【梨泰院雑踏圧死事件】セウォル号化していく雑踏事故
韓国では、予想通りと言うか、梨泰院の事故がロウソクデモに発展しました。
左派はロウソクを持ちだして尹錫悦大統領の退陣を要求、保守側もそれに対抗するという形ですが、保守派は調査の過程で明らかになりつつある警察の対応の不備を問題視しているように見受けられます。保守派の集会の動画を少し見ましたが、「法令と制度改善を通じて二度とこのような事故がないようにしてください」という横断幕を掲げていました。
カイカイ反応通信:「国民が死んでいく」…再びロウソクを持った市民たち=韓国の反応
確かに、報道を見ていると、警察、特に梨泰院がある龍山署やその署長(事故後に辞任)の動きには疑問を抱くのですが、これが日本であれば、市民が動くとしたら、恐らく第三者による事故調査委員会のようなものによる報告書が出た後ではないかと思います。この辺り、日本と韓国のデモ文化の違いを感じます。
ちなみに、既に警察の特別捜査本部が龍山警察署など8カ所に強制捜査に入りました。以前なら検察が捜査すべき案件ですが、文在寅政権末期(今年4月)に「検察捜査権完全剥奪法」を制定し、検察から6大犯罪(汚職、経済、公職者、選挙、防衛事業、大事故)の内、汚職と経済を残して取りあげたので、大規模事故の捜査は警察しか行えない為です。
ところで、政府は梨泰院を「特別災害地域」(특별재난지역)に指定しました。
規定を読むと、自然災害に適用されるように思えますが、大統領の宣言により指定されるとあります。〔自治体が大統領に要請する事もできる。〕
特別災害地域に指定されると、被災者や死傷者に対して様々な支援が可能になり、今回の事故でも、早々に、葬礼費や遺体の移送費などの支援を発表し、それ以外にも手厚い支援策を出した所、国民からの反発が起きています。
韓国語の記事〔ハンギョレ韓国語版:「梨泰院惨事」葬儀費·生計費支援…「税金支援反対」論争〕は長いので、要約した『サーチコリア』の記事から引用してご紹介します。
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https://news.livedoor.com/lite/article_detail/23154411/
韓国ネット民の9割が、“梨泰院惨事”の被害者支援を「不当」と感じる理由
2022年11月7日
〔前略〕「不謹慎だが、正しい税金の使い方とは思えない」
10月31日、韓国行政安全部はブリーフィングを開き、事故犠牲者に葬礼費を最大1500万ウォン(日本円=約150万円)まで支給するなど、移送費用支援などの内容を盛り込んだ被害者支援対策を発表。
遺族に対し自治体専担公務員がマンツーマンで必要な支援を行うほか、全国31カ所の葬儀場に公務員を派遣し、円滑な葬儀を助ける予定であることを伝えた。
また、負傷者に対しては実治療費を健康保険財政で優先的に代納する。〔※代納というのは、セウォル号の時に後ほど国庫から補填することにしたのと同様の措置と思われる〕このほかにも、遺族や負傷者などについては救援金とともに税金や通信料金などを減免したり、納付を猶予したりすることにしている。
こうした支援が発表された後、韓国では匿名のオンラインコミュニティでアンケート調査(351人)が行なわれた。
その結果、支援金の支給に対し「不当」と感じる人が95.4%(335人)に上り、「適切」と感じる人がわずかに4.6%(16人)しかいなかったことがわかった。
アンケート回答のなかには「梨泰院に集まった人は遊びに来た人たちだ。それに税金を投入するのはどうかと思う」「不謹慎だと思うが、税金の正当な使い方とは思えない」など、さまざまな意見が挙がっていた。
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おそらく、セウォル号事件で遺族がモンスター化して、当時の野党もこれを利用し、この事が引き金となって倒れた朴槿恵政権の二の舞にはなりたくないと思ったのでしょうが、自ら、雑踏事故をセウォル号化しているようにも思えます。
まだ、事故当日の状況も調査中だと言うのに。
この事故が特別災害地域と指定された事が妥当かどうかが問われそうです。
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