【李氏朝鮮】18世紀、朝鮮では大規模な木造建築を建てる為の木材は枯渇していた
少し前に、『日本人はどのように森をつくってきたのか』(Conrad Totman 著)という本をご紹介しました。この本を読んだ時には他国、特に朝鮮と比較して読んだわけではないのですが、後日、たまたま、この本を李宇衍(イ・ウヨン)博士がFacebookで取りあげているのを知りました。〔詳細後述〕
この本には、江戸時代の18世紀後半以降、日本が森林を再生させた話が書かれていますが、李宇衍博士は、李氏朝鮮が経済的に疲弊した例として森林資源の枯渇を説明していらっしゃいました。
上記画像は2015年の記事に掲載されていたもので、手前の4本の木材は崩壊を防ぐ為のつっかえ棒ですが、建物の柱に注目して下さい。18世紀に建てられた青龍寺大雄殿ですが、この当時、太いまっすぐな木材は既に枯渇していたのです。
http://www.asn24.com/news/articleView.html?idxno=11212
청룡사 대웅전, 즉시 보수필요
青龍寺大雄殿、直ちに補修が必要
2015.10.16 15:13
全国文化財のうち、直ちに措置や補修整備が必要な1500件余りのうち95件が1年以上措置されていないことが分かった。
特に安城青龍寺大雄殿(宝物第824号)など文化財25件は即時措置が必要であるにもかかわらず、措置が取られていない。〔後略〕
ちなみにこの建物は2017年に解体工事が始められましたが、その後、2020年に経費が46億→60億ウォンに嵩んだという記事を最後に補修工事が完了したという記事は見つかりません。〔探し方が悪いだけかも知れませんが。〕
http://www.kyeongin.com/main/view.php?key=20201130010006086
46억→60억…'청룡사 대웅전' 보수공사비 왜 늘었나
46億→60億···「青龍寺大雄殿」の補修工事費がなぜ増えたのか
2020-12-01
>国家指定文化財である安城青龍寺大雄殿の解体補修工事が数年間遅れ、工事費が増えている。
>本来、青龍寺大雄殿解体補修工事の2016年2月最初の設計当時の設計価額は46億623万9千ウォンであり、2019年8月に工事を終える予定だった。 解体補修過程で予測できない変数が持続的に発見され、4回の設計変更が行われた。
>青龍寺大雄殿は1985年1月、宝物824号に指定された。 柱がきれいにケヤキで皮をむいたまま本来の木目を生かしたのが特徴だ。〔※曲がった木を使ったのは朝鮮人の美意識云々という説明も一般には流布されているようです。〕
第31代アメリカ合衆国大統領、ハーバート・フーヴァーが回顧録に書いているように、朝鮮のはげ山を緑豊かな山に換えたのは日本人でした。しかし、木材を収奪したのは日本人であると信じる韓国人は少なくありません。
上記キャプチャは韓国の保守系ネットメディア『ペン&マイク』の『世界山林デー、日本に感謝の気持ちを伝える日!』という動画より。この動画については別途ご紹介します。
また、独立後の朝鮮(韓国)は朝鮮戦争のせいもあり、経済も低迷し、再び森林が荒廃しました。農村の復興や緑化事業始まるのは朴正煕大統領によるもので、70年代になってからです。
以下、李宇衍博士のFBより。〔機械翻訳〕
* * * *
朝鮮が自滅したということは政治、外交だけの問題ではない。 問題は経済だ。
18~9世紀に単位面積当たりの小作料が着実に減少したことを李栄薫(イ・ヨンフン)教授がよく明らかにした。 半分近くに変わりはなかったので、これは土地生産性の低下を意味する。 賃金に関する資料は非常に珍しい。 これまで知られていた資料によると、1834年から1905年頃まで作男と日雇い労働者の賃金は着実に下落した。 これは私の論文だが、このような現象は労働生産性の下落を意味する。
前近代社会では資本が大したことがないため、土地に対する収益である地代(小作料)と労働にともなう収益(賃金)が下落したということはその合計であるGDPが減少したという意味だ。 19世紀の人口は停滞していると知られている。 すると、1人当たりのGDPは減少したということになる。 生活水準が下落するという話だ。 その幅は非常に大きかった。 これが朝鮮の経済危機だった。
朝鮮の経済危機は山林荒廃化、すなわち生態学的危機だったと思う。 人口増加がある水準を超えれば、過去の発展が社会の首を絞める。 多くの人が賢君と評価する正祖は、「今日の災害は天気のせいではない。 数日だけ雨が降っても洪水になり、数日だけ雨が降らなくても日照りになるのは水を抱く木が山にないからだ。 1万本植えたら褒賞すると言ったのに、なぜ誰も木を植える者がいないのか」と話した。
韓国と同じく国土の70%が山林である日本も同じ問題に直面し、17~9世紀に所有権制度改革でそれに成功的に対処した。 Totmanの本のタイトルは『グリーン列島(Green Archipelago)』だ。 『銃・病原菌・鉄(총, 균, 쇠)』のジャレド・ダイアモンドは、生態学的危機に対する成功的な対応事例として徳川日本を挙げる。
朝鮮は生態学的危機に対する制度的革新の失敗で自滅し、日本はライバルの中国とロシアを抜いて朝鮮を拾ったのだ。 日本の「侵略」に対する朝鮮人の「戦争」はなかった。
朝鮮経済の危機とその原因について文を書いて20年になるのに反論がないから、学界がそれを認めたのか、国史学界がいつもそうしてきたようにないように無視しているのか? 19世紀末~20世紀初め、朝鮮の山林荒廃について多くの人が話すのは慰めになる。
〔画像省略〕最初の写真は1905年頃、大田駅近くだ。 二つ目は18世紀に建築された青龍寺である。 建築史家たちは木材不足でこのような曲がった木や小さな木材を建築に使うようになったと言う。
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