【韓国語・日本語】「공든 탑이 무너지랴」(最善を尽くせば、必ず成功する)
この例はたまたま韓国語ですが、外国語を翻訳して、正確に意味が伝わらないという面白い例だと思ったのでエントリーします。
日本語に堪能な韓国人ジャーナリスト、崔碩栄さんが紹介していた話題。
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韓国の諺に「공든탑이 무너지랴」
(念を入れてつくった塔は崩れない)というのがある。
真心を込めてした事は無駄に終わらないという意味で使われるが、それに関する小学生の問題が今話題
「念を入れてつくった塔はどっちだ?」という問題。正解は左らしいが、多くの人が「どう見ても右だろう?左の方が簡単だ!」と猛反発
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「『(念には)念を入れた塔』はどっちだ?」と言われれば、恐らく多くの日本人は、石の間に土を詰めて強固に作った塔、つまり左が正解と思うのではないでしょうか?
「공든 탑이 무너지랴」という諺は、web辞書によると、直訳すると「凝った塔が壊れようか?」らしいのですが、「凝った」を「念を入れた」と訳した崔さんが誤っているのかというと、この話題を扱った記事も「念を入れた」と訳していました。
そして、下記の韓国人の反応(赤字にした部分)を見ると、韓国語と日本語とではニュアンスが違うのだなと気付くはずです。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/d43c594c92974a1e78b995ea69dc2b207b6adc27
「念入りに作られた塔」はいったいどちら?…韓国・小学生への出題に大人が本気の論争
2/13(火) 6:51配信
KOREA WAVE
小学生用と推定されるある学習誌の中の問題をめぐって、韓国のネットユーザーが意見を戦わせている。
さまざまなオンラインコミュニティに5日、ある小学生の学習誌の問題を撮影した写真が添付されている。
そこには、石が着実に積み上げられた塔と、今にも崩れそうな感じの塔の二つが記され、「適切な言葉を選べ」というものだった。
問題には「『念入りに作られた塔』とは≪少ない、多い≫努力と真心を込めて積み上げた塔のことをいいます。したがって、二つの塔のうち、そのような努力と真心を込めて築いた塔は≪(1)、(2)≫塔です」と記されている。
前者の選択肢では「多い」が正解だ。ところが、後者の正解を出題者が(1)として(2)を誤答としたため、議論になった。
ネットユーザーの多くは「(2)のほうが大変だ」「(2)には塔積み職人の血のにじむような努力と真心が感じられる」「出題者は実際に2つとも積み上げてみて問題を考案したのか」などの反応を示した。
一部は「(2)は才能の領域なので精魂込めているわけではない」「精魂を込めても(2)のように積めないから正解は(1)だ」「子どもたちの思考力と創意力を殺そうとわざとそうするのか」などの意見も出た。
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日本語で「どちらが『念入りに造られた塔』だと思いますか?」と質問されたら、日本人は(1)を選ぶと思います。
しかし、韓国人ですら議論が起こる表現。
つまり、韓国語の「念入りな/手の込んだ」に該当する語は、どちらかと言うと「過程に於ける努力」に関わる話で、日本語の「念を入れる」は、どちらかと言うと、「その目的を達成する為の努力」で、視点が違います。日本語と韓国語は逐語訳ができるほど似ていますが、なまじ似ているが故に、誤解も生まれやすいのではないでしょうか。
そしてこの微妙なニュアンスのずれは、一般的な日韓の意思疎通にも言える様な気がします。
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