【佐渡金山】産経新聞『正論』:「佐渡の金山」遺産登録の舞台裏【西岡力教授】
先日韓国から野党議員(+社民党の大椿ゆうこ議員)が佐渡の相川郷土博物館を博物館を訪れ、展示内容を批判しました。
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20240819001700882
佐渡金山視察した韓国野党議員 展示物が不十分と指摘
2024.08.19
>野党「祖国革新党」の金峻亨(キム・ジュンヒョン)議員は会見で、「強制労働に関する展示空間の遺物というのは、事実関係も確認できない(朝鮮半島出身者が使ったという)弁当箱1点だけだった」として、「強制動員の内容が展示された相川郷土博物館の規模も小さく、朝鮮半島出身者関連の展示場は3階の隅にあった」と批判した。
>5人は▼朝鮮半島出身者の強制動員の真実明記▼強制動員の展示場所移転▼強制動員労働者の名簿公開――を要求するため、日本の外交当局関係者との面会を調整したが、実現しなかった。朴喆熙(パク・チョルヒ)駐日大使に対し、日本の外交当局に要求事項を外交ルートで伝えるよう要請したという。
名簿はあるのかもしれませんが、「『強制動員労働者』の名簿」は無いでしょうw
ブログ主も展示内容は気になっており、韓国のメディアも展示室の狭さ〔※〕などに不満を漏らしていたのですが、産経新聞の『正論』で西岡力教授がもう少し詳しく紹介されていました。以下、その部分を抜き出します。
※韓国の記事では「4坪」と言っていて、日本と同じ「坪」なら8畳間弱くらいですが、映像を見るとだいたいその程度でした。
https://www.sankei.com/article/20240821-YPECLIW4M5P45OF3YO4RHGEUWE/
<正論>「佐渡の金山」遺産登録の舞台裏
麗澤大学特任教授・西岡力
2024/8/21
〔前略〕私は一次史料に基づく研究の成果として佐渡金山では朝鮮人の強制労働はなかったという見解を主張してきた。その立場からこの展示を評価すると、誤解を与えやすい表現が外交上の配慮の結果、一部入ったが、ギリギリ事実を曲げてはいない、と見る。
「朝鮮半島出身者を含む労働者の出身地」「相川の鉱山労働者の暮らし」「労働者の戦時中の過酷な労働環境」という3枚の説明パネルは一次史料に基づき記述され、そのどこにも「強制労働」という言葉はない。
一方で課題もある。「佐渡鉱山で働いた朝鮮半島出身労働者は、削岩、支柱、運搬などの危険な坑内作業に従事した者の割合が高かったことを示す記録が残されている」として1943年5月末の数字が表で示されているが、坑内作業をしていた内地の若い男性の多くが徴兵でいなくなっていたという背景説明がない。朝鮮人差別だとの誤解が生まれる恐れがある。
〔... 〕この調査報告〔※〕は全文が一次史料として写真パネルで展示され、それを読めば実態は理解できる。一次史料を紹介し、解釈は見る人に任せるという姿勢が展示には貫かれている。その点でギリギリ土俵を踏み越えてはいない。〔後略〕
この調査報告というのは、佐渡鉱業所がつくった「半島人労務者に関する調査報告」だそうで、恐らくこの事だと思います。(佐渡編はp.71~76)
国立国会図書館デジタルコレクション
『日本鉱山協会資料 第78輯 半島人勞務者ニ關スル調査報告』日本鉱山協会/昭和13-17
正直に言って、日本人ですら読まないと思いますw
そもそも、相川郷土博物館の辺りは、金山を目的に来る観光客には観光の対象外の場所らしく、実際、嘗ての朝鮮半島出身労働者の存在を示す場所... 例えば独身寮(相愛寮)のあった場所などは草ボウボウで見捨てられた様な場所です。
下記の記事(有料部分)によると、言われている追悼行事も、
>「予算が無いのでしばらく先の話になるのでは」(地元市議)
との事です。
https://www.sankei.com/article/20240818-466DVQBEMRJVJLMYJVXU2XDXUA/
産経:朝鮮半島労働者「日本人と同一待遇」記述なし 世界遺産「佐渡金山」展示 日韓協議で玉虫色の内容に
2024/8/18
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