【慰安婦問題】ベルリン市長が慰安婦像の撤去を示唆? 喜ぶのはまだ早い
今月16日にベルリン州と東京都の友好都市提携が30周年を迎える事で日本を訪れたカイ・ヴェーグナー(Kai Wegner)・ベルリン州首相(ベルリン市長)と上川陽子外相が会談し、市長がミッテ区にある ”慰安婦像の撤去を示唆” という報道がなされました。
- 外務省(令和6年5月16日):ヴェーグナー・ドイツ・ベルリン州首相による上川外務大臣表敬
特に慰安婦像については公式発表なし。
しかし、前回(2020年)も、設置後の1ヶ月後に一度区から撤去命令が出た後で、像を設置したベルリン在住の団体『コリア協議会』が逆に行政訴訟を起こし、その結果撤去命令は取り消され、ミッテ区議会は設置許可を2年延長〔※〕、現在に至っています。
※つまり、設置許可はベルリン市では無くミッテ区。日本で言えば、川崎市や横浜市が決定したことに神奈川県(知事)が口出しできるのか?という事と似ている。
元々、慰安婦像は期限付きの展示という約束になっており、延長された展示期間も今年9月28日に設置期限が満了しますが、従って、今回もすんなりと撤去されるかどうかは分かりません。
ところで、この報道があったときに、韓国外交部は「韓日政府の関与は望ましくない」と発言したそうで、なぜかネットでは ”韓国政府は何もしない(反対はしない)” かのような捉え方をされていましたが、正確には「韓日政府の関与は望ましくない」です。
- 中央日報日本語版(2024.05.20):ベルリン市長、日本に「少女像撤去を示唆」…韓国外交部「韓日政府の関与は望ましくない」
>韓国外交部は、ドイツのベルリン市長が日本の外相と会談し、ベルリンの「平和の少女像」撤去の可能性を示唆したことに対して、「民間レベルで行われる活動に韓日政府が関与することは望ましくない」という立場を明らかにした。
つまり、日本政府の働きかけも批判しているとみるべきです。
以下、覚え書きとして、『ハンギョレ』の記事を引用しておきます。
* * * *
韓国語:https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1141137.html
https://japan.hani.co.kr/arti/international/50061.html
日本外相に会ったベルリン市長、「平和の少女像」の撤去を示唆
2024-05-20
「変化を作ることが重要だ」と発言したことが分かり
在独市民団体「日本政府の圧力に屈服」と反発
ドイツのベルリン市長が日本の外相との会談で、「変化を作ることが重要だ」とし、ベルリン平和の少女像(以下少女像)をめぐる対立を解決する意向を明らかにしたことが遅れて明らかになった。在独市民団体は、「撤去を示唆する発言だ」として反発した。
ベルリン市は16日(現地時間)、報道資料を発表し、東京を訪問したカイ・ベーグナー市長が上川陽子外相と会談し、「われわれが変化を作ることが重要だ」と発言したことを明らかにした。ベルリン市は報道資料で「議論になっているベルリンの少女像の問題に関する解決策を提案した」と書いた。ベーグナー市長はベルリンと東京の友好都市提携30周年を迎え、日本を訪れた。
ベーグナー市長は会談で、女性に対する暴力に反対するモニュメントには賛成するが、一方的な表現があってはならないとし、管轄区庁や連邦政府などすべての関係者と対話しており、駐ドイツ日本大使もこの議論に参加させる方針を示したと、ベルリン市は伝えた。
在独市民団体の「コリア協議会」は18日、ベーグナー市長が「変化」に触れたのは、事実上撤去を意味するとみて、「ベルリン市が日本政府の圧力に屈服している」と反発した。コリア協議会は声明文で、「ベーグナー市長が自身の発言とは異なり、少女像を建立した私たちとは対話していない。対話を提案されれば、喜んで応じる」と述べた。同団体は「平和の少女像に対する決定権限は全面的に区庁にある」とし、「会議が開かれればミッテ区とベルリン市に日本政府が加えた圧力についても問題を提起する」意向を示した。少女像が「一方的表現」という主張については、「平和の少女像はすでに紛争地域の性暴力に反対する普遍的なモニュメント」だとし、ベーグナー市長にコリア協議会が運営する戦時性暴力博物館を訪問し多様な観点と教育活動を直接見るよう提案した。コリア協議会は来月19日、「紛争における性暴力根絶のための国際デー」を迎え、市民社会団体を平和の少女像に招き徹夜討論を開くと発表した。
日本政府はこれまで、世界各地の少女像が韓国の一方的な立場を込めているとして、撤去を求めてきた。ベルリンの少女像は設置直後の2020年10月、管轄のミッテ区役所が撤去を命令したが、コリア協議会の仮処分申立てで保留された。2022年4月、岸田文雄首相は日本を訪問したオラフ・ショルツ首相に直接「引き続き設置されていることは極めて残念」だとし、撤去を要求した。ドイツでは昨年3月、中部ヘッセン州のカッセル州立大学自治会の主導で設置された平和の少女像が奇襲撤去され、学生たちと市民団体の反発を買った。
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