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2024/07/29

【佐渡金山】「強制労働」(≒過酷な環境での労働)を名実ともに認めた日本政府

昨日から、今回の佐渡金銀山の世界文化遺産登録では大幅に韓国側に譲歩した事を書いてきました。

前回のエントリーでご紹介した韓国の報道から分かるのは、日本政府が約束したのは、

  • 朝鮮人を含む全ての労働者が過酷な労働環境下で作業に従事したことを示す展示をする = 相川郷土博物館
  • 朝鮮人を含む全ての労働者の追悼式を、中央政府も参加して毎年開催する

という2点です。

相川郷土博物館は既にある施設なので、ここに朝鮮人労働者の展示を追加するのでしょう。

本来、戦時中の佐渡鉱山に関しては、朝鮮人がむしろ好待遇だったことを示す資料が多数残されています。従って、もし、その実態を詳細に示す展示なら問題はありません。しかし、展示は ”過酷な労働” を示すという... 。

 

今回の日本政府の韓国への異常な配慮は、岸田外務大臣の時の佐藤地ユネスコ大使の「forced to work」発言 → 20123年5月の岸田首相訪韓時の「心が痛む」発言。これらの整合性を取ってのものだと思います。

つまり日本政府は一貫して「強制労働」を認める立場なのです。

https://japanese.joins.com/JArticle/321689
中央日報:「歴史すべて伝える」という佐渡金山…日本「強制労働」の表現は除いた
2024/07/29

>... このように展示物は当時の朝鮮人労働者の実態を表わす資料が一部含まれたが、日本語だけでなく英文の案内文のどこにも「強制」や「強制労働」という単語はなかった。徴用の強制性に対する具体的な言及だけでなく、植民地支配と侵略に対する評価もなかった。...

 

いくら言葉遊びをしても、「過酷な労働」→「強制労働」として利用されるのは、あの国を知っている者なら誰でも容易に想像できます。

あの国と妥協するのは、問題を「終わり」にするものではなく、そこから「始まる」のです。

彼らの思惑は 「強制労働」の既成事実化 です。

 

* * * *

◆2015年 佐藤地ユネスコ大使の発言

今回の妥協は、2015年7月5日に世界文化遺産に登録された明治産業遺産〔明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業〕で、韓国の賛成を得たいが為に日本の佐藤地(さとう くに)ユネスコ大使が「(意思に反して日本に連れてこられた朝鮮人労働者が)『forced to work(労働を強制された)』」と話した事から繋がっています。岸田文雄外務大臣の時です。

 

20240726_unesco_satoukuni
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この時点でほぼ『強制労働』を認めてしまった為に、「産業遺産情報センター」(東京都新宿区)にその様な展示が無いことで韓国やユネスコ組織『ICOMOS』からさんざん文句を言われてきました。

そんなことを言われても、探しても強制労働の様な実態は無かったのですが、自称元軍艦島の朝鮮人労働者の証言など ”も” 知る事ができるようにして対処しました。端島の元島民の方々、産業遺産情報センターの方々の踏ん張りで、安易な妥協はしなかったのです。

 

◆日本政府は「強制連行」は認めていない

これは、2021年4月27日に『従軍慰安婦』と共に「『強制連行』は不適切」と閣議決定しているので、教科書にも記述はできないことになっています。

 

 

 

◆2023年5月7日 岸田文雄首相「心が痛む」発言

20240729_20230508asahi

 

この時は、韓国の尹錫悦政権が、所謂 ”徴用工” 訴訟で「併存的債務引受」... 即ち、「財団を作り、そこに企業などから任意に寄付された資金を元に勝訴した原告に賠償金を支払う方式」で決着をつけた後でした。

つまり、敗訴した被告企業(日本企業)が賠償金を払わずに済むという尹錫悦政府の最大限の配慮です。(本来は敗訴することがおかしいのですが... )

それに対するバーター(物々交換)だと思っていますが、岸田首相は訪問先の韓国で、個人の意見だと前置きして「当時の厳しい環境のもとで、多数の方々が大変苦しい、悲しい思いをされたことに心が痛む思いだ」と発言しました。

日本政府の公式見解とするという一線は超えませんでしたが、”日本は朝鮮人労働者にひどいことをしたよね” という事は認めたのです。

どんどん自分で自分の首を絞めていきますね... (呆れ

 

なお、付け加えて置くと、韓国政府は岸田首相のこの発言を元に、国連人権委員会に対して、日本は公式謝罪をしたのでこれ以上この話題を扱わないで欲しいという意見書を同年9月に出しています。おそらく、これもバーターなのだと思っていますが、結局この事が韓国国内で10月に発覚し、批判を受けて撤回しています。

 

◆相川郷土博物館での「過酷な労働(強制労働?)」の展示

以上、説明してきた流れで、とうとう佐渡では朝鮮人労働者に関する一方的な韓国史観の展示を受け入れました。今回は、加納雄大(かのう たけひろ)大使です。

 

20240729_kanoutakehiro
▲外務省HP:令和6年1月4日「着任のご挨拶

 

正直に言って、佐渡の人達のエゴのせいで、日本人は「朝鮮人は過酷な労働を強いられた」という重荷を背負うことになったと思っています。

 

* * * *

産経の社説を追記。

https://www.sankei.com/article/20240728-GFAWED5HJ5NADPPBJKRK62SI2E/
<主張>佐渡金山遺産登録 朝鮮出身者の展示不要だ
2024/7/28 05:00

インドのニューデリーで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会で、新潟県の「佐渡島の金山」が、世界遺産に登録されることが決まった。

佐渡金山は独自の採鉱・精錬技術で発展した貴重な鉱山遺跡だ。江戸時代の17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。その価値が、世界に広く認められる意義は大きい。

だが、登録決定にあたり、禍根を残すような取り決めがあった点を指摘しないわけにはいかない。韓国の意向を受け入れる形で、戦時中の朝鮮半島出身者に関する展示を行うことにしたからだ。

韓国はこれまで、佐渡金山で朝鮮半島出身者が強制労働させられたという、事実に反する主張で登録に反発してきた。

このため日本政府は韓国と協議し、「朝鮮半島出身者を含む労働者の戦時中の過酷な労働環境」などの解説をパネル展示することで合意した。史実を伝えるべき文化遺産に、政治が持ち込まれたということだ。

世界遺産委員会での登録決定の際、日本政府代表は「韓国と緊密に協議しながら展示戦略および施設を強化すべく引き続き努力する」とも表明した。佐渡金山の展示に韓国を関与させるということか。そうであるなら絶対に受け入れられない。

佐渡金山の朝鮮半島出身者は募集や徴用などによるもので、給与も支払われていた。日本政府は令和3年に「強制労働には該当しない」との答弁書を閣議決定している。

政府関係者は今回、「日本政府の従来の立場を変えるものではない」としているが、日本が世界遺産に推薦した佐渡金山の文化的価値は江戸時代までだ。戦時中の事柄に関する展示は、そもそも不要だろう。

 

 

  


 

 

 

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