【GSOMIA】韓国側が言う「GSOMIAの正常化」とは何? 青山繁晴議員のブログと6月14日のNHKの記事から推理
GSOMIAとは「日韓秘密軍事情報保護協定」の事で、互いに知り得た軍事機密情報を漏洩しないという協定です。
これに関し、尹錫悦(ユン・スンニョル)政権の朴振(パク・ジン)外交部長官〔=外務大臣に相当〕はブリンケン米国務長官と会談した際、「GSOMIAを正常に運用すべき」と発言したと報じられています。〔6月14日付けNHKの記事後述〕
これを聞いて、多くの人は首を傾げたはずです。なぜなら、韓国は日本の輸出管理厳格化〔2019年7月~〕に反発して「破棄」をちらつかせながらも、ギリギリでその失効の「停止」を決定したからです。つまり、現在は継続中です。
>協定は、1年ごとに自動更新されることとなっており、終了させる場合は更新期限の90日前(8月24日)までに相手国へ通告することとなっている[7]。2019年8月22日に韓国が協定の破棄を決定し[8]、日本側に伝達したが、アメリカ合衆国からの継続要請を受諾する形で、協定失効前日の2019年11月22日に開催した国家安全保障会議で協定失効通告の停止を決定した[9][10]。〔Wikipedia『日韓秘密軍事情報保護協定』より〕
但し、現在、韓国は「破棄を猶予している」いう表現を使い、「いつでも終了できる」と主張してきました。
このことから、「正常化」とは、「いつでも終了できる」という発言を撤回するだけでは?と、ブログ主のように考える方も多いと思いますが、そうでは無いようです。
以下は、自民党の青山繁晴参議院議員の6月16日付けブログからの引用です。
>韓国は ( 日本の頭越しに ) アメリカとの防衛大臣会談で、日韓GSOMIA ( 軍事情報に関する包括的保全協定 ) の復活を依頼したが、レーダー照射事件を韓国が解決しないと、GSOMIAへの復帰もあり得ない。
継続しているはずのGSOMIAの「復活」とはどういう意味でしょう?
そこで、6月14日付けのNHKの記事『米韓外相会談で韓国外相「GSOMIA 正常に運用すべき」 』からGSOMIAに関する複数の発言を拾ってみます。
まず朴振外相の発言
>パク外相はムン・ジェイン(文在寅)前政権が一時、破棄すると通告した日本との軍事情報包括保護協定=GSOMIAについて「北の脅威に対応するため、安全保障に関する協力と情報共有は日本との関係同様できるだけ早く正常化することを望む」と述べて、北朝鮮への対応のためにもGSOMIAを正常に運用すべきだという考えを示しました。
松野博一官房長官
>「日韓の間の安全保障分野における協力と連携を強化し、地域の平和と安定に寄与するものと認識している。北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返すなど、現下の厳しい安全保障環境を踏まえれば、本協定が引き続き安定的に運用されていくことが重要だ」
岸信夫防衛相
>「現場ではしっかり機能しているとは思うが、さらなる円滑な運用に向けて相互の意思疎通が行われることを期待している」
林芳正外相
>「地域の平和と安定に寄与するものと認識している。北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返すなど、現下の厳しい安全保障環境を踏まえると、協定が引き続き安定的に運用されていくことが重要だ」
>また、協定のもとでの日韓間の情報共有に、現状、何らかの支障が出ていると考えるか問われたのに対し「韓国側とは必要に応じてGSOMIAのもとで適切に情報共有を行っていく考えだが、具体的な状況については答えは差し控える」と述べるにとどめました。
最後の林外相の発言とNHKの書き方が意味深ですね。おそらく、「情報共有が円滑に運用されていない」状態なのでしょう。
考えたら、GSOMIAの破棄を外交カードに使うということは、「いつでも機密情報を漏洩することができるんだぞ」と脅しているようなものです。そんな国に軍事機密情報を渡すことができるでしょうか?
多分、今まで貰えていた情報を、日本から貰えない状態なのでしょう。
もう一度、青山議員の書いた文を見てみます。
「韓国は ( 日本の頭越しに ) ...GSOMIAの...復活を依頼した」とあります。要するに、日本に謝罪して、従来通りの運用をして下さいと言えばいいものを、アメリカに言いつけた(泣きついた?)のです。
そして、韓国に対する信頼回復の条件も書かれています。「レーダー照射事件を韓国が解決 」。
レーダー照射事件は2018年で、おそらくは北からの脱北者、それもかなり重要な人物を、北朝鮮の依頼で身柄を確保しようとしていたのでしょう。その現場を監視した自衛隊の哨戒機にミサイル発射の照準を合わせて脅したのです。
この年には済州島で行われた観艦式での「旭日旗拒否」事件もありました。
それに加えて、GSOMIAの外交カード化です。
安全保障の面で韓国は完全に日本の信頼を失ったのです。
そう言えば、尹錫悦氏がまだ大統領に就任する前の4月に韓国からやってきた政策協議団に対して、岸信夫防衛相がレーダー照射事件に言及しました。この時にもGSOMIA運用改善の要請があったのか、あるいは、それ以前から、韓国軍が不満を伝えていたのかも知れません。
>2018年の韓国海軍による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射問題など防衛当局間の懸念を解決するため、次期政権のリーダーシップに期待する意向を伝えた。面会終了後、防衛省が明らかにした。〔産経:岸防衛相、日韓当局間の解決に期待 代表団と面会〕
日本に謝罪だけはしたくない韓国側は米国になんとかして貰おうと思った...こんなところではないでしょうか。
最後に、これは日本のメディアが報じているかどうかは分かりませんが、朴振外相の「GSOMIA正常化」発言に対して韓国記者団から質問された相星孝一駐韓日本大使は、「GSOMIAならすでに正常稼働しているのに何か問題でも?」という返しをした事が報じられています。〔6月14日付け『シンシアリーのブログ』より〕
そう、GSOMIA自体は正常に稼働してるのですよ。正常にねw 〔情報を渡すとは言ってない〕
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