【福島原発処理水】「韓国は福島放出予定量の10倍を日常的に放出している」という韓国にしては珍しいコラム【朝鮮日報】
科学的に冷静に考えよう言う韓国にしては珍しいコラムを『朝鮮日報』の論説委員が書いていたのでご紹介します。
最初に韓国語の記事のタイトルとリード部分だけを機械翻訳すると、こんな感じです。
【ハン・サムヒの環境コラム】汚染処理水、国際検証結果を見て判断すべきこと
- 22兆ベクレル30年放流予定
- 韓国の排出量はその10倍
- 仏623倍、加は85倍排出中
- 韓国を含む4カ国が試料分析〔←※日本語版には無い〕
- 冷静な計量的評価後私たちの立場を決めても遅くないよ〔←※日本語版には無い〕
「汚染処理水」(오염 처리수)と言う表現も、通常韓国メディアは「汚染水」としか書かない事に比べれば、「汚染された水を処理した後の水」というニュアンスが感じられ、許容できる範囲かと思います。
記事を書いている方の肩書は「韓三熙(ハン・サムヒ)先任論説委員」なので、科学的な分野の記事を専門に書いているのかも知れません。
コメントもまともで、感情的なコメントに対しては低い評価がつけられているのすが、いかんせん、コメント数が17件と少ないので、これを韓国人の平均だと思わない方がいいでしょう。日本でも同様でしょうが、長文、専門用語が多い、数字が多い記事はあまり読まれません。
以下、長いのですが、本文をご紹介します。
* * * *
https://www.chosun.com/opinion/column/2023/03/15/ETNGA45TOBDTPJCSIMV7PUQQVM/
[한삼희의 환경칼럼] 日 오염 처리수, 국제 검증 결과 보고 판단할 일
2023.03.15. 03:20
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/03/27/2023032780080.html
【コラム】日本の汚染処理水、国際検証結果を見て判断すべき
年間22兆ベクレルで30年間放出予定
韓国の排出量はその10倍
フランス623倍、カナダは85倍排出中
2023/03/27 17:14
韓国海洋科学技術院と原子力研究院が2月16日、福島県の原発汚染処理水を放出する場合、韓国の海域に及ぼすトリチウム(三重水素)拡散に対するシミュレーション結果を公開した。海に溶け込んでいる従来のトリチウムの量は1リットル当たり0.172ベクレルだが、10年後にそれの17万分の1に当たる0.000001ベクレルが追加されるということだ。福島県からの放出水は米国アラスカ、カリフォルニア、ハワイを経て太平洋を大きく一周した後、4-5年後以降から韓半島付近に到達する。その過程で拡散、希釈され、トリチウムの影響は意味のない水準になるというのだ。
福島原発内のタンク1066個には汚染処理水が132万立方メートル保存されている。トリチウムの総量は780兆ベクレルという。シミュレーションでは、日本が汚染処理水を十分に希釈し、毎年22兆ベクレルずつ30年間放出することを前提とした。また、多核種除去設備(ALPS/アルプス)がセシウムなど他の放射性物質は安全な水準までろ過すると想定した。トリチウムは化学的物性が一般水素と同じでアルプス設備では除去できない。
トリチウムは自然界に幅広く存在する。宇宙放射線が成層圏で空気分子にぶつかることでトリチウムが生成される。雨で洗い流された後、川を下って海に入る。毎年新たに作られるトリチウム(5京-7京ベクレル)は福島の年間海洋排出計画量(22兆ベクレル)のおよそ2500倍になる。それでも放射性汚染物質を海にそのまま排出するということで、敏感な反応が巻き起こるのも無理はない。問題は、韓国も原発稼動過程で発生するトリチウムを海に薄めて放出しているという事実だ。特に重水炉である月城原発から多く排出されている。韓国の水力原子力に関する資料によると、昨年韓国の原発のトリチウム排出量は213兆ベクレルに上った。韓国が福島放出予定量の10倍を日常的に放出しているのだ。世界的に見てもカナダの三つの重水炉団地から年間1860兆ベクレル(2021年の福島県の放出予定量の85倍)、英国シェラフィールド再処理設備から1540兆ベクレル(2015年の70倍)、フランスのラ・アーグ再処理設備からはなんと1京3700兆ベクレル(2015年の623倍)のトリチウムを海に排出した。
cf. 経済産業省:トリチウムの性質等について(案)
P.7 世界の原子力発電所等からのトリチウム年間排出量
https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf/007_09_00.pdf
汚染処理水問題は、信頼できる国際検証を通じて判断する問題だ。すでに国際原子力機関(IAEA)が2021年7月、韓国をはじめ11カ国の専門家によるモニタリングTF(タスクフォース、作業部会)を構成し活動中だ。これとは別に、昨年3月から10月まで3回にわたってIAEAの立ち合いの下で採取した汚染処理水の試料を韓国、米国、フランス、スイスの4カ国に送り、分析作業が進められている。福島一帯の海で採取した魚類、海藻類、海底堆積物の試料も4カ国に配送された。分析を担当した原子力安全技術院によると、今月末までに4カ国の1次評価結果がIAEAに送られる。
日本の汚染処理水の放出に神経を使う必要がないというわけではない。IAEAの交差検証結果がこれまで日本側の説明と大きく懸け離れているのなら、日本が海洋放出を貫徹することは容易でないだろう。一方で、事実に符合することが確認されれば、海洋放出に待ったを掛けるのは困難なものと思われる。韓国が10倍に上る量を放出しており、海流の流れから、韓国が太平洋沿岸国の中で最も遅く、影響は最も弱まるという点を考慮しなければならない。もちろん、放流過程で日本が約束を誠実に守っているかどうか、国際的な監視が必要なのは事実だ。
国際検証の中心は汚染処理水にセシウム、ストロンチウムなどトリチウム以外の高毒性放射性物質が懸念される水準で含まれているのではないかという点だ。評価結果は間もなく出される。評価作業に韓国の専門家たちも参加している。国際検証結果を見てから立場を決めても遅くないだろう。現在さまざまな声が上がっているが、感情的要素が付随している。冷静な立場による計量的評価が重要だ。非論理的な主張はしばらく視野を曇らせるかもしれないが、後々それがとんでもない誇張であることが判明すれば、われわれの立場は困難に直面するほかない。
日本が汚染処理水を海に捨てるということは、気分のいいものではない。誰か知り合いが湖に排せつ物を捨てるのを目撃したとしよう。いくら私とは直接関係がないとしても、気分が悪いのは気分が悪いことであり、彼の品格を考え直さなければならない。それでもその人と私が持続的にぶつかり関係を維持していかなければならない立場であるとすれば、人格的に忠告するのを超え、最初から絶交だと言わんばかりの姿勢を示すのも慎重ではない態度と言える。行き過ぎた感情的消耗は自分も疲れるものだ。特に国際的な手続きに従って問題が処理されているという点に留意しなければならない。ただ、日本側の説明と非常に異なる評価結果が出れば、それは深刻に考えてみる必要性があるだろう。
韓三熙(ハン・サムヒ)先任論説委員
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