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2023/03/14

【洪蘭坡】(3)「親日派」という言葉と韓国人の歴史に対する無知

前々回のエントリーでご紹介した『京畿日報(경기일보)』の記事の続きなので、(3)とナンバリングをしましたが、ここでは別の人物、洪蘭坡(ホン・ナンパ)という日本統治時代の音楽家が話題です。 前回のエントリーはこちらです。

  

* * * *

◆親日人物過誤明確に

水原特例市庁の向かい側の水原オリンピック公園駐車場から10mほど離れたところには「洪蘭坡(ホンナンパ)銅像」と親日残滓の象徴物案内板が建てられている。

日本による植民地時代で広く愛唱された歌曲「鳳仙花」と童謡「故郷の春」の作曲家であるホン·ナンパ。 日本による植民地時代、音楽界に大きな業績を残した彼は、親日行為でその明と暗が明確に分かれる人物だ。

 

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銅像は1989年10月14日、第38回JC全国会員大会を記念して韓国青年会議所が建設した。 だが、以後管理されず親日論難がふくらんで撤去などが議論されたりもしたが、最近、歴史的事実を盛り込んだ案内板が建てられ親日残滓の象徴物として残ることになった

水原八達区八達山にもホンナンパ歌碑が建てられている。 歌碑は蘭坡洪永厚が生まれて70年になった年を記念して1968年に建設された。 

ホン·ナンパは1998年、国家報勲処の「今月の独立運動家」に選ばれたが、学界で親日行跡を知らせ、初めて叙勲が取り消された人物だ。 

※機械翻訳引用ここまで

* * * *

 

地元の偉大な音楽家として像を建てられたが、「親日派」と認定され、それを説明する案内板が設置された、という内容です。

Wikipedia『洪蘭坡』の項には以下のように書かれています。

日本統治時代に軍歌などを作成したことなどから、2008年4月に民族問題研究所により親日人名辞典にリストアップされた[2]。京畿道で開かれている「蘭坡音楽祭」のウェブサイトには、「親日派の名前を冠した音楽祭を開くなんて、一体何を考えているのか」という抗議が殺到した[2]。

遺族が親日反民族行為真相糾明委員会を提訴したことにより、2009年11月27日に発表された親日派リスト第3期(1937年-1945年)からは除外されたが[3]、2010年の判決により再び掲載するようになった[4]。

 

我々日本人は、”日本統治時代に日本人として生きただけの人が「親日派」で何が悪いのか?” と思いますが、韓国人の歴史観では、”侵略者である日本や日本人に媚びる反民族行為者であり、売国奴” になります。

 

経緯はともかく、李氏朝鮮(→大韓帝国)は日本に併合され、国権を失いました。これを「侵略」と呼ぶ事はひとまず良いとしましょう。

『李承晩学堂』の先生方もこの歴史観です。その上で、統計などから日本統治時代に朝鮮には近代的資本主義が導入され、経済的に発展したという事実を述べています。そして、この論も、李氏朝鮮時代の「近代的資本主義萌芽論」が主流を占める歴史家には ”妄言” 扱いされます。

つい最近までは、李栄薫(イ・ヨンフン)博士が朝鮮末期の社会に関する講義をされていましたが、それを観た視聴者のコメントが、「我々が今日のように発展できたのは、李承晩閣下や朴正煕閣下のお陰」となると、苦笑せざるを得ません。

 

李朝末~大韓帝国期には日本をモデルとして近代化すべきという「開化派」と呼ばれる人達、例えば、甲申事変を起こした金玉均や洪英植等が出現しますが、日本をモデルにするだけでなく、実際に日本が後ろ盾になって支援します。日本に外交権を奪われる事をハーグ国際会議で訴えるために派遣された密使も、会場の外で日本を非難しながらも、「私たちは日本が腐敗した官吏たちに厳しい基準を適用して民衆に正義を実現してくれると信じていた」とも発言しています。

王権が強い時代に命を賭して国を変えようとした彼らに対しては、韓国人は比較的好意的のようですが、実際に国を売る事に関与した李完用や、併合(但し、対等な合邦)を望んだ「一進会」の李容九等は「売国奴」です。

しかし、もし、現代の韓国人に、「李王家を君主に抱いて独立を保ったまま、どうやって近代化できたと思うか?」と尋ねたら、答えられる人はいるのでしょうか?

 

日清戦争に敗北した後の清は、西洋列強に領土を切り刻まれて行きます。下関条約で日本に割譲されるはずだった遼東半島は三国干渉で返還させられた後、ロシアがちゃっかりと勢力圏〔経済的植民地〕に置き、その先端にある旅順・大連を租借地とします。

 


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日露戦争をテーマにした『坂の上の雲』では、日本海海戦が印象に残りますが、陸上戦のシーンで、戦場にされた中国人が日本軍を憎々しげに見つめるシーンがあります。

『二百三高地』は旅順港を見渡せる丘を巡る日露の攻防を描いた映画です。

つまり、日露戦争の陸上戦の舞台は中国ですが、中国はこの頃、最早国の体をなしておらず、列強に蹂躙されていたのです。

 

いわんや朝鮮をや。

 

高宗は列強に、鉄道敷設権や森林伐採権、鉱山採掘権などを売っていきます。これらは列強が経済圏を獲得するための布石です。

中国や朝鮮にしてみれば酷い話ですが、それが帝国主義の時代であり、当時、近代化に乗り遅れ、金も無い国の運命だったのです。

 

韓国人の歴史認識の欠陥は、世界史、それも中国史さえ知らない事です。この時代の歴史を日本と朝鮮半島の関係でしか捕らえていないからです。

面白い事に、この時代を世界史を交えて解説する動画のコメント欄には、「世界が見えてなかった井の中の蛙の高宗」などと書き込まれますが、「それは現代の韓国人もだ」といつも感じます。

あの時代、列強の中では一番優しい日本の「保護国」にされた事が、幸運とまでは言いませんが、どれほど ”不幸中の幸い” だったか、韓国人は理解しませんし、今後も理解できる事は無いでしょう。しかも、歴史を現代の視点、且つ、善・悪の二分論で語るのが韓国人です。会話が成り立つはずがないのです。

 

 

  


 

 

 

 

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