【日韓歴史問題】慰安婦問題は終了しない/韓国「反日銅像(慰安婦像・徴用工像)撤去活動」の変遷
このエントリーは、ブログ主の考えを整理するためのものです。
◆「反日銅像撤去」活動の背景
韓国で「反日銅像(慰安婦像・徴用工像)撤去活動」が始まったのは2018年の所謂 ”徴用工裁判” で韓国の大法院が ”強制徴用被害者” に対して日本企業に賠償責任があると判決を下し、『反日種族主義』という本が出版された2019年の頃からです。
当時は文在寅(ムン・ジェイン)政権(2017年5月~2022年5月)で、彼の様々な反日行動・発言により、両国の関係が悪化し、韓国経済にも影響〔※1〕が出たからで、2019年12月2日に、現在では分裂してしまいましたが、「反日銅像真実糾明共同対策委員会」が記者会見を行った頃から本格化しました。
韓国で『反日種族主義』が出版されたのもこの頃で、2019年7月10日です。
そして、反日種族主義の執筆者の一人である李宇衍(イ・ウヨン)博士が、日本大使館前の慰安婦像の前で ”一人デモ” 〔※2〕を始めました。
※1 フッ化水素などの半導体製造に必要な素材の韓国への輸出規制を日本政府が発動したのは2019年7月。韓国政府はこれに対抗して「GSOMIA破棄」(2019年8月)を宣言。GSOMIAとは「軍事情報包括保護協定」で、米国を間に置いて、日・韓が軍事情報の共用をするシステム。後に「破棄を破棄」という宣言。
※2 実際には仲間とのデモ。韓国では、当初は日本大使館前の集会は慰安婦集会に限られるとされていたが、「一人ずつの記者会見」という建前をとれば集会許可は必要ない。
ブログ主が批判していると誤解して欲しくは無いのですが、彼らは韓国人なので、あくまでも韓国の利益を重視しての事なのは当然です。
この動きを知った日本人の ”韓国ウォッチャー” は、当然、日本人の思惑とも一致したので歓迎しました。
◆日本人の希望は「海外に嘘を広めるな」
韓国の勇気ある方々が行動を起こした頃には既に韓国国内で100体以上の慰安婦像が建っていました。
2015年、朴槿恵大統領と安倍晋三総理の間で「慰安婦合意」がなされて、韓国側が ”慰安婦像撤去に努力する” と約束しても、いっこうに約束は実行されずにいてイライラしていた頃です。
しかし、この当時の日本人は、韓国国内... 特に日本大使館前や釜山領事館前の慰安婦像撤去は当然として、望むことは ”海外に慰安婦像を建てるな/嘘を広めるな” という事でした。
その前段階として、韓国国内の慰安婦像(や徴用工像)の撤去活動を歓迎しました。しかし、むしろ、在外反日韓国人は、海外での慰安婦像の設立に力を注ぐ様になります。
◆反日しつつも日本の文化を楽しめると気づいた韓国人
日韓関係が悪化しつつも、日本の文化が好き(旅行などで日本の文化を享受したい)韓国人はいました。
「わさびテロ」(日本旅行で嫌がらせにわさびを盛られた)を報告する韓国人もいましたが、日本人は基本的には韓国からの旅行者を普通に受け入れ、分け隔て無くサービスしていました。経済界も自社の利益を求めて活動していました。
そして、韓国人は気づいたのです。
いくら国同士が仲違いしてようが、表立って反日活動をしなければ問題無いと。
旅行者レベルでは、日本では国内の観光スポットにありがちな ”ぼったくり” もほぼ無く、安心して観光旅行を楽しめることを。
彼ら、例えば旅行者にとって、「過去を反省しない日本人は許せないという感情」と「リーズナブルで安心な旅行先としての日本」という評価は矛盾しないのです。
◆存在価値が薄れた「反日銅像撤去活動」
ごく一部ですが、『反日種族主義』等を通じて慰安婦問題が虚構であると知った韓国人に取っては ”慰安婦問題は終わったこと” になりました。
これは、日本国内を考えれば分かりますが、未だに慰安婦問題を提起する左派はいますが、もはや日本国内では無視できる存在というのと同じで、上記の様な韓国人は自分の中で ”終わったこと” になれば、韓国国内の慰安婦像撤去活動などどうでも良いのです。積極的に慰安婦像撤去に同調しなくても不利益は無いと言うことです。
日本国内で喩えれば、例えば「同和問題」や「(自治体による)朝鮮学校補助金問題」、「ヘイトスピーチ法」を考えてみてください。
よほど問題意識がある人は別ですが、それを撲滅しようとまで関心がある人は少ないのと一緒です。
つまり、韓国人にとって、日本との歴史問題を抱えていようと、慰安婦像が国内に無数建っていようと、自分に不利益は被らない問題なのと一緒です。
特に尹錫悦政権で、表面上の確執が低減されると、日本旅行に行っても大っぴらに批判されず、益々、歴史問題は解決する必要がないと知ってしまいました。
この様な状態で、相変わらず、日本大使館前や釜山領事館前の慰安婦像撤去を叫ぶ方達に誰が積極的に賛同しようと思うのか... ?
◆「反日」は消えない
韓国人にとって、 ”日帝は強制的にウリナラ(我が国)を植民地にした”、”日帝時代、日本はウリナラに酷いことをした” ... この認識は基本的にはあまり改善していません。
韓国人は、たとえ事実を知ろうが、自らの落ち度を認めたら ”日本人より序列が下” になるので、自らの非は認めないのです。
もちろん、一部の韓国人は、”慰安婦問題は嘘”、”日本統治時代は差別もあったけど/我々の自尊心を踏みにじったけど、日本によって近代化がなされたのは事実” くらいの理解をする韓国人は以前よりは増えています。
しかし、ここまで述べてきた様に、多くの韓国人にとっては、自らの非を認めなくてもいいし、反日感情と日本のコンテンツを消費したい欲望は併存できるのです。
話を元に戻すと、韓国で反日銅像撤去を叫ぶ人達は、お気の毒にも韓国社会ではほぼ無視されています。
韓国人は ”反日扇動を政治的に利用する事” に対しては怒りますが、それは後から扇動だったと気づいたときだけです。おかしいと感じている人がいても声には出さないし、少数意見としてすら世論にはなりません。別に声に出さなくとも不利益は被らないし、依然として声を上げれば社会的に抹殺されるからです。
日本の経済界もそうです。
別に慰安婦像が韓国国内に無数建っていようが、「金儲け」という一致点さえあれば韓国企業と取引したり、韓国人観光客も受け入れます。
◆「慰安婦像撤去活動」の人達の今の関心は...
「そもそもが、自分達(韓国)の不利益を解消するため」という目的/存在価値が無くなった彼らは、既に、中国大使館を批判したり、右派(大韓民国への愛国者)の復権を目指して、李承晩の再評価などの活動に移行しています。
元々がそうだとも言えますが、既に韓国内の ”党派争い” になっていたり、自国の対中国政策の問題になっています。
日本人に対して「中国は共通の敵」だと同調を求め、日本人の関心を繋ぎ止めようとしていますが、中国は共通の敵... それ自体は共感しますが、既にそれは日本も韓国も自国の政権に向けて言う事であり、情報の共有くらいはできますが、戦うべき相手はそれぞれ自国の政府であり、共同戦線は難しいものがあります。
表面的な ”日韓関係改善” が達せられた今は、旧日本大使館前や釜山領事館前の慰安婦像を撤去する事、あるいは集会許可を求める事自体が目的となっている様です。
正直なところ、海外の慰安婦像撤去に貢献してくれるかと思った日本人にとっては期待外れ。(←日本政府の問題でもあり、彼らを批判するものではありません。)
彼らも、国内の共感が広がらない事への失望は否めないでしょうが、このまま活動のための活動をせざるを得ない状況かと思います。
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