【GSOMIA】朴振(パク・ジン)外交部長官「GSOMIA再開には『輸出規制』の解除が必要」←そんな事言える立場か
2022/06/21付けエントリーで書いたように、日韓GSOMIA〔第三国に軍事機密情報を漏洩しないという協定〕自体は生きていますが、レーダー照射事件できちんと韓国が謝罪していないので、日本が情報を渡さなくなっていたのは事実だったようで、『李相哲TV』でも扱っていました。〔→李相哲TV:(2022.7.3)GSOMIAに動き、日韓正常化に北が激怒、日米韓にプランB準備か〕
これで、韓国側が「GSOMIAの正常化」をしきりに日本に求めていた理由が明確になりました。
もう一つ、前回のエントリーでご紹介した『救う会』の動画(1:22:31~)でも、西岡力教授と久保田るり子氏が、日米韓の連携強化には新政権がレーダー照射事件をどう扱うかがリトマス試験紙だ、という事を話されています。要するに、政府や自衛官の立場ではまだ拘っているという事です。これの解決、つまり、真相解明〔と謝罪〕が無ければ信頼できないという事です。
李相哲先生の動画で思い出したのですが、2019年8月22日に、韓国〔文在寅政権〕は表向きは日本の ”輸出規制” に対抗して「GSOMIA破棄」を宣言したのですが、それは国内向けのパフォーマンスで、実際は北朝鮮からの指示、あるいは、文在寅が北の意向を汲んだためではないかと言われていました。
日韓GSOMIAは、当然、北のミサイル発射に関する情報を日米韓で共有するために必要な物だったからです。
8月22日というのは、日韓GSOMIAが締結された日付が11月22日なので、破棄をする場合はその3ヵ月前に通告しなくてはならない為で、その後、アメリカに相当怒られたらしく、「破棄を猶予する」などと意味不明の事を言って、結局は継続されたのはご存知の通りです。
当時の良い記事が見つからないのですが、『レコードチャイナ』が約1年後の2020年9月7日付けで『日韓GSOMIAへの沈黙は「露骨な背信行為」と北朝鮮が批判、韓国ネットから反発の声 』として、
>2020年9月6日、韓国・ニュース1によると、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が再延長されたことをめぐり、北朝鮮メディアが韓国を批判した。
とあります。1年後に再び破棄の期限である8月22日を迎えたにも関わらず、韓国が何も言い出さなかったので金正恩が怒ったのでしょう。やはり、北朝鮮はGSOMIAを嫌っていたことが分かります。
* * * *
ここまでを前提として、マドリードでの日米韓首脳会談で改めて韓国が「GSOMIAの正常化」を持ち出し、その線で合意があった事を『東亜日報』が伝えているので、一部引用します。〔7月2日付け:한일 ‘지소미아’ 복원 빨라질듯… 반발 여론이 관건/韓日「ジソミア」復元が早まりそう… 反発世論がカギ〕
>尹錫烈(ユン·ソニョル)大統領は1日、スペイン·マドリードで開かれた韓米日3国首脳会談と関連し、「北朝鮮の核対応のために相当期間中断されていた軍事的安保協力が再び再開されることが望ましいという原則論に合致した」と述べた。 このため、韓米日首脳間の合意が現在条件付き延長状態の韓日軍事情報保護協定(GSOMIA·ジソミア)の正常化に続き、3カ国連合軍事訓練の拡大などに進むか注目される。
「復元」とか「中断」という言葉から、GSOMIA自体は維持されていても、軍事安保協力はなされてなかった〔=韓国がハブられていた〕事が分かります。
「反発世論がカギ」とは、韓国国民は、”韓国が日本に軍事情報を渡さないことで日本が困っている” と思い込んでいますから、こういう表現になるわけです。
マドリードでの合意で大人しくしてれば良いものを、韓国の朴振(パク・ジン)外交部長官がまた余計なことを言いました。〔CHANNEL A(7月2日):[단독]박진 "北 미사일 정보 교환으로 한미일 군사 협력 검토"/[単独]朴振「北朝鮮のミサイル情報交換で韓米日軍事協力を検討〕
>しかし、韓日のジソミア正常化については、韓日関係の正常化が先行しなければならないと強調しました。 朴長官はその一つとして3年前に安倍晋三元総理が報復措置の一環として下した半導体3品目に対する「輸出規制」の解除が必須だとし「ジソミアと輸出規制問題は共に解消されなければならない」と明らかにしました。 これについて外交部関係者は「来週インドネシア·バリ島で開かれるG20外相会議および今月中旬に予定されている日本訪問などで、朴長官が林芳正外相と会って本格的に議論する」と述べました。
「GSOMIAの正常化」、即ち、「円滑な情報共有」は韓国が望んでいるくせに、「GSOMIAの正常化のためには、日本が ”輸出規制” を解除しなくてはならない」とえらそうなことをほざいたのです。
自民党の「日本の国益と尊厳を護る会」などは、「GSOMIAの復元にはレーダー照射事件の解明が先だ」という事まで言っているのに、ですよ?
以下に、自民党の青山繁晴参議院議員の6月16日付けブログから再度引用します。
>韓国は ( 日本の頭越しに ) アメリカとの防衛大臣会談で、日韓GSOMIA ( 軍事情報に関する包括的保全協定 ) の復活を依頼したが、レーダー照射事件を韓国が解決しないと、GSOMIAへの復帰もあり得ない。
日本が注文を付ける立場なんです。
ブログ主は、GSOMIAを弄(もてあそ)んだのも、レーダー照射事件も、やったのは前政権なのだから、文在寅を追及する手段にもなるわけで、これを認めて「ごめんなさい」することは、尹錫悦大統領にとっては、歴史問題などよりはずっと負担が少ないはずだと思うのですけどねぇ。
まあ、大統領就任式に林外相が出席してやったにも関わらず、竹島周辺で測量をするような政権なので、文在寅政権とたいして変わらないと思っていた方がいいと思います。
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