【朝鮮日報】『祖国党の突風に··· 20代「あきれた、南米の話かと思った」』／暴走する革新中年

掲題は『朝鮮日報』が祖国革新党〔※〕の支持率の高さを20代の若者が呆れているという事を報じる記事のタイトルを機械翻訳したものです。

※祖国と曺国（チョ・グク）は同じ発音 で、当初「曺国」の名前を冠した党名だったが、受け付けられなかった。

原題は『조국 당 돌풍에… 20대 “어이 없다, 남미 얘기인 줄”』（2024.03.26. ） 

ご存知の様に曺国氏は娘や息子の大学入試の不正に関わり、妻は既に有罪が確定し、本人も一審で有罪。更に、彼の率いる祖国革新党は比例候補者のみの政党ですが、そのリストの半数は前科者か刑事事件で係争中というもの。

この記事は、その党の支持率が2大政党に続く支持率を得ている事に対する若者のSNSでの反応を集めたものですが、「南米みたい」というのを記事タイトルに選ぶ節度の無さが韓国メディアらしいと思います。

東京15区に、IR汚職で一審有罪判決を受けて控訴中の自民党の秋元司氏が立候補すると聞いた時、ブログ主は曺国氏の党や共に民主党の李在明氏を思い出して「韓国みたいだ」と思いましたが、個人がブログやSNSでそう呟くのと、それを取りあげて大手メディアが記事のタイトルにするのとでは重みが違うでしょう。

朝鮮日報が曺国党を表現するのにピッタリだと思ったので使ったわけですから。

＊　＊　＊　＊

上記話題は実は『Money1』の『韓国の若者「南米か！」』という記事を見て知ったのですが、紹介されている日本語版記事が、同じような趣旨とは言え別の記事〔朝鮮日報日本語版：韓国「革新中年」をご存じですか？　空腹を知らないX世代、高度成長と民主化の恩恵を一身に〕だったので、実際の韓国語の記事を見つけたら、本当に「南米みたい」と書いてあったというわけです。

◆暴走する革新中年

『暴走する革新中年』とは日本語記事に実際に使われている言葉です。〔※韓国語の元記事では「革新」と同じ意味の「進歩」を使って『진보 중년』（進歩中年）と表現されている。：누릴 거 다 누리고 깨어있는 척… ‘진보 중년’을 아십니까〕

こちらの記事は若者よりも40～50代の政治傾向に焦点を当てた内容で、この層は日本で言えば、全共闘世代やそれに憧れた（しかし出遅れた）少し下の世代のような立ち位置です。

沖縄の辺野古（へのこ）の工事を妨害するする為に集まるのが、自分達が60年代末（70年安保闘争等）に適わなかった夢を追い求めるかの様に ”青春” している老人達だとすれば、韓国では60年代～70年代生まれ（X世代）のまだまだ元気な中年というわけです。

記事では、40～50代を、

• 第2次ベビーブーム世代
• 1970年代初めから1980年代初めにかけて生まれ、産業化の果実が蓄積された80～90年代の高度成長期と民主化の恩恵を享受して成長した、空腹を知らない世代

と定義づけています。

そして、「通常40代は資産を蓄え、子どもを育てながら安定を求め、保守化が進むという年齢効果が表れる時期」のはずなのに、こいつらはどうしちゃったんだ？という内容です。

経済成長のズレで言えば、日本の高度成長期は、「実質経済成長率が年平均で10％前後を記録した1955年頃から1973年頃までを高度経済成長期と呼ぶ」そうなので、日本とは20～30年の差があるのでしょう。

日本の ”暴走する革新老人” も、苦労したのはひと世代上の人達で、まだ大学進学率もそれ程高くない時代に大学に行かせて貰ったのにゲバ棒を振り回してた、いいご身分の人達です。

ただ、日本が経済成長で先んじたのは事実ですが、先日も石垣島の港湾労組が米国の軍艦の入港を阻止しようとしてストライキをしたり、日本も ”退行” して来ている様な気がします。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20240311/5090026971.html
NHK沖縄：イージス艦寄港 石垣港で港湾労働者の労働組合がストライキ
2024年03月11日
＞石垣港へのアメリカ海軍のイージス艦の寄港に抗議するため、港湾労働者でつくる組合は、石垣港でストライキを行っています。...

このストは労使交渉ではありません。これにより地元では物流に影響が出ましたが、市民生活に害になる様なストやデモが日本でピークだったのは70年代迄でした。

いずれにせよ、韓国の『暴走する革新中年』はまだ40～50代、あと30年は元気でしょう。

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