【兵庫県文書問題】2024/12/25「百条委員会」(結城大輔弁護士、片山元副知事、斎藤知事尋問)
昨日(2024/12/25)、兵庫県の百条委員会で、のぞみ総合法律事務所の結城大輔弁護士を招いての公益通報者保護制度のセミナー的な解説を含めた尋問、それに続いての片山安孝元副知事、斎藤知事知事の参考人尋問が行われました。
- 兵庫県議会インターネット配信(2024/12/25):【兵庫県議会】令和6年12月25日 文書問題調査特別委員会(百条委員会)
- ニコニコニュース:【LIVE】兵庫県議会 百条委員会「斎藤元彦知事・片山安孝元副知事への最後の証人尋問」 内部告発文書問題(2024年12月25日)
※ 百条委員会の記者会見付き
上記以外にもハイライト的な部分を切り出した動画は多数あります。
ここでは、丸尾マキ議員が立花孝志氏が持っているデータが本物(のコピー)である事を証言してしまった部分を『かめよん』さんのポストをお借りしてご紹介します。
これ丸尾県議?
— かめよん (@kametoarukeba) December 25, 2024
私物USBにPCデータが入ってた?
そこから情報が漏洩しているのでは?と、片山元副知事が驚いてる。
何で県議がそれを知ってるの?
片山さんさえ知らないのに。
pic.twitter.com/jeHzQx2IEz
一部意訳を交えて文字起こしすると... 、
丸尾議員:こちら側の聞き取りで、「その(=局長の私用)USBのデータは(局長の公用)パソコンに入ってた。それを含めて、県の職員のパソコン移した」って事を聞いてるんですが... 。
片山元副知事:USBのデータがパソコンに入っていた? だって、その場で抜いて、パソコンだけ... (本局に持って帰ったってさっきから言ってるだろ... )
丸尾:USBのデータを県民局長がパソコンに入れて、そこで作業してたのを、そのデータを県として持って行った...
片山:パソコンを持って帰っただけ!
このやりとりを聞いた限りでは、
丸尾マキ議員が言いたいのは、「私的データがPCに入っていたのにも関わらずPCごと回収した(のは不当だ!)」... だと思いますが、何故丸尾氏はUSBメモリの中身を知っていて、PC内データと重複する事を知っていたのでしょう?
片山氏ら(人事部の複数の職員?)は、3月25日に局長の公用PCを回収しています。その時にPCに刺さっていたUSBメモリは抜くようにと局長に伝えて、PCのみを回収していますが、ブログ主の想像では、恐らく局長は、PCの証拠隠滅をする為に、PC内の私的文書をUSBメモリに吸い上げようとしていたのではないかと思いますが、丸尾マキ議員は、局長は、別のPCで作成したデータをUSBメモリを使って公用PCにコピーして、そこで作業をしていた、と言っているようです。
いずれにしても丸尾氏は、公用PCの中身と局長私物のUSBメモリの中身は重複している事を主張しています。
上記動画のもう少し前からやりとりを観ると、
片山元副知事は「局長のPCを回収し、中身を3本のUSBメモリに分けて吸い上げ、別のPCにリストアした」という趣旨の事を言っています。
また、「(本局に戻る?)車の中で局長のPCの内容をざっと見た」とも言っていますが、西播磨県民局に行くのに、わざわざUSBメモリを3本以上持参したとも思えないし、USBに吸い上げたのは本局に戻ってからでしょう。
結局、
局長の公用PCの中身 = USBメモリ3本 = 本局のPC(或いは共用サーバーの中のあるフォルダ)
で、立花孝志氏に渡ったデータは、USBメモリ1本分のみの可能性がありますが、立花氏が公開した(と言うよりは、データを見たNHK党の丸山穂高氏が動画で公開した)インデックス=ファイル名の一覧を見た丸尾マキ議員は、局長の私的USBにあったものと同じだと知っているのでしょう。
いずれにしても、丸尾マキ議員は、立花氏が持っているデータが本物である事を証言してしまいました。
* * * *
以下は12月25日の百条委員会を観た感想の様なもの。
◆のぞみ総合法律事務所・結城大輔弁護士の「公益通報者保護制度」レクチャー&質疑応答
個人的な印象としては、結城大輔弁護士は基本的には一般論を展開し、以前の奥山俊宏教授や山口利昭弁護士よりはマシ... 程度で、3月12日の怪文書は公益通報という立場は堅持してようです。
増山誠県議(維新)も質問されていましたが、知事は外部から告発文を入手したわけで、(増山県議は、「謂わば道ばたに墜ちていたのも同然」という様な表現をしていらっしゃいました) 結城弁護士は「2号・3号通報がなされているという前提で対処すべき」という説明をなさっていましたが、実際に、あの怪文書の最後には、
※ この内容についは適宜、議会関係者、警察、マスコミ等へも提供しています。 しかし、関係者の名誉を毀損することが目的ではありませんので取扱いにはご配 慮願います。兵庫県が少しでも良くなるように各自のご判断で活用いただければ ありがたいです。よろしくお願いします。
と書かれており、2号・3号通報たり得る相手先に既に送付されていると想像ができます。
と同時に、「好きな様に使っていい」とも取れる文章で、現実にそのコピー(?)は第三者から知事にに亘った物ですし、関係の無い上野みなみ神戸市議も4月1日にはコピーが配布されていた旨、「X」上で証言しています。
これは片山元副知事が自分の尋問答弁の中で言っていたように記憶していますが、県知事側は警察にも相談したそうで、県内の企業名や職員の実名が書かれた文書... しかも事実ではない事がいくつも書かれており、また県庁に届けられた文書は内部通報されたものではないのですから、公益通報制度に応じた調査を行う事もできず、... いや、結城弁護士はそれをやれと言っているようにも取れましたが、... そのまま成り行きを見守れとでも言うのでしょうか。
なお、文書の中に公益通報に該当しない犯罪... 例えばパワハラは、身体的な暴力で怪我をさせるようなもので無い限りは対象ではありませんが... 、が告発文に含まれていた場合でも、該当する犯罪容疑が含まれていたら全体を正式な告発文と見なすべきと仰っていました。
よく、「斎藤知事は初動を間違えた」と言われるのですが、ではどうすれば良かったのか?... 質問者は単刀直入に「あの告白文を読んで公益通報だと直感的に思うか?」、「じゃ、どうするのが正解だったのか?」(←結城弁護士は怪文書を読んでいる)等と聞いてほしい所でした。
◆片山安孝元副知事
片山安孝元副知事は斎藤知事の再選、つまり、有権者の信任を得た後という自信もあったのかも知れませんが、言いたいことをズバズバ言って見ていて完全に ”無双” してました。(イニシャルを使ったりしているが、SNSでの反斎藤派などを名指しして批判)
フジテレビの『めざまし8』での名誉毀損発言など、BPO(放送倫理‐番組向上機構)に訴え済みだとも仰っていました。
なお、『神戸経済ニュース』が素晴らしい記事を書いています。
- 片山前副知事、百条委県議らの疑惑を指摘 ずさん情報管理も言及・証人尋問で
2024/12/26
増山誠県議(維新)は、片山元副知事への質問にかこつけて(?)、公用PCの中にあった文書の一部を読み上げました。
斎藤知事の近くに反知事派を送り込んで仕事(改革)の邪魔をさせようとか、知事の側近の一人だけを持ち上げて仲違いさせようとか、理想の人事案とか、果ては、「怪文書を撒いてみる」、などという事も書かれていた、謂わば ”クーデター計画書” です。
増山議員がこの様な尋問ができたのは、その数日前に公用PCの中身が一部、委員に対して公開されたからだという事が、門隆志(かど たかし)兵庫県議のツイード(「X」ポスト)で分かりました。
>元県民局長が使用していた公用PCの中身が百条委員会のメンバーに開示されたのは今週に入ってから。
11月25日に全国知事会が入り知事への証人尋問が延期されたからこの尋問となったが、11月25日に証人尋問が行われていればこのやりとりは無かった。
◆斎藤元彦知事
斎藤知事は、如何にも元官僚という答弁で、決して言質を取られないように、質問には直接答えない... 応援する側としては上手いと褒めたくはなりますが、国会で見ていたらイライラしそうな官僚的答弁そのものでした。 (この様な受け答えから生ずる ”言葉足らず” は立花孝志氏やその他の応援者にカバーして貰った部分かも知れません。)
質問者を反対にやり込めてしまう片山安孝元副知事とは対照的でした。
◆手に負えない範囲まで調査対象を広げてしまった百条委員会
更に、追求する側の県議達(維新の増山議員以外)は百条委員会の目的も忘れ、単に斎藤氏をつるし上げようとしていただけのように思えます。
そもそも兵庫県の百条委員会の目的は、①3月12日の告発文(怪文書)の中身が事実かどうかを精査する目的で立ち上げたもので、その後、「渡瀬県民局長が懲戒処分をされたのが不当だ ⇒ 斎藤知事は公益通報者保護法違反を犯した」としたいがために、目的の範囲を、②公益通報者保護制度違反を犯したかどうか? まで広げた ”後出しじゃんけん” のような糾弾委員会です。
但し、今回の委員会で奥谷謙一委員長が言っていたのは、③局長への処分内容には踏み込まない、という事でした。
本来、②まで範囲を広げたら、当然、3月12日の告発文と4月4日の内部通報の違いを明確にする必要があるわけですが、マスメディアはこの違いを現在に至るまで曖昧にして報じています。
結局、「斎藤・片山=悪」、「公益通報者保護制度違反」という答えが最初から決まっている のは誰の目にも分かるのですが、その証拠にしたいのか、しばしば、目的を逸脱する質問がありました。
斎藤知事をつるし上げたいが為に、百条委員会がその法(のり)を超えて ”(何でもいいから)瑕疵を問う” 素人裁判、いえ、”人民裁判” のようになってしまいましたが、仮に、「斎藤知事は知事として不適格」という結論をこの委員会で出したとしても、既に県民は斎藤元彦氏に信任を与えているのですが、どうしろと言うのでしょう?
また、今回の百条委員会では、冒頭に奥谷謙一委員長から「PCの中身については『著作者人格権侵害』に当たる可能性があるので言及しないように」という趣旨の注意がありました。
ブログ主は意味が分からなかったのですが、局長がPCに保存していた文書には ”小説” とも取れる文書があったからの様です。(爆笑
そもそも公用PCにそんなものを保存していて著作権が保護される物なのか... w
片山氏への参考人尋問の中で、「PCの中身には言及しないように」という注意のギリギリをついて、増山議員が、県民局長がクーデターを起こす意思が満々だった事を示す私的文書の中身を読み上げました。
その中には、「怪文書をばら撒いてみる(つもり)」と、本人が「怪文書」という表現を使っていたことも明らかになりました。
既存メディアは取り上げないでしょうが、益々、視聴者は、渡瀬県民局長が斎藤氏やその側近を陥れようと計画していたことを確信したことでしょう。
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