【緑なき島】この映画は戦前ではなく昭和30年の端島の日常を描いたもの【産経のチョンボ?】
軍艦島の日常を描いた『緑なき島』について、SNSで発信している方々が何故『戦前の記録映画』だと勘違いしているのか理解できました。
早い版の紙面記事は、そう理解されてもしかたがない書き方だったのです。
下の黒田成彦長崎県平戸市長のツイートで知りました。市長は産経の紙面の記事を添付してツイートされています。
>長崎の端島炭鉱(軍艦島)での「戦時の強制労働」を裏づけてきたNHKの映像は、戦後捏造されていたことが明らかに。
これは朝日新聞の慰安婦捏造報道に並ぶ罪ではないか?
NHKは直ちに経営幹部が謝罪会見を行うべき。誰の指示で何のために作ったか、制作経緯も明らかにして欲しい。(記事は産経新聞)
午後0:33 · 2023年6月20日
※下の記事よりも、後述の「13版」の記事をご覧下さい。
これが現時点(2023/06/25 4:17)で、
7,339件のリツイート 304件の引用 1.8万件のいいね
と反響を呼んでいます。
一方、下はブログ主の手元にある産経の記事(6月20日付け「13版」)です。
黒田市長が添付している記事と違い、赤枠の部分が追記されています。Web版も同様です。
赤枠の部分を読めば、戦後(昭和30年当時)の記録映画だと分かります。下はWeb版。
おそらく、早い版の記事では誤解されると思って追記したのでしょう。
もしかしたら、Web版も後からこっそり追記したのかも知れません。通常はWeb版の方が紙面より早く公開されますから。
もちろん、戦前だとしても、褌一丁で作業していた訳ではないのですが、「昭和30年製のフィルム」というだけでは、「褌一丁の作業員」がヤラセ映像である事の証明にはなりませんし、戦前にこのような作業が行われていなかった事の証明にもなりません。
* * * *
あらためて問題を整理しておくと、ブログ主も『緑なき島』の全編を見た訳では無いのですが、観た方の説明では、映画自体は当時の軍艦島の日常を描いた良い記録映画だそうです。
しかも、「当時(製作当時=昭和30年頃)の島の人々の暮らし豊かな様子を伝える。」と説明されています。
しかし、炭鉱内の映像部分は(おそらく)想像で作ってしまった。
この前近代的な作業風景を韓国KBSが ”戦時中の徴用工の作業風景” として悪用しました。
しかし、この様な服装・装備・炭鉱内部は、たとえ戦前であっても端島炭鉱ではあり得ません。『緑なき島』が全体的には良い映画と評価されるのであれば、当時、悪意を持ってこのような映像を作ったとは思えず、現在、韓国に悪用されている事は当時の製作スタッフとしても不本意なはずです。
もちろん、彼等に非が無いとは言いませんが、より多く批判すべきは、この映像をKBSに使わせて、使用差し止めを端島の元島民の方々から要請されても対処しない現在のNHKの姿勢だと思います。
※このエントリーは『【国際】徴用工問題』カテゴリとは別に『【国際】徴用工問題(軍艦島)』カテゴリに(も)分類しています。
« 【緑なき島】KBSは2010年には『緑なき島』の映像を入手していた | トップページ | 【原発処理水問題】もはや、韓国国内問題、党派争いの具 »
« 【緑なき島】KBSは2010年には『緑なき島』の映像を入手していた | トップページ | 【原発処理水問題】もはや、韓国国内問題、党派争いの具 »
コメント