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2022年11月の20件の記事

2022/11/28

【韓国】何故か返還経緯は明かされない「柳成龍備忘録暦」

韓国に日本から、ある古文書が返還(?)されたという記事がありました。

それ自体はいいのですが、何か奥歯に物が挟まったような、返還の過程をぼかした記述で引っかかるので、備忘録として記録しておきます。

 

http://japan.hani.co.kr/arti/culture/45216.html
韓国語版:https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/1068651.html?_ga=2.35003746.2136877517.1669582824-451681523.1590005188
李舜臣将軍の最期の場面が書かれた「柳成龍備忘録暦」日本で発見、韓国に戻る
登録:2022-11-25 10:46 修正:2022-11-25 12:13

前略〕朝鮮時代の壬辰倭乱(文禄・慶長の役、1592~1598)当時、李舜臣(イ・スンシン、1545~1598)将軍が鷺梁海戦で最期を迎える状況を描写するように書いた当時の知人の直筆の記録が初めて世に出た。記録者と推定されるのは、李舜臣の親友であり名宰相だった柳成龍(リュ・ソンリョン、1542~1607)。開戦後、右議政と領議政を務め、戦時の政府を率いて抗戦を主導し、17世紀の朝鮮、中国、日本でベストセラーになった壬辰倭乱回顧録『懲毖録』を書いた人物でもある。文化財庁と国外所在文化財財団は24日、柳成龍が直筆で書いたと推定される16世紀の備忘録の暦が日本で発見され、韓国に持ち込まれたと発表した。〔後略

 

これ以外の箇所では以下のような記述があります。

国外所在文化財財団側は「京都大学のキム・ムンギョン名誉教授の情報提供で現地に所蔵された暦の存在を知り、文化財庁と国外所在文化財財団が数回調査を行って基本内訳を把握し、還収戦略を立てて交渉した末、9月に国内に持ち込むことに成功した」と伝えた。

 

「発見」などと書いていますが、上記のように韓国は海外の博物館などの所蔵品をチェックして、様々なやり方で返還要求をしています。恐らく、それが成功したが、詳しい入手方法を明かさないという約束でもあるのではないかと思います。

以前から狙われているのは、都内の市立美術館「大倉集古館」(ホテル・オークラ)にある石塔が有名です。〔記事後述〕 後にレプリカを造ったようですが、何度も調査に来ていました。言外には「略奪された」というニュアンスがあります。

うろ覚えで恐縮ですが、古文書か何かを調査に来た時は、「我々が調べている間、美術館員は片時も目を離さなかった」というような記事も見たことがあります。〔そりゃ、警戒するでしょw〕

 

2018年の大法院判決で分かるように、募集に応じて対価を得て労働していた朝鮮人が、「不当な植民地支配」という理由で被害者になれる国なので、正当に購入した美術品等も同じ理由で略奪される可能性があります。

 

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20110513002600882
日本の私立美術館に南北石塔の返還要求、韓国団体
記事一覧 2011.05.13 16:41

【東京13日聯合ニュース】大韓仏教曹渓宗中央信徒会など文化財返還運動を行う団体が13日、日本の私立美術館・大倉集古館に対し、同館が所蔵する平壌栗里寺跡伝来の八角五重塔と利川浄土寺跡伝来の五重塔を返還するよう求めた。

 両団体は、こうした内容の書簡を大倉集古館に送付。朝鮮仏教徒連盟から法律的権利を委譲されたとし、今後、訴訟など各種法的措置を行うこともあると述べている。日朝国交正常化の過程で栗里寺跡八角五重塔の返還が問題となれば日本側に不利になるが、大倉集古館が決断し、2つの石塔を南北にそれぞれ返還すれば、北東アジアの和解を引き出すことができると主張した。

 曹渓宗中央信徒会などによると、栗里寺跡八角五重塔は、高麗時代に建立され現在は寺跡が残るだけの栗里寺にあったもの。大倉集古館を設立した実業家の大倉喜八郎が、1910年代に日本に持ち出したとみられる。

 利川浄土寺跡五重塔は、高麗時代に利川市官庫洞に建立されたが、朝鮮総督府が1914~1915年ごろ景福宮に移したものを、大倉喜八郎が1918年に日本に持ち出した

 

cf. Wikipedia:朝鮮半島から流出した文化財の返還問題

 

  

  


 

 

 

2022/11/27

【サッカーW杯】「スプーンを載せる」(숟가락 얹다)

キムチわさびさんの最新動画で面白い表現を知りました。

 

 

▲【韓国の気になるニュース】W杯日本の失点時と勝利後の反応/카타르 월드컵과 한국 그리고 일본

 

サッカーW杯の組み合わせ抽選で日本が「死の組」に入ったと知った時は、「ざまあみろ」と嘲笑しておいて、日本がドイツに勝ったら、急に「アジア」という括りを持ち出して、「これからはアジアの時代だ!」、「アジア同士頑張ろう!」とか「西欧は今までアジアを迫害してきた」などとヨーロッパ批判をしだす韓国人に苦言を呈する動画です。

 

ブログ主は、日頃日韓関係では腹を立てる事が多すぎて(笑)、こんな事は気になりませんが、ふと、これはある種、韓国人の『処世術』ではないかと思いました。ちゃっかりと「勝ち組に」入り込んで良い気分になるという。所謂、「勝馬に乗る」というタイプ。

そういえば、メジャーリーグの大谷選手の活躍も、「アジアの宝」とか言って喜んで応援している様です。

 

サウジアラビア・日本「こっち来んな!w」

 

それで、ハングルのコメントを読んでいて気になる表現がありました。

それは「スプーンを載せる」(숟가락 얹다)という表現。

調べて見たら、「用意された食卓にスプーンを載せる」(차려진 밥상에 숟가락 얹기)という慣用表現があるそうで、料理を作ることには貢献せずに、できあがった膳にスプーンを置くだけ、という事に由来しているそうです。要するに「ただ乗り」ですね。

成功したプロジェクトに何も貢献していないのに、手柄だけはちゃっかりと受けとるような時に使うそうです。

 

以前、李相哲教授が仰っていたのですが、韓国では選挙活動の終盤には候補者は「勝ちました!」と言うそうです。つまり、「バンドワゴン効果」(勝馬に乗る)を狙ったものです。一方、日本の候補者はと言うと、「厳しい戦いを続けております!」と、「アンダードッグ効果」(判官贔屓)を誘う言い方をします。どっちが有権者にアピールするかという違いですね。

何気ない所に、気質みたいなものが垣間見えて面白いと思いました。

 

  

  


 

 

 

2022/11/26

【韓国】「日韓併合不法論」はどこから来たのか?

最近、李宇衍(イ・ウヨン)博士が朴裕河・世宗大名誉教授の近著である『歴史と向き合う 日韓問題―対立から対話へ』〔毎日新聞出版 (2022/7/11)〕の書評のようなものを何回かに渡ってFacebookに書かれていました。この本は、毎日新聞の連載をまとめたもので、韓国語でも『역사와 마주하기』(歴史と向き合う)という同じタイトルで8月31日に出版されているので、韓国語での出版作業も同時期に進められていたのでしょう。

本来ならば、自分でこの本を読むべきですが、ここでは、11月17日付けの李宇衍博士の投稿をご紹介します。

それは、2018年の所謂 ”徴用工” 裁判の大法院判決に繋がる「日韓併合不法論」もまた、1990年代の初期に唱えられ始めたという事が書かれています。

ブログ主が様々な情報をまとめると、1987年の盧泰愚大統領候補による民主化宣言〔※盧泰愚氏は翌年大統領就任〕以降、活動しやすくなった韓国左派が、しかし、まだ監視の目が厳しい韓国国内ではなく、日本を舞台に朝鮮労働党と接触し、それを朝鮮総連や社会党が仲介して、90年代には更に日韓の左派が加わって活発に工作をし始めた、というのが大雑把な流れだと思います。

その目的は、11月21日付けエントリー『【慰安婦問題】日韓離間工作』でご紹介した論文〔※有馬哲夫教授とラムザイヤー教授の共著〕によると、「北朝鮮のミサイル・核開発から目を逸らす為」との事ですが、その手段の一つ、あるいは別の目的が、「韓国の赤化・傀儡化」であり、韓国の反日を利用した「韓米同盟の弱化」であると思います。更には「日本の軍事力増強の妨害」。日本国内の ”弱い輪” である沖縄には従北勢力が堂々とやって来て反基地活動を行っていた事は前回エントリーしました。

韓国人の ”情緒” のコントロールのしかたなど、同じ民族である北朝鮮にはお手のものでしょう。

 

* * * *

〔緑字はブログ主の補足。機械翻訳に誤字・誤訳の修正以外は、多少日本語として不自然でも機械翻訳ママ。〕

IV〔※書評シリーズの「4」という意味〕、 [韓日併合不法論]、[日本-韓国、ドイツ-ユダヤ人という組み合わせ]、[日本軍事的脅威論]
第4、5章にも様々な注目すべき叙述がある。 第一に、「韓日併合不法論」が1990年代から初めて提起されたという事実だ。 韓国ではソウル大学のイ·テジン〔※李泰鎭〕教授がこれを主張する本を1995年に発刊し、日本でも戸塚悦郎弁護士がこの問題を提起した。 戸塚氏は慰安婦問題を国連に持ち込み、1996年に人権委員会が「クマラスワミ報告書」を作成、採択するのに大きく貢献したが、評者から見れば「慰安婦問題のグローバル化」の先頭走者であり、現「慰安婦性奴隷説」の創始者である。

著者の脚注を確認すると、戸塚が「韓日併合不法論」を提起したのは1993年だ。 1993年、盧泰愚(ノ·テウ)元大統領は日本メディアとのインタビューで、「慰安婦問題は日本メディアが韓国人の反日感情に火をつけたことだ」と述べた。 韓国の反日は日本が始めたことだということだ。 日本の反日左派「良心勢力」は慰安婦問題を急造して韓国に輸出し、互いに両国を行き来しながら共同活動を行い、国連、北米、欧州などの国際舞台に進出した。 「韓日併合不法論」も同様ではないか疑ってみるべきだ。

著者の紹介によると、戸塚は「韓日併合不法」を主張することで朝鮮-日本関係を植民地-宗主国関係ではなく「交戦国」関係に置き換え、それで国際法上合法行為と認められる戦時徴兵や徴用さえも不法行為と規定し賠償を要求できる根拠を提示した。 それと共に慰安婦制度を「強姦」ではなく、交戦国国民に対する「人道に反する罪」、すなわち「戦争犯罪」として治罪できる論理的前提を作った。

雲をつかむ論理だが、韓国の裁判所はこれを受け入れた。 2018年10月30日、最高裁は4人の韓国人が日本新日鐵住金を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、被告が原告に1億ウォンずつを賠償せよと判決し、韓日関係を1965年国交正常化以後、最大の危機に追い込んだ。 この時、最も重要な判決論理が「日本政府の韓半島に対する不法植民支配および侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的不法行為を前提とする強制動員」ということだ。 2021年1月8日、元慰安婦ペ·チュンヒ他11人が日本政府を相手取って起こした訴訟で、ソウル中央地裁が原告勝訴を判決する際も、「日本帝国の韓半島と韓国人に対する不法な植民地支配および侵略戦争の遂行と直結した反人道的な不法行為」という論理が適用された。

今、韓国人は植民地末期の戦時動員をドイツのユダヤ人に対する反人倫的犯罪行為と似ていると考える認識·感情を持っている。 しかし、人々は自分のどんな考えがいつからどのように出てきたのかについては普通考えてみない。 著者はこのような考え方は2000年代に現れ始め、戸塚がかつて1990年代にこのような考え方を提起したという。 今も韓国人は「ドイツは謝罪して賠償したのに、日本はなぜしないのか」と話す。 ドイツ·ベルリンに慰安婦銅像を建てる時も、ドイツ人がユダヤ人に持つ罪意識に訴え、結局成功した。 朝鮮人をユダヤ人に比べるのは歴史的事実に照らしてみると、もちろん荒唐無稽なことだが、それはすでに国民の常識と情緒になってしまった。

著者は日本を「戦犯国家」と認識し、現存する軍事的脅威と見なす雰囲気も1990年代初めに慰安婦問題が突出した後のことだと説明する。 それまでは1965年の国交正常化当時でも漠然と「文化的侵略」を憂慮する水準〔※程度?〕だったということだ。

* * * *

 

ブログ主が何度か書いているように、第三者的立場であるラムザイヤー教授の論文さえも「妄言」と言って聞き入れる余地の無い韓国人を啓蒙できるのは韓国人しかいません。従って、その作業は金柄憲所長や李宇衍博士などにお任せするしかありませんが、今後は、慰安婦の真実(歴史的事実)だけでなく、北朝鮮による工作としての側面を明るみに出していく必要があると思います。

 

  

  


 

 

 

2022/11/23

【慰安婦問題】ソウルの慰安婦像の周りでピケを張る「民衆民主党」党員は沖縄でも反基地活動をしていた

以下は『夕刊フジ』の記事です。

https://www.iza.ne.jp/article/20221122-LMQ2GF2RBJPUXGI6JCARSYA2X4/
慰安婦運動の背後に北朝鮮か 日本大使館前の少女像守る「大学生団体」は従北政党メンバー 韓国人ジャーナリストが欺瞞性を激白
11/22(火) 17:00

韓国人ジャーナリストが、慰安婦運動の欺瞞(ぎまん)性を激白した。ソウルの日本大使館前に設置されている「平和の少女像」を守る活動を行っていた「大学生団体」が、「従北」の政党メンバーだと明らかにしたのだ。朝鮮半島の赤化統一に野望を燃やす北朝鮮が日米韓の連携を崩す材料の一つとして、慰安婦運動を利用している可能性があるという。

北朝鮮はいまだに統一をあきらめていない。韓国の安全保障を支える日米との協力関係を崩すことで、自分たちの目標を達成したいと思っている。その方法の一つが慰安婦運動だ

韓国で慰安婦運動の問題点を追及するフリージャーナリスト、朴舜鍾(パク・スンジョン)氏は夕刊フジの取材に対し、北朝鮮の狙いをこう読み解いた。〔以下略

 

朴舜鍾氏は、11月16日に行われた「慰安婦問題を巡る日韓合同シンポジウム」でこの件について講演をされました。下の動画です。〔プレゼン資料(p.36~):https://i-rich.org/wp-content/uploads/2022/11/2022.11.16_Symposium.pdf

 

 

 

日韓情報(ゆんばん)少女像守り反日行動の正体(フリーランス記者パクスンジョン)

 

朴舜鍾氏のプレゼンをかいつまんで言うと以下のようになります。

彼らは、最初「反安倍反日青年学生共同行動」と名乗っていましたが、現在は「反日行動」と名乗り、慰安婦像を守るために座り込みをしています。

一見、義憤に駆られた若者が行動を起こしたように見せかけて、実は従北の「民衆民主党」の党員であり、その前身は「自主統一と民主主義のためのコリア連帯」と言って、2016年に国歌保安法上の利敵団体と認定されました。〔夕刊フジの記事には「自由統一と~」と書かれていますが、「自主統一と~」が正しい。

共同代表のチェ・ドクウォン氏は、1992年に「朝鮮労働党中部地域党事件」で逮捕・投獄され、1999年に大統領特別赦免で釈放された人物です。

  

調べたら、民衆民主党は沖縄にも反基地活動のために来ていました。〔民衆民主党のサイト:http://pdp21.kr/?cat=279

下の画像は、サイトを機械翻訳してキャプチャしたものです。

 

20221123_pdp_in_okinawa01

手にしているプラカードには「民」と漢字で書かれたロゴが確認できます。

 

20221123_pdp_in_okinawa02

 

彼らの目的は北朝鮮のために日米韓の三角同盟を壊す事にあるのは間違いないでしょう。

 

  


 

 

 

2022/11/22

【韓国】福島の原子力処理水【反知性主義】

韓国の『ハンギョレ新聞』(日本語版)に処理水に関する面白い記事がありました。書いたのは、チェ・ジョンイム・世明大学ジャーナリズム大学院長という人物です。肩書からも分かるように専門家ではありません。

 

* * * *

https://news.yahoo.co.jp/articles/7c32418270ddc2ae1075480542a8a70c41739bd6
韓国語版URL:https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1068224.html

[寄稿]日本政府と東京電力を信頼できない理由
11/22(火) 6:49配信

 コラムには妥当な話だけを書こうと努めているが、「もしかすると自分が間違っているかもしれない」という前提で考えるようにしている。だから、コメントなど読者の意見も、参考にできる部分がないか、熱心に読み込む。先月、コラム「原発汚染水が福島から放出される時」に反論した11月17日付の読者投稿「福島原発汚染水の危険、正確な情報で判断すべき」も、うれしい気持ちで読ませていただいた。ただ、「事実と科学ネットワーク」の活動家が書いたその文は、同団体を構成する原子力関係者の従来の主張をほとんど繰り返す内容だった。

 福島原発事故に関する国内の原発賛成派の関係者の意見は「日本政府および東京電力と同一」のように思える。汚染水は多核種除去設備(ALPS)で放射性物質を濾過して安全な「処理水」になっており、この設備で濾過できないトリチウムは海に放出しても害がないという主張だ。 また、福島で小児甲状腺がん患者が多く出たのは過剰診断の結果であり、被曝水準が低いため、健康被害は全くないと主張している。放射性物質が大量に検出された福島産の魚を思う存分食べても大丈夫だと言っている。彼らは国際放射線防護委員会(ICRP)など原子力支持派団体の基準を論拠に挙げ、欧州放射線リスク委員会(ECR)など代案組織の異見は排斥する。

 一方、国内外の反核環境団体と医学者などはこれに反論する。〔以下、理由が続く。省略

* * * *

 

面白いのは、素人が書いたコラムに原子力の専門家がコラムのコメント欄で反論し、その素人が環境団体などの意見で再反論する、という所ですが、韓国でも、専門家は以前から処理水の放出には問題無いという意見を出していました。

記事を探そうとしたら、シンシアリー氏のブログが見つかったので、それをご紹介します。

 

2つ目のブログエントリーの元記事は『朝鮮日報』ですが、面白いことに、ブログにリンクが貼られているNAVERの記事つまり、Yahoo!ニュースのように転載された記事〕のコメント欄は、「お前がその水を飲め」とか「土着倭寇」とか、感情的なコメントが上位に見られ、大元の記事のコメント欄は、「まるで焚書坑儒だ」、「科学的に見ろ」、「放流しても韓国に到達する時には希釈されている」といった、政権を批判するコメントや科学的な反論で埋め尽くされています。

現在、処理水の記事があると、コメント欄は上記NAVERのコメント欄のようになります。韓国人も、きちんとした説明があれば理解する人達はそれなりにいるのでしょうが、政府が専門家の意見を参考にしない、メディアが報じない事で、偏った情報のみインプットされてしまうのでしょう。

BSE騒動、即ち、韓国人は先天的に今日牛に罹りやすい遺伝子を持っているという『MBC』のデマを発端とするろうそくデモの時には、なぜ専門家が正しい情報を流さないのだろう?と不思議に思ったのですが、恐らく、この時もそういう声はかき消されていたのだと思います。

 

最後に、尹錫悦大統領の就任演説の一部をご紹介します。

これは、確かブログ主が原文を機械翻訳して保存していたものだと思います。

 

これらの〔=共同体の結束が瓦解している〕問題を解決すべき政治は、
いわゆる民主主義の危機によって
本来の機能を果たせずにいます。
最も大きな原因として挙げられるのが
反知性主義です。
見解の異なる人々がお互いの立場を
調整し妥協するためには
科学と真実が前提にならなければなりません。
それが民主主義を支える
合理主義と知性主義です。
国家間、国家内部の行き過ぎた集団的葛藤によって
真実が歪曲され、
各自が見て聞きたい事実だけを選択したり
多数の力で相手の意見を抑圧する反知性主義が
民主主義を危機に陥れ
民主主義に対する信頼を害しています。
このような状況が私たちの直面している問題の解決を
もっと難しくしています。
しかし、私たちはできます。

 

できると言うならやってもらおうじゃありませんか。

 

 

  


 

 

 

【慰安婦問題】日韓離間工作

前回のエントリーで、「動機となるものは何が先かは分かりませんが、〔大韓航空機爆破事件で〕拉致問題がクローズアップされたことで、北やそのシンパによる日韓離間工作の激しさが増したのではないか思います。」と書きました。

この意味は、「慰安婦問題は日韓離間工作の手段であり、その動機は拉致問題だけではない」という事なのですが、有馬哲夫教授やラムザイヤー教授は、『Comfort Women: The North Korean Connection』(『慰安婦問題と北朝鮮コネクション』August 8, 2022)という論文を書き、慰安婦問題を「北朝鮮のミサイル・核開発から目を逸らす為」の手段と論じていますが、いずれにしても、目的は、日本と韓国が北朝鮮を共通の敵として結束するのを妨害するためです。

このエントリーでは、これに関連した『Japan Forward』の2つの記事をご紹介します。

  1. 慰安婦問題と北朝鮮コネクション〔2022/10/26、有馬哲夫〕
  2. 「偽りの歴史」を暴く〔2022/11/21、Japan Forward編集部〕

 

1は前述の論文を要約した物で、動機はともあれ、「慰安婦問題は、基本的に北朝鮮の日韓離間プロパガンダ工作」と結論づけています。2は更にそれを総括したような内容です。是非、ご一読下さい。

1で言及されている朴斗鎮(パク・トゥジン)先生の考察は、下記のエントリーにまとめてあります。

 

 

  


 

 

 

2022/11/21

慰安婦問題を巡る日韓合同シンポジウム 、『赤い水曜日』日本出版記念金柄憲博士の記者会見

今月の16日、17日と、都内で慰安婦問題を巡る日韓合同シンポジウムと金柄憲(キム・ビョンホン)博士の記者会見が行われました。

主催は『一般社団法人 国際歴史論戦研究所』で、報告は『なでしこアクション』のサイトにもあるので、ここにそのリンクを貼っておきます。リンク先には各種動画も掲載されています。

 

* * * *

冒頭、西岡力教授がお話になったように、韓国で慰安婦像の撤去や慰安婦被害者保護法の撤廃を求めて活動されている方々は、日本の為にではなく、韓国の為に『反(アンチ)反日』活動を行っていらっしゃいます。

そこには、慰安婦問題の解決という部分で、日本の名誉や日本人の尊厳を守ろうとする日本人と共通するものがありますが、まずは、韓国国内に蔓延る「反日種族主義」を打破しなくてはなりません。その為に韓国で活動される金柄憲所長や李宇衍(イ・ウヨン)博士、李承晩学堂等の皆さんは、慰安婦問題のみならず、日本統治時代の誤解を解こうと活動していらっしゃいます。

また、直接慰安婦問題に関わっている訳ではありませんが、『反日種族主義』の共著者のお一人のキム・ヨンサム氏(ジャーナリスト)はネットメディアの『ペン&マイク』で歴史講座を講義しており、近代史を詳しく解説しています。〔個人的には、日韓の歴史の誤解を解くには、李朝末期に遡って、ここから歴史認識を正していかないと、日韓のもつれた糸はほどけない思います。〕

残念ながら、日本人がいくら韓国人相手に説明しても、大多数の韓国人は聞く耳を持たないので、韓国内での啓発は韓国人に頼るしかありません。その為に、日本の専門家と連携して情報の共有化を図る機会が増えるのは良いことだと思います。

上述した方々以外にも、主に『メディアウォッチ』というインターネットメディアが、日本人が著した研究書を韓国語訳して出版しており、反日種族主義と戦う韓国人の理論武装に貢献しています。

残念ながら、韓国で出版された『赤い水曜日』は、名誉毀損で訴えられており、現在販売停止中ですが、〔複数箇所の訂正が必要とのことです。〕 このように、”武器” はある程度揃ってきており、あとはこれをどうやって広めていくか、と言う段階に来ていると感じます。

 

▲日本で『赤い水曜日』が多く売れれば、韓国版の再出版も可能になると思います。

 

「慰安婦の事実」以外に何を広報すべきかについては、今回のシンポジウムでの朴舜鍾氏(パク・スンジュン/ジャーナリスト)の講演がヒントになった様に思います。

それは、挺対協(正義連)や、慰安婦像の周りでピケを張っている団体の正体を明るみに出す事です。

挺対協に関する多くの韓国人の認識は、いまだに「正しい事をやっていたが、尹美香(ユン・ミヒャン)が気の毒なおばあさん達を金儲けに利用した」という程度だと思います。

しかし、そもそもの挺対協の成り立ちには北朝鮮が背後にあり、これに韓国の従北左派や日本の北朝鮮シンパ(社会党や朝日新聞)が連携しての「日韓離間工作」機関です。

* * * *

 

ご存知のように、慰安婦問題がクローズアップされたのは1990年代ですが、ブログ主は、1987年に北朝鮮工作員によって行われた「大韓航空機爆破事件」が一つの重要な節目になったのでは無いかと思っています。

まず、この事件自体、ソウルオリンピック(1988年9月17日~)に対する妨害が目的だったようですが、日韓離間工作の側面を持っています。

実行犯は日本人のパスポートを所持しており、もし金賢姫(キム・ヒョンヒ)工作員の自殺が成功していたら、あれほど早く北朝鮮の仕業だとは分からなかったでしょう。

そして、生き残った金賢姫工作員の口から、彼女を教育した女性として李恩恵(リ・ウネ)こと、田口八重子さんの名前が出たことで、日本人全員が拉致問題を認識しました。これが無ければ、日本人にとって大韓航空機爆破事件は、大事件ではありますが、ラングーン事件(1983年10月9日)などと共に幾つもある北による韓国へのテロ攻撃という認識で終わった事でしょう

それ以前の1980年代から、拉致問題は一部には報道されていましたが、当時はインターネットも普及しておらず、特定の新聞の読者とか、たまたま報道を目にした人にしか知られていませんでした。しかしこの事件で日本人の拉致問題に対する関心が高まり、憎悪が北朝鮮に向きました。

これは北朝鮮にとっては大誤算だったのではないでしょうか。

日韓はそれぞれ関心事は異なりましたが、この事件が日韓共通の問題となったことに北朝鮮は危機感を募らせたのではないかと思います。

 

ブログ主は慰安婦問題を日韓の離間工作に利用するだけでなく、朝鮮女性の拉致問題とする事で、徐々に日本人が気付き始めていた北朝鮮による拉致事件を封じ込める目的もあったのではないかと思っています。

最初に朝鮮人(女性)を拉致したのは日本ではないか、と。

動機となるものは何が先かは分かりませんが、拉致問題がクローズアップされたことで、北やそのシンパによる日韓離間工作の激しさが増したのではないか思います。

1991年、韓国と北朝鮮が国連に同時加盟すると、翌年の1992年には、日本海の呼称変更を南北共同で提案する等と言うこともしています。〔ブログエントリー

当時は右派で軍人出身の盧泰愚大統領(1988年2月25日~1993年2月24日)でしたが、その前の民主化宣言以来、北朝鮮、韓国の左派、日本の左派が連携しやすくなっていました。

このような状況を背景に生まれたのが挺対協です。

こうした事は、慰安婦問題に関心がある日本人にはある程度知られていますが、今後、挺対協の本当の目的が日韓離間工作だと言う事を韓国において広めていく活動が重要になると思います。

 

 

  


 

 

 

2022/11/20

【隣の日本人】「お詫び」に対する受け止め方、日韓の違い

たまたまある本を読んでいて知った『隣の日本人』〔韓水山 著、方千秋 訳/1995年9月1日/徳間書店〕を読みました。

商品の説明には、「韓国人作家が住んでみた日本は、反日教育で植えつけられたイメージとはまったく違う国だった…。日韓相互理解の原点を探る比較文化論。」とあります。

Amazonの読者レビューを見ると星一つのレビューが1件ありますが、これは本の内容ではなく、現在(レビュー当時の2020年)の著者の ”徴用工” に対する見解などを批判しているのであって、書評とは言えないと思います。

著者に関しては詳しくは後述しますが、1946年生まれ、つまり、「解放」直後に生まれた小説家で、1988年に日本に一家4人で移り住み、3年ほど滞在する中で感じた日韓の違いや相似点を書いた本です。帰国したのは、ある時に韓国から日本に戻った時に居心地の良さみたいなものを感じた時に、作家としてそれではいけない、そろそろ帰るべきだと思ったからだそうです。刺激を感じなくなったという事でしょう。

比較はしてもさほど批判はしていないので、ブログ主は好感が持てました。ところどころ、皮相的だったり、勘違いもありますが、それは韓国人故にそう解釈するのだろうと、読者に分析の余地が与えられます。

例えば、公園で一人でベンチに座って昼食(弁当)を食べるサラリーマンを見て、仲間外れにされたのだろうと書いていましたが、韓国では一人で食事をする事は「仲間がいない」惨めな事だと考えるからでしょう。

こういう本は、現在も続々と出版されますが、古い本(1995年発刊)が面白いのは、日韓の違いだけでなく、現在とその当時の違いも感じられるからです。

 

前置きが長くなりましたが、「日韓の言語感覚」と題する章の中に以下のような記述があります。

極めて日本的な慣行といえば「お詫び」ではあるまいか。何かミスを犯せば「お詫び」をして、相手がそれを「我慢してくれれば」、それは許されたことになる。

 

これを読んで、なるほどと思いました。

「我慢してくれれば」の部分は、日本人なら「受け入れてくれれば」と表現するでしょう。

やはり、韓国には「水に流す」という文化はないのだと思いました。

「我慢する」というのは、痛みや怒りは続いている状態です。従って、しばらく経って、「やっぱり、我慢できなくなった」と再び蒸し返す可能性があります。

もちろん、著者個人の考え方ですが、「日本人の慣行」と書いているので、「韓国人の慣行はこうではない」という、一般的な韓国人の考え方を述べたものであり、それは、我々日本人が歴史問題等でさんざん見てきた光景では無いでしょうか。

 

この「お詫び」に関するエピソードとして、宇野宗佑総理大臣のスキャンダルに言及しています。

総理就任後数日で、元愛人が、月30万円で囲われていた事を曝露したのですが、著者はこのように書いています。

家内に詫びました。家内も許してくれました。彼は女性関係をそのように公に話していた。それを見ながら私は到底理解できない日本人の顔を見た気がした。どうしてそのことが詫びて終わり、許せる事なのか。それにしても、それをよく我慢できる日本人の心の広さと言おうか。

事件が起きれば、すべてお詫びですませるのである。列車が脱線事故を起こしても鉄道関係者がお詫び、学生が事件を起こしても校長先生がお詫び、〔中略〕そして日本人はそれで許し、許される。実に日本人の我慢強さがもたらした独特の文化ではないかと思う。

 

宇野総理の件は、実際には、宇野宗佑の総理としての資質のみならず、リクルート問題や牛肉・オレンジの輸入自由化、特に消費税導入の是非が大きな焦点になり、次の衆議院選挙では自民党が大敗、社会党が躍進するのですが、愛人問題に関しては家族の問題です。夫人が「許す」と公言して報道が収まったのかどうかは記憶にありませんが、韓国人にとっては生ぬるいと見えたのでしょう。

また、後者の事故や事件での責任者のお詫びは、一旦、けじめとしての謝罪で、それだけで完全に許されるわけではないと思いますが、韓国人の目には許されたと見えるのでしょうか。梨泰院の事故を見ても、捜査の途中で被疑者が次々と報じられ、犯人捜しに連日大騒ぎしていますが、基本的にはイベントが行われた自治体や警察などのシステムの問題で、日本なら、再発防止策の方に目が向くのではないでしょうか。

梨泰院の件では何故か大統領が謝罪していました。直接の関係者が謝罪したかどうかはよく分かりませんが、以前、韓国人YouTuberの『湿TV』さんが、「韓国では、謝罪したら、そこから始まる」と仰っていました。だから、謝罪しないのだと。〔まあ、日本の左翼もそうですね。〕

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本の中でもところどころに出てきますが、著者は ”徴用工” 問題などで、徹底的に日本を批判しています。〔但し、本書の中でこれを直接のテーマとしては扱ってはいません。〕 日本滞在中かどうかは分かりませんが、長崎の端島を取材して、『軍艦島』(上/下)という小説も書いています。恐らく、映画「軍艦島」の原作でしょうね。

内容は、「注目の歴史遺産に秘められた朝鮮人徴用労働者たちの悲劇。地獄の海底炭坑に拉致された男たちの苦闘を描く空前の大河小説。」という本の説明から想像がつきますが、『隣の日本人』に、韓国に戻った後、取材でお世話になった故・岡正治氏を自宅に泊めたというエピソードが出てきます。この人物は牧師で、悪名高き『岡まさはる記念 長崎平和資料館』の館長でした。

著者は、”植民地時代の日本人” と ”現代の日本人” を分けて考えているのかも知れません。

日本滞在中は、歌舞伎を楽しみ、茶道を習い、「寅さん」映画が好きで、京都などを旅して、日本人の親切に触れた事などを書いています。

 

ところで、韓水山氏の韓国語のWikipediaを読んで知ったのですが、この人は、全斗煥時代に『中央日報』に連載していた小説「欲望の街」(욕망의 거리)で政権を批判したとして逮捕・拷問にあったそうです。〔Wikipedia:韓水山筆禍事件(韓国語)〕 恐らく、軍事政権に批判的な立場の人だったのでしょう。

著者が日本に移住したのは、1987年の大統領選挙で引き続き軍事政権〔盧泰愚大統領〕が続く事が分かってからです。

この筆禍事件はその後2007年に真相究明委員会が調査報告を出しています。最後にその記事をご紹介します。

 

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https://s.japanese.joins.com/JArticle/92312?sectcode=200&servcode=200
小説を拷問した全斗換政権
2007.10.26 13:44

国防部の過去の事件真相究明委員会(委員長イ・ヘドン)は25日「新軍部の言論統制事件調査結果報告書」を発表した。

報告書には中央日報連載小説『欲望の街』(韓水山著)筆禍事件が書かれている。全斗換(チョン・ドゥファン)大統領時代の1951年5月〔←日本語版の誤り。韓国語版では1981年5月〕のことだ。

5共政権は新聞小説の内容を問題視して作家と小説掲載にかかわる記者たちを保安司に連行し、苛酷な行為をした。作家韓水山(ハン・スサン)氏と権寧彬(クォン・ヨンビン)当時中央日報出版部長、チョン・ギュウン編集委員、イ・グンソン記者、詩人のパク・ジョンマン氏らが被害者だ。記者たちは出勤途中で強制連行され、韓氏は済州道(チェジュド)行きの飛行機便に押し込められた。〔中略

過去事委は「保安司は言論界などで政府批判ができないよう見せしめるため、韓氏と中央日報記者らを連行して拷問したとみられる」とし「政府は公開謝罪と補償をしなければならない」と勧告した。

当時、韓氏と中央日報記者たちが連行された所は、ソウル西氷庫洞(ソビンゴドン)保安司大公分室の地下調査室だった。記者たちは水が膝まで満ちた部屋で服を脱がされ、全身を打たれたと報告書は明らかにした。電気拷問と水拷問もあった。保安司要員たちは2~5日ずつ拷問と暴行をした後、陳述調書と反省文を書かせてこれらを釈放した。

中央日報社長だった権寧彬文化財団代表は「タオルで顔を覆われて水をかけられる拷問と、十指に指ぬきのようなものをはめられて電気を流される電気拷問に遭った」と述べた。

韓水山氏は保安司令官だった盧泰愚氏が88年に大統領に就任した後、家族と一緒に日本へ移住し、92年ごろ帰国した。パク・ジョンマン氏は拷問の後遺症に苦しみながら88年9月に死亡した。

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この本にはブログのテーマになりそうな事が他にもあるので、追々書いていく事にします。

 

 

  


 

 

 

 

2022/11/18

【赤い水曜日】金柄憲所長に対する朝日新聞記者の攻撃

昨日(11月17日)に行われた金柄憲(キム・ビョンホン)所長の記者会見で、朝日新聞の記者が質問しました。

先に、質問の対象である『赤い水曜日』の該当箇所を提示します。〔pp.61-63

 

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この部分の前段を説明すると、2022年2月24日に金柄憲所長が、政府からの慰安婦補助金支給が適切かどうかを監査請求した所、棄却されたという話から始まります。

補助金は慰安婦被害者法に定義された被害者だと認定された元慰安婦に支給されますが、その要件は「日本政府・軍によって強制的に連行された」事、「日本軍によって性を搾取された」事〔=性奴隷〕なので、金柄憲所長は、それに該当する元慰安婦はいないという確信を持って監査請求を提出したのですが、監査院は棄却しました。

そして、棄却の事由の一つとして、「日本政府も『河野談話』で認めているではないか」という趣旨の事が書かれていました。

そこで画像の箇所に繋がります。

 

朝日新聞の北野記者(恐らく、北野隆一編集委員)が以下のような質問をしました。

 

 

該当の質問は54:22~で、記者が質問したのは以下の箇所に対してです。

『河野談話』では直接であれ間接であれ『関与した』とし、第三者の立場で一定の役割を行ったかのように表現したが、むしろ『慰安婦制度の直接運営』の方が表現として適切だろう。

 

質問は、「金先生は、慰安所が日本軍が直接運営したという解釈なら日本軍は当事者なので、『関与した』という第三者的な表現はまだ生ぬるいと考えているのか?」という趣旨です。

つまり、「この一文は河野談話を説明しているのではなく、金柄憲所長ご本人の慰安婦制度に対する認識か?」という質問で、実はブログ主もこの箇所は分かり難かったのですが、もう少し先まで読むと、河野談話の説明だと言う事が分かります。

と言うのは、この先で、「河野談話のポイントはこうだ」とし、

  • 慰安婦募集には甘言、強圧があった。
  • 官警等が直接これに加担したこともあった。
  • 朝鮮人女性の募集、移送、管理等には日本政府の甘言、強圧があった
  • 総じて本人達の意思に反して行われた。
  • 慰安所における生活は、強制的な状況下での残酷なものだった。

 

と要約しているからです。

しかし、その後、「これは誤りで、実態はこれこれこうだ」と、実情を説明する文章に繋がるのです。

あらためてこの章を読んでみましたが、画像の部分を読んでいる時には、確かに金柄憲所長の認識を述べていると勘違いしそうな文章だとは言えるでしょう。

但し、章全体を読めば、このような質問は出てこないはずです。

* * * *

 

ところで、このブログでも過去に何度か説明していますが、金柄憲所長の『河野談話』の解釈は誤りです。

いえ、そう読み取ってもしかたがない悪文なのですが、これは外務省と韓国政府が打ち合わせて、誤読される(=誤解されても構わない)ように作成された文章だからです。

「誤り」と書きましたが、河野談話は日本と韓国では解釈が異なるので、日本側の解釈に沿えば誤読という意味です。

詳しくは過去のエントリー「【河野談話】「河野談話を取り消せ!」という人達は正しく『河野談話』を理解しているのだろうか?」に書きましたが、河野談話そのものは「朝鮮人女性の強制連行は認めていない(つもり)」なのです。 

 

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言ってみれば、「1910年8月22日以前に大日本帝国と大韓民国との間で締結されたすべての条約及び協定は、もはや無効である」〔日韓基本条約 第2条〕という玉虫色の表現と似ています。日本側は「もはや無効」を「(日韓併合は)合法だったが無効になった」と解釈し、韓国側は「始めから無効(不法)だった」と解釈しているようなものです。これは、これ以上お互いに「合法か不法か」で争うのは止めようという合意の上での条文でしたが、2018年の大法院判決〔正確には、李明博政権の時(2012年)の高裁差し戻し〕で韓国に裏切られました。

 

そして、これが河野談話の厄介な所なのですが、素直に読めば、”官警等が甘言・強圧によって朝鮮人女性を本人達の意思に反して動員した” と読めるのです。

金柄憲所長もそのように解釈しているのは、『赤い水曜日』に書かれた「河野談話のポイント」を読んでも分かるでしょう。

 

しかし、その後の安倍総理の国会での中山恭子議員〔日本のこころ所属〕の質疑に対する答弁「第190回国会 参議院 予算委員会 第3号 平成28年1月18日」(PDF:pp.32-34辺り)を読んでも分かるように、それは明確に否定しています。

 


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そして、だからこそ、安倍総理や菅(すが)総理も河野談話を継承すると発言しているのです。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFK28H6E_Y5A420C1000000/
日経新聞:安倍首相「河野談話見直す考えない」
2015年4月29日 1:48

安倍晋三首相は28日昼(日本時間29日未明)の日米首脳会談後の記者会見で、従軍慰安婦問題について「人身売買の犠牲になり、筆舌に尽くしがたいつらい思いをされた方を思うと非常に心が痛む」と強調した。そのうえで旧日本軍の関与を認め謝罪した1993年の河野洋平官房長官の談話を「継承し見直す考えはない」と語った。

 

https://www.sankei.com/article/20210625-QN6VY4SPQ5LN3G4HSXE6J2GIKE/
産経新聞:村山、河野談話を「継承」 答弁書決定
2021/6/25 18:56

政府は25日、先の大戦をめぐり「植民地支配と侵略への反省とおわび」を明記した戦後50年の村山富市首相談話を、菅義偉内閣として継承しているとの答弁書を閣議決定した。慰安婦問題で旧日本軍の関与を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話も、政府の基本的立場として「継承している」とした。

答弁書では、27年に当時の安倍晋三内閣が決定した答弁書で、7年の村山談話と、その内容をほぼ踏襲した戦後60年の小泉純一郎首相談話を「全体として引き継いでいる」としたと紹介。「菅内閣においても変わりはない」と明記した。

慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した27年の日韓合意に関しては「韓国政府の確約を取り付けたものであり、合意が着実に実施されることが重要と考えている」と強調した。立憲民主党の那谷屋正義参院議員の質問主意書に答えた。

 

ブログ主自身は、このように誤読されたり悪用される河野談話は破棄すべきだと思います。

但し、破棄する場合にはその理由を述べる必要があるので、それを「談話」と呼ぶかどうかは別として、これ以上誤解を与えないような政府の公式見解を表明すべきだとは思っています。

ブログ主の立場は「単なる談話の破棄」に留まらず、「日本政府は、きちんと慰安婦の実態を発信せよ」という考えです。

西岡力教授は「新談話で上書きせよ」と主張されていますが、西岡教授に近い立場です。

安倍総理ですら撤回しなかった河野談話を今後誰が撤回できるでしょうか? もし、河野談話を ”無効化” するとしたら、新たな談話(的なもの)で上書きする方が現実的かも知れません。

 

  


 

 

 

 

【レーダー照射事件】海上幕僚長「ボールは韓国側に」

日本の防衛省および自衛隊があらためて2018年12月のレーダー照射事件と旭日旗問題を提起しました。そして、案の定、韓国側はレーダー照射などしていないと否定しました。この問題は一朝一夕には解決しないと思うので、ここでは関連する記事をまとめておく事にします。

 

https://www.sankei.com/article/20221115-ZYQ7KTFYN5JXRMCCWN647C34XA/
海上幕僚長「ボールは韓国側に」 レーダー照射問題
2022/11/15 15:39

海上自衛隊トップの酒井良海上幕僚長は15日の記者会見で、平成30年12月に起きた韓国海軍駆逐艦による海自哨戒機へのレーダー照射問題に関し「ボールは韓国側にあると認識している。今後、韓国側から整理された回答があると認識している」と述べた。

酒井氏は、レーダー照射問題と韓国による自衛艦旗(旭日旗)の不当な排斥を日韓の防衛当局間の問題として挙げた上で「2つの問題が明確にされない限りは防衛交流を推進する状況ではない」と強調した。

 

『朝日新聞』の記事は観艦式に伴い開催された「西太平洋海軍シンポジウム」での日中会談が主となっていますが、韓国海軍とは会談しなかった事が書かれています。

https://www.asahi.com/articles/ASQCH5RXSQCHUTIL01F.html
海自トップ、中国海軍幹部に「責任ある行動を」要求 二者会談で
2022年11月15日 18時39分

同シンポジウムには27カ国が参加し、酒井氏は20カ国と二国間で会談。
一方、韓国海軍からは海軍トップの李鍾皓(イ・ジョンホ)海軍参謀総長(大将)が参加したが、2018年に発生した自衛隊機へのレーダー照射問題などが解決しておらず「交流を推進する環境にはない」として二国間会談は見送ったという。

 

ここでは話題に出なかったようですが、韓国政府は2019年1月にも自衛隊哨戒機による ”低空威嚇飛行があった” という理由で、自衛隊機に対してはレーダー照射可という指針を作り、未だにそれは是正されていません。

 

以下は韓国側の反応。『聯合ニュース』の記事です。

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20221117002100882
韓国国防部 海自哨戒機への「レーダー照射はなかった」
記事一覧 2022.11.17 14:04

【ソウル聯合ニュース】2018年に韓国海軍の艦艇が海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを照射したと日本側が主張している問題で、韓国国防部のムン・ホンシク副報道官は17日の定例会見で改めて「当時、わが軍のレーダー照射はなかった」との立場を示した。

 ムン氏は「韓日の双方に意見の違いがある」として、「今後、韓日関係の推移を見極めながら国防当局間の協議を通じて議論が必要な事案」と述べた。

 日本のメディアは海上自衛隊の酒井良海上幕僚長が同問題について、「ボールは韓国側にある。今後、韓国側から整理された回答があると認識している」として、韓国側に問題の解決を求めたと報じた。

 同問題は朝鮮半島東の東海で遭難した北朝鮮漁船を捜索していた韓国海軍の艦艇が、接近した日本の海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを照射したと日本側が主張して浮上した。日本側は主張の根拠として哨戒機が撮影した映像を公開。韓国側はレーダーの照射はなく、哨戒機が艦艇付近で威嚇飛行を行ったと反論していた。

 

最後に韓国の公共メディア『MBC』の記事ですが、「旭日旗に敬礼までしたのに...後頭部殴る日本」〔←原題「욱일기에 경례까지 했는데‥뒤통수 치는 일본」直訳〕というタイトルです。全文は『カイカイ反応通信』さんが翻訳しているので、そちらでお読み下さい。

よその家を訪ねて挨拶がきちんとできた事で褒められるのは3歳児くらいまでなのですけどね。

 

 

  


 

 

 

 

2022/11/17

【GSOMIA】韓国念願の「GSOMIAの正常化」なのに...

11月13日にプノンペンで日米韓首脳会談が行われ、北朝鮮問題に関し、共同声明に以下のように書き込みました。〔外務省:令和4年11月13日付け 日米韓首脳会合

首脳は、飛来するミサイルによる脅威を探知し、及び評価する各国の能力を向上させるため、北朝鮮のミサイル警戒データをリアルタイムで共有する意図を有する。これは抑止、平和及び安定のための大きな一歩である。仮訳より

 

これは、韓国にとって朗報であるはず〔詳細後述〕ですが、韓国ネチズンの反応は批判的です。

 

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https://www.recordchina.co.jp/b904418-s39-c100-d0195.html
日韓GSOMIA正常化の道開く、両国軍事協力拡大の見通し=韓国ネットには反対の声多数
Record Korea 2022年11月15日(火) 10時0分

2022年11月14日、韓国・国民日報は〔...「北朝鮮のミサイル警戒データの3カ国間リアルタイム共有」を含む共同声明を採択したという内容の後、〕、これについて「日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)運用の正常化を含む両国間の軍事協力拡大の道を開いたもの」だと分析している。

米韓は北朝鮮のミサイル情報をリアルタイムで共有しているが、日韓間の情報共有はGSOMIAに基づく相互要請により実現する。このため「リアルタイム共有ではない」という指摘が絶えなかった文在寅(ムン・ジェイン)政権は19年8月、日本に輸出規制を解除させるための圧力として「GSOMIA終了」というカードを切ったが、米国の圧力などにより、終了通告の効力を停止するに至った。〔中略〕

この記事に、韓国のネットユーザーからは「尹大統領はなぜ日本にぺこぺこしてばかりいるんだ?」「いまだに韓国の領土を自分たちのものだと主張している日本のような侵略国と軍事協力をしようだなんて、正気なのか?」「独島(日本名:竹島)が危ない」「敵国と軍事協力し、軍事情報を全て渡すというのか」「このままでは本当に数カ月以内にこの国は滅びるのでは」「ため息しか出ない。GSOMIAは韓国より日本の領土を守る上で効果的なものだから、韓国にはさほど必要ない。GSOMIAがあるから、日本は韓国の顔色をうかがっているところがあったのに」「親日売国奴政権」「尹大統領も岸田首相も国民からの人気がない者同士で集まって、自分の国を売り渡すことばかり考えてるんだな」など、政権批判のコメントが殺到している。

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記事にあるように、文在寅は、日本が経済安保の観点から韓国をホワイト国リストから除外〔2019年7月〕した報復として、軍事情報包括保護協定「GSOMIA」の破棄を言い出しましたが、その後、アメリカに怒られたのか、「破棄を猶予する」という訳の分からない言い方で事実上の撤回をしました。

GSOMIAは毎年8月末頃の期限までに破棄を通告しないと自動延長されるのですが、騒いだのはこの年だけで、その後は静かにこの期限を迎えています。

しかし、このブログでも過去に何度も取りあげましたが、尹錫悦政権になって、「GSOMIAの正常化を!」と日本に要求しています。ある時は、駐韓日本大使にも要求し、「今も正常ですが、何か?」という態度を取られた事もあります。

この事から、GSOMIA自体は ”生きている” が、日本は情報を渡していないのだと分かりました。

 

上記記事には「日韓ではリアルタイムに情報を共有できていない」と書かれていますが、ここで改めて、過去のエントリー『【GSOMIA破棄】韓国軍の発表が日本より30分遅れだったのは?』より、情報共有の仕組みを要約してご紹介します。

 

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北朝鮮から弾道ミサイルが発射された場合、韓国側からは発射の兆候や発射直後の探知情報がもたらされるが、こうした情報は米国からもリアルタイムで日本は情報を得ている。米軍の早期警戒衛星がいち早く探知し、発射地点や方角などの情報を自衛隊と共有。自衛隊は日本海に展開するイージス艦や日本本土に配備するレーダーで追尾し、着弾地点などを確認している。しかし、韓国のレーダーでは着弾点等が捕捉できない。

という事になります。

 

この事から、今回の「リアルタイムに情報共有」するという宣言は、韓国政府の要求していた「GSOMIAの正常化」以上に韓国には好ましい事のはずですが、 『Record Korea』の韓国ネチズンの反応を見ると、それが国民には理解されていないようです。

 

 

  


 

 

 

 

【日本企業資産現金化問題】日韓首脳が意気投合!?←韓国側の願望です

13日の、尹錫悦大統領就任以来初となる日韓首脳会談が行われました。

外務省公式のプレスリリースはこちら、令和4年11月13日付け「日韓首脳会談 」で、重要なのは、「北朝鮮問題で日韓米で緊密に連携していくこと」、「『自由で開かれたインド太平洋』戦略での方向性の一致」ですが、日韓首脳会談となれば、所謂 ”徴用工” 問題、最早、「日本企業資産現金化問題」ですが、これに世間の関心が行く事は当然でしょう。

これに関しては具体的な話し合いは無かったと既に報道されており、プレスリリースでも、

旧朝鮮半島出身労働者問題に関し、両首脳は、ニューヨークでの両首脳の指示を受けて外交当局間の協議が加速していることを踏まえ、懸案の早期解決を図ることで改めて一致しました。

と一行書かれているだけです。

この後、韓国大統領室の発表をご紹介しますが、先に日本の官房長官談話をご紹介すると、

松野官房長官は午前の記者会見で「今回の会談で、両首脳は外交当局間の協議の加速を踏まえ、懸案の早期解決を図ることで改めて一致した。これを受け、引き続き、わが国の一貫した立場に基づき韓国側と緊密に意思疎通を図っていく」と述べました。2022年11月14日付け
NHK:松野官房長官「徴用」早期解決“韓国側と緊密に意思疎通継続

と、いつもの「遺憾砲」ならぬ「一貫砲」、1965年の日韓請求権協定を守れという立場です。

はっきり言うと、〔仮に、被害者と称する原告に何らかの補償をするにしても、〕 韓国の国内問題として処理しろという事ですが、「2018年の大法院判決を尊重する」とする尹錫悦政権なので、絶対に一致点は見いだせません。

もし、岸田政権が、(財団などによる)「肩代わり」や「代位弁済」を認めてしまったら、それは日本企業の賠償責任を認めてしまう事になるので、”日本の植民地支配は不当だった” と認める事を意味します。

内政干渉にならないためには、なんとかの一つ覚えと言われようが、「一貫砲」を発射し続ける事しかないでしょう。

 

* * * *

以下は『聯合ニュース』の記事ですが、丸括弧は元記事にそうあるもので、報道官の言葉を記者が補足しています。色々と願望やら希望的観測が含まれていて面白いので全文を引用します。

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20221116003500882?section=japan-relationship/index
韓日首脳 徴用問題の早期解決へ意気投合=韓国大統領室
韓日関係 2022.11.16 16:30

【ソウル聯合ニュース】韓国の大統領室高官は16日の記者会見で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と岸田文雄首相が13日に行った初の正式な首脳会談について、両首脳が日本による植民地時代の韓国人徴用被害者への賠償問題を早期に解決することで一致し意気投合したとの認識を明らかにした。

 同高官は「(両首脳は)北の問題や主要地域、世界の課題について虚心坦懐(たんかい)に議論した」として、「両国の懸案の解決に向けた明確な意志を確認し、現在進められている両国の交渉に強い推進力を注入した」と明らかにした。「懸案」とは両国関係の最大の障害となっている徴用問題を意味するとみられる。

 具体的な協議の内容に関しては、「徴用問題の解決策について具体的な話はなかったが、両首脳とも徴用問題の解決策について密度のある協議が進められており、協議の進行状況について(両首脳が)しっかり報告を受けていることを確認した」と説明。「解決策が一つや二つに絞られているとの報告を受けたという意味」と述べた。

 そのうえで、「(協議を)よりスピーディーに進め、徴用問題の解決だけでなく韓日関係の改善をもたらす方向で両首脳が注意を払って力を集めようという雰囲気だった」と伝えた。また、「(両国の)隔たりが縮まったため、早期に解消できる方策を模索し、問題にけりをつけようという雰囲気だった」とし、「肯定的かつ積極的な意気投合、そのような意味で解釈しても良いのではないかと思う」と述べた。

* * * *

 

面白いと思った言い回しを赤でマーキングしましたが、言っている事は前述の外務省のプレスリリース一行で済む話を、希望的に述べただけですw

尹錫悦氏はともかく、岸田首相が「虚心坦懐」だったかどうかはどうやって分かるのかと。

国内向けの弁明ですが、現在、大法院で現金化の最終判断を出すはずが、韓国政府が延期するように「意見書」を出して止まっている間に担当判事が今年の9月4日に任期満了で退官してしまいました。〔記事後述〕 西岡力教授によると、意見書で司法に介入する事自体が違法という意見もあるようですが〔過去のエントリー〕、それでも、そのまま大法院判決が止まっていると言う事は、ずっとこのままでもいいのではないかと。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/5c014c6da531b4fc41581de43843df3a20ba8b88
日本企業の資産現金化 担当判事の退官で判断先送りか=韓国
9/1(木)

【ソウル聯合ニュース】韓国の大法院(最高裁)が日本企業に徴用被害者への賠償を命じた判決に絡み、敗訴した三菱重工業が韓国内資産の現金化(売却)命令を不服として行った再抗告について、審理の主審を務める大法官(最高裁判事)の退官に伴い最終決定が遅れる見通しとなった。法曹関係者が1日、明らかにした。

関係者によると、主審の大法官は4日に任期が満了し、2日に退官式を控えているが、1日時点で現金化命令の再抗告に対する結論は出ていないという。

 

  


 

 

 

 

2022/11/14

【旭日旗】韓国メディアが旭日旗に関するほぼ正確な記事を書く エッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?

『カイカイ反応通信』さん〔韓国の記事と読者の反応を翻訳するサイト〕が紹介していましたが、『聯合ニュース』が11月12日付けで旭日旗についてほぼ正確に説明する記事を書いていました。

在日米軍部隊旗に旭日模様がある理由は?=韓国の反応

元記事>大元の記事:[특파원 시선] 주일미군 부대기에 욱일 문양이 있는 이유는?([特派員の視線]在日米軍部隊機に旭日模様がある理由は?)

 

日本で言うと時事通信のような、他のメディアに記事を配信する通信社で、韓国語の説明では「国家機関通信社」、つまりタス通信のような国営通信社なので、もしかしたら、「旭日旗に敬礼した」として追及されていた政府が書かせたのではないかと想像しています。

以前のエントリーでご紹介したように、国際観艦式2022に参加する事に関して国防部長官が「日本軍艦旗は旭日旗とは形態が少し違う」などと苦し紛れの言い訳をしたり、参加後も「自衛艦旗に対して敬礼したのではなく、主管する国の代表が乗船した艦に向かって敬礼した」と国会で苦しい答弁をしていたからです。

 

全文は上記リンク先で読んで戴くとして、内容は、

●在韓米軍各部隊の旗やエンブレムになぜ旭日模様が入っているのか?(質問したが回答が無く)恐らく富士山や鳥居と言った他のシンボル同様、日本文化の象徴と考えているのだろうと推察。

 

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●日本陸軍や海軍の旗も、太陽を意味する円の位置に関係なく「旭日旗」と見なされる。

●朝日新聞の社旗は旭日旗と言えるのか微妙。

●(日本語のWikipediaを参考にして、)旭日模様は古くから祝い事などに使われており、日本人は軍国主義の象徴とは考えていない。在日同胞も「なぜ(韓国では)とりわけ旭日旗や旭日文様に対してだけ過度な反応を見せるのか分からない」と話していた。

●ナチスのハーケンクロイツとは異なり、喩えるなら鉄十字のようなもので、ドイツ軍は戦後もこのマークを使い続けている。

と言った内容です。

 

カイカイ反応通信が訳したコメント以外も元記事〔NAVER〕で読んでみましたが、大多数は記事内容を元々事実だと認識しているようです。

 

さて、いつものアレ(徐 坰徳/ソ・ギョンドク)はどうする?w

尤も、これからも旭日旗を引き裂いたりするパフォーマンスは続けると思いますし、「韓国国民の感情はまた別」とか言って、今後も外国の旭日模様には文句はつけそうですが。

 

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2022/11/08

【梨泰院雑踏圧死事件】管轄の警察署長らを過失致死容疑で本格捜査【時系列まとめ】

公開:2022-11-08 13:39:51  最終更新:2022/11/11 15:02(時系列追記)

まずは『聯合ニュース』の記事です。

 

* * * *

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20221107003300882
ソウル雑踏事故 管轄の警察署長・消防署長・区長を過失致死容疑で立件
記事一覧 2022.11.07 16:05

【ソウル聯合ニュース】156人が亡くなったソウルの竜山区梨泰院での雑踏事故を捜査している韓国警察庁の特別捜査本部は7日、李林宰(イ・イムジェ)前竜山警察署長や朴熙英(パク・ヒヨン)竜山区長、チェ・ソンボム竜山消防署長業務上過失致死傷などの疑いで立件したと明らかにした。事故当日の先月29日にソウル警察庁の状況管理官を務めた柳美眞(リュ・ミジン)総警も同様の疑いで立件した。

事故を管轄する竜山区の関係機関のほか、警察の上層部やソウル市、行政安全部など上級機関に捜査が拡大する可能性もある。

 同本部は李林宰・前竜山警察署長に対しては、事故現場に遅れて到着し、ソウル警察庁長など上層部に遅れて報告したとして、職務遺棄の容疑も適用した。李氏が事故発生直後に現場に到着したと報告書を改ざんしたという疑いを巡っては、報告書を作成した職員を呼んで調べる方針だ。

 チェ・ソンボム竜山消防署長は事故発生当時、警察との共同対応や現場に出動する過程で適切に対処しなかったと判断している。

 朴熙英・竜山区長に対しては、関係機関との協議など事故の予防対策を講じていたかどうかなどを調べる方針だ。〔以下略

* * * *

 

日本の報道で良く見るのは、「○○(罪名)の疑いで家宅捜査」などという表現です。ブログ主は「立件」を起訴する事だと思っていたので、この記事を読んでいて疑問に思い、調べて見たら、立件とは正式な法律用語ではなく、テレビ報道などでは ”警察が逮捕したという意味で使うこともあれば、検察官が起訴という意味で使うこともある” そうです。〔吉田要介弁護士のサイトより〕

改めて、このニュースの日本メディアの報道を検索すると、「業務上過失致死傷などの疑いで前署長らを本格捜査」などという見出しになっていました。

この報道以前は警察庁長官や龍山署長の当時の行動が多く報道されており、ブログ主自身も時系列に整理していて龍山署の行動には明らかに過失があると思っていましたが、『聯合ニュース』のタイトルでは区長も並列に扱われていたので、最初驚きました。

地元商店街や龍山区などで行われた事前の打ち合わせでどのような事が話し合われたのかを聴取するという事なのでしょう。

 

以下は、事故前後の動きを時系列にまとめたものですが、消防署の動きを詳しく報じた記事は目にしなかったので時系列から漏れています。〔必要に応じて追記

 

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事故の3日前(26日) 警察、区役所、梨泰院駅長、商人連合会などが参加する懇談会

警察は惨事後「商人会が現場規制に否定的な立場を示した」と主張しているが、商人会側は本紙に「車が道を塞いでしまうことを憂慮しただけで、事故防止は要請した」と語った。〔ブログ記事ハンギョレ②

事故の3日前(26日) 龍山警察署の情報官が当日の混雑予想をソウル警察庁に報告

龍山警察署の情報官が「梨泰院のハロウィーンには延べ10万人ほどの参加が予想されるため、歩行者の車道への乱入、交通マヒによる事故、麻薬や性犯罪や暴力などが憂慮される」という報告書をソウル警察庁に提出。ソウル警察庁はこのような事実が明らかになったことについて「一般的に予想される規模と問題の水準」だと述べた。〔ハンギョレ②

↓  ↓  ↓ 

「追加で人員配置が必要だ」という竜山署情報官の事故に備え事前に作成された報告書も事故後〔※〕、削除されていたことが明らかになりました。朝鮮日報(2022/11/08):梨泰院雑踏事故:竜山署長の現場到着時刻を虚偽報告、ハロウィーン事前対策報告書は削除韓国語版

↓  ↓  ↓

※削除は事故の2時間前と判明 → 午後8時頃には重大な事故を予見していた事になる。

〔韓国のSBSテレビによると、〕この警察官は上司である情報課長に報告書を提出し、状況を把握する人員の配置を訴えたものの、課長は別のデモの警備を優先するように指示し、聞き入れませんでした。
この報告書は事故のおよそ2時間前に警察のシステムから消え、警察官のパソコンに残っていたファイルも課長の指示で同僚が削除したということです。〔日テレNEWS(2022/11/08):韓国転倒事故 危険性の報告文書が警察のシステムから削除されていた

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10月29日(土)

午後4時 現場から約2キロ離れた大統領室の近くで左派の「大統領糾弾デモ」開始〔ハンギョレ①

龍山署員も警備に当たる。

 

午後6時34分 最初の通報〔NHK

通報者:はい、その路地を人々が上り下りしていますが、とても不安なんです。人が降りられないのに、ずっと押し寄せてくるから、圧死しそうです。やっと抜け出したんですが、人出が多すぎるので整理していただかないといけないと思います。

 

午後6時~7時 龍山署交通課が6名の職員を派遣

交通課関係者談「当時の交通状況について無線で報告を受けた時には、ひどい渋滞が発生している状況ではなかった」と説明〔ハンギョレ①

 

午後7時34分頃 現場警察官より交通課に交通機動隊(20人規模)の出動を緊急要請したが、龍山署は応じず。〔ハンギョレ①

 

午後8時頃(事故の約2時間前) 龍山署情報課長、26日に部下が作成した「ハロウィン雑踏の危険性を報告した書類」の削除を指示

11月11日、龍山署情報課長、自宅で遺体で発見

  

午後9時頃 「大統領糾弾デモ」終了〔ハンギョレ②

デモ警備に当たっていた龍山署長は食事へ。

 

午後9時30分頃 交通機動隊の投入。 〔ハンギョレ①

この時点までに警察には圧死の危険性を警告する8件の通報

 

午後9時47分 【イ・イムジェ龍山警察署長(当時/事故後に辞任)】報告を受ける

当初の報道では食事中に連絡を受け、9時37分に出発したとされていたが、実際は、9時47分、事故現場から直線距離で約1.8kmの所で食事後に連絡を受け、官用車で移動開始。→9時57分頃、梨泰院駅から一駅(約800m)離れた駅付近で渋滞に巻き込まれる。→10時59分、梨泰院の事故現場に到着〔他の報道では「11時5分に現場に到着」〕。この時点で事故発生から50分経過。

しかし、「10時20分に現場到着」と虚偽の報告をしていた。〔Yahoo!ニュース/吉崎エイジーニョ


午後10時15分 事故発生/消防庁の発表ではここで最初の通報を受けた。〔ハンギョレ②

翌午前2時頃迄は約50人が心肺停止との報道で、一夜明けて150人以上の死者という報道に変わる。

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NHK(2022年11月2日):ソウル事故 警察への通報全文 事故前に寄せられた切実な声

①午後6時34分

警察官:緊急通報112です。

通報者:ここ、イテウォンのメインストリートに入るところです。

警察官:イテウォンのメインストリートです、はい。

通報者:もしもし、クラブに行く途中のホテルの路地に、●●(店の名前)があるじゃないですか。

警察官:ホテルの路地にある●●ですね。

通報者:はい、その路地を人々が上り下りしていますが、とても不安なんです。人が降りられないのに、ずっと押し寄せてくるから、圧死しそうです。やっと抜け出したんですが、人出が多すぎるので整理していただかないといけないと思います。

警察官:うまく通行できず圧死、転びでもしたら大きな事故になりそうだ、ということですよね?

通報者:はい、今とても鳥肌が立っています。とても狭い路地なんですけど、イテウォン駅で降りる人が全部上がってくるんですけど、出てくる人と混ざって、その次にクラブに入る列と混ざっているんですよ。上がってくる人を止めて、はい、止めると降りてくる・・・

警察官:クラブに並ぶ列と、立っている人たちと列に並ぶ人たちと・・・

通報者:はい、その次にメインの通りから来る人たちと、イテウォン駅の1番出口からみんな出てきて、その路地に全部入ってくるんです。

警察官:イテウォン駅から出る人たち、イテウォン駅から抜け出す人たち、そこから路地から抜け出す人たちと混ざって・・・

通報者:はい、今、誰も整理しないんです。警察が立って整理して人を減らした後に、その次に、あそこに入るようにしないと。出られなくて人があふれているんです。

警察官:わかりました。警察官が出動して確認してみます。

 

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ハンギョレ①(2022/11/06):[梨泰院惨事]惨事の2時間半前、「機動隊急派」要請が黙殺されていた

ハンギョレ②(2022/11/03):[梨泰院惨事]最初の通報から5時間40分…警察のコントロールタワー不在

 

 

  


 

 

 

 

2022/11/07

【梨泰院雑踏圧死事件】セウォル号化していく雑踏事故

韓国では、予想通りと言うか、梨泰院の事故がロウソクデモに発展しました。

左派はロウソクを持ちだして尹錫悦大統領の退陣を要求、保守側もそれに対抗するという形ですが、保守派は調査の過程で明らかになりつつある警察の対応の不備を問題視しているように見受けられます。保守派の集会の動画を少し見ましたが、「法令と制度改善を通じて二度とこのような事故がないようにしてください」という横断幕を掲げていました。

カイカイ反応通信:「国民が死んでいく」…再びロウソクを持った市民たち=韓国の反応

 

確かに、報道を見ていると、警察、特に梨泰院がある龍山署やその署長(事故後に辞任)の動きには疑問を抱くのですが、これが日本であれば、市民が動くとしたら、恐らく第三者による事故調査委員会のようなものによる報告書が出た後ではないかと思います。この辺り、日本と韓国のデモ文化の違いを感じます。

ちなみに、既に警察の特別捜査本部が龍山警察署など8カ所に強制捜査に入りました。以前なら検察が捜査すべき案件ですが、文在寅政権末期(今年4月)に「検察捜査権完全剥奪法」を制定し、検察から6大犯罪(汚職、経済、公職者、選挙、防衛事業、大事故)の内、汚職と経済を残して取りあげたので、大規模事故の捜査は警察しか行えない為です。

 

ところで、政府は梨泰院を「特別災害地域」(특별재난지역)に指定しました。

規定を読むと、自然災害に適用されるように思えますが、大統領の宣言により指定されるとあります。〔自治体が大統領に要請する事もできる。〕

特別災害地域に指定されると、被災者や死傷者に対して様々な支援が可能になり、今回の事故でも、早々に、葬礼費や遺体の移送費などの支援を発表し、それ以外にも手厚い支援策を出した所、国民からの反発が起きています。

韓国語の記事〔ハンギョレ韓国語版:「梨泰院惨事」葬儀費·生計費支援…「税金支援反対」論争〕は長いので、要約した『サーチコリア』の記事から引用してご紹介します。

 

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https://news.livedoor.com/lite/article_detail/23154411/
韓国ネット民の9割が、“梨泰院惨事”の被害者支援を「不当」と感じる理由
2022年11月7日

前略〕「不謹慎だが、正しい税金の使い方とは思えない」

10月31日、韓国行政安全部はブリーフィングを開き、事故犠牲者に葬礼費を最大1500万ウォン(日本円=約150万円)​​​​​まで支給するなど、移送費用支援などの内容を盛り込んだ被害者支援対策を発表。

遺族に対し自治体専担公務員がマンツーマンで必要な支援を行うほか、全国31カ所の葬儀場に公務員を派遣し、円滑な葬儀を助ける予定であることを伝えた。

また、負傷者に対しては実治療費を健康保険財政で優先的に代納する。〔※代納というのは、セウォル号の時に後ほど国庫から補填することにしたのと同様の措置と思われる〕このほかにも、遺族や負傷者などについては救援金とともに税金や通信料金などを減免したり、納付を猶予したりすることにしている。

こうした支援が発表された後、韓国では匿名のオンラインコミュニティでアンケート調査(351人)が行なわれた。

その結果、支援金の支給に対し「不当」と感じる人が95.4%(335人)に上り、「適切」と感じる人がわずかに4.6%(16人)しかいなかったことがわかった。

アンケート回答のなかには「梨泰院に集まった人は遊びに来た人たちだ。それに税金を投入するのはどうかと思う」「不謹慎だと思うが、税金の正当な使い方とは思えない」など、さまざまな意見が挙がっていた。

* * * *

 

おそらく、セウォル号事件で遺族がモンスター化して、当時の野党もこれを利用し、この事が引き金となって倒れた朴槿恵政権の二の舞にはなりたくないと思ったのでしょうが、自ら、雑踏事故をセウォル号化しているようにも思えます。

まだ、事故当日の状況も調査中だと言うのに。

この事故が特別災害地域と指定された事が妥当かどうかが問われそうです。

 

  


 

 

 

 

2022/11/04

【慰安婦問題・”徴用工”問題】和解癒やし財団の残余金を”徴用工”の基金に流用する案は、既に2019年に提案され、取り下げたもの

前回のエントリーの補足です。

2015年12月に慰安婦問題に関して日韓合意〔安倍政権・朴槿恵政権〕が結ばれ、日本が10億円〔約100億ウォン〕を拠出しました。現在は約60億ウォン弱が残された状態ですが、ここに至るまでの経緯を簡単にまとめておきます。

 

* * * *

10億円の使い道については、合意の約半年後の2016年8月頃に決まりました。ここには書いていませんが、韓国の元慰安婦に対しては、生存者に1億ウォン、遺族に2千万ウォンを現金で支給し、最終的には生存者47人の内36人〔76%〕が受け取り、11人が受け取りを拒否しました。

◆テレビ朝日(2016/08/12 17:35):慰安婦問題巡り “政府拠出”10億円の使い道で合意

日韓両政府は12日、先月に韓国が設立した財団に日本が拠出する10億円について、医療・介護、また、葬儀関係などに使用することで基本合意しました。一方、少女像の撤去について、日本側は韓国の努力を引き続き強く求めました。この後、岸田外務大臣と韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が電話で会談し、必要な手続きを進めることにしています。

 

しかし、これ以降はこれといった事業は行われません。そして、朴槿恵弾劾で文在寅政権発足〔2017年5月10日〕、文在寅政権で官民合同のタスクフォースにより、この合意に瑕疵があったと結論づけ、韓国政府が10億円を拠出し、日本政府へ10億円を返却する事になりました。日本政府は当然合意しません。

◆日経(2018年7月24日 17:00):慰安婦財団に10億円拠出 韓国政府決定

韓国政府は24日の閣議で、従軍慰安婦問題に関する2015年の日韓合意に基づき日本政府が拠出した10億円を韓国政府予算に置き換えるため、相当額の予備費を計上する案を決定した。予備費の使い道について女性家族省は「日本政府などと協議して決める」としている。韓国政府は今年1月、元慰安婦らの声を踏まえて同額を自国予算で拠出する方針を示していた。
>韓国の元慰安婦関連団体はかねて「最終的かつ不可逆的な解決」をうたう日韓合意の無効を訴え、財団の解散を要求。財団は17年7月に理事長が辞任し、その後は事実上の休眠状態となっている。

 

10億円の予算措置は取られたものの結局執行されず、休眠状態だった財団は解散されます。

◆朝日(2019年7月5日 13時22分):韓国の慰安婦財団解散、日本は抗議 5億円の使い道未定

>2015年の日韓慰安婦合意に基づく「和解・癒やし財団」が解散登記を終えたことに対し、日本政府は5日、外交ルートで韓国政府に抗議した。拠出金の一部が残っていることなどから、日本側は解散が完了したとは認めず、引き続き合意の実施を求めた。
文在寅(ムンジェイン)政権は昨年11月、財団の解散手続きを進めると発表。財団は6月に解散登記を申請し、完了通知を受け取った。

 

前回のエントリーで取りあげた、慰安婦財団の残金を、”徴用工” 倍賞基金に流用しようという案は、実は2019年に文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が提案していますが、批判され、取り下げました。この頃は、元朝鮮半島出身労働者の大法院判決(2018年10月)により差し押さえられた日本企業の資産を現金化しない為に「1(韓国企業)+1(日本企業)」案、或いは、不足分を韓国政府が拠出する「+α」案などをしきりと日本に提案していましたが、日本側は取り合いません。結局、韓国政府はこの頃から堂々巡りをしているわけです。

但し、この事から、今回、案として言及されるのはあり得る話 という事は分かります。

◆テレビ朝日(2019/12/05 18:46):韓国・文議長「徴用工基金に慰安婦財団残金使わず」

文議長は日韓の政府や企業からの寄付金を集めて基金を作り、元徴用工らに支払うなどとする案をすでに公表していますが、(中略)一方で、基金に「慰安婦財団」の残金を組み込む構想は取りやめました

 

韓国政府は残金の用途を日本政府と協議しようとしますが、これ以降は日本政府は取り合いません。韓国側が勝手に使い道を議論しているだけです。

◆韓国KBS(2021-10-22 10:12:09):「慰安婦被害者への支援金、残った6億円の使い道を日本と協議中」外交部長官

鄭長官は22日、国会で開かれた外交部・統一部の国政監査で、野党議員が、和解・癒し財団の解散後に3年間そのまま残っている6億円を被害者の追悼事業に活用することを提案したのに対し、「日本政府が拠出金を他の目的で使うことに反対している」と明らかにしました。
鄭長官は、「男女平等基金の名目で韓国が10億円の予算を設け、そのお金をそのまま日本に返す方法、あるいは10億円と和解・癒し財団の基金の残高6億円を合わせて、慰安婦被害者を追悼する活動を行う方法、または日本が心から謝罪した場合、被害者の方々に補償金として現金を支給する方法など、様々な案を日本と協議している」と明らかにしました。

* * * *

 

これを読んで分かるように、慰安婦問題にせよ、朝鮮半島出身労働者問題にせよ、韓国側が一方的に合意や条約を破棄して自縄自縛になっているだけなのです。日本側が妥協する必要は全くあり得ません。

 

 

  


 

 

 

 

【”徴用工”問題】朝日「慰安婦基金の残余金を徴用工基金に流用」→韓国政府「事実ではない」

掲題のように、朝日新聞の「慰安婦基金の残余金約60億ウォンを徴用工基金に流用する計画がある」という報道を韓国メディアが報じ、それを韓国政府が否定しました。

中央日報日本語版(2022.11.02 16:10):朝日「韓国政府、慰安婦財団残余金の徴用賠償活用を議論」

朝日新聞は2日、韓国政府が強制徴用問題解決のために「日帝強制動員被害者支援財団」が中心となって寄付金を集め、日本企業に代わって被害者に賠償する方案を有力に検討していると伝えた。この過程で「15年末の日韓慰安婦合意を受け、日本政府が元慰安婦を支援する財団に拠出した10億円。その残余金も、今回の受け皿となる財団の基金に組み入れる案だ」と報じた。

 

そして、翌日にはこれを否定する記事が出ました。

中央日報(2022.11.03 12:06):韓国外交部、「慰安婦財団の残余金を徴用賠償に活用」の日本報道に「事実でない」

韓国政府が2015年の「韓日慰安婦合意」当時に設立した「和解・癒やし財団」の残余金を日帝強占期の強制動員の賠償金として活用する計画という日本メディアの報道に関し、韓国外交部は2日「事実でない」と明らかにした。
外交部当局者はこの日、「特定の一つの案をめぐり日本と協議しているのではなく、何も決定したことはない」とし、このように明らかにした。
この当局者は「政府は今後も国内的に集めた(強制動員関連の)大法院(最高裁)判決履行関連のさまざまな意見を十分に考慮し、合理的な解決案を検討しながら、韓日外交当局間の緊密な協議を続けていく予定」と伝えた。

 

まず、元の朝日の記事はそれらしいものがWeb上に見つかったものの、有料記事で一部しか読めず、情報源が分かりませんでした。 〔朝日新聞(2022年11月2日 5時00分):「徴用工」日韓なお探り合い 韓国判決から4年〕 中央日報以外の他の韓国メディア記事を読んでも、情報源に言及しているものはありませんでしたが、ハンギョレは ”<朝日新聞>は2日、「2015年12月の韓日慰安婦合意により、日本政府が慰安婦を支援する和解治癒財団に出捐した10億円の残余金も活用する方案が尹錫悦政府で浮上している」と報道した。” と、尹錫悦政権の案であると報じてます。

 

この案が事実かどうかはともかく、韓国では一般に批判の声が上がっています。また、正義連が尹錫悦政府を批判する声明文を発表しました。従って、朝日にそのような意図があったかは不明ですが、政権を攻撃する材料にはなりました。

カイカイ反応通信:日本メディア「韓国政府内で慰安婦財団残余金の徴用賠償活用方案浮上」=韓国の反応

 

正義連声明文〔冒頭部分機械翻訳ママ

http://womenandwar.net/kr/notice/?uid=1685&mod=document&ckattempt=1
尹錫悦政府は「和解治癒財団」解散残余金を強制動員被害者補償金として支給しようとする試みを直ちに中断せよ!
2022-11-03 18:15

尹錫悦政府は「和解治癒財団」解散残余金を強制動員被害者補償金として支給しようとする試みを直ちに中断せよ!
「2015韓日合意」精神遵守糾弾し、両性平等基金に編成された103億ウォンを直ちに日本に返還せよ!

 

日本政府としても、文在寅政権で和解癒やし財団を勝手に解散した事も合意違反で抗議しているのに、本来の目的とは違う用途で10億円の残りが使われる事は、許容できないでしょう。

元々、10億円の目的は、韓国人元慰安婦(+遺族)への支援金〔和解金以外にも医療・介護・葬儀代への使用も合意〕と、韓国人以外も含めた全ての元慰安婦の心の傷を癒やすための事業です。

日本政府は,これまでも本問題に真摯に取り組んできたところ,その経験に立って,今般,日本政府の予算により,全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒やす措置を講じる。具体的には,韓国政府が,元慰安婦の方々の支援を目的とした財団を設立し,これに日本政府の予算で資金を一括で拠出し,日韓両政府が協力し,全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復,心の傷の癒やしのための事業を行うこととする。〔外務省(平成27年12月28日

 

朝日の報道に何らかの根拠があったとしても、日韓双方を怒らせ、不信感を募らせる結果になったと思います。

 

 

  


 

 

 

 

2022/11/03

【”徴用工”問題】2012年の大法院判断(原審差し戻し)と大韓民国憲法

前回のエントリーの補足です。

前回、一審(2007年)、二審(2009年)と、棄却された「”徴用工” 訴訟」が2012年の最高裁の原審差し戻しとなったと書きましたが、これの根拠となったのは韓国の憲法です。〔下図は2017年8月25日放送のプライムニュースよりキャプチャ

 

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「韓国憲法の規定に照らすと日本占領期の韓半島支配は規範的観点から不法な独占にすぎない」

韓国の憲法では、大韓民国は、「1919年に上海にて設立された臨時政府を継承する」という趣旨の事が書かれています。

さすがに、他国から承認されなかったこの臨時政府をもってして大韓民国の建国年は1919年だと主張するのは左派だけですが、それでも、憲法では臨時政府の正当性を謳っているので、日本の統治は「不法な占拠」という論理が成り立ちます。

この日本統治不法論は20年ほど前に唱えられて、それが知識層に広く受け入れられたそうで、従って、現在40代~60代にこの考えを持つ人が多い〔=反日が多い〕のです。

もちろん、一旦締結した二国間の条約を一方的に覆す事自体が不法なのですが、1965年の日韓基本条約で日本側に「不当な占拠」を認めさせられなかった事は韓国人には痛恨の事なので、なんとしても日本政府にこれを認めさせたいのです。

そして、「永遠の被害者」ポジションを勝ち取りたいのです。

 

以下、鄭大均(てい・たいきん)名誉教授の『国家基本問題研究所』の寄稿文(冒頭)をご紹介します。

 

* * * *

https://jinf.jp/weekly/archives/24300
【第573回】韓国憲法前文が、日韓友好の障害となっている
鄭大均 / 2019.02.18 (月)

国基研理事 首都大学東京名誉教授 鄭大均

 韓国国会議長の「天皇謝罪発言」に一文をというのが、国基研企画委員会からの要請であるが、ここではもっと大事なことを記したい。
 韓国憲法の前文に、「悠久の歴史と伝統に輝くわが大韓民国は3・1運動により建立された大韓民国臨時政府の法統」を継承するという文があって、それが意味するのは、今日の韓国が1897年に成立した大韓帝国の正統性を継承するものであり、1910年から45年までの日本による韓国統治は違法であり、法的に無効であるということである。

●歴史認識の大いなる虚構

 韓国のナショナル・アイデンティティを端的に表現したこの歴史認識はしかし大いなる虚構である。当時を振り返ってみればわかるように、日本帝国による大韓帝国の政治的統合が合法と見なされた半面、臨時政府を承認した国はなかったし、大韓民国政府が樹立したのは日韓併合期と連合軍軍政期を経た1948年8月のことである。
 にもかかわらず、この前文は韓国人が「日韓併合期」を「日帝強占期」(日帝による強制的占領期)と呼ぶときの根拠であり、戦時期の朝鮮人労働者に賠償を命じる大法院判決に根拠を与えた歴史観であり、今般、文喜相国会議長が慰安婦問題について天皇に謝罪要求をして泰然としていられるのも、この前文に守護されているからなのだろう。それは今日の韓国人に日本に対する歴史道徳的優越性の感覚を与える便利な理念なのである。〔以下略

 

 

  


 

 

 

 

【”徴用工”問題】外務省は2014年(第2次安倍政権)に「基金案」で解決しようとしていた【プライムニュース(2022/11/02)】

公開:2022-11-03 09:19:03  最終更新:2022/11/03 17:31

11月2日放送のBSフジ『プライムニュース』で鈴置高史氏が話していた事です。

以前のエントリーで、韓国には公益法人「日帝強制動員被害者支援財団」という2014年に設立した財団があり、韓国の日本から恩恵を受けた企業に寄付を求めた所、ポスコ(製鉄会社)しか基金に出捐しなかったと書きました。

この基金はそのことで頓挫したのだと思っていましたが、日本の財務省は第2次安倍政権〔2012年12月26日~2014年9月3日〕の時にこの基金案でまとめるつもりが、国家基本問題研究所櫻井よしこ氏が理事長のシンクタンク〕や安倍総理に見抜かれて潰されたと言う事が分かりました。

なお、「日帝強制動員被害者支援財団」が設立された日付は、HPによると、”当財団は「対日抗争期強制動員被害調査および国外強制動員犠牲者など支援に関する法律」により2014年6月2日に設立された公益法人です。” と書かれており、第2次安倍内閣の末期と重なります。

 

ここで、裁判を時系列に見てみると、

 

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一審(2007年)、二審(2009年)と、韓国の裁判所でも棄却されましたが、2012年の最高裁の原審差し戻しは「高裁の判断はおかしい」という事と示唆しているので、2013年に釜山高裁が日本企業の賠償責任を認める判決を出します。この後、朴槿恵政権は、このまま行ったら最高裁で確定してしまう事を恐れて最高裁の公判を止めていました。彼女はこの裁判の事の重大さを理解していたからだと多くの専門家が言います。

恐らく、その後(2013年以降)は日本の外務省とも打開策を協議していたと思われるので、基金案はそこで出てきたのでしょう。

 

以下、番組での鈴置氏の発言です。

 

* * * *

20221102_prime01

 

日本の外務省は既にこれ(基金による肩代わり案)で進めようとした時があって、2回目の安倍政権の時にこれで根回しを始めた。

国家基本問題研究所に1枚紙を提示し、その中にコソッとこの案が入れてあった。しかし、国家基本問題研究所の中のよく分かっている人が、「何だこの基金案は」と言って追及したから立ち往生した。

もしこの追及が無かったら、安倍さんに対して、「櫻井よしこさんでさえ、基金案に賛成してる」と持っていった。〔←おそらく、「櫻井よしこさんでさえ~」と持っていくつもりだった(が、その手は使えなかった。)〕 安倍さんが〔も?〕外務省と韓国政府のタッグマッチを見抜いて、歯止めを掛けた。

岸田さんはその辺は多分分かってないだろうと思います。岸田さんは外務省とか役所以外にセカンドオピニオンを求める人じゃないですから。

だから、外務省も韓国も、これで推していけば、岸田さんなら騙せるという事なんだろうと思いますね。

* * * *

 

岸田首相を騙して何を企んでいるかというと、前後しますが、鈴置氏は、上記発言の前にこのような事を仰っています。

 

* * * *

「恐らく、上図の案の路線で外務省と韓国政府は話を詰めているのだと思う」、と言った後〕これをやると話がドンドン大きくなる。

日本企業が寄付したら、「(日本企業も)認めたじゃないか」となる。この「自称徴用工」の問題は、何回も言うように、未払い賃金の問題では無い。韓国最高裁の判決というのは、「日本の不当な植民地支配の下で働かされて不愉快だったから金を払え」、つまり、日本の植民地支配が不当だったという事。

日本の企業が認めたと言う事は、謝罪が要る。となると、「(戦犯企業は認めたのに、)なぜ日本の政府が認めないのだ? 日本政府も謝罪すべきだろう。」と、こうやって韓国は ”なし崩し” 的に、日韓国交正常化の時の、「日本の植民地支配は不当では無かった」という日本側の主張を崩していくわけ。 〔この後、2014年の基金案の話に繋がる。

* * * *

 

尚、同番組に出演されていた佐藤正久・前自民党外交部会会長は、韓国政府が基金案に固執する理由やその問題を以下のように説明していました。

  1. 基金による肩代わりは、新たに立法化する事なく、現行の法律の枠組みで、原告の同意無しに行えるのだそうです。これを「併存的債務引受」 と呼ぶそうで、 債務者が債務不履行の場合に連帯保証人が肩代わりするようなもの。 〔→※別の言い方をすると、韓国政府が支払う場合、立法化が必要で、現在の少数与党ではできない。また、既に尹錫悦政府は「政府は肩代わりしない」と原告に約束済み。
  2. 但し、その案に日本側が同意する事は日本企業の賠償責任を認める事になり、また、韓国側が、原告の意向に沿って謝罪を要求してくる事が考えられるので、これは避けなくてはならない。
  3. 韓国はキリスト教の「寄付文化」がある。日本企業に対して基金に参加するような圧力があるかもしれない。その場合、企業が自主的に参加する事は政府には止められないので危惧している。

 

3は、被告企業では無く、韓国に進出している企業や取引のある企業の事を想定しているのだと思います。〔ブログ主個人的には、ユニクロとかソフトバンクとかが出捐しそうな気も...

  

更に、『中央日報』が『朝日新聞』の報道を引用する形ですが、2015年の慰安婦財団の基金の残額を徴用工の基金に流用する案も報じています。こちらは別のエントリーとします。

 

  


 

 

 

 

2022/11/01

【ハロウィンの惨劇】梨泰院の事故は何故防げなかったのか

韓国ソウルの有名な繁華街である梨泰院(イテウォン)で起きた「群衆雪崩」による死亡者は現時点で155名と、未曾有の大惨事となりました。お亡くなりになった方へはご冥福をお祈りいたします。

この事故でよく言われるのは、「主催者無きイベント」という言葉ですが、渋谷のハロウィンイベントも特に主催者はいないそうです。

後述しますが、梨泰院は既にハロウィンのスポットの一つとして定着しており、10月には地元の行政庁(区)や商工会が警察と打ち合わせをしていました。つまり、当事者意識のある人々や機関が混雑はある程度予測しており、しかし、窃盗や麻薬等の犯罪防止のみで雑踏の安全対策は立てていなかった事が間接的な原因です。

以下、読売新聞の記事です。

 

* * * *

https://www.yomiuri.co.jp/world/20221031-OYT1T50188/
韓国のハロウィーンは「主催者なきイベント」…警備計画の対象外、安全管理の責任あいまい
2022/11/01 07:50

ソウルの繁華街で10月29日夜、若者らが折り重なるように倒れて多数死亡した雑踏事故で、韓国政府の事故対策本部は31日の記者会見で「(窃盗や麻薬犯罪など)不法行為の防止や摘発に焦点を当てていた」と述べ、雑踏警備に不備があったことを事実上認めた。イベントとしての主催者がいないハロウィーンは、事前の警備計画の対象外で、安全管理上の責任があいまいだった可能性がある。

記者会見した韓国警察庁幹部によると、現場の 梨泰院 に仮装した若者が集まる毎年恒例のハロウィーンには2017~19年には30~90人の警察官を配置させた。今年は137人を派遣する増員態勢で臨んだが、「現場統制より犯罪防止中心」だったという。

韓国のKBSテレビによると、地下鉄梨泰院駅の当日の乗降客は、1年前の約5万9000人の倍を超える13万人だった。新型コロナウイルス規制が解除されたことを受けて、当局の予想をはるかに上回る人々が人気スポットに殺到したことがうかがえる。

韓国政府の安全管理マニュアルでは、自治体や民間団体が主催する行事では、安全管理計画を警察や消防当局に事前に届ける必要がある。今回は主催者がいないため、安全面での事前チェックが入らなかった。

* * * *

 

ブログ主は土地勘がないので、色々調べてみましたが、事故現場付近は下図のようになっています。

 

20221030_halloween01

 

リポーターが歩いている「世界グルメ通り」というのは国際色豊かな飲食店が建ち並ぶグルメスポットで、今回、多くの人達はこの通りに集まっていました。

というのは、元々ここはハロウィンで人が集まる場所でしたが、ドラマ『梨泰院クラブ』(2020年)でハロウィンのシーンとして使われたからです。

つまり、この通り一帯が一種のイベント会場になる事は分かっていて、最寄り駅の梨泰院駅(地下鉄)からこの通りに行くには、地下鉄出口に近い、今回事故が起きた路地〔〕を抜けるのが一番便利で、他にもこの路地と並行して走る道は幾つかありますが、この路地に人が集中する事は予測可能でした。

※路地は幅最大5.5m、最小3.2mで約40m程の長さ。駅に向かって下り坂で、下の方が狭くなっている。

ちなみに、梨泰院駅の地上は片道2車線の道路で舗道も広いのですが、この舗道も他の道と同じように大変混雑していました。そうなった時点では、事前にプランを用意していないのですから、手の施しようがなかったのでしょう。

 

問題は、例年の倍以上の人出があると迄は予測していなかった事ですが、事故の責任が問われるべきかどうかは別として、コロナから3年ぶりに解放されてのハロウィンなので、安全対策を取らなかった事は想像力の欠如と言わざるを得ません。

 

こちらは、地下鉄駅側から見た事故現場の路地。この坂道を上っていくと世界グルメ通りにぶつかります。

 

20221030_halloween03

 

下は、「世界グルメ通り」から地下鉄駅方面を臨んだ風景で、これが撮影された直後に事故が起きたそうですが、路地に入ってすぐの、ホテルの通用口(?)に上る短い階段のある所から更に数mほど下った辺りが「群衆雪崩」の先端となりました。駅に向かって下り坂になっているのが分かります。

路上で酒を飲む人もいたので、路面は濡れて滑りやすかったそうです。

 

20221030_halloween02

 

今回の事故の死傷者286名は、10畳ほど〔18.24平方メートル〕の空間にいた方だそうです。〔昨日朝の情報番組より

従って、ホテルの階段付近の集団に集中している事になります。

 

前述したように、地元の関係者は事前(事件の3日前)に打ち合わせをしていたそうです。

2022年10月31日付けの『シンシアリーのブログ』より、和訳された『文化日報』の記事の一部をお借りします。

26日、梨泰院観光特区連合会事務所で、警察、区役所、梨泰院駅長、商人連合会などが参加する懇談会が開かれた

警察関係者は「警察、区役所、駅長、商人など関連人がすべて参加した」と話した。別の安全管理主体であるソウル市は、その会議に出席すらしなかった。懇談会では、安全管理対策について議論することなく、防疫規則などについてのみ議論が行われた。大勢の市民が集まるのが自明な状況だったが、車両制限、ポリスライン設置などによる歩道の確保などの対策は設けられなかったのだ。

 

今回の痛ましい事故を教訓に、日本のDJポリスの導入も検討されているそうですが、犠牲者の死を無駄にしないようにして欲しいものです。

 

 

  


 

 

 

 

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