【嘘の国】対馬から盗まれた仏像の裁判〔補足〕
前回のエントリーの補足です。セミナーの続報があってから書こうと思いましたが、長くなるかもしれないので、もう少し裁判の経緯と、セミナーの内容に関する事(予測)を書いておきます。
韓国での裁判は、対馬の観音寺も出廷することになりましたが、何度か公判が延期されています。
2022年3月20日付け『中道日報』(중도일보)の記事から一部機械翻訳を引用します。
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日本宗教法人観音寺の要請で高麗時代の仏像金銅観音菩薩坐像に対する所有権控訴審公判期日が変更された中、仏像の真偽論争が再び火がつく見通しだ。 窃盗犯が盗んできた日本の仏像が偽物だと主張する元文化財庁鑑定委員が公判補助参加人として参加する予定だ。
20日、地域法曹界によると、大田高裁第1民事部は大韓仏教曹渓宗の副修士が大韓民国を相手に提起した高麗時代の仏像金銅観音菩薩坐像所有権控訴審を延期した。 当初3月30日の予定だった弁論期日を6月15日に変更して進めることにした。 日本対馬観音寺側が10日、今回の訴訟関連公判資料を閲覧しコピーした同日の期日変更まで申請し裁判所が受け入れたのだ。 日本観音寺が公判資料を閲覧し期日変更などの直接的な行動は初めて観測されたもので、仏像所有権を確保するために韓国裁判所に公判に積極的に参加するという意志と解説される。
特に、金銅観音菩薩坐像が高麗時代の忠清南道瑞山浮石寺で製作されたものなのかという真偽論争が今年再演されるものと観測される。
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ここに出てくる「元文化財庁鑑定委員」というのが、前回のエントリーの記事に出てきたムン・ヨンスン元文化財鑑定委員のようです。
>京畿道無形文化財のイ・ワンギュ鋳成匠が「高麗仏像と日本仏像の鋳造方式比較」に関して発表を行い、ムン・ヨンスン元文化財鑑定委員が「対馬島窃盗仏像の真偽考察」を主題に発表する。
このことから、国民情緒を刺激しないように、「贋作」というストーリーで観音寺に返却しようと考えているのでは無いかと思いますが、前回書いたように、既に炭素年代測定の結果で14世紀のものともなっています。
これをどうひっくり返すのか?というのが今回のセミナーのポイントでしょう。
日付は少し遡りますが、本日のセミナーの講師であるイ・ワンギュ氏とムン・ヨンスン氏が登場する2021年11月22日付けの『東亜日報』の機械翻訳を引用します。14世紀では無く、もっと後の時代に作られた物だと主張しています。
>ここに国内の代表的な鋳物技能保有者であるイ·ワンギュ氏(京畿道無形文化財)とムン·ヨンスン元文化財鑑定委員は「仏像が韓国伝統の蜜蝋鋳造方式で作ったものではなく、鋳型を結合する現代の分割鋳造方式で製作されたものと見られる」とし「『現代金属』であるアルミニウムを使用した時に現れる白苔〔백태:白サビ?〕も随所で発見されるなど典型的な偽作」と主張する。 彼らは仏像内部から金属に溶け込んだネジ釘が発見され、随所に薬物処理の痕跡も現れるなど、偽作の疑い事例を盛り込んだ30ページ分量の調査報告書を法廷に提出したりもした。
恐らく、セミナーではこれと同様の話+αをするのでしょう。
一方、仏像を本物であり、盗まれたものだと主張する浮石寺側は、仏像の体内から見つかった「結縁文」を根拠していますが、もう一度言いますが、それが高麗時代に浮石寺で作られた事を示していても、現在の浮石寺との関係を示すものではありません。
従って、贋作等という誤魔化しでは無く、法に則り、観音寺に返却されるべきだと思います。
以下、2017年1月の一審〔浮石寺側勝訴〕後の控訴審の争点を書いた『中央日報』(2017年3月22日付け)の記事を引用して終わりにします。
観音寺は賠償金を請求してもいいくらいです。
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https://s.japanese.joins.com/JArticle/227133?sectcode=A10&servcode=A00
日本から持ち込まれた仏像の控訴審…争点は「結縁文」の真偽
2017.03.22 06:37
2012年に窃盗犯によって韓国に持ち込まれた仏像の所有権をめぐる控訴審裁判が始まった。
21日、大田(テジョン)高等裁判所で行われた観世音菩薩坐像引き渡し請求訴訟控訴審の初公判で、検察は控訴理由について「結縁文(仏像が製作された目的を書き付けて像の中に保管した文書)が実際に高麗末に作成されたかどうか立証するほどの資料がない」と主張した。
検察側は「結縁文が実際に高麗末に作成されたかどうかについては科学的な測定結果などの証拠が全く提出されなかった」と明らかにした。検察は、結縁文に記されている「瑞州・浮石寺(ソジュ・プソクサ)」と現存する「瑞山(ソサン)・浮石寺」が同じとする見方についても疑問を呈した。
検察側は「像の中にある結縁文だけが、高麗末に瑞州・浮石寺が存在した点に関する証拠になりえるが、関連する証拠が全く提出されなかったため、瑞州・浮石寺が仏像製作当時に存在したかどうかに対する立証が不足している」と説明した。
裁判所は原告の浮石寺に「検察が主張した結縁文の真偽などを確認し立証できる証拠を提出してほしい」と要求した。また、「過去に瑞山一帯が倭寇略奪の主な場所だったのかどうかを立証できる資料もあわせて整理して提出してほしい」と付け加えた。
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