【韓国】植民史観(식민사관)
近代史を扱った動画などで、しばしば目にする「植民史観」あるいは「植民地史観」という言葉。韓国人だけが使う歴史用語です。
文脈からおおよそ検討はつくのですが、このような意味だそうです。〔Wikipedia『식민사관』より〕
>식민사관(植民史觀)은 일제강점기 일제의 한국 식민 지배를 정당화하고 한국인에 대한 통치를 용이하게 하기 위하여 일제에 의해 정책적 · 조직적으로 조작된 역사관을 말한다. 대체로, 한민족을 역사적으로 다른 나라에 지배되어 왔고 자립 능력이 없는 정체된 민족으로 부각시켜 일본의 한국 병탄을 정당화하였다. 종종 민족사관과 대비되는 용어로 인식된다.
機械翻訳:植民史観は日本による植民地時代日帝の韓国植民支配を正当化し、韓国人に対する統治を容易にするために日帝によって政策的·組織的に操作された歴史観をいう。 概して、韓民族を歴史的に他国に支配されてきて自立能力のない停滞した民族として浮上させ、日本の韓国併呑を正当化した。 しばしば民族史観と対比される用語として認識される。
この先を読むと、「日鮮同祖論」なども含まれるようで、主に、日本統治時代の「併合を正当化」する洗脳教育を指す言葉です。
しかし、実際にこの言葉を目にするのは、近代史を日本側の立場も交えて説明したり、あるいは世界史の中で朝鮮史を説明する動画のコメント欄などで、「それは植民史観だ!」と批判されます。
最近は、甲申事変〔※〕のクーデターに失敗した金玉均に思いを馳せるパク・ジョンイン氏〔朝鮮日報記者〕の動画で以下のようなコメントを見ました。
※甲申政変とは、1884年12月4日に朝鮮で起こった独立党によるクーデター。親清派勢力の一掃を図り、日本の援助で王宮を占領し新政権を樹立したが、清国軍の介入によって3日で失敗した。甲申事変、朝鮮事件とも呼ばれる。
▲1884年、甲申政変の主役たち。写真左から朴泳孝(パク・ヨンホ)、徐光範(ソ・グァンボム)、徐載弼(ソ・ジェピル)、金玉均(キム・オクキュン)。年齢は甲申事変時のもの。
>私は、1.日本は金玉均は先覚者で開化派とともに朝鮮の近代化を日本が助けようとしたが、腐敗した朝鮮王室が卑怯にも金玉均を暗殺したという植民史観
2.甲申政変をブルジョア革命、東学運動をプロレタリア革命と見る左派歴史観
この二つが金玉均と急進開花派を美化しすぎたと思います。 むしろ外国公館が助言したように、過激で軽率な甲申政変のために朝鮮が壊れたと思います。
このコメントには反論コメントも付いていることもあり、ブログ主の意見は控えますが、朝鮮末期の朝鮮は、最後の王・高宗とその妻・閔妃(閔妃一族による勢道政治)、大院君、そして多くの取り巻きの両班達は権力争いに明け暮れ、世界の情勢に疎く、反乱やクーデターが起きれば粛正したり、外国の軍隊の出動を要請して鎮圧していたという現実...これから目を逸らす為の言葉が「植民史観」です。
韓国人は世界史を殆ど勉強しないのだそうですが、自国がプレイヤーとして登場しない世界史は退屈なのかも知れません。
これに対する言葉として冒頭のWikipediaの引用には「民族史観」という言葉を挙げていますが、これぞまさしく、李承晩〔※〕や朴正煕の時代に国をまとめるために利用した歴史観です。
※李承晩は自己矛盾に満ちた人で、クリスチャンでありながら、儒教的な倫理観を説く自由民主義を学んだだけの両班です。
この間、言論封鎖されて、日本統治時代の記憶は語り継がれず、代わって、華夷秩序に基づいた(ありもしない)抗日の民族史が、韓国人の「共通の記憶」になってしまったのです。
歪曲された歴史に対する批判の対象は常に左派ですが、結局韓国保守も歴史を利用して「左・右」の争いをしているだけだと、少し、距離を置いて眺めた方がいいと思います。
« 【日韓首脳会談】レーダー照射事件問題 | トップページ | 【韓国】「GSOMIA正常化」措置とは? »
コメント