【韓国】「日韓併合不法論」はどこから来たのか?
最近、李宇衍(イ・ウヨン)博士が朴裕河・世宗大名誉教授の近著である『歴史と向き合う 日韓問題―対立から対話へ』〔毎日新聞出版 (2022/7/11)〕の書評のようなものを何回かに渡ってFacebookに書かれていました。この本は、毎日新聞の連載をまとめたもので、韓国語でも『역사와 마주하기』(歴史と向き合う)という同じタイトルで8月31日に出版されているので、韓国語での出版作業も同時期に進められていたのでしょう。
本来ならば、自分でこの本を読むべきですが、ここでは、11月17日付けの李宇衍博士の投稿をご紹介します。
それは、2018年の所謂 ”徴用工” 裁判の大法院判決に繋がる「日韓併合不法論」もまた、1990年代の初期に唱えられ始めたという事が書かれています。
ブログ主が様々な情報をまとめると、1987年の盧泰愚大統領候補による民主化宣言〔※盧泰愚氏は翌年大統領就任〕以降、活動しやすくなった韓国左派が、しかし、まだ監視の目が厳しい韓国国内ではなく、日本を舞台に朝鮮労働党と接触し、それを朝鮮総連や社会党が仲介して、90年代には更に日韓の左派が加わって活発に工作をし始めた、というのが大雑把な流れだと思います。
その目的は、11月21日付けエントリー『【慰安婦問題】日韓離間工作』でご紹介した論文〔※有馬哲夫教授とラムザイヤー教授の共著〕によると、「北朝鮮のミサイル・核開発から目を逸らす為」との事ですが、その手段の一つ、あるいは別の目的が、「韓国の赤化・傀儡化」であり、韓国の反日を利用した「韓米同盟の弱化」であると思います。更には「日本の軍事力増強の妨害」。日本国内の ”弱い輪” である沖縄には従北勢力が堂々とやって来て反基地活動を行っていた事は前回エントリーしました。
韓国人の ”情緒” のコントロールのしかたなど、同じ民族である北朝鮮にはお手のものでしょう。
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〔緑字はブログ主の補足。機械翻訳に誤字・誤訳の修正以外は、多少日本語として不自然でも機械翻訳ママ。〕
IV〔※書評シリーズの「4」という意味〕、 [韓日併合不法論]、[日本-韓国、ドイツ-ユダヤ人という組み合わせ]、[日本軍事的脅威論]
第4、5章にも様々な注目すべき叙述がある。 第一に、「韓日併合不法論」が1990年代から初めて提起されたという事実だ。 韓国ではソウル大学のイ·テジン〔※李泰鎭〕教授がこれを主張する本を1995年に発刊し、日本でも戸塚悦郎弁護士がこの問題を提起した。 戸塚氏は慰安婦問題を国連に持ち込み、1996年に人権委員会が「クマラスワミ報告書」を作成、採択するのに大きく貢献したが、評者から見れば「慰安婦問題のグローバル化」の先頭走者であり、現「慰安婦性奴隷説」の創始者である。
著者の脚注を確認すると、戸塚が「韓日併合不法論」を提起したのは1993年だ。 1993年、盧泰愚(ノ·テウ)元大統領は日本メディアとのインタビューで、「慰安婦問題は日本メディアが韓国人の反日感情に火をつけたことだ」と述べた。 韓国の反日は日本が始めたことだということだ。 日本の反日左派「良心勢力」は慰安婦問題を急造して韓国に輸出し、互いに両国を行き来しながら共同活動を行い、国連、北米、欧州などの国際舞台に進出した。 「韓日併合不法論」も同様ではないか疑ってみるべきだ。
著者の紹介によると、戸塚は「韓日併合不法」を主張することで朝鮮-日本関係を植民地-宗主国関係ではなく「交戦国」関係に置き換え、それで国際法上合法行為と認められる戦時徴兵や徴用さえも不法行為と規定し賠償を要求できる根拠を提示した。 それと共に慰安婦制度を「強姦」ではなく、交戦国国民に対する「人道に反する罪」、すなわち「戦争犯罪」として治罪できる論理的前提を作った。
雲をつかむ論理だが、韓国の裁判所はこれを受け入れた。 2018年10月30日、最高裁は4人の韓国人が日本新日鐵住金を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、被告が原告に1億ウォンずつを賠償せよと判決し、韓日関係を1965年国交正常化以後、最大の危機に追い込んだ。 この時、最も重要な判決論理が「日本政府の韓半島に対する不法植民支配および侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的不法行為を前提とする強制動員」ということだ。 2021年1月8日、元慰安婦ペ·チュンヒ他11人が日本政府を相手取って起こした訴訟で、ソウル中央地裁が原告勝訴を判決する際も、「日本帝国の韓半島と韓国人に対する不法な植民地支配および侵略戦争の遂行と直結した反人道的な不法行為」という論理が適用された。
今、韓国人は植民地末期の戦時動員をドイツのユダヤ人に対する反人倫的犯罪行為と似ていると考える認識·感情を持っている。 しかし、人々は自分のどんな考えがいつからどのように出てきたのかについては普通考えてみない。 著者はこのような考え方は2000年代に現れ始め、戸塚がかつて1990年代にこのような考え方を提起したという。 今も韓国人は「ドイツは謝罪して賠償したのに、日本はなぜしないのか」と話す。 ドイツ·ベルリンに慰安婦銅像を建てる時も、ドイツ人がユダヤ人に持つ罪意識に訴え、結局成功した。 朝鮮人をユダヤ人に比べるのは歴史的事実に照らしてみると、もちろん荒唐無稽なことだが、それはすでに国民の常識と情緒になってしまった。
著者は日本を「戦犯国家」と認識し、現存する軍事的脅威と見なす雰囲気も1990年代初めに慰安婦問題が突出した後のことだと説明する。 それまでは1965年の国交正常化当時でも漠然と「文化的侵略」を憂慮する水準〔※程度?〕だったということだ。
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ブログ主が何度か書いているように、第三者的立場であるラムザイヤー教授の論文さえも「妄言」と言って聞き入れる余地の無い韓国人を啓蒙できるのは韓国人しかいません。従って、その作業は金柄憲所長や李宇衍博士などにお任せするしかありませんが、今後は、慰安婦の真実(歴史的事実)だけでなく、北朝鮮による工作としての側面を明るみに出していく必要があると思います。
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