(ブログ主が買ったものは925円)買うことができます。もちろん見た目は下の画像のようにちゃちなのですが、“縦糸に横糸を互い違いに通して布を織る”という最低限の機能を満たしています。(“おもちゃ”以上のものになると、もっと長い布を織ることができるように手前に巻き取れるといった機能が付くようです。)
下の左の画像は商品パッケージ、右の画像は、大きさが分かるように実物をA4版の紙の上に置いたものですが、一番短くした状態でこの程度の大きさです。枠を長く伸ばすこともできますが、横糸の糸巻きをくぐらすスペースが必要なので、最大でも28cm×15cmのものしか織れません。まぁ、テーブルセンターとか花瓶や鍋敷き、コースターくらいでしょうか。
最低限の機能と書きましたが、シンプルなだけに、使ってみて、機織り機の構造がよく分かりました。テレビなどで機織りの様子は見たことがあるのですが、自分で織ってみて、ああこういうことか、と理解できたことがあります。
おもちゃに限らず手織りの機織り機を選ぶ際のポイントになると思うので、最初に構造を簡単に説明します。
まず、本体に縦糸を掛けるのですが、これは巻くのではなく、溝にコの字型に引っかけるだけです。(左の画像/「特徴1」の部分) 織り終わって最後に縦糸の向こう側を切ると、縦糸は引っかけているだけなので手前の糸を簡単に本体から外すことができます。
縦糸を掛けたら、その糸の1本目、3本目、5本目...(以下、奇数の糸と呼びます)と、1本おきに「そうこう」(綜絖)という部分に引っかけます。(左の画像/「特徴3」の茶色の部分) 輪になっている一部に切れ込みが入っているので、そこから糸を輪の中に入れます。
この綜絖を上下させることにより、奇数の糸がまとめて偶数の糸より上に持ち上がったり、下に下がったりして広がり、横糸を通す隙間を作ります。
これはおもちゃなので、綜絖を上下させるのは完全に手動です。
綜絖にはアーム(○印を付けた部分)が付いていて、手で左右に広げて枠の上に載せたり(=奇数の糸を上に上げたり)、枠の下にしたり(=奇数の糸を下に下げたり)します。つまり、綜絖が上にある状態で糸巻き(=杼/ひ)を、たとえば右側から通したら、“くし”(=筬/おさ)で横糸を手前に寄せ、次に綜絖を下げて杼を左から通す、という方法で織っていきます。
ブログ主はせいぜい12列程度の縦糸で織ったので筬で糸を寄せるのは簡単でしたが、横幅一杯に使った場合、この“くし”をちゃんと通すのは結構面倒かも知れません。きちんと目を通さないと縦糸が曲がってしまいます。
ここまでで、手織りの機織り機を選ぶ際のポイントをまとめると、
- 綜絖(そうこう)の動かし方が容易か
- 筬(おさ=櫛状のもの)の扱い方が容易か
- どのくらい長いもの(幅も)が織れるのか
- 縦糸の間隔はどうか(間隔が狭いものほど密に織れる)
ということになります。(構造を理解してから他の商品を見てみると、1000円前後のおもちゃではどれも大差ないようです。)
商品レビュー
あくまでも子供が使う“おもちゃ”として見ると、縦糸をきちんと掛ける程度の“器用さ”があれば扱えるものだと思います。実際、この商品は、学校教材のメーカーから出ているので、小学校の中学年以上なら扱えそうです。
ただ、子供は手や指が小さくて細い割には不器用なので、苦労するのは最後に縦糸を始末する部分だと思います。
と言うのは、縦糸を2~3本くらいずつ結んで始末する際、向こう側の糸は結構長く残っているので結ぶのは簡単ですが、手前側の糸は短いのでこれを結ぶのが結構大変でした。(ミニチュア作品は2本ずつ結んでいます。)
上の右側の画像で、手前に白い板を貼っているのが分かるでしょうか。これは、手前の糸を長く残すためにブログ主がスチレンボードを細長く切って取り付けたものです。(両面テープで留めているだけです。)
壊れるとしたら、一番動かす綜絖のアームですが、割と弾力性のあるプラスチックなので、よほど無理に左右に広げなければポキンと折れるようなことはないでしょう。
杼(ひ=糸巻き)は2つ付属しています。
ブログ主は2色の横糸を用意してボーダーに織るのが精一杯ですが、編み物の編み図のように設計図を作っておき、その通りに途中で糸を変えれば、上の左側の画像に映っているサンプルのように柄を織り出すことも可能なので、杼が足りなければ、厚紙で作ってあげたらいいでしょう。
横糸を縦糸にくぐらせやすいように、平べったく巻く必要がありますが、その方法は説明書に書いてあります。
筬に関しては、機織り機の横幅いっぱいの長さより、むしろ半分くらいの長さであったほうが良かったのではないかと思います。横糸を手前に寄せるのに、一度にできるメリットよりは、縦糸を櫛の目に通すのが容易な方が使いやすそうです。
説明書も付いていますが、実は、この説明書では、縦糸を付ける方法がよく分かりませんでした。それで、もう少し詳しい説明がないかと、メーカー(株式会社アーテック)の商品のページを見たら、なんと動画がありました。(字幕は英語ですが、動画だけで分かります。)
その部分以外は、付属説明書で十分理解できます。
下の商品リンク先、この会社から購入すれば、送料は無料です。
以下はブログ主の覚え書きです。
商品では専門用語をそのまま使っているのは綜絖(そうこう)だけですが、杼(ひ)=糸巻き、筬(おさ)=くしとか、専門用語はいずれも聞き慣れない言葉です。「おさ」は和語のようですが、他の言葉は語感からすると大陸の呼び名をそのまま使っているのでしょうか。いずれにしても、漢字も見慣れない漢字です。
綜絖の「綜」は「総」と同じ意味で「総(す)べる<総(す)ぶ」はいくつもの筋を「まとめる」、転じて統一するという意味だそうです。従って、社名などで見かける綜合も総合と同じ意味です。
「絖」は「わた、繭のくずを集めてふやかしたわた、真綿(絹わた)」の意味なので、糸を表すのでしょうか。つまり、「綜絖」は糸をまとめて一度に上下させる道具という意味があるようです。
杼(糸巻き)の「予」の部分は口や○を引き延ばした様を描いた象形文字で、「(引き)のばす」という意味だそうです。糸巻きというよりは、横糸をのばす道具という意味のようです。ちなみに縦糸用の糸巻きは「柚」(じく)と呼ぶそうで、植物のユズと同じ字ですが、意味としては「軸」と同じだそうなので、これは理解できます。
筬(おさ=くしのような道具)は元々「竹」で、その下の「成」に似た字は発音を表しているだけなので、元は竹で作ったものでしょうか。
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