【”徴用工”問題】「基金設立」案もダメなわけ/潜在的”強制徴用被害者”は21万8000人!?
所謂 ”徴用工” 裁判の大法院判決(2018年)は、そもそも論として、「日本による不当な支配」を根拠にしているので、これは日韓基本条約の根底を覆す〔※〕事になり、これを問題視する日本政府と、差し押さえた三菱重工の資産現金化を阻止したい〔=これさえすれば良い〕と思っている韓国政府とでは話が噛み合いません。
※「不法か/合法か」でどうしても一致できなかった両政府は「1910年8月22日以前に大日本帝国と大韓民国との間で締結されたすべての条約及び協定は、もはや無効である」(第2条)という玉虫色の表現で妥協した。
資産の現金化阻止は日本にとっては最低限の事ですが、これに関しては韓国の「国内問題」であり、現政権がどうにか対処するかないのですが、一番最近の情報では、8月8日付けで産経新聞が報じた「基金設立」案の方向で進んでいるとの事です。〔徴用工問題、「基金設立」案が有力に 韓国政府肩代わりは「困難」〕 但し、産経の記事が、ではなく、取材源の言っている事が論理的ではなく、どっちもダメなんじゃ... と思わせる内容です。
いずれにせよ、誰が出資〔韓国の記事では「出捐(しゅつえん)」という表現を好んで使う〕するかという事が問題になりますが、その一つでよく出てくるのが、「日本から恩恵を受けた企業(が自発的に...)」です。
しかし、これも、既に失敗した前例があります。
- シンシアリーのブログ(2021年6月24日):韓国の「強制動員被害者支援財団」、事前に約束された寄付金がぜんぜん集まらない・・出捐したのはポスコ1社だけ
>強制動員被害者支援財団というものがあります。行政安全部という政府機関傘下の財団で、2014年に出来たと聞きます。ご存知、個人賠償問題などで『請求権協定によって恵沢を得た韓国企業』が悪者になってしまう流れがありました。そこで、もっとも得をしたと言われているPOSCO(浦項製鉄)など韓国企業16社が、共同で300億ウォン規模の基金を作り、この財団に寄付することにしました。
しかし、それから3年経っても、ポスコしか出捐しなかった、という内容です。
◆300億ウォンの根拠は?
ところで、この300億ウォンという目標額がどのような根拠で決められたのかはこの記事にはありませんが、この数字は時々目にします。
例えば、6月29日付け『ソウル新聞』の、「 [단독] 한일 300억 기금 징용피해자 보상」〔[単独]韓日300億基金徴用被害者補償〕という記事です。
これは、『カイカイ反応通信』さんが6月29日付けで翻訳されているので、そこから訳をお借りして引用します。
>日帝強占期の強制動員被害者賠償のための解決策として、韓国と日本が300億ウォン台規模の基金を造成し、300人余りの被害者に補償する案を調整中だと判明した。加害当事者である日本の戦犯企業三菱重工業と日本製鉄(旧新日鉄住金)などは参加させない方向で議論中であり、賠償ではなく補償形態になる見通しだ。
>韓国の裁判所は、2018年10月当時の判決時点を基準に同じ案件に対する3年間の民事時効を適用し、強制動員被害者賠償訴訟を昨年10月まで限定して受け、以後に提起された訴訟に対しては棄却判決を下している。このため、現在まで有効な強制動員損害賠償請求訴訟件数は80件余りで、被害者は300人余りだ。
尚、「2018年10月〔=大法院判決〕を基準に」と書いていますが、実際には、このところ何件かは、2012年5月の差し戻し判決を起算日にして2015年5月を時効にして棄却しています。
◆潜在的 ”被害者” は21万8000人!?
ところが、8月14日付け『シンシアリーのブログ』には21万8000人、支給額は約2.2兆円というとんでもない数字がありました。
元記事が2018年当時の話を書いており、これもシンシアリーさんの訳をそのままお借りします。
>2018年10月の最高裁判所の判決以後、イ・ナギョン国務総理を中心に対策班が設けられ、後続対策を準備した。この過程で、大規模な支給する金額が問題になった。支援財団に登録された被害者支援団体だけで34個に達し、被害者として認定された者は約21万8000人余りだ。日本製鉄関連で最高裁判所の確定判決を基準に支給されるお金を1人1億ウォンだとすると、支給規模は約22兆ウォンに達する。
何度か書いていますが、日韓交渉の資料が公開(2005年)された事をきっかけに、盧武鉉政権で、日本には請求できないと結論づけ、”被害者” に未払金の精算や補助金などを支給しており、この時の人数は、約7万人です。〔→ブログエントリー〕
>同委は強制徴用について、「政府が日本に再び法的被害補償を要求するのは信義則上困難だ」とも述べた。 個人請求権は生きているが、65年協定によって行使することは難しいという趣旨だった。 代わりに、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府は、被害者補償に主力した。 07年、特別法として追加補償の手続きに着手し、15年までに徴用被害者7万2631人に6184億ウォンが支給された。
もうね、さっさと現金化して、制裁した方が良いのではないかと...
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