【”徴用工”問題】尹錫悦政権が大法院に提出した「意見書」は効果無し?【西岡力教授@文化人放送局】
韓国(朝鮮半島)の専門家である李相哲教授と西岡力教授、このお二人は、ブログ主が最も信頼できるソースを提供して下さる方だと思っています。
但し、尹錫悦政権に対する評価と言うか期待については若干スタンスが異なり、李相哲先生は、どちらかと言うと期待が根底にあり、西岡先生は、尹錫悦氏には無理だと思っているように感じられます。
もう少し詳しく書くと、李先生は「尹錫悦政権が左派と対決する意思がある」と信じていて、西岡先生は信じていない、そのように感じられ、これは、評論家的立場の李先生と、活動家的立場の西岡先生の違いによるものだと思っていますが、この点ではブログ主は西岡先生の意見に近いです。
- 文化人放送局:【韓国】資産現金化で、韓国は数百兆ウォン損失の可能性 #606-③【怒れるスリーメン】西岡×有元隆志×千葉×加藤
- 李相哲TV:(2022.8.10)韓国市民団体にメス、米主導チップ4に韓国参加か、続報:北への資金流れはあったのか
前回のエントリーでも触れましたが、尹徳敏(ユン・ドンミン)駐日韓国大使が「(現金化すると)数百兆ウォンの事業機会損失の可能性」があると警告を鳴らし、「一旦現金化を凍結すべき」と発言しました。〔記事後述〕
これを西岡力教授は、上掲の動画前半で、「『大変な事になる』と言っているだけで、事実がどうかという本質を捉えようとしない」と批判し、これでは根本的な解決にならないと指摘されています。
これにはブログ主も同感で、尹錫悦政権は、口では「日韓関係の回復」とは言っても、歴史観とかスタンスが左派政権と変わらないのです。
ところで、この動画で知ったのですが、司法に対して行政である政府が「意見書」を出すというやり方は、朴槿恵政権がやった事ですが、その為に大法院の内規を変えてやった事だそうです。
その結果、「裁判に対する不当な干渉」という理由で当時の大法院長官が逮捕されています。
従って、現在の司法が意見書で動くかと言えば疑問で、また、議会で多数派である野党「共に民主党」の代表に間もなくなりそうな李在明(イ・ジェミョン)氏が「司法に干渉するな」と批判している事から「現金化」が実現してしまう可能性が高いと、西岡先生は見ているようです。
そして、低支持率〔20%台~30%〕の尹錫悦政権は、これを抑えられそうも無いし、そこまでの信念も無いと思います。
彼が検察総長時代に朴槿恵大統領を無実の罪で刑務所送りにしたのは、政権や司法に阿(おもね)る韓国独特の検察官という仕事に忠実であるだけで、正義などどうでも良いところが見て取れるし、文在寅との対決姿勢を見せたのも、検察組織と自分の首が危なくなってからです。
文在寅の腹心である曺国(チョ・グク)氏の捜査を執拗に行ったのは、一見正義のためのようにも見えますが、彼は検察改革の立案者であり、法務部長官になってからです。
前述のように、李相哲TVの上掲の動画では、尹錫悦政権が左派と対決する信念がある前提で語っています。
やや批判的に書きましたが、李相哲先生と朴斗鎮(パク・トゥジン)先生による解説は、特に朴斗鎮先生が北朝鮮や南の主体思想派(チュサッパ)のやり方を知り尽くしているだけに、含蓄のある言葉が多く、これはまた別のエントリーにしたいと思いますが、考えさせられます。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/d9455c7e341ea397ee9079324d61a6f0b4cd1c1b
駐日韓国大使「日本企業の資産現金化、数百兆ウォンの事業機会損失の可能性」
2022/08/08 THE KOREA ECONOMIC DAILY
ユン・ドクミン駐日韓国大使は8日、植民地時代の徴用工問題をめぐる訴訟について、日本企業の資産を現金化する措置は「凍結すべきであり、外交の枠組みの中から解決策を模索すべきだ」と発表した。
ユン大使は8日、東京の駐日韓国大使館で開かれた記者会見で「現金化が進んだ場合、日韓関係がどうなるかについてはもう想像したくもないが、我が国の企業と日本企業の間で数十兆ウォンから数百兆ウォンに至るビジネス機会がなくなってしまう可能性が非常に高い」と答えた。韓国の最高裁判所が出した賠償判決を移行しようと日本企業の韓国国内での資産を売却した場合、日本も対応することになる。そうなると、韓国も対応せざるを得ない状況になる。いずれにせよ、日韓の企業の間で莫大な被害が生じる可能性が非常に高いと説明した。
ユン大使は現金化決定を通じて被害者らが得られる利益より、韓国国内の企業が失う損害の方が大きいと主張した。
彼は「日本企業の韓国国内での商品権や特許権などを売却しても(被害者らが)十分な賠償を受けられるかは疑問」であるとし、「被害者たちが受けられる賠償は極めて少額にならざるを得ない」と答えた。また、「現金化の最終段階に入っている。もはや現金化を防げる時間的な余裕はない」とし、「被害者及び、彼らを支援する団体は、外交が働けるぐらいの空間を譲ってほしいと考えている」と要請した。
日本側の共感も必要であると強調した。ユン大使は「韓国だけの力では決してできないと思うので、その過程において日本も共にこの問題を解決すべきだと思っている」とし、韓国政府の強制動員問題解決をめぐる努力に、日本政府も協力することを要請した。
一部では、韓国政府の高位人事が公開的に司法部の判決に意見を出すのは適切ではないと指摘している。徴用工被害者支援団に所属しているキム・ヨンファン民族問題研究所対外協力実長は「徴用工問題をおいて一番率先して日本とコミュニケーションをとり、交渉すべき人物が裁判所に圧力をかけ、個人の犠牲を求めるのはいかがなものか」と批判した。
ユン大使は国立外交院長を兼任した学者出身の人物である。2019年にはとある講演会で「国会が特別法を通過させ、最高裁判所がこの問題に関わらないようにさせるべきだ」と主張していた。
韓国の外交省は明日、徴用工問題解決のための民官協議会の3次会議を開催する。被害者支援団及び、代理人団は今月の3日に外交省の「最高裁判所向けの意見書提出」問題をめぐり、「信頼できない」とし、協議会に欠席すると宣言した。(東京)
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