『帝国の慰安婦』差し戻し判決(大法院 2023年10月26日)について
前回のエントリーで、差し戻し判決を機械翻訳したのは、以前、金柄憲氏がツイートした内容に疑問を持っていたからです。
【文字起こし】
國史正立 金柄 @Byungheonkim2・2023年10月27日
被告人(朴裕河) は本書で日本軍慰安婦の強制動員を認めており、慰安所は強制 売春の形として慰安婦が性奴隷であったことを認めている・・・<20231026 最高裁判 決文の中から>
○ 피고인은 이 사건 책에서 일본군위안부의 강제동원을 인정하고 있고, 위안소는 강제매춘의 형태로서 위안부가 '성노예'였음을 인정하고 있으며, 일본국의 책임을 부정 하는 부정론자들을 비판하고 일본정부의 책임을 묻고자 하는 의도로 이 사건 책을 저 술하였다. 따라서 피고인에게는 명예훼손의 범의가 없다.
○ 피고인이 이 사건 책에 서술한 내용은 여러 국제 보고서와 국내 위원회의 발간자 료 등에 서술된 내용과 동일한 것으로서 허위가 아니고, 피고인은 위안부 문제의 해결 을 바라는 마음으로 기존의 국내 위안부 지원단체의 운동 및 일본의 부정론자들을 비 판하기 위해 이 사건 책을 저술한 것으로서, 설사 피고인이 고소인들의 명예를 훼손하 는 사실을 적시하였다고 하더라도 이는 진실한 사실로서 공공의 이익을 위한 것이므로 위법성이 조각된다.
【ハングル部分機械翻訳】
○被告人は、この事件書籍で日本軍慰安婦の強制動員を認めており、慰安所は強制売春の形態として慰安婦が「性奴隷」であったことを認めており、日本国の責任を否定する否定論者を批判し、日本政府の責任を問う意図でこの事件書籍を執筆した。したがって、被告人には名誉毀損の罪はない。
○被告人が本件書籍に記載した内容は、様々な国際報告書や国内委員会の発刊資料等に記載された内容と同じものであり、虚偽ではなく、被告人は、慰安婦問題の解決を願う気持ちで、既存の国内慰安婦支援団体の運動及び日本の否定論者を批判するために本件書籍を著述したものであり、たとえ被告人が原告らの名誉を毀損する事実を記載したとしても、これは真実の事実であり、公共の利益のためのものであるため、違法性が欠落している。
* * * *
朴裕河教授が「慰安婦=性奴隷」を認めたと読めます。
当時、これを読んだ「X」の慰安婦問題ウォッチャーは驚きました。(当然、その界隈では彼女を批判する声が上がった。)
しかし、もしそのようなことがあれば、日本のメディアも日本の研究者もその事に言及し、批判したはずです。
大法院が高裁に差し戻した時点で高裁で無罪判決が出ることは確定したようなもので、この時に国家基本問題研究所の西岡力教授が論評をしていますが、そのようなことは一切書いていません。 〔下記参照〕
従って、機会があれば、判決の原文を読んでみたいと思っていたのですが、すっかり忘れていました。前回のエントリーは、たまたま最近その事を思い出して、朴教授のHPから差し戻し判決文を探し、訳したものです。
https://jinf.jp/weekly/archives/41971
【第1088回】「帝国の慰安婦」無罪判決の二つの意味
西岡力 / 2023.10.30 (月)
>最高裁判決は「学問的表現の自由を実質的に保障するためには、学問研究結果の発表に使用された表現の適切性は刑事法廷で識別するより自由な公開討論や学会内部の同僚の評価過程を通じて検証されることが望ましい」として、学問的表現に対する名誉毀損罪適用に慎重さを求めた。これは学問の自由という観点から評価できる。
>一方、最高裁判決は「図書の全体的な内容や脈絡からみて、被告人(朴教授)が検事の主張のように、日本軍による強制連行を否認したり、朝鮮人慰安婦が自発的に売春行為を行ったとか、日本軍に積極的に協力したという主張を裏付けたりするためにこの表現を使用したとは見えない」とも明記した。朴教授自身も、自分は慰安婦が売春婦だという日本右派と同じ主張をしていないと繰り返し語っている。だから、残念ながら今回、韓国最高裁が慰安婦は売春婦だという主張を学問の自由の範囲だと認めたとみることは出来ない。
金柄憲氏は何を勘違いしたのでしょうか... 。
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