【台湾】飛虎将軍だけではない、台湾で神として祀られた2人(3人)の日本兵
『チャンネル桜』台湾チャンネルで知った話を覚え書きとして記録しておきます。
台湾で祀られてる日本軍人は、「飛虎将軍」の杉浦茂峰少尉は比較的有名ですが、その飛虎将軍廟から直線距離で9km程北に、2人の日本兵のご神体が祀られた廟があるそうです。そこには、神像こそありませんが、もう一人の日本兵も供養されています。
詳しくは下の動画を見て頂きたいのですが、そこで廟を管理する地元の方は2人の名前すら知らずに昭和29年(1954年)以来廟を建てて供養し続け、昨年末、移転を機会に建て直したそうです。
▲【台湾CH Vol.489】感動秘話!日本少年兵を祀る廟が台南に今も / 映画『KANO』ゆかりの地 [R5/9/16]
「日本将軍前大士殿」ではなく「本将軍前大士殿」と呼ばれるのは、国民党政権下の反日政策で、「日本」というのを隠したからではないかと言う事でした。
廟を管理しているのは「溪埔寮安漢宮」〔※字幕ではそうなっていたが、検索すると「西港區溪埔寮安溪宮」が見つかる〕という道教の寺院だそうで、2人の日本兵も道教の形式で祀られているのだと思います。
今回、キャスターの永山英樹氏が「溪埔寮安漢宮」に行って、そこに保管されている多くの日本語の資料を読んで分かったのは、神像が祀られているのは、大原泰雄と繁田稔という若くして亡くなった飛行兵で、最後の訓練フライトで米軍の艦載機P-47に撃墜されたのだそうです。昭和20年(1945年)2月10日の事でした。
もう一人、同じ日に亡くなった谷山利之という方は写真のみが飾られているそうで、この方のおじさんが台湾に住んでいたので、写真を奉納して供養していたそうで、今でも廟の中にその写真があります。
永山氏がこの廟を探すつもりで調べていた所、たまたま台湾のメディア『聯合報』が廟の完成を報じていたそうで、何か「縁」を感じたそうですが、そこには ”谷山さんと杉浦さん(飛虎将軍)が祀られている” と書かれていたそうで、恐らく、地元の人に取材して記事を書いたのでしょうが、本当に誰が祀られているのかも分からずに供養してくれていたわけです。
溪埔寮安漢宮に保管されている資料は日本語で書かれていたので読めなかったようですが、今回の旅で永山氏が資料を読み解いて、地元の方も事実を知ったと喜んでいたそうです。
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なお、この話題とは関係ありませんが、『中央フォーカス』社に、澎湖島で旧暦7月に外国人軍人の霊を慰める行事がある事を知ったので記録しておきます。
https://www.cna.com.tw/news/aloc/202309100164.aspx
澎湖首推中元普渡盟軍桌 促尋大航海時代記憶
2023/9/10
https://japan.focustaiwan.tw/travel/202309110004
離島で鬼月の行事 外国人軍人の霊を供養 日本人には精霊馬捧げる/台湾
2023/09/11
(澎湖中央社)離島・澎湖県の馬公市で10日、旧暦7月の鬼月の伝統行事「盟軍卓」が行われた。かつて戦争で命を落とした外国人軍人の霊を慰めるために供え物を用意する行事で、日本人向けには精霊馬などが捧げられた。
澎湖は台湾海峡の東に浮かぶ。大航海時代から世界との交流が始まり、さまざまな貿易が盛んに行われた。だが、波風が強く、船の沈没事故も多かった。
市内にはオランダ統治時代に建てられた要塞の遺跡がある他、日本統治時代に馬公港で沈没した旧日本海軍の防護巡洋艦「松島」の犠牲者を慰める慰霊塔や清仏戦争で殉職したフランスの軍人の記念碑が設置されている。軍艦「松島」は日清戦争で連合艦隊旗艦として活躍したが、1908(明治41)年4月、遠洋航海を終え馬公港に寄港する際、火薬庫の爆発により沈没した。
この日、日本やオランダ、フランスの料理人が腕を振るい、それぞれの国の料理を作った。日本の料理人はナスとキュウリで精霊馬や精霊牛を作り、殉職した将兵をもてなした。
旧暦7月は「鬼月」と呼ばれ、先祖や無縁仏の魂があの世からこの世に戻るとされる。今年は8月16日から9月14日まで。台湾には鬼月にごちそうを用意し、無縁仏の魂をもてなす風習がある。
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