【歴史認識問題研究会】論文:「ニューレフト」の沿革と米国の「反日」思想の成立 ジェイソン・モーガン (麗澤大学准教授)
論文冒頭(第1章)の一部をご紹介。
『歴史認識問題研究』第9号 2021年11月より
「ニューレフト」の沿革と米国の「反日」思想の成立
ジェイソン・モーガン (麗澤大学准教授)
「反日」の比較、左派の共通点―韓国とアメリカ
〔韓国の『反日種族主義』は、米国と違って、①植民地時代(日本統治時代)に日本の指導、投資、教育などがなければ朝鮮半島は決して近代化ができなかったという、彼らのプライドに傷をつける事実から逃避する手段、②左派だけでなく右派も一緒に反日をやっている、という紹介の後〕
しかし、アメリカの左派が反日一色に染められていることは、歴史学的に考えれば面白い。なぜなら、アメリカ左派の沿革を見て、「オールド・レフト」がいわゆる「ニュー・レフト」に変身する過程を分析すれば、アメリカの左派はもともと反日とほとんど関わっていなかったからだ。だから、アメリカの昔の左派がどうやって今の反日レフトになったかを、もっと詳しく探求する必要がある。
結論から言うと、今日の「反日=左派」というアメリカの政治的現実は、表面的に見れば二つの要素によって出来上がったと言えよう。
一つ目は、アメリカのオールド・レフトに共産主義が浸透したという要素だ。大日本帝国の台頭に伴って、日本が世界の共産主義者のターゲットになったことはよく知られている。その中、「南京大虐殺」とか真珠湾攻撃など、共産主義者が捏造したフェイク・ニュースと「おとり作戦」がアメリカ国内の「反日」を煽って、結局戦争まで推し進めた。アメリカでは「反日」が左派の「癒着剤」になって、ルーズベルト大統領に反対していた一般市民を、ルーズベルトを支持するように誘導する、とても大切なメカニズムだった。
二つ目の要素は、一つ目と関連する。要するに、ルーズベルト大統領の政権は、アメリカの左派と一般市民をまとめて政権の支持層を固めたと同時に、左派の一部を切り捨てた。このプロセスを把握するには、つまりどうやってアメリカの左派が「反日」をめぐって分裂したかを理解するには、第二次世界大戦までのアメリカの左派の沿革をもう少し詳しく見る必要がある。
〔以下略〕
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