【旭日旗】FIFAが旭日旗に敏感になったのはロンドン五輪(2012年)が契機
現在、カタールで行われているサッカーW杯2022で、スタンドで旭日旗を広げた日本人観客に、係員がしまうように指示したとして、韓国マスコミ、特に徐 坰徳(ソ・ギョンドク)教授が大はしゃぎしています。しかし、一方で、『朝鮮日報』が、「日本の『旭日旗』に敏感なのは韓国-FIFAだけ? 観客席のゴミ収集の善行だけを浮き彫りに」(2022.11.28/日 '욱일기'에 민감한 건 韓-FIFA 뿐? 관중석 쓰레기 수거 선행만 부각)という記事を書き、海外では旭日旗が注意された事など関心がないという記事を書いています。
以下、記事の一部機械翻訳です。
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〔前略〕旭日旗は国際大会の度に取り上げられる話題だ。 旭日旗は、日本が1940年代に太平洋戦争を起こし、アジア各国に侵攻した時に使用した軍旗だ。 日本帝国主義を象徴する。 政治的中立を強調するサッカーに使ってはならない道具だ。 2018年ロシアW杯当時、国際サッカー連盟(FIFA)のインスタグラムに日本旭日旗の応援写真が掲載され、議論を呼んだ。 日本-セネガルのH組1次リーグ第2戦の時、日本の応援団で旭日旗を振りながら応援する場面が全世界に放映され、大きな議論を呼んだことがある。
その後FIFAはサッカー場で日本ファンの旭日旗使用に対する深刻性を認知し、日本が出場する各大会ごとに「旭日旗使用禁止」に対する教育が行われている。 幸い、日本対コスタリカ戦にFIFAが素早い措置を取った。
実は旭日旗の使用に敏感なのは韓国とFIFAだけだった。 外信では日本ファンの善行だけを報道した。 日本のサッカーファンはコスタリカ戦が終わった後、再び自分たちが泊まった観客席のゴミを片付けて去った。 大部分のファンはゴミ袋を持参し、自分が座った観客席周辺のゴミを全て回収する姿が外信に捉えられた。
英国の大衆紙ザ·サンは「日本のサッカーファンは床を塵もなく作るために34度の蒸し暑さにもかかわらずゴミを立派に片付けた」と報道した。
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実際に国際的なスポーツではサッカー、つまりFIFAだけが旭日旗に敏感なようで、これは2012年から始まりました。
では、これは何が原因なのか?というと、ロンドン五輪のサッカーの3位決定戦〔日韓戦〕です。
よく言われる、奇誠庸(キ・ソンヨン)の猿まねパフォーマンス〔2011年1月25日の「AFCアジアカップ2011」準決勝「日本対韓国戦」〕は韓国で旭日旗の認知度が高まるきっかけではあるのですが、この行為自体は韓国内でも批判があり〔詳細後述〕、国際社会に向けて大々的な「反・旭日旗キャンペーン」が始まったわけではありません。
これはWikipediaの『戦犯旗』の項にも書いてあるのですが、日付を入れて時系列に並べるとよく分かります。
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cf. 2011年1月25日: 奇誠庸(キ・ソンヨン)の猿まねパフォーマンス
2012年8月10日午後: 李明博の竹島上陸
同日(日本時間8月11日3:45): サッカー3位決定戦キックオフ。
試合後に朴鍾佑選手が「独島は我が領土」のプラカードを掲げるパフォーマンス。これが問題になり、銅メダルを剥奪されるかどうか議論されると、韓国内に「旭日旗はいいのか!?」という批判が巻き起こる。
中央日報(2012.08.12):韓国ネットユーザーら、「旭日旗のほうが問題だ」
8月12日〔15日に更新の形跡あり〕: 韓国メディア『ニューデイリー』が初めて「戦犯旗」という造語を使う。
IOC, 日욱일승천기는 놔두고 독도만 문제?〔IOC、日本の旭日昇天旗はさておき独島だけ問題?〕
>「旭日昇天記」は普通の日本国旗とは異なり、赤色の中心から赤い線が旗の枠につながっている。 かつて、日本の侵略軍がこの旗を使用した。 そのため、アジアではこの旗を「戦犯旗」と呼ぶこともある。 今では日本の海上自衛隊がよく使う
>韓国のネチズンたちはIOCの行動について「旭日昇天期はできて太極旗はだめなのか」「IOCは本当にクール〔※冷静?〕ではない」「韓国の土地を韓国の領土と言うのが政治なのか」などの反応を示しIOCに抗議メッセージを送っている。
8月13日: 日本の体操選手のユニフォームが旭日旗だと、韓国の団体がIOCとFIFAに抗議
日 ‘욱일승천기 유니폼’은 놔두고 왜 박종우만… 비판 쇄도〔東亜日報(2012/8/13):旭日昇天旗ユニフォームは置いておいて、なぜ朴鍾佑だけ… 批判殺到〕
>オリンピックサッカー代表チームの朴ジョンウ選手が「独島セレモニー」で銅メダル剥奪の危機に瀕している中、日本の体操選手たちの「旭日昇天記」を形象化したユニフォームに対しては、何の問題も取り上げなかった国際オリンピック委員会(IOC)を批判する声が高い。 日本の男女体操代表選手たちは、日本軍国主義を象徴する旭日昇天期を連想させる文様が刻まれた服を着て、金メダル1個、銀メダル2個を首にかけたが、誰も異議を唱えなかった。
>ある非政府組織(NGO)が13日、これを問題視した。
「国連の意思を尊重する倫理的ファッションデザイナー委員会(UNファッション)」が主人公。 国連ファッションは、日本の体操選手がアジア人を死に追いやった行為の象徴である旭日昇天期を連想させる体操服を着たにもかかわらず、IOCがこれを表現の領域と認めたことについて、公平性に反するとしてIOCとFIFAに異議を申し立てることにした。
8月30日: 東京で行われたサッカーU-20女子ワールドカップの準々決勝で旭日旗が排除される
J-CASTニュース(2012年08月31日):ヤングなでしこ日韓戦で旭日旗没収 係員と客の言い合い動画アップも
>〔観客と係員がやり合っている動画を見ると、〕係員は旭日旗を掲げようとする観客に「使用することができないということで、ご遠慮いただいているんですよ」「FIFA(国際サッカー連盟)の判断によって、掲示することをご遠慮いただいているということなんですよ」と説明している。
>ツイッターでは実際に電話で問い合わせたという人が、「旭日旗を会場で掲出させるなというのはFIFAからの指示だったそうだ。指示は書面であった。指示の理由は韓国サポーターとのトラブル発生が予想されるため警備上の理由」「FIFAの指示によるもので、とにかくFIFAの調査待ちだそうです」と結果報告している。
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IOCは動かせなかったけど、8月13日頃の抗議でFIFAを動かすことには成功した、という訳です。そして、VANKも大々的なキャンペーンを開始します。
これを見ても分かるように、奇誠庸しかり、レーダー照射事件しかり、自分達が不利な状況になると論点をすり替えて逆ギレするという、韓国人のいつものパターンです。
最後に、旭日旗に関する論文をご紹介します。
- 『旭日旗問題に見る韓国ナショナリズムの新側面』 〔pp.12-13〕
Journal of International Cooperation Studies, Vol.27, No.1(2019.7)
2011 年1月25日に行われたサッカーアジアカップ準決勝における奇誠庸のパフォーマンスに起因するものだとする意見がある。まずこの点について見てみよう。当時の事件について、『日刊スポーツ』〔※韓国のメディア〕は次のように報じている。
奇誠庸が「猿真似パフォーマンス」について釈明するコメントを載せた。
奇誠庸は 26 日、自分のツイッターに、「観客席に旭日旗が掲げられているのを見て涙が出た」とするツイートを掲載した後、「弁解が必要なのか...私は選手である前に大韓民国の国民なのだが」と書いた。
つまり、う回的ながら「猿真似パフォーマンス」をした理由を明らかにしたのだ。旭日旗を見て怒りを抑えられなかったという意味だと解釈できる。旭日旗は日本帝国時代に使われた日本の軍旗で、現在は自衛艦旗だ。日本軍国主義の象徴だ。
奇誠庸は 25 日に行われたアジアカップ準決勝の韓日戦で、前半 23 分、ペナルティーキックを決めた後、カメラの前に走りより、頬を膨らませて左手で顔をかくふりをした。
とはいえ、この日本では大きく取り上げられたこの事件は、韓国ではさほど大きく報じられる事はなかった。例えば、韓国言論財団のデータベースにこの時期を掲載する中央紙8 紙のうち、この奇誠庸の「猿真似パフォーマンス」を旭日旗との関連で報じたのはソウル新聞一紙のみであり、中央日報においても「猿真似パフォーマンス」に対して否定的な観点からのコラムが 2 本書かれているに過ぎない。この事件に注目をしたのは主として、先の日刊スポーツをはじめとする、スポーツ新聞であり、一般紙やテレビ局の注目はさほど大きなものとは言えなかった。
しかし、重要な事が一つあった。それはこの事件の後、韓国の一部、とりわけインターネット上において旭日旗への注目が高まり、一つの言説を形作っていった事である。そしてこの様な言説には幾つかの特徴があった。
その第一は、旭日旗はナチスのハーケンクロイツに等しい存在だ、とする理解である。
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