『韓国「反日主義」の起源』雑記9 - 朝鮮ファンタジー歴史ドラマの起源
デイリー新潮の『鈴置高史 半島を読む』シリーズの最新記事『誰が大統領になっても韓国は「内紛の時代」へ 「レミング」が生む李朝への先祖返り』に書いてあった事のメモ。
ブログ主はドラマ自体殆ど観ないので、観たことはありませんが、李氏朝鮮時代を扱った歴史ドラマは、かなりこの時代を美化しているようです。
前述の記事によると、こうした歴史観は20世紀末頃に広まったそうで、鈴置氏によると、”韓国人の自省の源だった「李朝の欠陥」という苦々しい記憶も抹消され始め”、”「李朝は近代化に向け歩み始めていたが、日本の植民地化により頓挫した」との歴史観が20世紀末頃から急速に広がった” のだそうです。
そして紹介されているのが、韓国で1996年に出版(日本では1997年に翻訳・出版)された『朝鮮王朝実録』(朴永圭 著)。
200万部売れたそうですが、Amazonの商品説明には ”李成桂が王朝を開き、明治日本に蹂躙されるまで、五百年の正史を一冊に縮約。中国の圧力と新興日本の間で独自の文化を育んだ長寿の王朝を、ディテール豊かに伝える。日韓関係を大陸側から読める必須の史書。” とあります。
確かに、ウリナラファンタジー臭がプンプンしますw
鈴置氏の論考は韓国の党派の争いがテーマですが、この本には、李氏朝鮮時代の欠陥であった党争も、それを「悪」だとしたのは日帝である、と書かれているそうです。その部分だけ孫引きします。
- 韓国人は党争で朝鮮が滅びたという認識を強要されてきた。日帝強占期に日本により強要された、こうした植民地史観の根本問題は、まさに朋党政治に対する正しい認識が欠如していたことによるものだ。(191ページ)
- したがって、好ましくないと思われる党争、すなわち朋党政治は、決して植民地史観によって強要されたような「亡国的な権力争い」ではなかったのだ。(191ページ)
これを読むと、鈴置氏の言うとおり、「李氏朝鮮時代は欠陥があった」という認識がこの頃迄はあったのが分かります。そして、「その歴史観は日帝が強要」したと、日本人のせいにしていますね。
なお、『朝鮮王朝実録』の原書( 한 권으로 읽는 조선왕조실록)は、調べて見ると、改訂増補版(2004年)や改訂版(2017年)も出ているロングセラーのようで、それぞれ10点中9点以上の評価がつき、69件とか87件のレビューもついているようです。
ところで、この記事を読んで初めて知ったのですが、韓国では1度だけ議院内閣制(張勉内閣)が採られた時期があったそうです。
以下は、Wikipedia『張勉』からの引用です。
”第2共和国における実質的な権力者として国務総理に就任した張勉であるが、与党である民主党内部の新派・旧派による内紛で政権基盤の弱体化が激しく、政局の安定化に失敗した。そして政権による軍部統制の失敗[3] から、就任翌年には朴正煕を中心とする軍人による軍事クーデター(5・16軍事クーデター)が発生し、政権を追われることになった。”
制度の問題では無いってことですね。
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