【李舜臣・征韓の役】(番外編)130年前の日本人、朝鮮人と口論をする【朝鮮雑記】
『朝鮮雑記』(1894年/本間九介著)という本があります。〔この本については以前のエントリーの「◆『朝鮮雑記』について」参照〕
本間九介は新聞記者の肩書きで朝鮮を旅してリポートを書いていましたが、この当時、「浪人」と呼ばれる人達が、シナや朝鮮を密かに偵察していました。本間もその一人です。
『朝鮮雑記』は国会図書館データベースで原文を見ることができ、「李舜臣」や「征韓」と言うワードで検索すると、何カ所かが検索されますが、「東学党の魁首と遭う」〔魁首:首魁=かしら〕という章で、朝鮮の士人〔선비(ソンビ):儒学者などの知識層に属する人〕と遭って、筆談で文禄慶長の役の勝敗について話しています。
朝鮮士人:「あなた方の国では壬辰の役の事で我が国を敵視している人が多いのではありませんか?」
本間九介:(えっ? 壬辰の役は我が軍が大勝し、彼の国は大敗だ。大勝したのに彼の国の人を敵視する理由が無い。この質問は予想外だ。)「壬辰の役では八道(朝鮮全土)の草木をことごとくが我が軍に蹂躙されたのだが? 我が軍が全勝。」
と言いつつ、本間は「寡聞にして征韓史については詳しくない」と書いています。むしろ、その事で、日本人が一般に文禄慶長の役をどう認識していたかが分かります。
朝鮮士人:(全羅道の沿海や慶尚道の戦況を説明し、ついには、)「あなた方はこの歴史を黒歴史として、事実を伝えていないのではありませんか?」
本間:「小西(行長)・加藤(清正)等の全軍が釜山に上陸して破竹の勢いで慶尚・中清二道の中央を突破して京城(ソウル)に達したんだが。」「もし、あなた方が勝ったなら、どうして我が軍は八道(朝鮮全土)を、まるで無人の地を行くが如く蹂躙できたのでしょう? また、どうして2人の王子を捕虜にできたのでしょう?」
朝鮮士人:(顔を真っ赤にして)「嘘だ!嘘だ!」
現代の日本人と韓国人との言い争いみたいですね。
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