ずばり、「竹島」問題です。
慰安婦や朝鮮半島出身労働者問題といった歴史問題は、「真実と嘘」との戦いなので、韓国国民の大多数が真実を共有する事で解決できる可能性はありますが、竹島問題は、韓国の左右に関係無く「感情」の問題だからです。
下記は2021/06/29付けの『李承晩TV』の動画です。
李栄薫(イ・ヨンフン)博士の発言(23:59~):
『三国史記』以降、『世宗実録地理誌』以降、独島固有の領土説は証明されてきません。独島は、李承晩大統領が米国と日本に対して、新生大韓民国の独立意思を明らかにし、彼の「国格」を固守するための政治的・軍事的決断であり、決行で生まれた韓国の新領土だ。
その意味は大きい。その意味を確認すべきであり、また紛争を管理すべきであって、なぜ辻褄の合わない歴史史料を堂々と〔出してきて※ブログ主補完〕国民をバカにするのか、というのが私の主張でした。
※李博士の意見はここ迄で十分ですが、もう少し書き取ります。
予想した通り、激しい反応が起こりました。新親日派だ。私達、私を見て新親日派、または土着倭寇だそうです。ある人は、法律を制定してでも我々を処刑しなければならないと言いました。各種の悪口と呪いが横行します。
しかし、胸の痛い事実を基にした、ファクトに基づく批判はありませんでした。
こんな史料もあるのではないか、あんな史料もないか、なぜ見ないのか、愛国心が足りない、このような批判しかありません。〔以下略〕
韓国側には、過去に竹島の領有を示す十分な史料がない、とした上で、「李承晩大統領が奪った事」...〔「奪った」というあからさまな表現ではありませんが、『李承晩学堂』では、韓国が竹島を占拠した経緯を説明しません〕、この意義が重要なのだ、という事を仰っています。
最後の「辻褄の合わない歴史史料」云々 は、時々、韓国側が「独島が韓国の領土である新資料発見!」などと、愚にもつかない、于山島の描かれた地図を公開する様な事を言っているのでしょう。
ブログ主は、この(竹島に関する意見)一点を持ってして李栄薫博士や李承晩学堂の功績を全否定するのではありません。むしろ、他の事は事実や史料、数字に基づいた説明で説得力があるのに、竹島だけは情緒論を持ち出す事を批判しています。
上記の発言は、動画のタイトルからも分かる様に、『反日種族主義』の独島の項への批判に対する反論をなさったものです。
では、『反日種族主義』にはどのように書かれているのかというと、
「12 独島、反日種族主義の最高象徴」と題し、まずは、『三国史記』や『世宗実録地理誌』などの史料や安龍福事件などの出来事が韓国の領土である事の証拠としては不十分であるという説明をし、
次に「日本の独島編入」という章で、”1905年に日本が竹島を編入したが、韓国政府はそれに対して異議も唱えなかったし、韓国の領土であるという証拠も無いので、国際司法裁判所で決着しようという日本の要請には韓国政府は応じられない”、という趣旨のことが述べられています。〔日本語版 pp.154-155〕
続く pp.156-157では「韓国の独島編入」が述べられます。
ここでも、「(竹島の位置すら把握してなかったくせに、)李承晩ラインを発表して竹島を領土に編入した」との説明に留まり、その経緯も正当な行為だという説明もありません。むしろ、英雄的行為と称賛しているのが行間から感じられます。
そして、その後の政権は、盧武鉉以前までは日本を煽る事がなかったので、日本も事を荒立てなかったと書いています。
これに「わが祖先の胆嚢」という章が続きます。
2005年に詩人の団体が竹島に上陸し、「わが祖先の胆嚢(たんのう)独島/あんたの年季の入った胆汁で/私はあらゆる波濤の生を耐えた」という詩が朗読され、竹島が韓国国民の『最も神聖なトーテム』となったと説明されます。 〔どうでもいいけど、汚い詩だなぁw〕
これ以降の韓国国民の竹島に対する感情・行動は、日帝の蛮行として全国の鉄杭を引き抜いた金泳三(キム・ヨンサム)大統領の行為と同様、呪術的精神世界、種族主義と批判した上で、最善なのは、「現在竹島にある施設を撤収し、沈黙を守るべきだ」と結んでいます。
別の『反日種族主義』の著者が、竹島で日本を煽る行動を報じた記事に関して、Facebookで「騒がなければ我々の物になるのだから黙っていろ」と書いているのを見た事があります。それと同じ意味でしょう。
李承晩のやった不法行為には反省も批判もありません。
韓国の右派、その中でも李承晩学堂のような「ニューライト」と呼ばれる人達、韓国内ではしばしば「極右」と呼ばれますが、彼らが日本と韓国の歴史問題について真実を語り始めたのは左派との戦いに勝つ為の戦術です。
言わば『党派争い』であり、同じ党派の者(ここでは李承晩)は徹底的に擁護します。
「ウリ(身内)とナム(他人)」の論理なのかどうか分かりませんが、そこはもう理屈ではなく感情の世界です。
韓国でも最も理性的な部類の方達でもこのレベルなので、竹島の問題は解決しないし、その為、ブログ主は韓国との友好など無理だと考えます。
※ブログエントリーの公開の順番を間違えたので、早朝に一度公開したエントリーを一旦非公開にしました。

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