日韓両国でNPO団体への公金支出にメス?【colabo問題】
ブログ主は自分の意見を表明するというよりは「記録」のつもりで記事を書いています。現在は日韓関係に絞った韓国関連の記事を中心に書いているので、今回のエントリーはややそれから外れるのですが、似たような事が同時に、しかし対照的に起こっているので、エントリーしておこうと思います。
まずは、朝鮮日報(韓国語版)の社説をご紹介しますが、NPO団体(非営利の民間組織)への公金支出にメスを入れるという内容です。
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https://www.chosun.com/opinion/editorial/2022/12/29/6LJRVOKFPNHH5ELK5XH3QXHH2Q/
[社説]毎年5兆ウォンを受け取った各種団体は、今や国民の税金を「自分の金」と認識している
2022.12.290 3:22
文在寅 政府5年間、各種市民団体、協会、財団など民間団体に支援された国庫補助金が毎年4000億ウォン〔※約400億円〕ずつ急増したことが分かった。 朴槿恵 政府最後の年に3兆ウォン台だったのが昨年5兆ウォンを突破した。 巨大労組の財政のように今まで一度もまともに使途を覗き見たことのない「盲目の金」だ。
大統領室が公開した補助金不正受給·使用事例の中には南北協力基金を不正受領し監査院に摘発された対北朝鮮支援団体がこの事実を隠したままソウル市と行安部に支援金を申請し3600万ウォンを受け取った例、女性家族部支援対象に選定されたロウソク中高生市民連帯所属サークル5ヶ所が「政治的活動不可」方針を無視して反政府集会を主導した例などが含まれた。 西海公務員殺害の時点で平壌(ピョンヤン)旅行を広報した対北朝鮮支援団体、遺族支援金を金正恩(キム·ジョンウン)新年の辞学習に使ったセウォル号団体などもあった。 食事代、人件費、出張費の水増し、書類操作など古典的な会計不正事例は数え切れないほどだ。
しかし、2016年以後、政府が摘発した事例は153件、還収金額は34億ウォンに過ぎなかった。 全体31兆4665億ウォンの0.01%に過ぎない。 今回、大統領室が調べたのは、中央政府補助金が入った事業に限られた。 氷山の一角にならざるを得ない。 地方自治体が別途支援した事業、市·道教育庁を通じて支援した事業、公共機関が支援した事業は規模も把握できなかった。
ソウル市の場合、パク·ウォンスン市長在任10年間、民間補助金または民間委託金で市民団体に支援した税金が1兆ウォンに迫った。 支援金の半分以上が人件費に使われた。 彼らが与えた公務員のように国民の税金で月給を受け取ったのだ。 市と傘下団体の5級以上の役員の25%は市民団体と民主党出身に戻った。 市民団体が市の権力を掌握し、市民の税金を自分の金のように分けて食べた。 ソウルだけでなく全国で起きたことだ。 このような左派生態系、左派カルテルの構築を可能にしたのが目に見えない補助金だった。 新政権に入って、この「盲目の金」が少し途絶えると、全国各地でまるで自分の金を出せというように国民の税金を出せというデモが起きている。
これまで実態調査ができなかったのではなく、しなかったのだ。 ずさんな補助金管理体系を果敢に整備するという政府方針が、竜頭蛇尾になってはならない。 二度と国民の税金をめぐって「市民団体専用ATM(ATM)」という言葉が出てはならない。
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この記事で分かるように、大統領府からの上意下達で各省庁から直接補助を受け取っているNPO団体を調べた所、不正受給が多く見つかったという話です。
韓国の事をあまり褒めないブログ主ですが、尹錫悦政権は、内国問題に関して、特に文在寅政権の負の遺産の清算に関しては、非常に良くやっていると思います。そのため、岸田総理とは対照的に支持率も徐々に上がっています。
一方、日本では、一人の都民〔※SNSでは「暇空茜」(ひまそら・あかね?)の名前で活動している元ゲーム開発者の男性〕が、家出少女やDV日被害の女性などを対象に支援するNPO団体「colabo」〔※仁藤夢乃 代表理事〕に目を付け、自身で住民監査請求を行った所、珍しく、監査委員から、この団体の会計報告や都のチェックに非常に問題があるという回答が出ました。「珍しく」と書いたのは、大抵、住民監査請求は却下されるもので、その後に住民訴訟に発展するというのがよくあるパターンだからです。つまり、相当この団体に問題があると言う事です。
暇空茜氏が開示請求をした資料などから、計上されている費用に見合った活動実績がない事がネット上でバレ始め、仁藤夢乃(にとう ゆめの)氏の過去の言動からも、自分の活動資金(and 生活資金?)の為に女性支援を隠れ蓑にして公金を食い物にしているのではないか?という疑惑が持たれていました。
暇空茜
@himasoraakaneColaboの不正会計疑惑について行った住民監査請求の結果全文です
ざっくりまとめ
2月28日までに
・遡って調べろ、不正があったら返金とかさせろ
・区分守らせろ
・こんなクソ報告書で通すな
・按分しろ
・他に流用すんな
・宿泊、給食費に上限つけろ
・ちゃんと指導しろ〔添付画像省略〕
また、この団体を追及する過程で、colaboを支持するという人達が名乗りを上げ、フェミニスト系を中心とする左派系活動家の人脈が浮き彫りになったのでした。
実際、仁藤夢乃氏は、合宿と称して、保護した(?)女性達を沖縄県辺野古に連れて行き反基地活動に参加させたり、彼女自身、ソウルに行き、正義連の「水曜集会」に参加したりもしていました。当然、彼女の人脈には「西早稲田」界隈も含まれています。
これをもう少し広い視野で見ると、左翼ネットワークの大物が政府(省庁)に識者等として入り込み、NPO団体に公金を流すスキームを作っている構図も見えます。東日本大震災でも、もっともらしい名目のNPO団体が乱立し、公金を食い物にしていましたが、この頃からそういうスキームができあがったのだと思います。まともな団体には気の毒ですが、東日本大震災でできたあるNPOがなぜか沖縄に事務所を作り、その代表者が玉城デニー県知事の金庫番をやっている例もありました。 〔→沖縄のタマネギ男爆誕!玉城デニーと万国津梁会議、新外交イニシアチブ、公共事業を私物化か(2019-10-03)〕
つまり、韓国とは違った形ですが、官と民間団体との癒着が想像できるのです。
ここまでで分かるように、韓国ではトップダウン、日本では一民間人の告発という非常に対照的なスタートにも関わらず、似たような事が日韓同時に進行しているのです。
そして、もう一つ対照的なのは、韓国の場合は政府の発表なのでメディアが報じるのは当然ですが、日本の場合はネットではかなり大きな ”祭” となっているのに大手メディアがダンマリな事。
現在のところ、扱ったのは『SAKISIRU』(新田哲史 編集長)くらいでしょうか。
- Colabo問題、東京都監査委が「本件精算には不当が認められる」〔2022年12月29日〕
ただ、ちょっと気になるのは、『日経新聞』が急に「NPO25年『善意』の限界」と題してNPO問題をシリーズで取りあげ始めた事です。年明けにでもcolabo問題を報じる布石でしょうか?
面白い流れだと思ったので、ややブログ主の守備範囲からは外れますが、取りあげてみました。
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