韓国人ジャーナリストが米紙NYTに寄稿した記事
前回のエントリーに貼った記事の全訳ではないのですが、日本語訳がYahoo!ニュースで配信されてます。
『クーリエ・ジャポン』の記事です。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/519c140c0d59e36b42023ace79cca5d12cd4e485?page=1
韓国人ジャーナリストが米紙に寄稿「憎めと教えられた国、日本を私は愛している」
5/7(日) 18:00配信
クーリエ・ジャポン
韓国生まれのジャーナリストが米紙「ニューヨーク・タイムズ」に寄稿した。韓国はもう徴用工や慰安婦の問題から前に進むべきだ、日本統治時代にこだわり続ける不健全な感情を捨てるべきだと綴る。
【画像】ソウル市内に設置されている「徴用工の像」 Photo by Kim Jae-Hwan / SOPA Images / Sipa USA
1990年代初め、韓国で少年時代を過ごしていた私は、母から全60巻の伝記シリーズをもらった。その半分は、ブッダやリンカーン、キュリー夫人など世界の偉人で、残りの半分は韓国人だった。
そうした韓国人の大半にはある共通点があった。彼らは、日本に抵抗したことで知られる人たちだった。
私は母に、なぜもっと他の理由で記憶されるべき韓国人がいないのか聞いてみた。答えはこうだった。
「日本との戦いこそが韓国の歴史だからでしょう」
韓国人は何十年もの間、日本が朝鮮半島を植民地支配していた時代(1910~1945年)から前に進めずにいる。日本による強引な占領、労働者の強制徴用、「慰安婦」と呼ばれた性奴隷──これらの事柄がまるで国を挙げた洗脳のように繰り返し唱えられてきた。
だが、こうした不健全な感情はもう手放すべき時に来ている。韓国は日本と多くを共有している。両国とも近代民主主義国家であり、目覚ましい経済成長を遂げ、米国の同盟国だ。そしてどちらの国にも、中国という大きな脅威が迫っている。
私たちが学校で教えられたこと
私が韓国で育った頃、学校では、4世紀以上も前に日本の侵略を退けた李舜臣(イ・スンシン)将軍が、まるで昨日の英雄かのように称賛されていた。韓国の発展が遅れているのは、日本統治時代の略奪や破壊行為のせいだと言われていた。
韓国からすれば、戦時中の残虐行為を美化するような教科書が日本の学校で使われていたり、戦犯がまつられている靖国神社を政治家が参拝したりするなど、日本側に歴史への反省が見られないことも反日感情を煽った。
植民地から独立した多くの国と同じように、韓国の国民感情はたびたび葛藤していた。
1990年代初め、直訳すると『日本には何もない』というタイトルの本が韓国で出版された。日本の国家としての欠点が延々と並べられた同作はベストセラーになった。その直後、ベストセラーがもう一つ誕生した。対照的に『日本には何かがある』と題したその本は、より寛容な視点から書かれていた。
いま韓国の保守政権を率いる尹錫悦大統領は、変化の必要性を認識している。片方の目を中国(と北朝鮮)に向けながら、日本に歩み寄ろうと努力しているのだ。
尹政権は3月、第二次世界大戦中に強制徴用された韓国人労働者への賠償をめぐる数十年来の問題の妥協案を提示した(韓国最高裁が日本企業に命じた賠償金を韓国政府傘下の財団が代わりに支払うという)。
尹はこの提案後、すぐに日本への公式訪問に踏み切った。韓国大統領の訪日は実に12年ぶりで、岸田文雄首相との夕食会ではビールを飲み交わした。
日本に憧れてはいけない空気
私の初めての海外旅行は1992年、行き先は日本だった。知り合いの誰もが、お土産にソニーのウォークマンや東芝の炊飯器など、当時人気の日本製品を欲しがったような時代だ。
でも私たちは、日本に肯定的な発言はしないよう気をつけていた。韓国の政治家は長きにわたって反日路線で支持を集めており、日本への憧れを少しでもにおわせれば、売国奴のレッテルを貼られかねない(これを書いている今もそれを覚悟している)。
1995年、韓国政府は鬱憤を晴らすように、ソウル中心部にそびえ立っていた旧朝鮮総督府──日本が朝鮮を統治するために設置した機関の建物の解体に着手した。建築的価値の高い建物が失われたのである。
日本人が去った後、この建物は政府庁舎となり、のちに博物館として公開された。子供だった私はその中を歩き回り、韓国の歴史や芸術の素晴らしい展示物に魅了された。なぜ跡形もなく取り壊さなければならないのか、さっぱり理解できなかった。
だが、こうした植民地時代の名残は、「根絶やし」にしなければならないのだと教えられた。まるでそれがゴキブリであるかのように。
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※以下は日本語版で省略されている残りの部分を英文記事から機械翻訳。
今でもソウルの日本大使館跡地は、「慰安婦」被害者を象徴する少女像が大使館を見つめる前の路上で定期的に抗議活動が行われ、包囲網が敷かれているような雰囲気がある。
しかし、そんな反日の呪縛を解いてくれるのが、対岸の強力な隣人である中国への恐怖である。
中国は2000年以上にわたって韓国に多大な影響を与え、何世紀にもわたって韓国の知識人たちは文明的なものの源と見なしていた。私たちは、中国の文学、文化、哲学の伝統を熱心に受け入れ、歴史の大半で中国の文字体系を使用しました。私もその一人であった。母は幼い私に、洗練の極みとされた古典中国語を読むための個人レッスンを受けさせました。その優雅な文章に、私は深い感動を覚えた。
韓国は共産主義に反感を持ち、中国は朝鮮戦争に北朝鮮側として参戦したが、私たちの多くは、中国がその影響力を行使して南北の平和的統一を促進することを期待した。
しかし、北朝鮮は相変わらず好戦的で、中国は共産主義の隣国を支援しながら、ミサイルや核技術の獲得をほとんど阻止しない、問題の一部と南側で見なされるようになった。2016年、韓国は北朝鮮の脅威に対抗するため、米国が自国内にミサイル防衛システムを配備することに合意した。中国は猛反発し、政府系メディアは韓国製品のボイコットを呼びかけた。
私は中国に魅了され、中国学の学士号と修士号を取得しました。しかし、中国出身の中国語の先生たちが、成功した先進的な民主主義国家である台湾を、中国の支配下に置かなければならないならず、ならず者であると主張したことから、私の気持ちは険悪になっていきました。4年前、私は中国国営放送のパネルディスカッションに参加し、「東アジアの国々はどうすればもっと協力できるのか」と質問されました。私が「政治体制が大きく異なることが障害になっている」と話し始めると、中国の司会者は、私が中国の権威主義を批判するのを止めようとしたようで、私を切り捨てた。
武漢で発生したコロナウイルス、中国共産党の弾圧、東に流れる大気汚染など、韓国人の中国に対するイメージは世界でもトップクラスであるとの調査結果もある。1970年代から漢字を徐々に廃止し、韓国固有のアルファベットを採用したことで、中国文化は時代遅れになったと感じるようになった。多くの韓国人は、北京が台湾と「統一」することを表明しており、必要であれば軍事的にも、地域紛争に巻き込まれかねないと懸念している。
それでも、ユン氏は政敵から中傷され、同じ古い手口に戻って、日本への働きかけを「屈辱的」と非難している。ただでさえ低い支持率はさらに低下している。
しかし、多くの韓国国民は、もう前に進む準備ができているようだ。中国に対する不安を共有するだけでなく、韓国と日本は、K-POP、K-ドラマ、ポケモンなど、互いの文化や娯楽に魅了されることで結ばれている。日本は韓国人観光客に大人気で、韓国人の多くは日本に好意的であり、韓国人の多くは東京との関係改善を望んでいる。
しかし、それは強力な隣国に挟まれた私たちのような国の宿命なのかもしれません。そして、少なくとも今回だけは、政治的に保守的な私の両親と意見が一致した。
先月、私は母を日本に連れて行き、桜の開花を見た。パンデミック後の日韓旅行は急増しており、韓国人観光客はいたるところにいた。東京の隅田川沿いを散歩していると、桜のピンク色に包まれ、母は満足そうにため息をつき、私の方を向いて「この国はとても美しくて文明的ね」と言った。
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