【事大主義と主体思想】韓国ではなぜ「親日=極右」なのか?【2022年2月14日プライムニュース】
2月14日の『プライムニュース』は、『日韓「政治&文化論」 近くて遠いのは何故? 米中関係と大統領選挙』というテーマで、ゲストは先﨑彰容(ぜんざき あきなか)日本大学危機管理学部教授と権容奭(クォン・ヨンソク)一橋大学法学研究科准教授でした。
毎回、先崎教授の解説は非常に分かりやすいのですが、今回も韓国の右派(保守派)と左派(進歩派)の対立軸を分かりやすく説明されていたので、メモしておきます。
韓国の左派は南北統一を目指し、非常に民族主義的なのですが、これは一見、右翼的であり、なかなか理解しにくいものがあります。同様に、親日派を売国奴と呼ぶと同時に「極右」というのも、日本人の感覚では、「極左」の間違いではないのか?と思います。
先崎教授は以下のように解説されていました。〔番組の中の言葉を繋ぎ合わせたりして整えているので、教授の発言ママの引用でない事をお断りしておきます。〕
文在寅政権は左派と言われる。民族統一が左派というのは一見おかしく聞こえる。現在野党の保守派はアメリカとの同盟を重視しており、北朝鮮とは距離を置く。
これは日本の60年・70年安保闘争まで遡って考えると分かる。共産党のような左翼が自民党を批判する際、自民党を「米国に従属している」と言って批判していた。米国の帝国主義に反対するのが我々だというのが左派の考え方。尤も、彼らは中国をバックしにしていたが。
南北統一を目指すというのは、我々から見ると右翼的に見える。しかし、だからこそ独立したい(米国の従属状態から抜け出したい)のが韓国の左派。だから、左派政権の時の方が防衛費が増大する。
もう一つ、別の箇所で語った「事大主義」の説明も参考になります。
事大主義の「事大」とは「大に事〔=仕(つか)〕える」という意味で、自主性を欠き、勢力の強大な者につき従って自分の存立を維持するやりかた。
1961年にクーデターで政権を握った朴正煕大統領が韓国国民に言ったのは「事大主義になってはいけない」、「主体性を持たなければならない」という事だった。
しかし、米国に接近する韓国の右派政権を北朝鮮の立場から見ると、「アメリカのポチ」であり、主体性を欠いているように見えた。
朝鮮半島に於いて、どちら(※)が統一するか、即ち、どちらがプレゼンスを持つかという点に関し、「こちらの方が主体的で自立している」と言って出てきたのが「主体(チュチェ)思想」。実際に、60年頃、北朝鮮は中国ともソ連とも条約を結び、自立しているという自負があり、韓国は一方的にアメリカに追従しているように見えた。
※ブログ主註:北も南も相手を国とは認めていないことに注意。例えば北は、南を保守(反民族主義者達)に占領されていると見ている。
これ(朴正煕のスタンス)が韓国の保守派のマインド。それに対して、革新(進歩派)側は南北の関係を強化していく考え。2008年に保守系の李明博が大統領になってアメリカとの関係を強化すると、北朝鮮は李明博を「事大主義的売国野郎」のように批判した。
つまり、米帝国主義に追従していると言って自民党を批判する共産党と同じ論理です。
この文脈で言うと、「親日」というのは「日本という帝国主義に追従する事大主義」であり、更に、日本の肩を持つような事、例えば、「慰安婦は性奴隷ではない」という様なことを言えば「極右」となるわけです。→【追記】西岡剛教授がしばしば仰っている「左派から見た保守派」は、そもそも、大韓民国は親日派によって作られた国で、この親日派が親米派となった、という認識だそうです。この場合、日本の帝国主義の追従者がそのまま米国帝国主義の追従者になった、という説明が成り立ちます。
いずれにしても、左翼(共産主義者)の視点なのです。
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