ロシアと俄羅斯(オロス)、おろしあ
ブログ主の漢字メモ。
朝鮮の王、高宗は1896年2月11日~1897年2月20日の間、ロシア公館に亡命します。このことを韓国では「俄館播遷」(朝鮮語:아관파천)というので、「俄」は「ロシア」の事だろうとは思っていたのですが、元々中国語でロシアの事を「俄羅斯」(オロス)というのだと言う事を、産経の黒田勝弘記者の名物コラム『ソウルからヨボセヨ』(2022/4/2)で知りました。
中国ではロシアを「俄羅斯(オロス)」といい、韓国でも昔はそう書いて「アラサ」といった。したがって日清戦争(1894~95年)の後、日本の勢いが強くなった韓国で、国王・高宗がロシアを頼ってロシア公使館に居を移した歴史的事件は「俄館播遷」といわれた。後にロシアが「俄(ア)〔아〕」ではなく「露西亜」の「露(ロ、ノ)」になったのは日本の影響だ。(後略)
「俄羅斯」の発音を調べて見たところ、ブログ主には「ウロス」に聞こえましたが、「俄」を「オ」と読むのは近世漢語の音だそうで〔『漢字源』より〕、現代の発音とは違っているのかも知れません。
しかし、「ロス」は何となく「ロシア」から類推できますが、なぜ、その前に「ウ」(オ)が付くのか?と思って、中文のWikipediaを翻訳して読んだところ、機械翻訳なので間違って解釈しているかも知れませんが、モンゴル語(つまり元の時代)や女真族の言葉(つまり清の時代)では、「R」の音は語頭に来ないので、母音を頭に付けたと分かりました。
ところで、「オロス」と聞いて、真っ先に思い出したのは、井上靖の小説、『おろしや国酔夢譚』。大黒屋光太夫(1751~1828)の物語です。
恐らく、中国語から来ているのだろうと想像して調べて見たところ、『知恵袋』しか見つからず、そこには「江戸時代は『ラ行』で始まるのを嫌って、頭に『お』を付けた」と回答している方がいましたが、本当でしょうか? 「蘭学」とか、ラ行の言葉は他にもありそうですが。
ソースが示されていなかったので、これは保留にしておきます。
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