【王桜プロジェクト2050】慶州の桜並木、桜の木のほとんどが日本のソメイヨシノ

2018年にゲノム解析をして王桜（済州島特産の桜）とソメイヨシノは別品種と分かってからは、起源論争は基本的には鳴りを潜めています。時々騒ぐのは済州島のキム・チャンス博士くらいですが、既に国立樹木園では済州島の王桜から選んだ基準木を「栽培品種 王桜」としてクローンを増やしています。

そこで数年前に立ち上がったのは『社団法人王桜プロジェクト2050』（사단법인 왕벚프로젝트2050）〔会長は元国立樹木園長の신준환（シン・ジュンファン）氏〕。

彼等は、韓国に植えられているソメイヨシノ桜（소메이요시노벚나무）を、2050年迄に王桜に植え替えようという活動を行っています。

既に、国会議事堂がある汝矣島（ヨイド）や、嘗て軍港であった鎮海の桜を調べて、「殆どがソメイヨシノで、済州島の王桜は1本も無い」と報告していますが、今年は慶州各地の桜を調べて、これもまた殆どがソメイヨシノだと発表しました。

韓国の桜の名所は、日本統治時代に植えたソメイヨシノか、独立後に日帝残滓として切り倒した後、朴正煕大統領のセマウル運動の一環として日本から贈られたソメイヨシノなのですから、わざわざ済州島から移植しない限り、ソメイヨシノしかないのは当たり前なのですが... 。

朴正煕時代に日本から贈られた桜を植えたのは、当時は ”ソメイヨシノは済州島の王桜が起源” と信じられていたからです。

では何故、分かりきっているのに調査をしているかというと、昨年、国立樹木園が「3年間をかけて各地の桜を調査する」という事に決まったからです。www　〔→ブログエントリー〕　

今年は、王桜プロジェクト2050の発表を報じる記事が3つ程、しかもマイナーなメディアだけでした。ここでは『THE FACT』の記事をご紹介します。

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https://news.tf.co.kr/read/livingculture/2086451.htm
경주 벚꽃길 벚나무 대부분 일본산…불국사·미추왕릉까지
慶州の桜並木、桜の木のほとんどが日本産···仏国寺·味鄒王陵まで
2024.03.28

社団法人「王桜プロジェクト2050」（申俊煥会長）は28日、桜の開花時期に合わせて慶州市の有名な桜並木に植えた桜の木を現場調査した結果を発表した。

普門湖のトゥルレキル、仏国寺桜団地、興武路桜道、瞻星路、岩谷洞桜トンネルなど9ヶ所往復約45kmのところに植栽された桜の木のほとんどは日本の特産ソメイヨシノ桜（日本の王桜）であることが分かった。

ソメイヨシノ桜は、調査した桜5576本のうち4956本で88.9%を占めた。

マンチョップゲ桜〔※？ 만첩개벚나무〕が496本（8.9%）、日本原産のソジンオルサクラ〔※コヒガン／처진올벚나무〕が95本（1.7%）、韓国と日本に分布する桜（24本、0.4%）、産毛桜〔※？ 잔털벚나무〕（4本、0.1%）、オルサクラ〔※エドヒガン／올벚나무〕（1本）などの順だった。

ソメイヨシノ桜に匹敵する観賞価値を持つ国内特産の王桜は一本もなかった。〔www〕

天馬塚など新羅の王陵がいくつも集まっている大陵苑、味鄒王陵〔※新羅時代の王墓〕でもソメイヨシノ桜約20本が確認された

今回の調査は3月21~22日、王桜プロジェクト2050と慶州森研究所（所長イ·ヒョンジョン）調査員22人が参加した中で、慶州の代表的な桜の名所であるフンムロ桜道など9ヶ所で行われた。

シン·ジュンファン会長（元国立樹木園院長）は「王陵にソメイヨシノ桜の老巨樹たちが王陵を護衛するように立っている姿を見て唖然とせずにはいられなかった」とし「新羅の古都として歴史が息づく慶州は寿命が尽きたソメイヨシノ桜を韓国特産の王桜に交替しなければならない。 日本の木を植えてはいけないというわけではないが、国会、顕忠院、遺跡地、軍事施設などには困る」と話した。

王桜プロジェクト2050は2022年2月、国内外の桜類の調査、研究、広報をはじめ、自生王桜を広く普及しようという目的で設立された。

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おそらく... ですが、韓国人は既にある桜の名所で十分で、新たに公園などを作ったからと言って、日本人のように積極的に桜を植えようとは思わないのでしょう。

ブログ主の家の近くの公園も、昔は桜の木など無かったのに、今では多くのソメイヨシノが植えられ、住民が手軽にお花見ができる場所となっています。幼稚園や学校も大抵校門の脇に桜の木があるし、新しく開発されたビルの谷間にも若い桜の木を目にします。

4月に入学式や入社式のある日本では桜は新生活のシンボルですが、本来、韓国人にとって春を告げる花と言えば、レンギョウ〔개나리（ケナリ）〕なのです。

▲学名： Forsythia koreana

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