【朝鮮の身分制度】「身分制度と身分意識」補足
前回のエントリー『【朝鮮の身分制度】身分制度と身分意識/韓国の左右対立の根源【シンシアリーのブログ】』で、シンシアリーさんのブログから、『ヘラルド経済』の記事の一文を孫引きしました。
>朝鮮初期には人口の約7%だった両班が、朝鮮後期には約70%まで増えた。
これだけでは分からないので、以下に、シンシアリーさんが引用して翻訳した部分を全て転載します。
>貴族と平民を区分する身分制が強固に維持されるためには、貴族の数は常に少なく維持されなければならない。労働しない貴族が、生産に従事する平民より数が多くなると、体制維持が難しい。朝鮮で500年間維持された身分制は、1894年甲斐改革〔※「甲午改革」の誤り〕の時に公式廃止された。それでも国民は両班になりたかったし、このため家系図を売買する現象も現れた。朝鮮初期には人口の約7%だった両班が、朝鮮後期には約70%まで増えた。そのおかげで国民の意識の中から身分制の概念が消えた。
これについて、韓国人ブロガーの『百年歴史』(백년역사CH)さんが、解説して下さいました。(メールを頂戴しました。)
その内容を要約すると、朝鮮末期に両班の人口が増えたのは、両班の身分が売買されたからではなく、両班の家で食事を共にする人達〔=食口(シック)=家族〕が増加したからだそうです。
原文:양반의 호구수가 늘어난 것은, 양반 신분을 가진 개인의 증가가 아니라,
양반의 집 울타리 안에서 먹고 자는 식구(먹는 입)의 증가입니다.
(노비문서로 돈을 받고 자기의 신분을 영구히 팔아 버리는 노비도 있고, 단순히 고용살이처럼 문간 방에 살면서 노동력을 제공하고 밥을 얻어 먹는 관계도 있습니다. )
機械翻訳:両班の戸数が増えたのは、両班の身分を持つ個人の増加ではなく、
両班の家の塀の中で食べて寝る食口(食べる口)の増加です。
(奴婢文書でお金をもらって自分の身分を永久に売ってしまう奴婢もいますし、単純に雇い主のように門前部屋に住んで労働力を提供し、ご飯を奢って貰う関係もあります。)
百年歴史さんによると、朝鮮時代は、一人一人の戸籍まで管理できていなかったそうで、従って、両班の家の ”食口” は、そのまま ”両班の家の人数” として数えられていだけのようです。
いずれにしても、これらの人々は納税を免除されるので、単純に考えても、30%の人が、残りの70%の人を支える事になります。
まるで、少子高齢化の国の「年金制度」のようですね。
* * * *
「食口」(식구)は、韓国語で「家族」の意味でもあり、「ある教団の信者」を意味する言葉でもあるようです。これは、日本の「家庭連合(旧 統一教会)」信者も同じ意味で使う言葉です。
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