『朝鮮同胞に對する内地人反省資録』(1933年)
韓国人ジャーナリストの崔碩栄氏が下記の様なポストをされていました。そこで思い出した本があるのでご紹介します。
崔碩栄
@Che_SYoung
満洲国に生まれそこで幼年期を送った伯母から聞いた話🙄
長春には銭湯がいくつがあった
【日本人経営】の銭湯は高くて中国人は行かなかった
【朝鮮人経営】の銭湯に日本人は行かなかった
【中国人経営】の銭湯には日本人も、朝鮮人も行かなかった
活動領域は「民族」ではなく「価格」で決まったと😐
午後9:53 · 2024年9月8日
その本が掲題の『朝鮮同胞に対する内地人反省資録』という本です。
この本の事は『百年歴史』さんのブログで知ったのですが、上の画像にも書いた様に、『朝鮮人の篤行美談集』とセットで1933年に朝鮮憲兵司令部が編纂した物。
事例を挙げて、「朝鮮同胞に対してこういう差別は良くない」と、内地人(日本人)の反省を促す目的の本です。今風に言えば、人権啓発本。
そしてこの本は韓国で、「조센징에게 그러지마!(朝鮮人にそんな事をするのはやめよう!)」というタイトルで翻訳・出版されています。
本の説明を読む限り、「日本人は朝鮮人を差別していた~」という趣旨の本のようです。
「差別があった」事を重視するのか、「差別を無くそうとしていた」事を重視するのかで印象が違いますね。
この本に書かれている事例とは、例えば、
洋服屋の事務員の朝鮮人が親戚3名と共に日本人経営の温泉に行き、特級の浴場に入ろうとしたら、「あなたはいいが、他の3人はダメ」と言われて、普通浴場に案内された、
というエピソードがあるそうです。
これは、百年歴史さんもブログに書いていらっしゃいますが、朝鮮人だから差別した訳ではありません。
親戚3人の身なりがみすぼらしいとか不潔だったからのようです。
この事を冒頭に挙げた崔さんの視点で言うと、民族ではなく、その人の財力で活動領域が決まった例と言えるのではないでしょうか。
* * * *
残念ながらこの本の復刻版は日本では出版されていませんが、元々『朝鮮同胞に對する内地人反省資録』は一般向けに出版された本では無く、関係各所に頒布したもののようです。
『朝鮮公論 21(6)(243);6月號』に書評が掲載されているので、(閲覧にはログインが必要で、キャプチャが撮れないため、)書き写します。
『朝鮮人の篤行美談集』と『內地人反省資錄』
朝鮮憲兵司令部の善舉〔挙〕
朝鮮憲兵司令部では、過般「朝鮮の人の篤行美談集』第一輯〔集〕及び朝鮮同胞に對する内地人反省資録』なる二冊子を編纂し、前者は普〔あまね〕く廣く頒布し、後者はその性質上極く一部の有識者に配布したが、篤行美談集はいふまでもなく、朝鮮人の篤行美談を收錄したもので、涙ぐましきまでの朝鮮人の誠實〔誠実〕振りが、その一人一事に躍動して、實に感動禁じ得ないものが ある。「内地人反省資錄』は、読んで字の如く内地人が、朝鮮人に對して反省すべき、問題が一つ一つ實例を以て示された もので、しかもその一つ一つは、かりに内鮮人が反對の立場 に置かれたとすれば、内地人として到抵捨て置き難き問題ばかりである。この篤行美談集と反省資録とが、憲兵司令部といふ一寸方角違ひから出されたといふことは、この種の問題 にもつと方角の近い方面は大いに恐縮していいと思ふ。現司令官岩佐少将は、朝鮮と朝鮮人には格別理解の深い人と、一 般朝鮮人から深く敬仰されてゐるが、まさに斯〔こ〕の人にして斯の擧ありといふべきである。
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