【沖縄】香港メディア「沖縄は元々独立国であり、かつて中国の藩属国」
韓国の『中央日報』が、香港メディア『香港星島日報』の報道を紹介していました。
中国は、「尖閣は台湾の一部→台湾は中国の一部→∴尖閣は中国の一部」という三段論法で尖閣諸島の領有を主張するだけでなく、「琉球は独立国であり、中国(清)の属国であった」という論法で沖縄と日本という対立構図を作って切り離そうとしています。
後者に関しては、「そんな馬鹿な論理が...」と思われるでしょうが、実際に沖縄の中に「琉球独立」を主張する活動家がおり、また、沖縄の言論界は、「明治政府が琉球を強制併合した」という言説を創り上げようとしています。
cf. ブログエントリー:
以下、中国の論法を知るという意味で、中央日報の記事をご紹介します。
留意しておく事として、恐らく過去にもこういう中国のプロパガンダを韓国メディアや韓国の言論界はたれ流してきたのでしょう。『李承晩学堂』の先生方レベルでも、これとほぼ同じ事を言っているのを時々見かけます。韓国人も中国と同じ認識なのだと思います。
これを危惧するのは、「日本人は琉球に酷い事をした→朝鮮にも同じ事をやったはず」という反日歴史観の強化に利用される事です。
* * * *
https://www.joongang.co.kr/article/25168336#home
인민일보 1면 톱이 '시진핑 오키나와 발언'...日 "무슨 일" 촉각
2023.06.08 05
https://japanese.joins.com/JArticle/305307
「沖縄はかつて中国の藩属国」主張の香港新聞…内心は台湾に干渉するな?
2023.06.08 16:38
中国の習近平国家主席による異例の沖縄発言に続いて、親中性向の香港新聞が8日、沖縄はかつて中国の藩属国(朝貢国)だったとし、その地位について再議論する必要があると主張した。日本が「台湾有事は日本有事」と主張して台湾問題に介入すると、中国が沖縄の地位を問題にして牽制に入る姿だ。
同紙は習主席の沖縄発言を掲載した4日付の人民日報の記事内容を紹介した後、「これは習近平主席の執権後に初めて『琉球・沖縄』に公開的に言及したものであり、外部の関心を引いた」と評価した。また、日本が占有している尖閣(中国名・釣魚島)は中国領土だとし、習主席はさらに中国と沖縄の根源までも強調したと伝えた。日本メディアが習主席の発言を領土問題でなく解釈として慎重に反応すると、これに追加で対応したとみられる。
また星島日報は10年前に沖縄の主権に問題を提起した人民日報の関連記事に言及した。「10年前に人民日報が中国社会科学院の学者、張海鵬氏と李国強氏の『下関条約と釣魚島問題を論じる』を掲載した」とし「釣魚島の中国回帰(返還)だけでなく歴史上解決されていない沖縄問題についてもまた議論する時になった」という当時の記事の要旨を取り上げた。
星島日報は習主席の沖縄発言を日本の台湾介入に対する牽制と結びつけた。「日本が最近『台湾有事は日本有事と同じ』とし、李国強氏(実際は張海鵬氏)が『沖縄の地位を再議論する問題を提出すべき』という文を発表して米国の覇権に反撃しているが、これは沖縄の自決を支持するものであり、沖縄を中国所有に修復するためのものではない」と付け加えた。
これに先立ち中国社会科学院の近代史研究所長、中国史学会会長を歴任し、現在は社会科学院の学術委員である張海鵬氏は5月、「沖縄の地位を再議論する問題を提出すべき」「戦略上『沖縄再議論』は実現の可能性を持つ」という文を相次いで発表し、「台湾海峡の緊張、日本と韓国が米国のしがみつく状況で正式に沖縄の地位問題を再提起するのは非常に戦略的」と主張した。
« 【世界遺産】「『全羅道千年史』を破棄しろ!」「親日だ!」 | トップページ | 【改正入管法】デイリー新潮:難民審査参与員が明かす「デタラメ申請」の数々 »
コメント
« 【世界遺産】「『全羅道千年史』を破棄しろ!」「親日だ!」 | トップページ | 【改正入管法】デイリー新潮:難民審査参与員が明かす「デタラメ申請」の数々 »
かんぱちさんのコメントの「東北工程」 について補足説明。
最近は「キムチ」や「韓服」もこれに入るようだが、主には高句麗(があった地域)がどちらの歴史に入るかという領土問題。
日本の教科としての「歴史」では、例えば高句麗は便宜上「朝鮮半島史」だが、これは「地域史」であり、中国とその周辺の旧国家は地域史として語らないと把握できない。
投稿: ブログ管理者 | 2023/06/14 12:49
かんぱちさん
せっかくコメントを頂いたのに気付かず、返信が遅くなり、申し訳ありません。
>「今現在、国際的に承認されている領土・領海がその国の領土・領海であり、力による現状変更は認められない」・・・これが全てです。
仰る通りなんです。
ヨーロッパの人々は民族の歴史と現在の領土の歴史を別個に捉える事ができていますが、なぜか日本の隣国(韓国、中国、ロシアのプーチン)は民族主義、且つ、中華思想(民族中心主義)に囚われているのが不思議であり、日本人の立場では悲劇です。
こういう”変わった人達”に囲まれている以上、隣国、特に韓国・北朝鮮の歴史歪曲に日本人は理論武装しなくてはならないと思って、調べた事等を頭の整理を兼ねて書き留めています。同じ興味を持つ方と情報を共有できれば良いと思って。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: ブログ管理者 | 2023/06/14 03:34
お久しぶりです。
中国人や韓国人自身は気づいていないのでしょうが、彼らの歴史観も、じつは日本人の歴史観のパクリなんじゃないかと、以前から思っています。
日本列島には縄文時代から日本人が住んでおり、異民族に征服されたこともなく、現存する最古の王朝が続いている場所なので、日本人には 「固有の領土」 という考え方があります。
しかし大陸では (というか世界のほとんどの場所では)、王朝や支配民族が何度も交代していて、国力が上がれば領土も広がり、国力が衰えれば領土も縮小する・・・という事が近代まで繰り返されていました。
そのような場所で、近代以前のことを持ち出して 「固有の領土」 を論じること自体、そもそもナンセンスです。「今現在、国際的に承認されている領土・領海がその国の領土・領海であり、力による現状変更は認められない」・・・これが全てです。(だからこそ一度盗られた領土を取り返すのは大変。アメリカの沖縄返還や、イギリスの香港返還は、世界史の中では例外的な出来事。)
朝鮮半島の歴史についても、1つ前のエントリーでブログ主さんも書いておられるように、本来は 「かつては日本 (倭) に支配されていたことがある。だから何?」 で終わりなんですよね。
「中国の歴史か朝鮮の歴史か」 で争っている 「東北工程」 も不毛ですよね。それを言ったら、満州に漢族や朝鮮族が住むようになったのは 「満州国」 ができて以降だろうに。清の時代には、支配民族の満州族によって立ち入りが禁じられていたし、それ以前は 「万里の長城」 によって自ら往来できないようにしていたし。
逆に、沖縄について彼らの基準を当てはめると、「沖縄は完全に日本」 という事になります。遺跡の出土品などから、沖縄と本土との間には縄文時代から人の往来があったことが判っており、沖縄の人のDNAは大陸より本土の人に近い。沖縄の言語は、完全に本土の日本語と同じルーツです。(なので中国語や朝鮮語とは何のつながりもない別系統の言語です。)
列島南北、結ぶ縄文土器 東北の亀ケ岡文化、沖縄で確認 - 日本史 韓流研究室
http://toriton.blog2.fc2.com/blog-entry-5057.html
日本史は 「日本列島の歴史」 と 「日本人の歴史」 が一致しており、これは世界でも珍しい事なんですが、どうも中国人や韓国人も同じような歴史観を持っているみたいなんですよね。「偉大なる中華民族の復興」 とか 「ウリナラ半万年の歴史」 って、そういう発想じゃなきゃ出てこない言葉でしょう。
正しい歴史認識のためにも、まずは 「国名の 『中国』 と地域名の 『支那』 と民族名の 『漢族』 はキッチリと区別すべき」 だと思いますね。「支那の歴史=中国の歴史」 でもなければ 「支那の歴史=漢族の歴史」 でもないんですから。
投稿: かんぱち | 2023/06/09 21:44