【日韓論】金容三(キム・ヨンサム)記者が『誰が歴史を歪曲するか』(黒田勝弘 著)を紹介
産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏が昨年韓国で出版した『누가 역사를 왜곡하는가』(誰が歴史を歪曲するか)の書評を保守系ネットメディアの『ペン&マイク』を紹介している記事を見つけました
筆者は『反日種族主義』の「鉄杭神話」のパートを担当した金容三記者で、この方は、ペン&マイクのYouTubeチャンネルで韓国の近現代史を解説する番組を持っており、今は日清戦争にさしかかった辺りです。
ブログ主は「自動字幕+自動翻訳」で見ているので、100%理解できるわけではありませんが、この番組をご覧になっている視聴者は、コメントやチャットでの会話を見る限り、「事実を知りたい」という真面目な方が多いように思われます。
かなり長いのですが、大変興味深い文なので、金容三〔キム・ヨンサム:発音は金泳三(大統領)と同じだそうです〕記者のコラムを訳してご紹介します。
* * * *
〔多少日本語として不自然でも理解に影響が無いと思われる翻訳は機械翻訳ママ。緑字はブログ主の補足等。〕
https://www.pennmike.com/news/articleView.html?idxno=56924
〔キム·ヨンサムコラム〕黒田勝弘記者の警告、「韓国は果たして正常国家なのか」
原題:[김용삼 칼럼] 구로다 가쓰히로 기자의 경고, “한국은 과연 정상 국가인가?”
金容三
初承認 2022.09.07 07:36:13
最終修正 2022.09.07 07:36
黒田記者は「海洋国家である日本は玄海灘を軽率に渡ってはならない」と話す。 「二度と『ブラックホール』に引きずられたり、深く足を踏み入れるな」という黒田記者の警告は言葉を変えれば、もう韓国が死んでも死んでも日本は構わないという意味に解釈される。
◆韓国人の反日感情を追跡した韓国専門家
一般的な韓国人は「私たちは正しい歴史観を持っているが、日本は機会がある度に歴史を歪曲する国」と理解している。 そうした常識に真っ向から挑戦した話題作が登場した。 韓国人より韓国に詳しい日本のジャーナリスト、黒田勝弘の『誰が歴史を歪曲するのか』という本だ。
この本を紹介する理由は、含まれているテーマが意味深長であるだけでなく、全国民が肝に銘じなければならない内容だからだ。 著者は1978年共同通信ソウル支局長に赴任して以来、産経新聞ソウル支局長として、現在は産経新聞ソウル駐在客員論説委員として活動しているので、韓国駐在期間が44年目だ。 韓国専門ジャーナリストであり、韓国専門家であるわけだ。
著者の黒田記者は「果たして韓国は先進国なのか」という命題で始まり「韓国は国際基準に符合する国家なのか」という疑問に変わり、結論部分では「韓国は国家としての用途が廃棄された」という方向に傾く。 すなわち、韓国はもはや到底国家と呼ぶのが恥ずかしい、いや国家であることを放棄した集団だと診断する。
日本の韓国専門家が診断する現段階の韓日状況は、韓国では反日エネルギーが爆発し、日本では韓国の反日よりも強い嫌韓エネルギーが勢いに乗っている。 「反日と嫌韓の起源」という副題がついたこの本は、韓日両国関係が取り返しのつかないほど悪化した根本理由が何なのか終始掘り下げる。
黒田記者の分析によると、韓国の大衆社会では反日が全くないに等しい反面、識者層ともいえるジャーナリスト·知識人·政治家は執拗に反日にオールインしている。 彼らが一般大衆を扇動した結果、韓国は反日でありながら反日ではない国、親日でありながら反日の国、世界一の反日国であると同時に世界一の親日国である不思議な国になったと分析する。
黒田記者は韓国専門家らしく冷静な見方で韓国人の反日感情を追跡し、その論理構造と背景に対する解剖を試みた。
〔画像省略〕黒田勝弘記者の著書『誰が歴史を歪曲するか』。
◆日本人になった存在を韓国人に戻す作業
太平洋戦争中、日本は内線一体、日鮮同祖論、皇民化政策を通じて朝鮮人の日本化を急速に進めた。 このような状況で突然解放が訪れ、韓国人はメンタル崩壊状態に陥った。 新生韓国が直面した緊急課題は、ほとんど日本人に体質が変わった韓国人を元の韓国人に戻す作業だった。 日帝時代を無条件否定する反日教育が国家レベルで広範囲に施行されたのは、このような必要性のためだ。
※同様のことは『親日派のための弁明』の後書きで、荒木和博氏(特定失踪者連絡会代表)も「仮説だが」と前置きをして書かれていました。「大東亜戦争の頃迄に朝鮮の人々がほぼ完全に日本に同化してしまったからではないかと考える。あまりに同化し過ぎたため、日本から分離された後に、自らのアイデンティティを守る為、『自分は抵抗していた』あるいは『日本の支配は極悪非道で抵抗できなかったため、仕方なく鬱々とした日々を過ごしていた』と言わざるを得なかったのではないかと思う。」
また、『韓国「反日主義」の起源』でも著者の松本厚治氏は「自己保身の為の反日」という趣旨の事を書かれていました。〔→ブログエントリー:『韓国「反日主義」の起源』雑記8 - 自己保身のための「反日」〕
※李承晩政権でははほとんど日本人に対し民族差別的とも言える教育を行いました。〔ブログエントリー:『韓国「反日主義」の起源』雑記6 - 李承晩〕更に、朴正煕政権では、民族史観を「抗日の歴史」というストーリーにします。李舜臣や安重根といった人物を英雄に祭り上げました。
※後述の動画で黒田氏は、「韓国でしばしば『歴史を立て直す』という表現を聞くと、韓国と日本とでは『歴史』の意味が違うのではないかと思う。歴史とは過去の出来事(事実)を学ぶもので、事実は変えられるものではないはずなのに。韓国では、都合の良い事実だけを拾い上げて歴史を組み立てる。」という趣旨の事を仰っています。
当時は、このような反日教育を通じて、ほとんど日本人になった人々を真の韓国人に戻すことができると信じていた。 教育効果を高めるためには、過去の日本統治がどれほど過酷だったかを持続的に注入し、日本を否定するようにしなければならなかった。 このような過程を通じて日本人化した韓国人の頭の中から「日本」を取り除き、本来の韓国人に直そうとした。
ここで注目すべき重要なポイントが登場する。 もし日本統治時代があれほど悪質で、ひどい貧困と苦痛と暗黒の時代だったとすれば、その時代を直接体験した韓国人たちに努力しながら反日教育をする必要はなかっただろう。
※前述の松本厚治氏は「親日と反日のキメラ(ギリシア神話で、ライオンの頭、山羊の体、蛇の尾をもつ怪物/二つ以上の異なる遺伝子型を有する生物体)」という表現をされていました。
黒田記者は、「日本統治がどれほど残忍で悪毒だったかを改めて教育しなければならなかったという事実は、実際の現実はそうではなく、日本という国家と国民が韓国人に悪いことだけを犯した存在ではなかったことを多くの韓国人が認識していたことを裏付けるものだ」と診断する。 そのために韓国人の反日はこのような反作用過程を経て教育を通じて意図的·計画的に形成されたというのが黒田記者の分析だ。
まとめると、韓国の反日現象は解放後の国家的·民族的必要性によって激化した。 さらに、日本統治時代を直接経験した旧世代より、直接体験なしに日本の悪い点だけ教育を受けた解放後、新世代で反日感情がさらに強くなる奇現象に直面した。
◆「邪悪な国」のイメージを煽る作業
グローバル化が進み、日本を旅行する韓国人が爆発的に増えた。 彼らは学校、マスコミ、政治家の扇動によって形成された「邪悪な日本」とは全く違う日本に衝撃を受ける。 きれいで親切な日本、アニメーションと文学、食べ物を通じた親近感が広がり、韓国人は日本に対する情緒的不一致現象にぶつかった。
こうなると、苦労して築いてきた「邪悪な日本」のイメージが大きく揺れることになるので、日本は「悪の存在」であることを刻印させる反日パフォーマンスが汎社会的に必要になった。 時折起こる慰安婦·独島·旭日旗·靖国神社参拝·日本製品不買運動などのイシューは、このような必要によって動員されたものだ。
〔画像省略〕時折起こる日本製品不買運動。 黒田記者は対日敵対感を持続させるためのマスコミの大々的な反日販売が日本製品不買運動の本当の理由だと診断する。
外交問題で特定国家の製品を絶対買うなという不買運動を挙国的に展開する国は、地球上で韓国を除けば見当たらない奇現象だ。 このような奇現象は、日本製品が韓国人の日常に広く浸透して定着したことを知らせるシグナルだ。 韓国人が日本製品や日本文化、日本歌謡、映画などをあまりにも好きになれば、日本に対する敵対感は消える。 黒田記者は対日敵対感を持続させるためのマスコミの大々的な反日販売が日本製品不買運動の本当の理由だと診断する。
著者の黒田記者の指摘の中で痛切に受け入れなければならない点は、韓国人が精神的疾病のように患っている被害者的歴史観だ。 韓国人は自分たちを日本の植民地支配による永遠の被害者と規定し、その延長線上で日本とのすべての関係を解釈·分析·適用する。 日本に対する韓国人の被害意識の中には、まだ満たされていない民族の恨みや自尊心が強く残っているということだ。
その結果、韓国人は自分たちに降りかかったすべての国家的不幸を日本のせいにする。 大韓帝国の亡国、他意による解放、分断、地域感情、分配の歪曲など、自分たちの過ちは一つもなく、すべてが日帝のせい、外国勢力のせいにする。
南北分断について韓国人は「日本がもう少し早く米国に降伏していたらソ連が介入する余地を与えなかっただろうし、そうなれば分断はなかっただろう」と日本を責める。 一部では、日本の降伏が速すぎて問題だったと攻撃する。 降伏が少し遅れたら光復軍が韓半島に進攻して日本を打倒し自力で解放を勝ち取っただろうという主張だ。
◆気に入らなければ勝手に歴史を改めなおして
このような主張に対して黒田記者は「韓国人の慢性病は『あった歴史』より『あるべきだった歴史』を重視する思考」と叱咤する。 歴史的事実(historical fact)に基づく歴史ではなく、気に入らない歴史は「本来こうすべきだった」というような内容に改めようとする心理だということだ。
※この思考は、2012年の”徴用工”裁判の差し戻し判断でも現れました。「韓国憲法の規定に照らすと、日帝占領期の韓半島支配は規範的観点から不法な独占に過ぎない」...本来はその当時の国際法などに照らして「不法か?不法で無いか?」が判断されるべきでしょう。韓国人は頻繁に現代の物差で過去を断じます。
中華思想によって日本より優越した民族だと信じている韓国人たちは、蛮族〔※原文は「오랑캐」(オランケ):女真族に対する蔑称〕、チョッパリ〔※쪽발이:日本人に対する差別用語〕や倭奴〔※왜놈〕と卑下していた日本に国を奪われたという事実をなかなか現実として受け入れることができない。 そのような事例の一つとして黒田記者は8·15解放を挙げる。 韓国の独立は連合国の対日勝利によって実現した。 韓国人はこのような事実を受け入れるには自尊心が傷つきすぎて、40年余りにわたる独立運動家の熱血苦闘による「自力による光復」と歴史を捏造した。 その結果、日本統治35年は日本に支配された悲惨な時代ではなく、日本と戦って勝った輝かしい抗日独立戦争の時代にすり替えられた。
※韓国の保守が、全く役に立たなかった李承晩の外国での独立運動(ロビー活動)を誇大に評価するのにも似ています。
〔画像省略〕著者は、韓国が韓日併合無効に執着する理由は、韓国が対日戦勝国になるべきだったが、併合のためにそうならなかったことに対する恨みの解釈だと分析する。
もう一つの洗礼は韓日併合無効宣言だ。 併合はすでに112年前に行われ、解放されて77年が過ぎたにもかかわらず、韓国が「併合無効」に執着する理由は何だろうか。
韓国が連合国に含まれず対日戦勝国になれなかった「歴史の恨」の根源が併合条約だと考えるためだ。 韓日併合条約が無効だという韓国側の主張は心情的に「私たちは日本と戦って勝った存在だから連合国の一員と規定し対日戦勝国の一員として受け入れてほしい」という恨の表出だというのが黒田記者の分析だ。
黒田記者は「あくまで過去は過去であるだけで、過去のことを現在に戻すことはできないのではないか」として現実をありのまま受け入れることが重要だと勧告する。
◆日本の問題なら「不法」まで容認する韓国政府
韓国の近代化と経済発展が日本の影響を受けたという事実は、国際的にもすでに常識となっている。 国交正常化の過程で、韓国は日本から5億ドルの経済援助資金(韓国は請求権資金、日本は独立祝賀金と解釈したが)と、これとは別に民間借款3億ドルを受領することで、過去の植民地支配と関連した補償問題は両国政府間で「完全かつ最終的に」解決された。 にもかかわらず、韓国は日本が補償しなかったと主張したことで、複雑な外交問題に飛び火した。
※ブログエントリー:【日韓基本条約】韓国への「独立祝賀金」(有償2億ドル/無償3億ドル)の使用用途内訳
〔画像省略〕駐韓日本大使館前に設置された少女像。
韓国人のほとんどは自分たちが永遠の被害者だと信じながら、日本に対する加害意識などは少しも意識しない。 しかし、立場を変えて考えてみよう。 韓国のNGO団体が駐韓日本大使館前に建てた慰安婦少女像は、韓国政府やソウル市の許可も受けず、大使館前の歩道の上に設置した不法施設だ。
外国公館に対する露骨な侮辱行為はウィーン条約にも反する行為だ。 日本政府の相次ぐ撤去要求にもかかわらず、国際法はもとより、国内法に違反した設置物を放置し続けている。 李明博大統領は京都で開かれた韓日首脳会談で、「日本が慰安婦問題を解決しなければ、第2、第3の慰安婦像が生まれるかもしれない」と述べ、日本を脅かした。
黒田記者は、「李明博大統領の発言は、不法の少女像施設を容認したも同然だ」と分析する。 日本大使館や総領事館前の不法慰安婦像を長年放置しただけでは足りず、国家が保護までしてくれるなんて!
「このように国家間の法治主義を無視する国を、どうして対話の相手として認めることができるだろうか」
これが日本で起きている嫌韓感情の最近の動向だ。
◆韓国を国家として認めない
韓国は政府が市民団体に胸ぐらをつかまれてあちこちに引きずられる国。 その結果、国家の権威と、それを支えるべき法治主義が崩れた国。 そのようなことが外交関係にまで影響を及ぼす国に転落した。
黒田記者は、「韓国はもはや国家としての賞味期限が完全に終わった」と診断する。 国内法·国際法を問わず法治が崩壊したので、これ以上国家として認められないという意味と解釈される。 日本の立場から見て法治よりも重要な問題は、歴史問題と関連して韓国が中国と手を組んで反日共同闘争の隊伍を形成しているという事実だ。
このような様子をインターネットを通じてリアルタイムで確認している日本では、「何を言っても無駄だから放っておこう」、「韓国はもう終わり!」、「ありがたさを知らない人たちだから、いくら難しくなっても助けてはならない」という怨恨論、あるいは離韓論が提起されている。
黒田記者は、韓国は半島国という地政学的条件で生き残るために周辺国を最大限利用しながら、互いに騙し合い騙し合う「綱渡り外交」を展開してきたと分析する。 日本はそのような韓国に振り回されてきたということだ。
韓日併合も、韓国としては最後の局面で「ロシアか日本か」という選択の岐路で、やむを得ず日本を選ぶしかなかったことだと思う。 結局、日本が韓半島を統治するようになったのは、自分も知らないうちに韓半島に深く引き込まれた「過剰介入」の産物だったと彼は分析する。
日本にとって韓半島は恐ろしい「ブラックホール」だ。 そのような事実を知らないまま、先輩世代が韓国に過度に介入した結果、苦い原罪を背負うことになった。 このような事実を歴史の教訓にしなければならないというのが、韓国専門家の黒田氏の分析だ。
◆二度と「ブラックホール」に引きずられてはいけない。
黒田記者は「海洋国家である日本は玄海灘を軽率に渡ってはならない」と話す。 「二度と『ブラックホール』に引きずられたり、深く足を踏み入れるな」という黒田記者の警告は言葉を変えれば、もう韓国が死んでも死んでも日本は構わないという意味に解釈される。
日本は自ら国家であることを放棄した韓国を正常な対話相手として認めないと決心したようだ。 日本の世論が黒田記者の主張のように「韓国はもう終わり!」状態を維持したら、韓国の未来はどうなるだろうか。
「反日にオールインするのに困難な時に頼れる大切な友邦を失うことが果たして韓国の国益に役立つ道なのか。」
『誰が歴史を歪曲するのか』という本で黒田記者はこのような質問を韓国の読者に投げかけている。
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黒田勝弘記者が『ペン&マイク』に出演した時の動画:누가 역사를 왜곡하는가? / 구로다 가쓰히로 산케이신문 서울 주재 객원 논설위원 [펜앤초대석] 〔誰が歴史を歪曲するのか。 / 黒田勝弘産経新聞ソウル駐在客員論説委員[ペンアンド招待席]〕 聞き手:金容三記者〕
記事や動画のコメント欄を読んでみましたが、まあ、金容三記者に日頃から共感している方が多いようで、よく日本関係の記事のコメント欄に見る「日本には酷いことをされたが、これからは韓日・韓米同盟を強化しなくてはならない」みたいなコメントとは一線を画するもの、日本統治時代や戦後の日本による経済協力をを正当に評価する方が多いようでした。
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