【GSOMIA正常化】7月2日に日米韓で軍事情報が共有できていない事を白状していた朴振(パク・ジン)外交部長官
韓国政府が言う「GSOMIAの正常化」については、2019年に日本が輸出管理の厳格化をする事に対抗して、「破棄」を宣言、しかしその後、「破棄を猶予」と言い、表面上、以前と変わらず維持されていました。但し、この「猶予」とは、毎年自動的に延長されるGSOMIA〔軍事機密情報を漏洩しないという協定〕を「その都度見直す」という含みがあり、要するに、「いつでも止められるんだぞ」という脅し=韓国の外交カードのつもりでいました。
それなのに、「GSOMIAの正常化」を韓国が日本に求めると言うのも変な話で、ここから、「恐らく、あれ〔レーダー照射事件〕以来日本から情報を貰えておらず困っているんだろうな」という推理したのですが、7月に、もっとはっきり「情報の共有化ができていない」事を朴振(パク・ジン)外交部長官が言っていました。
それは『チャンネルA』という東亜日報傘下のケーブルテレビが7月2日に放送・報道したインタビュー(事前録画)の中でした。
たまたま調べものをしていて7月3日付けの『シンシアリーのブログ』を読んで気づいたものですが、元記事のチャンネルAの記事より機械翻訳して引用します。
>朴長官は2日、チャンネルAの「ニュースA」(午後7時放送)に録画形式で出演し、尹錫烈(ユン・ソクヨル)大統領の就任後初の多国間外交デビュー舞台となった北大西洋条約機構(NATO)加盟国·パートナー国首脳会議に対する成果を明らかにしました。 4年9ヶ月ぶりに開かれた韓米日会談で3国の「協力」が話し合われた中で、朴長官は「北朝鮮の核実験およびミサイル挑発で韓米日軍事協力がいつにも増して必要な時期だ」と述べました。 この過程で、北朝鮮の武力挑発を事前に防ぐため、事前警報からミサイル追跡と探知など軍事情報交換を基本にした3国の軍事協力案を検討することができると明らかにしました。
〔[단독]박진 "北 미사일 정보 교환으로 한미일 군사 협력 검토"/[単独]朴振「北朝鮮のミサイル情報交換で韓米日軍事協力を検討」(2022.07.02)〕
「今は十分な情報交換ができていない」と白状したようなものです。その為のGSOMIAなのにw
しかし、同じ番組の中で、こんな事も言っていました。
>しかし、韓日GSOMIAの正常化については、韓日関係の正常化が先行されなければならないと強調しました。 朴長官はその中の一つとして3年前に安倍晋三元首相が報復措置の一環として下した半導体3品目に対する「輸出規制」の解除が必須だとし「GSOMIAと輸出規制問題は共に解消されなければならない」と明らかにしました。
ブログ主が見落としていたのは、この頃は、まるで「GSOMIA正常化」を韓国が握っている外交カードかのように、「輸出管理厳格化を解除してくれれば正常化してやる」という言い方をしていたからです。
まあ、これは国内向けでしょうが、韓国メディアも深掘りはしないので、恐らく国民の殆どは今でも「GSOMIAは韓国のカード」だと信じているでしょうね。
ここで、もう少し遡って時系列を整理しておきます。
6月13日(現地時間)に朴長官はワシントンでブリンケン米国務長官と会談し、この中で「GSOMIA正常化」を求めました。この件では、青山繁晴議員が、「日本の頭ごしにアメリカに言った」ことを怒っていました。つまり、「日本に頭を下げてお願いすべき事だろ」という事です。〔6月21日ブログエントリー〕
これが韓国で報道されたのは14日になっており、その日にソウルで「日中韓三国協力国際フォーラム」が開催されました。
これに出席した相星孝一駐韓日本大使に韓国の記者が「GSOMIA正常化」について質問すると、相星大使の答えは「GSOMIAなら正常ですが、何か?」みたいな内容でした。〔6月14日付け『シンシアリーのブログ』〕
「うち(日本)は今のままで別に問題ありませんけど、何か?」みたいな意味ですね。相星さん、やるなぁw
この後、6月29日に、スペイン・マドリードでNATO会議が開かれ、それに参加した尹錫悦大統領と岸田首相、バイデン大統領とで「日米韓日米韓三カ国首脳会議」が行われました。安保関連で日米韓が話し合うとしたら、北朝鮮の事しかありません。
前述の朴長官のインタビューは、NATO会議の成果を報告するもので、ここではっきりと、日米韓の軍事情報交換が必要だと言ったわけです。
そして、直接は関係ありませんが、7月6日に韓国国情院が2人の元院長、朴智元(パク・チウォン)氏と徐勲(ソ・フン)氏を、2019年11月に北朝鮮に送還した漁民2人の件で告発しました。そして、12日には板門店で嫌がる2人を引き渡す衝撃的な写真が統一部から公開されました。これで、元政治家などごく一部ですが、2018年のレーダー照射事件と結びつけて語り始める韓国人識者が出てきました。
そして、8月11日に、レーダー照射の件で日韓の局長級協議が行われていると報道されました。〔→ブログ記事〕
いつから始まっていたのかは分かりません。
この事件は、日本人とは異なり、韓国人にとっては、”既に終わった事” であった事でしょう。
だから、韓国人がこの局長級協議とGSOMIA、そして漁民の強制送還事件とをどれ程結びつけて考えているかは分かりませんが、ブログ主、いえ、日本人なら「三題噺」のようなものではないでしょうか。
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