【韓国】植民地史観
前回のエントリーでご紹介した国民の力の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)非常対策委員長〔臨時の党代表〕の ”売国的歴史観” 発言の余波がまだ収まりません。彼は、「朝鮮(大韓帝国)は中から腐って滅んだ」という事実を言ったまでですが、韓国ではこの手の歴史観は「日本が植民地を正当化するための歴史観」=『植民地史観』だと言って「親日」〔=売国奴と同義〕扱いされます。
ところで、韓国には何故か「歴史専門講師」という肩書を持つ人物が多くいて、彼らの一部はYouTuberとして絶大な人気を博しています。
もちろん、グクポン〔国(グク)+ヒロポン:愛国麻薬に酔った〕を内容とする歪んだ歴史を教えるのですが、恐らく、そういう一人が鄭氏の発言を「(売国奴の)李完用と同じ事を言っている」と批判しました。
そして、更には同じ党の議員まで鄭氏の発言を批判しています。
以下、中央日報日本語版の記事です。
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https://www.joongang.co.kr/article/25108509#home
'친일 공방' 정진석 겨냥…한국사 강사 최태성이 올린 글
〔親日攻防、鄭鎮碩(チョン·ジンソク)狙い…韓国史講師チェ·テソンが掲載した文〕
https://s.japanese.joins.com/JArticle/296490?servcode=400§code=400
親日論争で韓国与党重鎮に怒りか…「韓国史」講師チェ・テソン氏がSNSにコメント
2022.10.12 10:51
韓国史専門講師のチェ・テソン氏が「売国奴」李完用(イ・ワンヨン)の文を共有し、与党・国民の力の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)非常対策委員長を間接的に批判した。チェ氏は11日、自身のインスタグラムに、「朝鮮が植民地になったのは旧韓国の力が足りないからであり、歴史的に当然の運命と世界的な大勢に順応するための朝鮮民族の唯一の活路であるため断行されたのだ」という文と共に李完用の写真を載せた。
こうした内容は、乙巳五賊〔→後述〕の一人、李完用が1919年5月30日に毎日新報に載せた文だ。この日、鄭非常対策委員長は韓日米軍事合同訓練を「親日」と批判した李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表に反論するコメントを自身のフェイスブックに載せた。鄭委員長は「朝鮮はなぜ滅びたのか。日本軍の侵略で滅びたのか。朝鮮は中から腐って滅びた。日本は朝鮮王朝と戦争をしたことがない」と主張した。その後、親日論争が広がった中、チェ氏は李完用の文を共有して鄭委員長を批判したとみられる。
鄭委員長のコメントには国民の力の議員も批判の声を出した。劉承ミン(ユ・スンミン)元議員はこの日、フェイスブックに「李在明の罠にもてあそばれる浅はかな発言」とし、非常対策委員長の辞任を要求した。続いて「『日本は朝鮮王朝と戦争をしたことがない?』。これが本当にわが党の非常対策委員長の言葉なのか」とし「壬辰倭乱、丁酉再乱〔=文禄・慶長の役(朝鮮出兵)〕はなぜ起きたか。李舜臣(イ・スンシン)、安重根(アン・ジュングン)、尹東柱(ユン・ドンジュ)は何のために命を捧げたか」と批判した。さらに「すぐに妄言について国民に謝罪し、非常対策委員長を辞任することを強く求める」と書いた。
金雄(キム・ウン)議員もフェイスブックで「典型的な加害者論理。高句麗も内紛があったが、なら唐の侵略で滅びたのではないということか」と批判した。これに対し鄭委員長は国会で記者らに対し、党内の一部の批判について「論評の本質を歪曲、糊塗してはいけない」と反論した。「本質とは何か」という質問に、鄭委員長は「李在明代表が日本軍の韓国駐屯を話し、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が金正日(キム・ジョンイル)非核化約束論を話したのが、大韓民国の安保を毀損する妄言であり真っ赤な嘘ということだ」と答えた。
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こういう議論を読むと、韓国人は、歴史を事実の積み重ねとか因果関係で捉えずに、先に結論を用意して、それに合ったnarrative(=物語→story)を組み立てるというのがよく分かります。
右派にしても左派にしてもこれは同じなので、「歴史を立て直す」という言い方をして、政権が交代したりすると、新たな物語りを作るわけですが、併合については右も左も一致して、「高宗〔大韓帝国皇帝〕の意志に背いて、官僚が日本に国を売り渡した」という物語りになっているので、第二次日韓協約〔1905年/乙巳条約、日刊保護条約:日本が大韓民国の外交権を剥奪〕を高宗の意を受けて署名した大臣達は『乙巳五賊』(いっしごぞく)と呼ばれ、この中でも特に李完用は売国奴の代名詞となっています。
韓国人は過去の出来事を現代の感覚で捉える ”悪い癖” があります。
韓国人は、李氏朝鮮はもとより大韓帝国も近代国家の体をなしていなかった事を認めません。大多数の人民は文盲で無知蒙昧だった事を認めません。
大韓帝国のような国家を『家産国家』と呼びます。
家産国家とは、「領土と人民と財産とを君主の私的な家産として扱うような国家。家父長制から封建的身分制的支配へ移行する時代の国家は多くこれに属する。」〔広辞苑〕、要するに王の私物の国家の事です。
李王家にとって、民草の幸福などどうでもいい事だったので、皇族の身分と引き換えに、既に財政破綻していた国の運営を放り出して、領土と人民を売っただけです。
こうした未開な国を変えようと、1884年に甲申政変〔クーデター〕を起こした金玉均は無残にも殺されました。
李完用達は自浄能力のないこの国を、清やロシアに飲み込まれるなら日本に委ねようとしただけです。
もし、乙巳五族が逆賊なら、日本統治が終わった後に李家を呼び戻して立憲君主制にでもすれば良かったのに、それをしていないと言う事は、朝鮮人も李家を倒したかったのです。
それを自分達の手でできずに日本人の力を借りた事を韓国保守も認めたくないのです。
韓国人は「中国に酷い事をやられた」、「日本には塗炭の苦しみを受けた」と文句ばっかり言いますが、自分達が不甲斐なかった事は認めません。少しは自己を内省しろと言いたいです。
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