【”乳出し”チョゴリのマリア】「恥」と「誇り」の狭間
かなりの韓国人が「胸を出した女性の姿は日本人による捏造」と思っています。
日本に対する誤解を解く動画を数多く作っている『李承晩TV』が、ほんの1~2年ほど前にも、「実際に朝鮮女性は胸を出していた」という動画を作っていたくらいですから。(残念ながら、その動画のURLは失念して、探し出せないのですが。)
確かに、現代の感覚から言うと、胸を露出させて表を歩くというのは恥ずかしい行為ですが、授乳の為に胸を出すのは、日本でも70年代くらいまでは駅のベンチなどで見られた光景で、多少遠慮して半身になって人目を避けるくらいで、周囲の人も遠慮して目を背けるといった暗黙の了解がありました。
下の画像は、「朝鮮写真絵はがきデータベース」で見つけた絵葉書(部分)です。〔左上のサムネイルが全体〕
開いた本の様に見えますが、これはそういうデザインで、本の部分は手書きです。
このシリーズの絵葉書は、美人妓生にポーズさせたような写真もありますが、恐らくこの写真は街角でのスナップ写真でしょう。それ程古い時代とも思えません。
これを見ると、チョゴリ(上衣)は元々丈が短いので、ちょっとたくし上げれば胸が出せる構造で、ファッションが多様化してからは、四六時中胸を出すのはやめた、という程度では無いでしょうか。
「胸を出す事を日本人(朝鮮総督府)が止めさせた」と言う人がネットには多いのですが、その制令などを提示する人がいないので、これも大袈裟なのではないかと思います。
とにかく、絵葉書の女性を見ると、屈託のない笑顔で、その姿はとても自然です。
ところで、ネットで「胸を出した女性の姿は日本人による捏造」という話題が出る度に貼られる画像があります。
それは、乳を出した聖母マリアの石像。
この像が製作されたのは2005年で、作者はオ・チェヒョン(오채현)という彫刻家です。
これに関し、①中央日報の「한복 차림 성모 마리아상 탄생했다(韓服姿の聖母マリア像が誕生した)」(2005.07.16)と、②ハンギョレの「조각가 오채현씨 ‘파격의 조선 성모상’ 교황청에 보내(彫刻家のオ·チェヒョン氏が「破格の朝鮮聖母像」を法王庁に寄贈)」(2005-07-15)という2つの記事を読んでみたのですが、
②によると、この像はバチカンの韓国大使館から依頼され、”聖母像はバチカンの法王庁韓国大使館に安置される” そうです。
また、①によると、
>「私の故郷である慶州で掘った自然石花崗岩を使って石仏のような感じがします。 裸の赤ちゃんイエスを背負って水瓶を持った〔※頭に乗せた〕マリアは、昔の私の母のように胸が少し露出するようにしました。 仕事に追われて度々足を運ぶ母親であり、愛あふれる母親です。 バチカンでは肌が露出した聖母像が破格ですが、韓国で生まれた聖母マリアニの主体性がなければなりません」
と、オ氏は自分の母の姿をこの像に重ねていることが分かります。
記事ではオ氏は43歳と記されているので、現在(2023年)なら60歳くらいです。母親の姿は1960~70年代くらいのイメージでしょう。
当時の日本では、持ち運びに便利な軽量のベビーカーなど無かったので、乳飲み子を連れた母親はおんぶして(背負って)、授乳室など無いので、目立たない様にしながら授乳していた時代です。
年配の日本人がそんな母親像にノスタルジーを感じる様に、韓国人のオ氏には胸を出していた母親の姿が聖母マリアに通じるのでしょう。〔記事によると彼は中学・高校とミッション系の学校に通ったそうです。〕
釜山にある、朝鮮戦争の避難民を象った母子像も、そんな逞しくも優しい母親の姿です。
韓国人だけではないのですが、彼等は、「他人(外国)からどう見られるか」を異常に気にしすぎではないでしょうか?
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