【”徴用工”裁判】公開討論会、その後
公開討論会(1月12日)以降の動きをまとめておきます。
◆局長級協議(16日)
『中央日報』の記事『「日本呼応時には発表可能」…強制徴用解決に速度出す韓国政府』(2023.01.17)によると、16日に東京で局長級協議が行われたそうです。
記事全体は後述しますが、
>外交部当局者はこの日の協議後に記者団と会い、「韓国が独自解決法を発表することも、日本の誠意ある呼応措置がなければならない場合もある」とし「日本の呼応措置が出てきて、これを土台に原告(被害者)一人ひとりを説得する過程が最も重要」と話した。政府はこの日の協議で、三菱重工業や新日鉄住金など賠償の直接的な責任がある「戦犯企業が財源づくりにいかなる形であっても参加し、大法院判決に伴う責任を負う姿を見せなければならない」と強調したという。
と、伝聞形式なのは、恐らく、徐旻廷(ソ・ミンジョン)外交部アジア太平洋局長の発言を、同席した役人が記者に伝えたのでしょう。これは事実だと思われるので、韓国側はなんとしても戦犯企業(笑)を基金に参加させる事を求めているようです。そして、その確約が取れた上で最終案を発表したいのだと思われます。
◆被告企業は「1965年で解決済み」
一方、『聯合ニュース』は被告企業に直接取材したようで、日本製鉄はノーコメントですが、三菱重工業は1965年で解決済みと答えたそうです。
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20230116004500882
徴用訴訟の日本被告企業 被害者への謝罪・賠償問題は「解決済み」
2023.01.16 17:05
【東京聯合ニュース】韓国政府が12日に開いた公開討論会で、徴用訴訟問題の解決策として韓国の財団が日本企業の賠償支払いを肩代わりする案を示した中、日本の被告企業が同問題はすでに解決済みという従来の立場を改めて表明した。
三菱重工業の関係者は16日、徴用被害者に謝罪し、財団に寄付する意向があるかという質問に対し、コメントを控えるとしたうえで、同問題は1965年の請求権協定で完全かつ最終的に解決済みという立場に変わりはないと回答した。賠償支払いを肩代わりする財団への寄付はできないとの意思を示したものとみられる。
別の被告企業である日本製鉄(旧新日鉄住金)も同じ質問に対し、コメントを控えると回答した。
◆日本の有識者(笑)が日本政府の姿勢を批判
また、日本国内では、またぞろ、”良心的日本人” がしゃしゃり出てきました。『中央日報』の記事です。
https://japanese.joins.com/JArticle/299997
日本の有識者ら、韓国財団の徴用被害者賠償支払いの「肩代わり」を批判…「禍根を残す」
01.17 10:43
>16日、日本で活動する学者、作家、法律家など知識人94人は、韓国財団が韓国企業の拠出金で徴用被害者に賠償金を優先支給する案を批判する内容の声明を発表した。
>声明に参加した小説家の法政大学の中沢けい教授、「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」の矢野秀喜事務局長、月刊『世界』の岡本厚元編集長らは同日、東京衆議院第2議員会館で記者会見を開いた。
矢野秀喜氏というのは、明治の産業歴史遺産が世界遺産に登録される会議で、ドイツのボンまで行って反対キャンペーンを行った人物です。衆議院会館で行われたのは、恐らく、共産党辺りが協力しているのでしょう。
◆被害者(笑)と支援団体は「謝罪が必須!」
また、自称被害者と支援団体は、解決よりもこの問題を永遠に終わらせたくない人達なので、「肩代わり案」に反対しています。しかし、間もなく、新たな被害者が250人追加されるので、原告の足並みは乱れていくでしょう。
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20230117004100882
徴用被害者「韓国の金は受け取らない」 財団肩代わり案に憤り
記事一覧 2023.01.17 16:45
>韓国南西部の光州で政府の解決策を非難する60の市民社会団体が開いた記者会見で、原告の梁錦徳(ヤン・クムドク)さんは「あした死ぬとしても、韓国がくれる汚い金は受け取らない」と述べた。「日本から金をもらうとしても、日本がひざまずいて謝罪するまではどんな金も受け取らない」とし、「私が望むのは日本の謝罪だ」と強調した。
最後に、冒頭にご紹介した記事に茶々を入れて終わりたいと思います。
* * * *
https://www.joongang.co.kr/article/25134012#home
"日 호응 시 발표 가능"…강제징용 해결 속도 내는 정부
https://japanese.joins.com/JArticle/299974
「日本呼応時には発表可能」…強制徴用解決に速度出す韓国政府
2023.01.17 07:46
16日、東京で開かれた韓日局長級協議では韓国政府が今年初めに発表予定の強制徴用被害者に対する「第三者弁済案」が集中的に話し合われた。ほぼ毎年「時」に合わせて繰り返される日本の「カレンダー性歴史挑発」で世論が悪化する前に問題を決着させるために、政府は速度を出している。 〔※『カレンダー性歴史挑発』とは、最後のパラグラフに書かれていますが、例えば「竹島の日」(2月22日)や「靖国参拝」(8月)のような韓国を刺激する行事の事のようです。〕
◇「戦犯企業参加が重要」
この日東京で開かれた局長級協議で、韓国の徐旻廷(ソ・ミンジョン)外交部アジア太平洋局長は船越健裕外務省アジア大洋州局長に、12日国会で開かれた「強制徴用解決案議論公開討論会」を通じて確認した国内世論を伝えた。当時の討論会で、韓国政府は日帝強制動員被害者支援財団を主体に、韓日企業寄付金などを受けて日本戦犯企業の代わりに被害者に支給する案を事実上公式化した。
外交部当局者はこの日の協議後に記者団と会い、「韓国が独自解決法を発表することも、日本の誠意ある呼応措置がなければならない場合もある」とし「日本の呼応措置が出てきて、これを土台に原告(被害者)一人ひとりを説得する過程が最も重要」と話した。政府はこの日の協議で、三菱重工業や新日鉄住金など賠償の直接的な責任がある「戦犯企業が財源づくりにいかなる形であっても参加し、大法院判決に伴う責任を負う姿を見せなければならない」と強調したという。
中央日報の取材によると、政府が近く日帝強制動員被害者支援財団を通した「併存的債務引受」案を公式に発表すれば、日本政府はこれに呼応して▽輸出規制の解除▽ホワイトリストの編入▽シャトル外交再開--の3つの措置を直ちに宣言することで内部の立場を固めた。〔←※情報ソースが明示されていない。〕 これに関連して、外交部当局者はこの日、「韓国側の解決案発表に当然続く正常化手順」と説明して事実上これを認めた。この当局者は「日本の誠意ある呼応措置が伴った解決法が発表されれば、当然シャトル外交も再開されて輸出規制措置も解除されるだろう」と話した。
※まるで日本側のリークがあったような書きぶりですが、そもそも「ホワイトリスト」なんて区分は今はもう無いし、捏造だと思います。外交部当局者に「これこれの情報を掴んでいるが、事実か?」とは質問したようです。「事実上これを認めた」と書きながら、外交部当局者の答えは、「そうなる可能性がある」というレベルに留まっています。
◇「求償権問題を避ける妙策」〔※と言いつつ、以下に妙薬なんて書かれてないのだが...〕
強制徴用被害者側は「第三者が財源を作るにしても、100ウォンであっても被告企業が参加しなければならない」と地道に要求してきた。外交消息筋は「日本政府が意志を持って出てくるなら戦犯企業はすぐに動くだろう」としながら、韓国が様々な山を乗り越えて解決策を作ってきたが日本も手をこまぬいてばかりではいけないという自省が日本政・財界内部からも少しずつ出ているとみられる」と話した。
戦犯企業が基金拠出に参加するのが今後求償権問題による論議の余地を減らす案という分析もある。国民大学日本学科の李元徳(イ・ウォンドク)教授は「第三者弁済の場合、求償権請求問題が残らざるをえないが、戦犯企業がいかなる方法であろうと拠出金バスケット(かご)の中に入ってくれば話が変わる」とし「戦犯企業が最後まで基金拠出に参加しなければ今後求償権請求問題の種火を自ら残すことになる」と説明した。
◇「カレンダー挑発」前に完了するのが目標〔※「3.1独立運動」記念日迄に尹政権は最終案を発表するだろう、という内容〕
現在、韓国政府は来月中に強制徴用賠償解決策を発表して韓日関係正常化の第一歩を踏み出そうという構想をもっている。昨年末、検討の末に水泡と帰した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の訪日を今年初めに推進する案も改めて考慮している。11年以上中断された韓日首脳間シャトル外交の出口を開くためだ。関係改善状況によって、今年5月に広島で開かれる主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)に尹大統領が招かれ、もう一度会談が開催されるのではないかという期待も出ている。
ただし、強制徴用問題解決のタイミングを逃した場合、毎年「時」に合わせて繰り返される日本の歴史歪曲(わいきょく)によって足を引っ張られる恐れがある。上半期だけでも来月末に竹島〔日本が主張する独島(トクド、日本名・竹島)の名称〕の日行事→3月歴史を歪曲する教科書検定→4月靖国春季例大祭→5月外交青書と7月防衛白書通した独島領有権ごり押し主張→8月敗亡日の靖国参拝などだ。
日本の歴史歪曲のたびに韓国政府は抗議の立場を表明して在韓日本大使館関係者を呼んだりしたが、このような悪循環が下手をすると強制徴用問題解決過程で国内世論に悪影響を与えかねないとの憂慮が出ている。すでに政府の強制徴用解決法に対して「屈辱的」としながら批判の声を高めている野党圏に攻勢の口実を与えることにもなる。政府が12日の公開討論会後、用意された問題解決の動力を継続して最大限来月中に可視的な成果を速やかに挙げようとしているのはこのためだ。
強制徴用問題解決の進展状況によっては、尹大統領の3.1節記念演説にのしかかる負担感も違ってくる。一部では国内支持率が停滞状態の岸田文雄首相が4月に地方選挙を控えているため、日本の立場としてもできるだけ選挙前に余裕を置いて解決策を用意しなければならないとの指摘もある。
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